発芽玄米は、そのまま炊くことをしても大丈夫です。
しかし、玄米は、健康に良さそうで、実は手間暇がかかるのです。
まず、水に浸します。
それから炒る必要があります。
玄米というと、栄養たっぷりで健康に良いというイメージがありますよね。
事実、栄養価は高いのですが、実はとある成分も含まれています。
その成分を抜く必要があるのですが、それに手間がかかります。
それでも玄米は、近年とても人気が高いですよね。
今回は、その秘密に迫ります。
玄米は炊く前に炒る?玄米が持つ成分の謎
玄米は、よくスーパーなどで売られていますが、注意しなければなりません。
炊く前に炒ることをしないと、アブシジン酸という成分により、ミトコンドリアを傷つけてしまうことになります。
なぜ、玄米にアブシジン酸という体に良くない成分が生まれるのでしょう?
通常玄米やその他の植物は、動物に食べられないようにするためか、あるいは栄養成分が逃げ出さないようにするためにアブシジン酸を発生します。
そうすると、動物に食べられないようにすることができるのです。
ところで、ミトコンドリアを傷つけられると、どういうことが起こるのでしょうか?
「細胞エネルギーの工場」と呼ばれているミトコンドリアが傷つけられると、低体温になり、不妊やガンの元になるといわれています。
また、フィチン酸という成分も併せ持っています。
フィチン酸は、アブシジン酸と同様、発芽毒と呼ばれています。
フィチン酸は、体のミネラルを排出してしまうという困った作用を持っています。
これをキレート作用と言います。
しかし、キレート作用には良い効果もあり、体に溜まった重金属や、放射性物質を便にして排出してくれます。
妊婦の方は特に注意して、玄米を食べて良いか医師の指示に従ってください。
しかし間違えないでください。
玄米は決して悪者ではありません。
そうでなければ、玄米が普及するはずがありません。
玄米は炒る、炊くという手間がかかるのに人気がある理由
玄米は、炒る、炊くといった手間がかかるのに、食べられている理由はおそらく知られているはずです。
栄養価が、白米よりずば抜けて高いからです。
玄米は「完全栄養食」と呼ばれるほどビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含んでいます。
白米100gと玄米100gとでは、天と地の差です。
昔の人が「一汁一菜」でも健康でいることができた理由は、玄米を主食としていたからです。
しかし、玄米は食べるのに時間がかかるうえ、現代人は食べ物に時間を費やす時間が短いです。
その理由で流行っているのが、少し発芽させた「発芽玄米」です。
発芽玄米なら、炒るということをせずとも、体に良くない成分が消され、食べられる状態になっています。
つまり、そのまま炊くことができます。
発芽玄米なら、玄米とほぼ同じくらいの栄養価を持っていますので、発芽毒が心配な人は発芽玄米がおすすめです
玄米を炒る方法とは?
アブシジン酸などの成分を消すためには、玄米を炊く前に、まず炒る、ということをしましょう。
良くない成分が出ないようにするために大切なことです。
玄米をフライパンで炒めて、アブシジン酸を無毒化することを「死活化」といいます。
死活化させる方法は、簡単です。
200℃くらいに熱したフライパンに、10分程玄米を炒るのです。
これだけで、アブシジン酸は機能を失います。
この後は普通に炊飯器で炊けば大丈夫です。
しかし、問題があります。
それは、おいしさを失っていることです。
おいしくない、それは、食べるうえでかなり大きな問題です。
健康に良いからまずいものを食え、と言われても、よっぽど特殊な条件でもない限り、食べる気は起きないでしょう。
どうしても食べられないという場合は、白米と混ぜて炊いてみると食べやすくなります。
おいしくないものは、なかなか続かないものです。
まずは白米の比率を多くして、慣れてきたら徐々に玄米の比率を増やしていきましょう。
玄米に慣れてしまえば、玄米もおいしく感じるはずです。
玄米の良いところとは!
玄米の良いところを5つ挙げましょう。
まず一つに、食物繊維が豊富だということです。
玄米1食分につき、キャベツ120gに相当します。
便秘解消におすすめです。
2つ目は、ダイエットに効果が期待できます。
こちらも食物繊維と関係していて、腹持ちが良くなるのです。
食物繊維が豊富ということはよく噛むので、満腹中枢を刺激します。
また、血糖値の急上昇を防ぐ、低GI食品でもあります。
3つ目は、糖尿病のリスクが下がります。
低GIであることもそうですが、様々な研究結果からそういわれています。
4つ目は、あらゆる重大な病気に対しての危険性を下げる効果が期待できます。
あらゆる重大な病気というのは、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞、それだけではなくガンなども含んだ、とても大変なガン・循環器疾患の予防になるといわれているのです。
5つ目は、アンチエイジングに繋がります。
それというのも、ビタミンEを豊富に含んでいるからです。
ビタミンEは、細胞の酸化を防いでくれますので、老けを促進させない効果があります。
また、その他ビタミン類も働きかけ、美肌に繋がります。
このビタミン類は一部を除いて、炒ること、炊くことをしても壊れません。
簡単!玄米を炊飯器で炊く方法
まず玄米を炊く前に、200℃で10分程炒ることを忘れないでください。
その後、玄米を洗います。
玄米をごしごしと洗う必要はありません。
拝み洗いと言って、優しく、玄米についている汚れやごみを落とす程度で良いのです。
拝み洗いを2~3回繰り返します。
洗い終えたら、ざるに移して水分を良く切ってください。
この後、炊くことをしますが、もし炊飯器に玄米を炊くボタンがあるなら、玄米用の水の量も釡に印がついているはずです。
印を参考にしましょう。
玄米と水を入れたら、2~3時間つけておきます。
それから、炊飯器のスイッチをいれ、玄米ご飯を炊いてください。
玄米を炊くボタンのない炊飯器の場合は、水につける時間が7~8時間は必要です。
前日から用意しておくのが良いでしょう。
水の量は玄米の量に対し、大体1.5倍で良いでしょう。
少しずつ、自分の好みの水加減に変えていくと更に良いです。
なぜ水をつけておくかというと、玄米のごわごわ感を少しでも和らげるためです。
もう一つポイントがあります。
もし玄米が少し苦くて、苦さがダメなら、炊く前に一つまみ塩を入れておくと良いです。
苦さの原因は、玄米が持つカルシウムのせいなので、塩がそれを和らげてくれます。
玄米を家族でおいしく食べよう
玄米を炒ること、そして炊くことの理由を知っていただけたでしょうか。
そこで、さらに安心して玄米を食べていただけるよう、ちょっとしたデメリットについて触れてみようと思います。
しかし、心配しなくても大丈夫です。
これらのデメリットは、簡単に覆すことのできることばかりです。
まず、玄米にはフィチン酸が含まれているので、ミネラルが逃げていってしまうと書きましたが、それ以上に玄米はミネラルが豊富です。
ちなみに、玄米に含まれているのは、フィチン酸ではなく、フィチンで、フィチンはすでにミネラルと結合している状態なので、ミネラルを体から奪うことはありません。
次に、玄米には、残留農薬が多いといわれています。
心配でしたら、無農薬玄米を買いましょう。
これで、問題はクリアです。
後は、腹持ちが良い分、消化が悪いことですが、胃腸の弱い人は、控えた方が良いかもしれません。
もし、もう一つデメリットを書き加えるなら、あまりおいしくないということです。
これはもう、食べ慣れるしかありませんね。
玄米を炊き込みご飯にするなど、食べ方も色々と工夫してみましょう。
玄米の魅力は栄養価の高さ
玄米の良いところと言えば、「完全栄養食」と言えるほどの、高い栄養価です。
アブシジン酸やフィチンと言った成分もありますが、正直、古来から食べられていて、現代もアブシジン酸やフィチンで亡くなった人の話はきいたことがありません。
ただ、妊婦の方は、きちんと担当医師と相談した方が良いかもしれません。
慣れればおいしくなってくる玄米を食べてみましょう。