コンビニのおにぎり1個でも100gを超える重さになるのですが、それでもごはんをたっぷり食べた感覚にはならないと思います。
そうなると炊飯器で炊いた玄米を80g食べたところで、おなかは満たされるのか、また食べることに意味はあるのでしょうか?
今回は玄米に含まれる糖質とそれが体に与える影響、そして玄米はたった80gであっても、食べた方がよい食材なのかを見ていきましょう。
茶碗に80gの玄米や白米に含まれる糖質やカロリーは?
低GI食品で栄養バランスに優れ、身体によいと言われる玄米ですが、糖質やカロリーも気になる部分ではないでしょうか。
例えば茶碗に80gの玄米の、糖質やカロリーがどれくらいになるかを見てみましょう。
一般的に茶碗1杯が約160gとなるため、80gは茶碗に1/2杯の量になります。
その量で玄米に含まれる糖質は約27gになり、カロリーはというと132kcalです。
白米と比べてみた場合には、同じように茶碗に1/2杯の量の80gで、糖質が約29gで、カロリーが134kcalになります。
このように見るとカロリーも糖質も、白米とはほとんど違わないように見えます。
ところが大きく違っているのが食物繊維の量で、玄米は80gに1.12g、白米は80gに0.24gが含まれています。
もしも茶碗1杯の量と考えると、玄米が約2.3g、白米が約0.5gの摂取量となるため、白米では玄米の約1/5の量しか摂れないことになります。
食物繊維の豊富さは、腸内環境が整えられたり、腹持ちがよくダイエットにもぴったりとなるため、その差は大きいでしょう。
玄米に含まれる糖質は体内でどんな働きをするの?
一般的に糖質というと、糖尿病や肥満と関係のある栄養素だと感じます。
そのため世の中では糖質制限メニューが話題になることが多く、ダイエットにもぴったりの方法と言われたりもします。
ところが糖質不足になると、精神的にイライラしたり、極端な場合は意識障害や吐き気が起こるといわれています。
これは脳や神経を正常に働かせるためには、糖質が大切なエネルギー源となり、他の栄養素では代用ができない部分があるためです。
まず糖質というものは、食物繊維と合わせて炭水化物として、栄養成分表の中に示される栄養素です。
例えば玄米を食べると、よく噛み砕いた後、唾液アミラーゼによって糖質を分解することになります。
その後、十二指腸でブドウ糖に分解され、小腸から体内に吸収され、血液によって全身に流れていきます。
そして脳が働くためのエネルギーになったり、肝臓にグリコーゲンとして貯蔵され、すぐに使わない分は中性脂肪となります。
このように糖質は玄米80gであっても、脳や運動をするために必要になったり、過剰に摂りすぎると脂肪になる、体内で重要な働きをする栄養素です。
玄米80gと1日当たり必要な糖質との関係は?
タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素は、国としても1日当たり摂ることが望ましい量を定めています。
ところが糖質を含む炭水化物の場合は、特に決められてはいません。
ただし、脂質、タンパク質の摂取量などから、どれくらいの炭水化物を摂ることが望ましいかがわかります。
その場合、1日当たりに摂る総エネルギー量の、5割以上で6割程度の摂取が望ましいようです。
そうすると炭水化物1gが、4kcalのエネルギーと考えられるので、それを参考に糖質の量を計算してみましょう。
例えば成人男性にとって必要なカロリーが約2650kcalになります。
そしてその6割を糖質と食物繊維を含む炭水化物で摂取すると1590kcalです。
こちらを計算すると、1590(kcal)÷4(kcal)が397gになるので、1日当たり約395g程度の炭水化物が必要です。
玄米80gに含まれる炭水化物が約28gとなり、そのうち糖質は約27gです。
茶碗1杯の玄米が160gとなるので、1食で茶碗1杯分を食べる場合には、395gのうちの56gが摂れることになり、糖質は54gを摂ることになります。
糖質を控えたい場合に玄米と合わせたいおかずの食材とは
玄米は栄養バランスの良さから、低GI食品と認められるもので、糖質ダイエットをする方にもおすすめできる食品です。
玄米80gはカロリーが132kcalで、糖質が27gありますが、合わせるおかずの食材によって糖質控えめのおかずができます。
まず味噌は糖質控えめの調味料なので、豆腐や油揚げとわかめなどの海藻を合わせた味噌汁はおすすめメニューです。
他の具としては、なす、かぶ、大根、ねぎなどを使い、糖質が多めのかぼちゃ、さつまいも、じゃがいもなどは避けるとよいでしょう。
食材としては、肉、魚、卵などのおかずの主役となる食材は、糖質は控えめのものが多いので合わせられます。
ただし練り製品の代表である、かまぼこやちくわなどは糖質が多めなので、控える方が望ましいです。
また洋食ではグラタンに使う牛乳やチーズなどの乳製品も、糖質に関してはそれほど気にすることはありません。
味付けはみりんは避け、ソース、ケチャップなどよりは、醤油、塩こしょう、酢などの調味料、マヨネーズを使いましょう。
またアルコールを飲む場合には、焼酎や甘さ控えめのワインを合わせるとよいでしょう。
玄米80gを消費しようとする時の運動量は?
玄米は低GI食品になり、糖質の吸収が緩やかなので血糖値が上がりにくく、80gの白米を食べるよりは空腹感も感じにくいでしょう。
それでもおいしいものが大好きで食べ過ぎた時などは、玄米80gの量であっても運動により、カロリーを消費したいこともあるかもしれません。
そのような時には激しく体を動かすよりも、身近な有酸素運動をすることが、運動が一時的なものにならないコツではないでしょうか。
例えば玄米80gは約132kcalですが、このカロリーを消費するには、運動として自転車や水泳をすると、約19分で消費できます。
この運動がハードな場合、ジョギングを選ぶと約30分、ウォーキングならさらに長くなり50分ほどの有酸素運動が必要です。
家事で掃除機掛けやお風呂掃除をすると、頑張れば約40分でカロリーは消費できることになります。
また階段の上り下りなら約17分で消費されるため、踏み台昇降運動をすることも手軽にできる運動になります。
有酸素運動は息が上がるほどの全力でするのではなく、雑談ができるくらいの運動の仕方で、長時間継続するのがよい方法です。
短時間では効果がないと思わずに、糖質から消費をされていくことを励みに、玄米を食べた分を運動で消費していきましょう。
玄米の糖質は注目のケトン体ダイエットの負担にならない?
糖質制限ダイエットはメディアでも取り上げられることが多く、外食でも炭水化物を控える人のためのメニューをよく目にします。
それとは別にケトン体ダイエットという方法も注目をされていることをご存知ですか?
これは徹底して糖質制限をすることで、糖質を分解してエネルギーを作り出すことができなくするダイエット方法です。
そして糖質からエネルギーを作り出す代わりに、ケトン体をエネルギーに変えるものです。
ケトン体ダイエットでは、豆腐や肉などのタンパク質をたっぷり摂り、他にもビタミンやミネラルを通常の食事よりも多く摂るようにします。
カロリーを気にすることなく、徹底して食材に含まれる糖質を少なくして、脂肪だけを燃やすダイエットです。
ケトン体ダイエットでは1食当たりの糖質摂取量を、20g以下にする必要があります。
例えば玄米80gに含まれる糖質は27gになるため、おかずに含まれる糖質は関係なく、玄米だけですでに摂取量が超えてしまいます。
玄米80gは茶碗に1/2杯の量なので、それさえ食べられないということは、炭水化物が好きな日本人には過酷なダイエットということになるでしょう。
糖質を制限しすぎるとケトン臭が出ることになり、体臭を気にしなければいけないので、玄米を食べながらの健康的なダイエットがおすすめです。
糖質の量がほぼ同量の白米よりも玄米を食べる方がメリットは多い
玄米はスーパーフードと呼ばれるほどに、栄養がたっぷりと含まれる、バランスのいい食材になります。
もしも同じ80gの量の米を食べるのであれば、糖質の量もほとんど変わらないため、白米よりも玄米を選ぶ方が身体にもよい影響を与えます。
また満腹感につながる不溶性食物繊維が豊富に含まれる玄米なので、白米よりも少なめの量でも満足できることになるでしょう。