病院の健康診断で肥満を指摘されると、一番初めに言われるのがダイエットです。
しかし、ダイエットと言っても色々あり、何をしたらいいかわかりませんね。
病院の場合は、まず運動を勧められます。
それでも体重が減らない場合は、年齢や性別に応じて専門の管理栄養士を紹介してくれることもあります。
体重が多すぎる場合も、運動をすることが心臓への負担になるため、先に栄養指導をします。
栄養指導による食生活改善で、ダイエットの効果を出すことを目的にしています。
それでは、食生活改善とダイエット効果についてご紹介しましょう。
食生活改善とダイエット効果の本当の意味
ダイエットという言葉そのものを、カン違いしている人がたくさんいます。
そもそも、ダイエットはただ痩せるのではなく、健康的な体を作るために、食生活を整える、「規定食」のことです。
食物繊維が「ダイエタリーファイバー」と呼ばれているのは、食物繊維には腸の繊毛運動を促したり、便の容量を増やす、余分な糖質や脂質の吸収を抑える効果があるからです。
食物繊維そのものが「規定食」にあてはまり、肥満予防や生活習慣病の予防効果があるからです。
つまり食生活改善そのものがダイエットに結びついている、ということですね。
よく、ダイエットをしたいから食べない、という人もいますが、これは本当のダイエットではありません。
単に自分の身体をいじめているだけです。
もちろん、普段が「食べすぎ」の人は、食の量を減らすことで、甘やかしてきた自分の身体に鞭を打つというのも大切になります。
しかし、決して太っているわけではない、比較的痩せ気味の若い人に限って、自分が太っていると気にしている人がいます。
そして食べずに痩せる、食べずにダイエットをする、と言います。
ただでさえ、ちょうど良い体型や、むしろ不足している体型なのに、それ以上いじめてどうするのでしょう。
自分の身体だって、あまりいじめられると怒りますよ。
身体の逆襲に合えば、痩せにくい身体になってしまったり、体調を崩したり病気になることもあります。
それは、ダイエットでも何でもありません。
ダイエットが本当に必要な人は、本やネットの情報だけでなく、管理栄養士の指導の下で正しいダイエットをしましょう。
食生活改善ダイエットをする前に知っておくこと
食生活改善をしてダイエットをする前に、自分の身体をよく知りましょう。
まず、皆さんは適正体重ですか?
適正体重は、BMI値という計算で出すことができます。
BMI値=体重(kg)÷〈身長(m)×身長(m)〉
この計算方法で出た数値が、18.5~25の範囲内であれば、普通体重になります。
年齢が40代を超える場合は、20以上が普通体重になります。
50代を超えた身長が165cm以下の人は、身長(cm)から体重(kg)を引いた時、100が残ると普通体重と言っても良いでしょう。
年齢が上がると数値が上がるのは、数値が低い人の中に、筋肉量が不足していたり骨密度が低下している人がいるからです。
特に、体重が少ない小柄な人は、骨量そのものが少なく、大柄な人よりも早く「骨粗鬆症」になりやすいと言われています。
骨密度が心配な人は、自治体で「骨密度検査」というものをやっています。
レントゲンと同じ放射線をつかいますので、5年以上あけて1回くらいの検査をしてみましょう。
骨密度の数値に問題がなければ、そのままの食生活と運動を心がけましょう。
BMIの数値が25を超えた場合でも、30未満の「肥満度1」ならまずは運動をします。
普段、車で行く買い物に自転車を使う、歩いていく、エレベーターではなく階段を使う、といった工夫をします。
特に、25をほんの少し超えたくらいの場合は、食事制限よりも効果があります。
食生活改善によるダイエットをする前に、こういったことをしっかりと知っておかないと、効果が上がるどころか、逆効果になってしまいます。
気を付けましょうね。
食生活改善ダイエットの効果が高い肥満
BMI値が30を超えた肥満度2以上の人は、食生活改善の必要があります。
水を飲んでも太ると言いますが、本当ですか?
ついつい、何かをつまんでいませんか?
安いからと、食材を余分に購入していませんか?
BMI値が30を超えるという人は、身長155cmの人で体重が72kgを超える人です。
洋服のサイズも15号から17号、または3L以上になりますね。
しかし、身長が足りないため、スカートが長すぎたり腕が長すぎて、服選びに困るというのがBMI値30以上の人です。
30を超える人は、まず自分の食生活を見直しましょう。
30を超える人のほとんどは、食生活のバランスが悪いというのも特徴です。
もちろんホルモンのバランスや腎臓の病気で、体重が落ちないという人は病気が原因ということもありますので、その場合は医師との相談になります。
無理はしないでください。
肥満の人の特徴は、まず動きません。
食べています。
そして昼夜逆転している人も多いです。
甘いものが好きというのも特徴的です。
スーパーの買い物かごを見ると、甘い炭酸飲料、スナック菓子、揚げ物を購入する姿を良く見かけます。
見ている方が胸やけをしそうなものを、次々と買い込んでいます。
その割に野菜や果物、肉や魚があまり入っていません。
本当にバランスが悪いです。
低糖質ダイエットというのがありますが、まさに糖質過多肥満です。
こういった人は、食生活改善によるダイエット効果が高く、少し見直すだけで体重が落ちやすいのが特徴です。
ほんの少し、自分の食生活を見直してバランスを考えてみましょう。
まずは、飲み物を変えることから始めてみましょう。
1日2本のペットボトルの甘い清涼飲料をお茶に変えるだけでも、400キロカロリーを減らすことになります。
ただし、若い頃に運動をしてたために、筋肉質で骨も太いという人は、見た目よりも体重が重いこともあります。
筋肉質で骨太の人は簡単に痩せません。
しかし、筋肉があって骨が太いことは良いことです。
食生活改善をするなら、それまでに食べていた動物性たんぱく質を、植物性たんぱく質に変えて、スポーツ飲料の摂取をやめる、というところから始めてみてください。
自治体の食生活改善教室に参加してダイエット効果を上げる
BMI値が30を超えると、運動をしたくても心臓の負担を考えて、まずは食生活の改善でダイエットを始めることになります。
それでは、食生活改善では何をしたらいいでしょうか。
最近は情報社会となり、「ダイエット」と検索するだけで何万というサイトがヒットします。
ダイエット本も多く出回り、医師や薬剤師、管理栄養士が書いたものから、素人が書いたものまで様々です。
しかし、そんなお金を掛けなくても、皆さんの身近に相談に乗ってくれる人がいます。
まず、健康診断をした病院や自治体の栄養指導を受けましょう。
今、高額な医療費の問題で、どこの自治体も生活習慣病の予防ができることは、できるだけ助成しています。
例えば、病院の健康診断を受けた後、肥満を指摘されたら管理栄養士や栄養士による食生活改善指導なども行っています。
定期的に食生活のチェックをしてもらうことで、かなりの効果が見られます。
時間がない、仕事のストレスでつい食べてしまう、という人は、職場の栄養指導を受けることもできます。
仕事をしている場合は、健康を害すると雇用先の健康保険が適用されますね。
毎月、給与を支払って働いている社員が、生活習慣病で倒れたり、寝たきりになったら大変な損害です。
こちらもできるだけ余分な出費は押さえておきたいものです。
そのため、各企業には健康管理センターや会社の産業医という医師がいます。
かかりつけ医という人がいる企業もあります。
肥満を指摘されたら、産業医のもと栄養指導を受けましょう。
自治体では、栄養指導の他、料理教室や健康体操、ヨガ教室などを開いていることもあります。
あまり若いと利用が難しいこともありますが、100円200円で受けることができます。
自治体の広報誌などにも載っていることがありますので、チェックをしてみて下さい。
間食の食生活改善で効果的なダイエット
食生活改善で、飲料を変えるというお話をしましたが、糖質過多は確かに肥満のもとです。
そして一番減らすことができる部分です。
しかし、糖質を必要以上に減らすと、痩せるどころか病気になります。
必要な糖質は摂っても良いのです。
ただし、エネルギーに変えましょう。
以前、母親が子どもにスポーツ飲料を飲ませすぎて脚気にしてしまったというニュースがありましたが、脚気はビタミンB1不足で起こるといわれています。
糖質をエネルギーにするときに必要なビタミンB1が不足すると、脚気という恐ろしい病気になりますが、それ以前に太りやすくなります。
マイナスにして痩せるのではなく、プラスにして痩せる、という効果的なダイエット法の一つとして、ビタミンB1を多く含む食品を摂りましょう、という話があります。
同じように、たんぱく質や脂質をエネルギーに変えるのが、ビタミンB2です。
B1もB2も多く含むのが、アーモンドをはじめとするナッツ類になります。
モデルさんの多くが、アーモンドやナッツを持ち歩いている、と言われるのはこういった理由です。
同じように、鉄分や銅、亜鉛・ビタミンを豊富に含むのがチョコレートです。
チョコレートでダイエット、という商品も多く出ていますね。
しかし、ナッツやチョコレートは脂質も多く、食べすぎれば肥満にもつながります。
チーズも高たんぱくで低糖質の食品です。
チーズは最近流行の低GI食品になります。
どうしても食事の前に我慢ができなかったら、チーズを一切れつまむのも良いでしょう。
しかし、いくら身体に良くても、食べすぎはほどほどにしましょう。
間食やおやつを食べるなら、ポテトチップスやクッキーといった糖質や脂質ばかりのものではなく、チョコレートやチーズ、ナッツに置き換えてみましょう。
間食は我慢したから痩せるというわけではありません。
間食も上手に摂って、効果的にダイエットにつなげるのも一つです。
食生活改善をしてもダイエット効果がない
摂取するカロリーを減らしても、食生活改善をしてもダイエットの効果がない、という場合には、いくつかの可能性が考えられます。
まずは、元々の体重が標準以下の場合です。
BMI値で20以下なのに、痩せたいとダイエットをする人がいます。
確かに、モデルさんやタレントさんは、皆さん細くてスマートですね。
しかし、ただ痩せているからスタイルが良いというわけではありません。
いくら細くても、ただのガリガリではキレイとは言えませんね。
まず、モデルさんの多くは女性でも身長が170cmを超えています。
体重も50kgを超えている人がほとんどです。
細く見えるのは足が長いからで、決してガリガリというわけではありません。
次に食べる量が少ないために、基礎代謝が下がってしまっている場合です。
基礎代謝が低いと、同じ量を食べてもエネルギーにすることができず、脂肪として蓄えられてしまいます。
食生活改善=食べる量を減らすと思っている人が陥りやすいミスです。
食べる量を減らすと初めは体重が減りますが、一定の体重まで減ると、今度は横ばいになったり増えることもあります。
量が少ないために便秘にもなりやすく、逆に太る原因になってしまいます。
お風呂の時も浴槽に入らずに、シャワーで済ませる人も基礎代謝が下がります。
夏でもしっかりと身体を温めましょう。
動かない人もダメです。
一定の体重が減ったら、動きましょう。
ただ動くのではなく、効率の良い歩き方や運動の仕方、というのもあります。
普段から運動不足を感じている人は、ある程度痩せたところで、健康と体重を維持するためにも運動を取り入れましょう。
最後に持病がある人です。
薬の副作用や病気によっては、むくんだり体重が落ちないこともあります。
原因が明らかな場合は医師と相談をして、健康を保つことを優先してください。
食生活改善の本当の意味を知る
ダイエットは、健康的な体を作るための規定食のことです。
食生活改善そのものといっても良いです。
痩せることで健康を保つのはとても大切なことです。
肥満が健康には良くない、というのは事実です。
しかし、やみくもに食べる量を制限するのではなく、バランスの摂れた食生活改善を心がけましょう。
人生80年、残りの人生も健康で若々しい自分で生きていきたいですね。