健康に良いといわれる玄米ですが、ご家庭でも簡単に炊けることをご存知でしょうか。
玄米炊飯モードの備わった炊飯器はもちろん、圧力鍋や土鍋、普通の鍋でも炊けますよ。
今回は、家族が1回に食べるご飯の量として最適な3合の玄米の炊き方を調理器具別にご紹介します。
また、「びっくり炊き」と呼ばれる伝統的な超時短炊飯方法も、併せてご覧ください。
玄米3合の炊き方のポイントは下準備にあり!
4人家族であらば、一食にお米3合はちょうどいい量です。
では、玄米を3合炊くためには、どうすればよいのでしょうか。
玄米の炊き方で最も大切なのが、吸水です。
玄米とは、もみ殻だけを取り除いたお米なので、一般的な白米に比べて外皮が硬く、水が浸透しにくいという性質を持っています。
おいしく炊くためには、いかにお米に水を吸ってもらうかが、ポイントになるのです。
そのため、玄米の炊き方には多少の手間がかかります。
といっても、毎日のルーチンワークにしてしまえば、どうってことありません。
それではさっそく、炊き方を順を追ってご紹介しましょう。
まずは下準備です。
①玄米を軽く洗う
玄米3合をボウルに入れたら水を注ぎ入れ、軽くかき回すと小さなお米やもみ殻、ゴミなどの不純物が浮いてくるので手で取り除きます。
水を取り替えながら、2~3回この作業をしてください。
②拝み洗いをする
玄米を両手に取り、拝むようにこすり合わせて外皮に傷をつけます。
傷口から水分が吸収されることで、ふっくら柔らかく炊き上げるためです。
この洗い方を拝み洗いといいます。
2~3回繰り返したら次の工程に進みます。
③浸水させる
洗った玄米を水に漬けます。
玄米は硬いため、白米より長く漬けておきましょう。
6時間以上、できれば一晩水に漬けておくのがおすすめです。
朝の分は前日の夜に、夜の分は朝食の後にセットしておけば楽ですよ。
ここまでが、玄米炊飯のための下準備です。
下準備さえきちんとできれば、玄米炊飯はうまくいったも同然です。
次からは、いよいよ炊飯の工程に入ります。
炊飯器を使った玄米3合の炊き方
まず、炊飯器を使った炊き方です。
最近の炊飯器には、玄米モードが設置されているものが多く、面倒な下準備なしで炊飯できるものもあります
お使いの炊飯器によって炊き方はいろいろなので、まずは説明書に記載されている方法や分量で炊いてみてください。
一般的に、玄米を炊くには、白米より多めの水を必要とします。
3合の玄米を炊くには、3合分以上の水を入れなければなりません。
そのため、3合炊きの炊飯器では、玄米3合は炊けないと思ってください。
玄米を3合炊きたいなら、5合炊き以上の炊飯器をお使いくださいね。
それでは、玄米3合を炊飯器で炊いてみましょう。
まず、浸水させた玄米をざるに上げ、水を切ります。
炊飯器のお釜に水を切った玄米3合と、水約600~650mlを入れます。
水の量はお米の1.1~1.2倍くらいがいいでしょう。
後はスイッチを入れるだけです。
炊き上がったらそのまま20分くらい蒸らしましょう。
天地をひっくりに返すように、大きくサックリと混ぜたらできあがりです。
玄米モードがない炊飯器では、炊けた後水を60ml足して軽くかき混ぜ、再び炊飯させます。
炊き上がったらそのまま20分蒸らしてから天地をひっくり返すと、ふっくら柔らかな仕上がりになりますよ。
圧力鍋を使った玄米3合の炊き方
圧力鍋をお持ちのかたは、ぜひ玄米を炊くのにお使いください。
驚くほどモチモチに炊けます。
蒸気を逃さず圧力でしっかりと炊き上げるので、短時間でおいしい玄米ご飯ができるのです。
それでは、圧力鍋での炊き方をご紹介しましょう。
浸水させた玄米3合を、一旦ざるに上げて水を切っておきます。
圧力鍋に水を切ったお米と、水600mlを入れましょう。
水の量は玄米の1.1~1.2倍程度です。
併せて海塩も入れるとふっくら柔らかく仕上がるうえ、ミネラルも補給できます。
塩の量はひとつまみでOKなので、3合なら小さじ2/3杯程度加えてみましょう。
全体を大きくかき混ぜたら蓋をして、高圧で強火にかけます。
沸騰して来たら30秒~1分そのままにし、弱火にして20分炊きます。
再び強火にして水分を飛ばし、火を止めてください。
焦げ付き防止のために鍋をコンロから下し、蓋をしたまま10分間、圧が下がるまで蒸らします。
蓋を開けて、天地をひっくり返すように大きくサックリと混ぜ合わせたらできあがりです。
圧力鍋の場合、玄米がおこわのようにふっくらモチモチになるため、浸水しなくてもいいといわれるほどです。
とびきりのおいしさに驚き、虜となることでしょう。
土鍋を使った玄米3合の炊き方
お米好きのかたからおいしいと評判なのが、土鍋を使った炊き方です。
熱の伝導がゆっくりな土鍋は、玄米の内部にじわじわと火を通していくため、素材本来の旨みを逃さず、おいしさを引き立ててくれます。
それではさっそく炊き方をご紹介しましょう。
浸水させたお米はいったんざるに上げて、水を切っておきます。
土鍋に水を切った玄米3合と、水750ml、海塩小さじ2/3杯を入れて大きくかき混ぜます。
水の量は圧力鍋より多めです。
玄米の1.2~1.5倍くらいがいいでしょう。
お好みの硬さになるまで、何回か量を変えてお試しください。
蓋をしたら中火にかけます。
はじめから強火にかけると土鍋の底が濡れている場合、割れてしまう可能性があります。
また、できるだけじわじわと加熱させることでうまみを閉じ込め、しっとりと炊き上げるので、中火で沸騰を待ちましょう。
沸騰してきたら、弱火にします。
25分くらい経つと、蓋の穴から勢いよく出ていた蒸気が弱まってきますよ。
蓋の淵でブクブクしていた泡もなくなってきます。
水分がなくなって来たら(ピチピチ音がします)いったん強火にし、30秒くらいたったら火を止め、そのまま10分蒸らします。
蓋を開け、天地をひっくり返すように大きくざっくり混ぜ合わせたらできあがりです。
香ばしい香りと、底に張り付いたおこげが魅力です。
さっぱりとしたおいしさに病みつきになりますよ。
普通の鍋を使った玄米3合の炊き方
玄米は、炊飯器か土鍋、圧力鍋でなければ炊けないイメージですが、ステンレスやホーローなど、普通の鍋でも炊けます。
さっそく炊き方をご紹介しましょう。
浸水させた玄米3合は、ざるに上げて水を切っておきます。
鍋に水を切った玄米と、1000mlの水、海塩小さじ2/3杯を入れてかき混ぜます。
水の量は玄米の約2倍ですが、お好みの硬さに合わせて調整してください。
蓋をしたら強火にかけます。
沸騰してきたら弱火にし、50分炊きます。
その後、20秒くらい強火にして余分な水分を飛ばしてから火を止めてください。
そのまま10分蒸らします。
蓋を開けて、上下をひっくり返すように大きく混ぜ合わせたらできあがりです。
水をやや多めに炊飯時間をやや長めにすれば玄米に限らず、お米全般、普通の鍋で炊けます。
モチモチ具合は圧力鍋に劣りますが、炊飯器を使わずにお米が炊けること自体、衝撃ですよね。
サバイバルな感覚を味わえそうです。
浸水しないから簡単!玄米のびっくり炊きとは?
玄米は浸水させるのが面倒でイヤ、というかたもいらっしゃることでしょう。
ところが、浸水させずとも、洗ってすぐに加熱できる炊き方があるのです。
「びっくり炊き」といって、米どころ秋田県に伝わる伝統的な炊飯方法です。
うどんを茹でるときに途中で入れる冷水を「びっくり水」というように、玄米を炊いている途中で差し水をすることから「びっくり炊き」と呼ばれています。
それでは、玄米3合でのびっくり炊きをご紹介しましょう。
お米を軽く洗ったら、普通の鍋や土鍋に入れ、水を玄米の1.2~1.5倍入れます。
3合なので水700mlを入れましょう。
蓋をして、はじめから強火にかけてください。
15分位すると香ばしい香りがしてきて、蓋を開けると水分が減っているのがわかります。
やがて焦げ付くようなピシッピシッという音がして来たら、玄米の0.8~1.2倍ほどの冷水を入れてください。
3合なので180mlの水を入れます。
かき混ぜて再び蓋をして加熱しましょう。
煮立って来たら弱火にして、15分ほどたったら火を止めてそのまま10分蒸らします。
蓋を開けて、天地をひっくり返すように大きくかき混ぜたらできあがりです。
ふっくら柔らかく炊き上がるので、びっくり炊きは炊き上がりのカサが多いのが特徴です。
途中で入れる差し水が刺激となり、玄米の外皮が破け水分を吸収しやすくなるためといわれています。
浸水の手間を省きたいなら、びっくり炊きをぜひお試しください。
玄米の炊き方はコツさえ押さえればとても簡単!
玄米は洗米や浸水を怠らず、白米より多めの水加減で海塩を加えて炊けば、ふっくらおいしく炊けます。
炊き方も基本的には、強火もしくは中火→弱火→火を止めて蒸らす、の3ステップでOKです。
炊飯器はもちろん、圧力鍋や土鍋、普通の鍋でも炊けるうえ、びっくり炊きにすれば面倒な浸水も不要です。
健康に良い玄米の生活に、あなたも切り替えてみませんか。