玄米には栄養がたっぷりと含まれているので、体内に栄養素を入れるためにも、ぜひ食べたいと思っている方は多いことでしょう。
ところが、白米を食べ慣れた人には、炊飯の時に手間がかかることや、食べた時にも白米とは違う食感に、少し受け入れがたい感覚を覚えるはずです。
そのような方におすすめなのが3分づきの玄米(3分づき米)ですが、栄養面では玄米とどう違うのかその特徴をご紹介します。
3分づきの玄米とは?
3分づきの玄米に興味は持ったけれど、「一体どんな特徴を持った食品なの?」と思われてはいませんか?
この疑問に対してわかりやすく言うと、3分づきの玄米とは、精米率について表す言葉です。
3分づきのものは、玄米のヌカ層を3割削ったものとなり、一般的には「3分づき米」と呼ばれることが多くなるようです。
そして玄米には、玄米、3分づき米、白米として食べるものの間にも、分づき米の種類として5分づき米、7分づき米があります。
玄米を精米する中で、まだ5分しか精米されていない状態のことを、5分づき米と言い、7分の場合は7分づき米となります。
この違いとは、数が小さいほどに精米率は低くなり、炊飯器で炊いた時にも、玄米に近い状態になっています。
そして精米率が高くなるほど、見た目の色も風味も白米に近づきます。
つまりは3分づき米とは、玄米の栄養と白米の食べやすさのいいとこどりをした、お米になると言えるのではないでしょうか。
栄養価UPのための浸水時間や水加減はどうなる?
玄米は栄養がたっぷり含まれていますが、白米に比べて歯ごたえがあり、そのまま炊くと消化にもよくない特徴があります。
そのため玄米は、お米の甘みを増して栄養価をUPさせ食べやすくするため、玄米にしっかりと水を含ませるように、浸水させることをすすめられています。
その場合には、12時間以上の浸水時間を用意することが望ましくなります。
ところで、3分づきの玄米の場合には、その浸水時間をどれくらいとるのがベストなのかが気になりませんか?
こちらについて調べてみると、玄米よりも3分づきの玄米の方が、浸水時間は短くてよいこととなります。
その場合の浸水時間は8~10時間程度でよいでしょう。
また水加減については、3分づきの玄米を1として、1.7倍の水で炊けばふっくらとおいしいごはんが炊けます。
そして5分づき、7分づきのものと、精米率が上がり白米に近づくほどに、浸水時間もさらに短くなり、水加減も少なくなっていきます。
玄米と3分づき米に含まれる栄養素の違いは?
玄米には精米をすることで奪われてしまう、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
では、3分づきの玄米の場合は、栄養価はどうなっているのかが気にならないでしょうか。
まず3分づき米は、玄米からヌカ層を削りとることになります。
ヌカの部分には腸内環境を整える食物繊維や、乳酸の代謝を助けるビタミンB1が含まれるため、量は約半分に減少します。
それでも元々40種類という栄養素が豊富に含まれている玄米です。
国のある資料によると、食物繊維は白米の2倍以上、ビタミンB1で4倍以上は、3分づき米であっても栄養はきちんと保っているようです。
そしてミネラルでは、骨や歯の発育に必要なマグネシウムは、白米に比べると3倍、血液の成分になる鉄も2倍の量が残っています。
ビタミンB群のナイアシンは8倍、葉酸で白米の2倍以上は栄養は残っています。
このように3分づき米は、玄米よりも減少しますが、栄養はまだ豊富に保てています。
そのためよく噛んで食べることで、消化も良くなり、体内に栄養はしっかりと吸収されるでしょう。
3分づきの玄米のカロリーを知りたい
3分づきの玄米は白米に精米する際に、ビタミンB1などの豊富な栄養素の一部が、削り取られてしまうことが分かりました。
そうなるとカロリーに関しても、玄米と違う部分が出てくるのかが気にならないでしょうか。
国のある資料によると、玄米のカロリーは100gの玄米では165kcalになり、半づき米と呼ばれる5分づきの玄米の場合は100gが167kcalです。
具体的な3分づきの玄米のカロリーについては資料が見当たらないのですが、約165kcalと考えられます。
お茶碗1杯に中盛で150~160gなので、食事の時に出てくる3分づきの玄米のカロリーは、お茶碗1杯で約250~265kcalということになります。
また、精米されたお米のカロリーはというと、100gあたりが168kcalとなっていて、3分づきの玄米よりも少しカロリーは高めのようです。
そして白米よりも3分づきの玄米の方が、食事の時によく噛んで食べる必要があります。
もしもカロリーのことを第一に考えるならば、満腹感を得て間食をしないためにも、白米よりは玄米を選びたいものです。
健康の敵の発芽毒は3分づきの玄米にも残っている?
栄養が豊富で、身体にいいと言われる玄米ですが、実は身体に悪い要素も持ち合わせています。
それが玄米に含まれる発芽毒であるアブシジン酸ですが、3分づきの玄米にも含まれているのかが気になります。
そもそもアブシジン酸は、玄米の薄皮のヌカの部分に含まれる、植物の発芽を調整する役割を持つ、植物ホルモンの一種です。
3分づきの玄米は、玄米のヌカの部分を3割削ったものではありますが、炊くと玄米の香りや色合いは残っています。
そこからもわかるように、まだヌカを少し削っただけの状態なので、アブシジン酸の影響も残ります。
この影響をなくすためには、玄米ならば浸水をさせることで、アブシジン酸の毒は無毒化されることになります。
そして3分づきの玄米の料理法としても、そのようにすすめていることもあるようです。
ただし浸水時に、精米時に傷ついた部分から水が入り、それが元となりアブシジン酸が増えてしまう可能性も残されています。
そのため、精米するならば7分づきのような、7割以上ヌカを削った米を選び食べる方が、健康を気にする上ではおすすめできます。
栄養面で気になる低GI食品には3分づきの玄米もあてはまる?
健康のためには食べたほうがいいとおすすめされる低GI食品には、栄養豊富な玄米も含まれることをご存知でしょうか。
そもそも低GI食品とは、炭水化物を含む食品の、血糖値の上がり方がゆるやかであるものを指す呼び名です。
血糖値が上がりやすい食品を食べ続けると、内臓脂肪型肥満になり、すい臓に負担がかかり、生活習慣病にもなりやすいようです。
一方で低GI食品を好んで食べた場合は、血糖値の上昇が起こりにくく、すい臓への負担も減らせて、中性脂肪や糖尿病のリスクまで減らせることが期待できます。
そこで3分づきの玄米は、低GI食品と呼べるのかを調べてみました。
すると、ある資料によると玄米の場合は55、また5分づきの玄米でも58という数値も確認できました。
一般的に低GI食品とは、GIの値が55以下のものを指すようです。
そのため3分づきの玄米は、55を超える可能性が高いため、低GI食品とは言い切れません。
ただし玄米は歯ごたえがあり、含まれる炭水化物が体内での消化や吸収が遅い面が、血糖値の上がりにくい理由になります。
3分づきの玄米の場合、玄米の特徴が強い食品のため、GI値は低いと考えられるのではないでしょうか。
3分づきの玄米の栄養価は白米よりも玄米に近い
3分づきの玄米は、見た目や香りも白米よりは玄米に近く、カロリーも玄米とほぼ同じであることが分かりました。
そして栄養も玄米より含有量は減りますが、白米よりも高い栄養価があるようです。
また、含まれる発芽毒については、浸水をすることで無毒化できるかに疑問が残るため、健康のために3分づき米を食べるなら、玄米の方がおすすめです。