カロリー控えめで健康にもよく、一般的な食品よりも栄養が豊富である食材をスーパーフードと呼びます。
玄米も40種類の栄養素を含むスーパーフードで、おいしいだけではなく身体にいい、栄養バランスの取れた食品になります。
例えば玄米50gに含まれるカロリーについて、またその栄養のどのような部分に身体にいい要素があるのかを見てみましょう。
50gのカロリーを玄米と白米で比較すると?
ここ数年は糖質制限の方も食べられる、外食メニューについてのニュースが、目立つようになってきました。
牛丼屋さんでは白米の代わりに豆腐が、お寿司屋さんですらシャリの代わりに野菜の酢漬けが、利用されるようになっています。
このように糖質について気にする人が多くなった中では、改めてごはんのことを見つめ直したくなりますよね。
そこで、玄米と白米のカロリーについて、見てみることにしましょう。
いったい玄米のカロリーは、50g(茶碗1/3杯)ではどれくらいあるのか、また白米と比べるとどうなのかを比較してみます。
例えば寿司のシャリが一貫で20g前後になるそうなので、50gは回転寿司で食べる大き目のシャリのお寿司で、約一皿と考えるとよいでしょう。
その場合は玄米は50gで約83kcalあり、白米の場合は約84kcalとなっていて、ほとんど変わりはありません。
ちなみに糖質の方は玄米が50gで約17g、白米の場合は約18gとなりますが、こちらもほぼ同量となります。
ただし玄米と白米を比べた時のカロリーも糖質も、玄米の方が少し控えめになっているようです。
カロリーはほぼ同じ!なぜ玄米の方が白米よりダイエット向きなの?
糖質制限ダイエットのことがあるので、ごはんを控えめにされている方も多いのではないでしょうか。
そんなダイエット生活の中で、玄米と白米はカロリーはほぼ同じなのに、玄米の方がダイエット向きという情報を耳にすることはありませんか?
これは大きい理由としては、玄米の歯ごたえのある食感と、食事をして上昇する血糖値が関係しています。
まず玄米の歯ごたえは、脳の間脳と呼ばれる部分の、視床下部(ししょうかぶ)の満腹中枢に影響を与えます。
玄米をよく噛んで食べることは、白米を食べるよりも長い時間かけて食事をすることになります。
その結果、血糖値がゆっくりと上昇することになり、満腹と感じるまでに時間がかかります。
ゆっくりと噛むことで栄養素が分解され、血液中のグルコースが満腹中枢を刺激し、玄米を食べたときの方が満足感を得られるのです。
またよく噛む行為というのは、脳内のヒスタミンを増やすことにもつながり、それが満腹中枢を刺激し、食事の後も空腹感を抑えます。
他にも視床下部には接触中枢がありますが、空腹を感じた場合には、脂肪酸が接触中枢を刺激していることになります。
白米を食べるよりも空腹感を感じにくい玄米は、これが起こりにくいことになるのです。
そのため玄米を50g食べる方が、同量の白米を食べるよりも栄養も摂れ、おなかも満足することになるので、ダイエット向きとなります。
玄米50gの炊飯前と炊飯後のカロリーは?
お茶碗に入ったごはんとして出てくる玄米と、炊飯前のお米の玄米では、同じ50gでも量は違います。
例えば炊飯前のお米の玄米50gは、カロリーにするとどれくらいになると思いますか?
国のある資料によると、炊飯前の玄米50gのカロリーは、175kcalであるとされています。
一方で白米50gは178kcalとなり、玄米のカロリーとはそれほど大きな差ではないようです。
またこのお米を炊いた場合には、一般的なお米からごはんへの換算は、「お米の重さ×2.2=ごはんの重さ」となっています。
例えば50gのお米を炊くとすると「50×2.2=110g」という計算式で表せます。
つまり50gの玄米を炊飯器で炊いた場合は約110gの玄米ごはんの量になり、通常はお茶碗1杯が約150gとすると少な目の盛り方になります。
そしてこの玄米ごはん110gをカロリーで表すと182kcalです。
ちなみに約110gのごはんというと、あるコンビニのおにぎり(南高梅)が1個で約100gの重さですからイメージしやすいのではないでしょうか。
またそのコンビニおにぎりのカロリーは176kcalとなっているようなので、お米の玄米50gを炊いた場合は、重さとカロリー共に、コンビニおにぎりよりは多めとなるようです。
発芽玄米の50gのカロリーも玄米と変わらないの?
発芽玄米は販売されているものもありますが、自分でも作れるものでもあります。
作り方は簡単で、水に浸しておくだけで、0.5mmほどの芽が出た状態で発芽玄米の出来上がりです。
ところで発芽玄米の50g(茶碗1/3杯)のカロリーは、同量の玄米とどれくらいの差があるのかと、疑問に思ったことはありませんか?
そこで調べたところ、玄米よりも甘みが増すと言われる発芽玄米の50gのカロリーは約83kcalです。
そして玄米の50gのカロリーも約83kcalとなり、同量の白米は84kcalと少し多めになります。
このように見ると玄米よりも栄養価は高まり、甘みが増すと言われる発芽玄米ですが、カロリーは同じで変わりません。
ちなみに発芽玄米と玄米の、それぞれ50gに含まれる糖質は、同量となっていて17gで、白米は18gとなります。
糖質ダイエットをするのに、甘みが増える分、カロリーも高くなるのではと心配されていた方は、安心できるのではないでしょうか。
50gの玄米にはどれくらいの栄養がある?
玄米は栄養バランスに優れ身体にいいとされ、納豆、味噌、海苔と並ぶスーパーフードと言われています。
例えば50g(茶碗1/3杯)の玄米のカロリーは約83kcalですが、どれくらいの栄養が含まれているのかが気になりますよね。
まず一般的に健康を保つために摂りたい栄養素は、ビタミン、ミネラル、カルシウムなどになります。
玄米には糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富で約0.08mg、免疫力の向上や美肌を保つために必要なビタミンB2が約0.01mg含まれています。
そして抗酸化作用を持つビタミンEを0.25mg、ミネラルではセレン0.5μ(マイクロ)gを含んでいます。
骨や筋肉に必要なカルシウムは3.5mgとなり、骨の形成のほかに血圧の調整もする、ミネラルのマグネシウムは24.5mgで白米の約5倍の量です。
また日本人に不足しがちな栄養素では鉄は0.3mg、おなかの調子を整える食物繊維が0.7gとなり、白米に比べると6倍の量となります。
このように玄米には栄養がたっぷりと含まれ、その上浸水をさせることで、アミノ酸の一種のGABAが増えるなど、栄養価を高める力も持っています。
カロリーそのまま!でもおいしさがUPする玄米の炊き方とは?
カロリーをそのままで玄米をおいしくする炊き方となると、そんなに都合のいい方法はあるのかと疑問に思いませんか?
ところが玄米でも発芽玄米でも、50g(茶碗1/3杯)のカロリーは、83kcalとなり同じであることがわかりました。
それであれば、玄米に水分をたっぷりと吸収させて、発芽玄米にして食べてみませんか。
発芽玄米にすると甘みともちもちした食感が加わり、それにGABAの量も増え栄養価をUPさせることで、おいしく栄養価の高い玄米が食べられます。
そのためにはまず水を吸収させやすいように、洗米の際には玄米を強めに研ぐことを心掛け、玄米同士をこすりつけるように洗いましょう。
その後に発芽玄米を作るために、12時間以上浸水させます。
そうすると、玄米の胚芽の部分が白っぽくふっくらしてくるのがわかるでしょう。
しっかりと発芽をさせてしまうと、味が逆に落ちてしまうため、浸水時間は12~17時間程度がよい時間になります。
浸水することで玄米の持つ発芽毒も不活化させることになり、玄米をカロリーそのままでおいしさがUPした玄米が食べられますよ。
白米と玄米50gはカロリーは同じでも栄養価は玄米の勝ち!
玄米と白米のカロリーはほとんど同じでありながら、栄養バランスの面では玄米の方が優れていることが分かりました。
そして浸水をして発芽玄米になると、玄米よりもさらに栄養価や甘みがUPしますが、カロリーや糖質に関しては浸水前の玄米と同じになるようです。
玄米50gをお米から炊くとコンビニのおにぎりの約1個分ですが、その中に栄養がたっぷり含まれているので、健康のためにぜひ食べたいものです。