私たちの食生活に、お茶は切っても切り離せない存在です。
特に、昨今の健康志向により、緑茶の優れた効能に世界的な注目が集まっています。
その緑茶に爆ぜた玄米を加えた玄米茶も、香ばしい香りと相まって人気が上昇していますよ。
今回は、そんな玄米茶と緑茶について、それぞれの効能を詳しくお話します。
緑茶と玄米茶の違いは何?
日本で栽培されているお茶は、ほとんどが緑茶です。
緑茶=日本茶といって、よく英語で「green tea」と称されるものです。
もともとお茶とは、お茶の木の葉っぱから作られた飲みものであり、発酵させたお茶が紅茶、半発酵させたお茶がウーロン茶や鉄観音茶などの中国茶、発酵させないお茶が緑茶です。
緑茶には、茶葉を蒸して作っているものと、釜炒りして作られるものとがあり、後者には中国茶の一部と日本茶の一部が前者にほぼすべての日本茶が属しています。
緑茶には最もポピュラーな煎茶のほか、抹茶、玉露、かぶせ茶、甜茶、茎茶、ほうじ茶、番茶、番茶などがあり、玄米茶もそのひとつです。
炒った玄米と、番茶や煎茶などをほぼ同量ブレンドしたのが玄米茶です。
番茶や煎茶の風味に玄米の香ばしさが加わり、独特の香りと味わいを醸し出しています。
緑茶の量が減ることで苦みやカフェインも減るため、小さな子供や妊婦さんでも飲めるお茶です。
また、もともと緑茶が持つ効能に玄米の持つ効能が加わるため、健康効果は増進、体調を気遣うかたやダイエット中のかたにおすすめですよ。
玄米茶の優れた効能をご紹介する前に、まずは緑茶の効能についてお話しましょう。
恐るべし!緑茶に含まれるカテキンが持つ凄い効能とは?
玄米茶は緑茶と玄米をブレンドさせたお茶です。
緑茶にも玄米にも優れた効能がありますが、まずは緑茶の効能からお伝えします。
緑茶には、体に良いことで知られているカテキンが含まれています。
カテキンとはポリフェノールの一種で、お茶の苦みや渋みのもとになる成分といっていいでしょう。
緑茶のカテキンには、下記のような優れた効能があります。
・殺菌作用
・脂肪燃焼効果
・中性脂肪減少
・生活習慣病予防
・がん転移予防
・認知症予防
・抗アレルギー作用
・整腸作用
お茶は、大昔には嗜好飲料というよりも薬として用いられていたことからもわかるように、まさに体に良いことのオンパレードです。
昔からお寿司屋さんでは、熱い緑茶をいただくのは、生魚による食中毒防止の狙いがあるのです。
また、風邪の季節には緑茶でうがいをすると良いといわれるのも、カテキンによる殺菌作用にウイルス予防の効果があるからです。
さらに、トクホのお茶で知られるように、高濃度カテキン茶には脂肪を分解して燃やす働きがあるため、血液ドロドロやメタボを解消して肥満や生活習慣病を予防します。
ダイエットをしたいかたにも、効果的な飲みものといっていいでしょう。
また、最近の研究では、日常的に緑茶をたくさん飲む人は老化進行が遅いというデータがあります。
カテキンには脳の灰白質という部分を保護し、記憶力や学習能力を向上させる効果があることと結びついているようです。
もはや薬!緑茶に含まれる成分の優れた効能とは?
玄米茶を構成している緑茶には、カテキンのほかにも優れた効能のある成分がいろいろ含まれています。
まず、緑茶に含まれているカフェインには、眠気を取り除いて集中力を上げる効果や、二日酔いの防止、利尿作用があります。
また、緑茶のうまみ成分であるテアニンには、ストレスを解消してリラックスさせる効果があることがよく知られていますよね。
仕事中の一杯は頭をキリッとさせるためであり、同時に疲れを癒してくれるためでもあるのです。
緑茶には下記のようなビタミン類も豊富に含まれています。
・ビタミンC 風邪を予防し、粘膜や皮膚の働きを強化、新陳代謝を促進
・ビタミンE 抗酸化作用やアンチエイジング効果
・ビタミンB2 粘膜を保護
・βカロチン 夜間の視力を維持
・葉酸 胎児の奇形を防ぐ
ビタミンのほかに、カリウムやカルシウム、リン、マンガンといったミネラルも含まれ、体の調子を整えるのに役立っています。
さらに、茶葉に含まれるクロロフィル(葉緑素)が口臭を、フッ素が虫歯を予防してくれます。
そして、お茶全般に含まれているサポニンという成分にはインフルエンザを予防し、血圧を下げる働きがあります。
緑茶を普段から飲んでいれば、まさに薬いらずといえそうですね。
緑茶だけじゃない!玄米茶に含まれる玄米の効能が凄い!
玄米茶を構成している緑茶には、優れた効能があることがわかりました。
では、玄米にはどんな栄養が含まれているのでしょうか。
玄米とはもみ殻だけを取り除いた、糠と胚芽がついたままのお米のことです。
この糠と胚芽部分には、優れた栄養がたくさん詰まっています。
どんな成分が含まれているかご紹介しましょう。
●γ-オリザノール
玄米の胚芽部分に含まれる成分で、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす作用があるため、肥満や生活習慣病の予防ができます。
●フィチン酸
デトックス作用があります。
●GABA(ギャバ)
アミノ酸の一種であるギャバには、血圧を下げる効果や中性脂肪を減らす効果、イライラを鎮めて脳の働きを健全に保つ効果が期待できます。
●ビタミンB群
疲労を回復させて代謝を高め、脂肪を燃焼させる働きがあります。
●ビタミンE
血管を若返らせる抗酸化作用が期待できます。
●ミネラル
カルシウム、リン、カリウム、亜鉛、銅、マグネシウムなど豊富なミネラルが含まれているため、ビタミンとともに体の調子を健やかに整えてくれます。
●タンパク質
玄米には白米にはほとんどないタンパク質が含まれているため、筋肉を作り、太りにくい体質へと導きます。
●食物繊維
玄米は白米の5倍以上の食物繊維が含まれているため、腸内環境を整えて便秘を解消、ダイエットに効果があります。
このように玄米には白米にはない優れた効能がたくさんあるため、玄米茶も体に良いお茶といえるのです。
緑茶と玄米のいいとこどり!体を内側から改善する玄米茶の効能
玄米茶は緑茶と玄米を1対1の割合で混ぜたお茶ですから、双方の栄養が一度に摂れる大変便利なお茶といえます。
特に体に良い優れた効能をご紹介しましょう。
●血圧を下げて正常に戻す
緑茶に含まれるカテキンやテアニン、玄米に含まれるギャバ、γ-オリザノール、カリウムなどの働きにより、高い血圧を下げ、正常に戻してくれます。
普段から血圧が高めのかたには、おすすめのお茶です。
●ダイエット効果
カテキンやギャバ、γ-オリザノールが中性脂肪や悪玉コレステロールを減らすので生活習慣病を予防し、肥満を防止します。
また、ビタミンB群が代謝を促進して脂肪燃焼効果を上げ、豊富な食物繊維とフィチン酸がデトックスを促し、タンパク質による筋肉作りで脂肪を貯めにくい、太らない体質へと改善します。
メタボや内臓脂肪が気になるかた、太りたくないかたの味方となってくれるお茶です。
●免疫力を上げて風邪やインフルエンザを寄せ付けない
カテキンの殺菌作用やビタミンCなどによる免疫力のアップで、風邪やインフルエンザを予防する健康な体作りができます。
特に冬場はこまめに飲んで、体の内側から強くしていきましょう。
玄米茶が忙しい女性やシニアにおすすめの理由
緑茶と玄米の双方の効能が一度に摂れる玄米茶は、特に女性やシニア、忙しい生活を送るかたにおすすです。
その理由をご説明いたしましょう。
●老化を防止
玄米茶に含まれるビタミンEやカテキンが活性酸素を除去し、老化の進行を食い止めます。
肌のシミやしわの改善、血管の若返り、アンチエイジング効果が期待できるので、女性にはうれしいお茶といえるでしょう。
●カフェインが少ない
玄米茶は緑茶と玄米が混ざっている分、緑茶に含まれるカフェインが少なくなるため、カフェインに弱いかたや子供、妊婦さんにおすすめのお茶です。
●リラックス効果
玄米茶に含まれるテアニンやギャバにはイライラを鎮め、脳の健康を守る働きがあります。
玄米の香ばしい香りと相まってストレスを解消し、気分をリラックスさせてくれるため、忙しい生活を送る現代人にピッタリのお茶といえそうです。
両方の効能が含まれた健康茶
緑茶と玄米をブレンドした玄米茶は、緑茶の効能と玄米の効能が一度に摂れる一挙両得なお茶です。
香りも香ばしく、さわやかな味わいも魅力ですよ。
普段のお茶に飽きたらぜひ、玄米茶に替えてみてはいかがでしょうか。
ホットでもアイスでもおいしくいただけますよ。