「玄米を浸水なしで炊きたい」と、炊飯器で調理する場合、こういった悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
なぜなら、浸水ありの方がおいしく炊けたり、健康面・栄養面でも良いと見聞きされているはずだからです。
そういった玄米に関する、「おいしさ」「栄養」「健康」への疑問について、お話しします。
結局のところ玄米は浸水なしでも炊いていいの?
近頃の炊飯器は、機能性もアップしていることもあり、浸水なしでもおいしく玄米を食べられるようになってきています。
とくに、圧力炊飯器や圧力鍋といった高圧力で炊き上げる場合には、ふっくらとおいしく炊けることになっているようです。
従来のマイコン式炊飯器で、浸水なしで玄米を炊いた場合、パサパサしておいしくないといわれる玄米でしたが、メーカーさんの様々な工夫により改善されています。
また栄養面でも、炊飯器の機能性のアップにより、天然アミノ酸のひとつで、抗ストレス作用のあるGABAを増やすなど効果が期待できます。
しかし、マイコン炊飯器の場合には、圧力炊飯器に比べて火力が弱めなので、浸水ありで玄米を炊く方がおいしく、栄養面も高くなると思われます。
それに、健康面では気になる点が残り、玄米に含まれている植物由来ホルモンのアブシジン酸の体に及ぼす成分には注意が必要です。
アブシジン酸は、一晩以上水に漬けることで無毒化するといわれているため、健康面で考えた場合には浸水ありで炊くことをおすすめします。
玄米を浸水なしで炊飯器で炊ける良さはあるの?
玄米を浸水なしで炊ける良さといえば、栄養たっぷりの玄米を手軽に食べられる、ということではないでしょうか。
玄米の粒には、健康のために摂りたいといわれる、ビタミン、ミネラル、食物繊維など40種類の栄養素が、たっぷりと詰まっています。
それだけの栄養素が一度に摂れる食品は数多くあるわけではなく、しかもおかずの一部にしかならない食品も多いでしょう。
ところが玄米は主食として食べられるため、好きな人は3食玄米にする場合もあり、たくさんの量を摂れることになります。
よく噛んで消化ができれば、体にいい栄養素を一度に摂れることが、玄米の良さになるのではないでしょうか。
今は圧力IH炊飯器のような高機能の炊飯器も発売されているので、玄米は浸水なしでおいしく炊飯器で調理できるはずです。
また、圧力IH炊飯器などであれば、栄養価をアップできる機能もついていることもありますので、ご自分に必要な機能を選択してみましょう。
このように、浸水なしでも調理の仕方によって、栄養のある玄米をおいしく食べられるのです。
浸水なしで炊飯器調理した時の玄米の栄養面ってどうなの?
玄米は、一晩以上浸水させて発芽できる状態にすることで、玄米に含まれる栄養価を、アップさせることができるといわれています。
ただし、近頃の高性能な炊飯器の機能により、一晩浸水をさせなくてもGABAをはじめとした栄養面も、その量をアップできるようになりました。
そうなると長時間浸水させた上で玄米を炊かなくても、浸水なしで炊飯器にセットすればいいと、感じる方が多いのではないでしょうか。
しかし、玄米は消化がしにくい食品といわれていて、玄米の薄皮は一晩以上水につける方が、玄米を炊飯器で炊いた時も、軟らかく体内で消化しやすくなります。
玄米はきちんと噛まないと、栄養が体内に吸収されずに、便となって体外にそのまま排出されてしまいます。
そのため、玄米は浸水なしよりも、水に長時間つけておくことを選択する方が栄養面ではいいといえるのではないでしょうか。
もしも玄米を浸水なしで炊飯器で炊いて食べる際には、体内で栄養を吸収しやすいように、よく噛み砕いて食べることをおすすめします。
浸水なしでも体にいい玄米が炊けるって本当?
玄米には元々40種類の栄養素が含まれていて、スーパーフードと呼ばれている食品です。
そのため、浸水なしでもその栄養素は炊いた玄米の中に含まれ、よく噛んで消化をすることで体にいい効能をもたらすことでしょう。
浸水ありの場合、長時間水につけて玄米を発芽させる状態にすることで、GABAの量がアップするといわれています。
ところがこの部分は、今は炊飯器の機能性もアップしているため、そういった炊飯器を選べば栄養面の良さは浸水なしでも得られることになります。
また、浸水時間を12時間以上とると、玄米が発芽の準備をする中で甘みがアップするようですよ。
ただし、この点も高性能の炊飯器だと、比較的短い時間でクリアできる製品もあります。
そして、炊飯器によっては玄米に含まれて美容にも健康にもその効能を期待される、ビタミンB1に関してこんな良点もあります。
それは、炊飯器がうまく調整することで、通常よりもビタミンB1の残存量を増やすこともできるということです。
そういった意味では、浸水なしでも炊飯器で体にいい玄米が炊けるのは、本当だといえるのではないでしょうか。
玄米に含まれるアブシジン酸の毒素は浸水なしで炊くとどうなる?
玄米には栄養があって体にいいといわれるものの、気になるアブシジン酸という「毒素」も含まれていることになります。
このアブシジン酸は、一晩以上浸水ありの状態に置くことで玄米が発芽の前の状態になり、無毒化するとされています。
そのため、玄米の場合は浸水なしで炊飯器で炊くのではなく、水をしっかりと吸収させた上で炊き上げることをおすすめすることが多いようです。
もしも浸水なしで炊くことになれば、アブシジン酸はそのままの状態で、炊きあがった玄米に含まれるでしょう。
なぜならアブシジン酸の毒素は、200℃程度の熱で死滅するといわれていますが、高機能の炊飯器でも炊飯中の温度は100℃~110℃の間になるようです。
そうなると、アブシジン酸が加熱に弱いのですが、炊飯中の温度で死滅することは難しいと考えられるのではないでしょうか。
アブシジン酸は炒ることでも無毒化できるのですが、そうすると味の面では通常の炊飯の玄米よりも、おいしくないと感じる方もいらっしゃいます。
アブシジン酸は人間の体内の細胞に悪影響を与え、体の不調につながると見られる成分なので、浸水なしで玄米を炊く時には、覚えておく方がいいでしょう。
玄米を浸水なしで炊飯器で炊いた時おいしくなかったらどうすればいい?
玄米はその粒の中にしっかりと吸水ができれば、おいしい玄米を炊飯器で炊けることになります。
ところが、浸水なしで炊いた場合、圧力炊飯器ならば様々な高機能により芯までふっくらと、おいしいと感じる玄米が炊けます。
しかし、火力の弱いマイコン炊飯器の場合は、吸水がしっかりできずにパサパサしたおいしくない玄米に炊きあがるようです。
もしも炊けた玄米がパサパサしていておいしくない場合、どうして食べようかと考えてしまいますよね。
例えば、あきらめた気持ちになって雑炊にして水を含ませ、軟らかくして食べようと工夫される方もいらっしゃるでしょう。
ここでおすすめするのは、そのパサパサを活かした玄米チャーハンです。
例えば具材に使う玉ねぎは、ビタミンやミネラルは少ないのですが、その分玉ねぎにしか含まれない栄養素を含んでいます。
加熱して甘みを出して食べることで、玉ねぎの持つ栄養価はアップします。
また、ほかの具材の栄養でも、特に脂溶性ビタミンを含むニンジンやピーマンなども、油との相性が良い野菜ですよ。
玄米は油との相性もいいので、色々な野菜との組み合わせで、おいしく栄養のあるチャーハンを作ってみてはいかがでしょうか。
浸水なしでも炊飯器の性能でおいしい玄米は食べられる
浸水をした上なら、栄養的にもおいしさの面でも玄米のアブシジン酸のことを考慮もして、満足できる玄米を食べられるのは本当です。
しかし、現在は炊飯器の性能も良くなっているため、浸水なしでもおいしくできたり、栄養価を高める機能を備えているものもあるようです。
もしも炊き上がりがパサパサがおいしくないと感じる時は、油との相性がいい玄米の特徴を活かし、チャーハンにすることも一つの方法ではないでしょうか。