健康食の代表格といえる玄米を手軽に食べるには、やっぱりおにぎりにしたいですね。
玄米は白米に比べて食感が硬めで、おにぎりにすると「パラパラする」という声が聞かれます。
おにぎりにしやすい炊き方のコツや裏技をご紹介します。
相性のよい具材や、ちょっとユニークなアレンジを加えた玄米のおにぎりもお届けます。
栄養たっぷり玄米を気軽におにぎりで食べたい
健康に関心の高い人は、主食に玄米を取り入れている印象があります。
そもそも玄米ってそんなに栄養が高いのでしょうか?
一般的に良く食べられている白米は、玄米を精米してできたものです。
糠(ぬか)といわれる外皮と胚芽と胚乳からできているのが玄米であり、色は茶色です。
その玄米から、糠と胚芽を取り除いたものが白米なのです。
この糠と胚芽にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれていることから、健康志向の高い人や、病後の人に好まれているのです。
また、ダイエット中の人にも人気です。
白米と玄米では、カロリーはほとんど変わらないのですが、食物繊維が玄米は白米の約6倍といわれており、お通じが良くなることも期待されているのです。
玄米がダイエットに重宝がられるには、もうひとつの理由があります。
それが「食感」です。
柔らかくて食べやすい白米に比べて、玄米は外皮に覆われているために米粒が硬いのが特徴です。
そのため、よく噛んで食べる必要があります。
噛めば噛むほど、玄米に含まれているデンプンが、唾液に含まれている酵素によって糖に分解され、独特の甘みが出てきます。
つまり、玄米の食感を利用してよく噛むことで、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを抑えて、ダイエットに導くというわけです。
朝食時、手軽に食べたい人や、学校や会社、外出先で食べたい人も、玄米をおにぎりにできれば助かります。
しかし、硬めの食感の玄米はどうしても米粒がパラパラしており、おにぎりには不向きな感じします。
食べやすくて、おいしい玄米のおにぎりを作るコツを探ってみましょう。
玄米のおにぎりをパラパラにしない「浸水」の力
玄米ご飯をおいしく炊くには、どうしても外せないのが「浸水」です。
白米でも、洗ってすぐに炊いてしまうと、米の芯までお水が浸透しないままで、少し芯のあるごはんになるように、外皮で包まれている玄米ならば、白米よりももっと長くお水に浸ける必要があります。
白米だと30~40分のところ、玄米であれば5時間は水に浸けて、しっかりと米の中心まで吸水させる必要があります。
この作業を怠ると、どうしてもパラパラした炊きあがりになってしまいます。
しかし、夜のうちに洗って炊飯器をセットすれば、朝ご飯においしい玄米ご飯が炊けるので、そんなに難しく考えることはありません。
どうしても急いでいるときには、ぬるま湯で洗って、ぬるま湯で炊くという方法もあります。
その時でも、最低1時間はぬるま湯に浸けて置ければ、炊きあがりが違ってきます。
水加減も、いつもの分量の10~20%多めにするといいでしょう。
歯ごたえはあるけれど、パラパラしないおいしい玄米おにぎりを作るためには、やはり「浸水」の力が大事なポイントになります。
パラパラしないおいしい玄米のおにぎり
お茶碗によそって食べる玄米ご飯と違って、おにぎりにするとなると、しっかり水に浸けることと、普段の水加減よりは少し多めの量にすることが、大事なポイントです。
水分量が不足していると、炊きあがりの米粒がパラパラしてしまい、握りにくくなります。
そして、炊きたてをしっかりにぎること。
熱くて握れないならば、ラップを使って形を整えて、そのまま包んでもOK。
ただ、冷めると少し硬くなり、独特の風味が苦手な人もあるようです。
炊きたての玄米ご飯に、かつお節と醤油とほんの少しみりんも加えてさっくり混ぜてからにぎる「おかか玄米おにぎり」や、「シーチキン&マヨネーズ玄米おにぎり」など、具を全体に混ぜ合わせたおにぎりにすると食べやすくなります。
また、もうひとつのおススメは玄米に合う食材も一緒に炊いてしまうこと。
夏場なら、大き目の梅干を玄米1合に対して1粒をつぶして入れて炊く「梅干し玄米おにぎり」に。
その他、サツマイモやコーンとバターなど、自分好みのパートナーを探して、玄米と組み合わせて炊きます。
もちろん食材により、水加減も調節しましょう。
パラパラしないおいしい玄米のおにぎりの進化系
玄米で作るおにぎりがパラパラせずにおいしく食べられるもう一つの裏技と、おもしろレシピをご紹介します。
まずは、香ばしいゴマ油を使った玄米のおにぎり。
炊き立ての玄米ご飯に、ゴマ油と醤油を適量、あればすりゴマと煎りゴマを加えて握ります。
海苔を巻けば、手が油で汚れずに食べられます。
ゴマ油の油分でパラパラしない、風味豊かなおにぎりになります。
さらにユニークな玄米おにぎりをご紹介します。
炊きたての玄米ご飯、大きめお茶碗2膳に対して、卵1つ、小麦粉小さじ1、刻みネギ、天かすを各大さじ1を加えて、よく混ぜます。
熱したフライパンにゴマ油を引き、平たく形を整えた玄米おにぎりをのせます。
両面をこんがり焦げ目が付くまで焼いて海苔で巻いたら、玄米の変わり焼きおにぎりの出来あがりです。
冷めてもおいしく、つなぎを入れて焼いてあるのでパラパラすることもなく、お弁当にも重宝します。
注目のGI値にも効果が認められた玄米のおにぎり
最近よく耳にする「GI値」。
「グリセミックインデックス」の略で、食後血糖値の上昇を示す指標のことです。
糖尿病や痛風予防のために「低GI食品」を摂ることが効果的であるという研究結果が出ており、食品のカロリーと共にGI値も大事な値として認識する時代にきています。
研修者は、健康な体づくりのために低GI食品の摂取を勧めており、低GI食品として最も注目されているのが玄米なのです。
大手コンビニエンスストアでは、手軽に食べられるおにぎりに玄米を採用。
いろいろな具材を組み合わせた玄米おにぎりを販売しています。
開発を重ね、もはやコンビニのおにぎりは進化する一方です。
玄米を使ったおにぎりも、当然パラパラすることなく、しっとり出来上がっています。
チーズや明太子など、玄米と意外な組み合わせの商品が出ており、自宅で作るときの参考になります。
GI値が低い食品と、大豆食品を組み合わせるとさらに効果があるという研究結果もあり、朝食に玄米のおにぎりと豆腐の味噌汁で、健康的な体づくりが期待できそうです。
玄米のおにぎりがパラパラしない強い味方
パラパラしがちな玄米を使ったおにぎりを、失敗なく、手っ取り早く、そしてもちもちとおいしいおにぎりにする強い味方があります。
それは「もち米」です。
玄米1合に、もち米1合を加えて洗い、水加減は白米2合か、それより少し多めでOKです。
炊飯器を玄米炊きにセットして炊けば、もちもちの玄米ごはんが炊きあがります。
キノコ類や、うす揚げ、鶏肉などを加えた炊き込みご飯にしたり、サツマイモごはんにしたりして、炊き込みご飯のおにぎりにも使いやすい、もちもちのご飯です。
もち米の代わりに白米を少し加えるだけでも、随分炊きあがりは違ってきます。
浸水時間を充分に取る時間がなかったり、玄米に抵抗のある人に食べてもらいたい時など、臨機応変にアレンジしてみてはいかがでしょう。
玄米の食感には好みもあり、使う炊飯器によっても炊きあがりにずいぶん違いがあります。
もち米や白米と合わせるならば、比率によって食感も変わります。
具もいろいろ試してみて、お好みのおいしい玄米おにぎりを見つけて、健康的な食生活を送りましょう。
健康食「玄米」を、おにぎりでもっと手軽に
玄米は硬くてパラパラしたイメージがありますが、しっかり浸水して、ふっくら炊き上げれば、おにぎりにして手軽に食べられます。
具材に工夫したり、炊き込みご飯にすることでさらにおいしさもアップ。
白米やもち米とブレンドするのもおススメです。
浸水時間がしっかり取れなくても、工夫次第でおいしく炊くことができて、自分好みのおにぎりに変身させられます。
敬遠しがちな玄米を気軽に取り入れて、健康的な食事をめざしませんか。