ヘルシーで太りにくいといわれ、その健康効果に注目の集まっている玄米ですが、カロリーや糖質はどれくらいあるかご存知でしょうか。
今回は玄米を白米と比較し、茶碗1杯分に含まれるカロリーや糖質量をご紹介するとともに、栄養素やおいしい食べ方、ダイエットを成功させるコツなども一緒に説明していきます。
ご参考にしていただければ幸いです。
茶碗1杯分の玄米ご飯のカロリーはどれくらいあるの?
茶碗1杯分(150g)の玄米ご飯のカロリーは248kcalです。
普通の白米のカロリーは252kcalですから、4kcalほど低カロリーです。
しかし正直言って、あまり違いがありません。
糖質量はどうかというと、茶碗1杯分の玄米ご飯の糖質量は51.3g、白米は55.2gでこちらも約4gしか違いがありません。
カロリーも糖質も、玄米は白米とさほど変わらないのです。
にもかかわらず、玄米にヘルシーなイメージがあるのは、白米にはない豊富な栄養素が含まれているからです。
ご存知のように玄米は精白前の、糠がついたままのお米です。
発芽に関わるエネルギーがたっぷり詰まっているため、白米より体に良いといわれるのです。
では、具体的にどんな栄養素が含まれているのでしょうか。
茶碗1杯の玄米ご飯に含まれるカロリー以外の凄い栄養素とは?
私たちが普段食べている白米ご飯は、そのほとんどが糖質(炭水化物)で占められています。
しかし玄米は、カロリーは白米とさほど変わらないにもかかわらず多くの栄養素を含んでおり、玄米だけで1日に必要な栄養素のほとんどが摂れるといわれるほどです。
特にビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なことは、白米との大きな違いといえるでしょう。
まず、食物繊維は茶碗1杯当たり約2gと、白米の5倍含まれています。
これは、茶碗1杯分のせん切りきゃべつと同じ食物繊維量です。
炭水化物である玄米ご飯を食べているだけで腸の働きが活発化するので、便秘解消効果が期待できますね。
またビタミン類は、成長を促し体力回復効果のあるビタミンB1や、脂肪燃焼作用のあるビタミンB2、アンチエイジング効果のあるビタミンEなどが豊富です。
そのほかリン、カリウム、マグネシウムなどデトックス効果のあるミネラルや、鉄や葉酸、タンパク質などさまざまな栄養素がバランス良く含まれています。
そのため玄米は、健康を維持するのにとても効果的な食物といえるのです。
茶碗1杯分の玄米ご飯のカロリーを抑える工夫
玄米は非常に優れた健康効果がある栄養豊かな食物ですが、それが即「痩せる」ことにつながるわけではありません。
茶碗1杯分のカロリーは白米とほぼ変わらないため、玄米でダイエットを試みるなら工夫が必要です。
では、どうすればいいのでしょうか。
①量を少なくなる
玄米ダイエットの基本の考え方です。
今まで食べていた白米を玄米に置き換えるだけでは痩せません。
カロリーに大きな違いがないからです。
茶碗に軽く盛る、食べる回数を減らすなどして、総体的な摂取量を減らすよう心がけましょう。
②よく噛む
玄米はポソポソした硬い食感が特徴です。
そのためできるだけ時間をかけ、しっかりとよく噛んでいただきましょう。
少量でも満腹感が得やすくなるコツです。
③汁ものと一緒に摂ってお腹を膨らます
野菜がたっぷり入った具だくさんの味噌汁などを一緒にとることで、お腹を満たしてあげましょう。
抗酸化作用のあるカテキン入りの緑茶をたくさん飲むのもいいですね。
ご飯の量の少なさをごまかすため、水分で補ってあげるのです。
ダイエット中はお腹が空きますが、玄米は白米より腹持ちが良いため、なんとかごまかせるでしょう。
カロリーだけじゃない!糖質も抑える玄米の食べ方は?
茶椀1杯分の玄米のカロリーは、白米とさほど違いがありません。
糖質量も白米と玄米とでは、あまり変わりがありません。
それでも玄米のほうが健康的で太りにくいといわれるのは、含有されている栄養素だけでなく、白米に比べGI値が低いからです。
GT値とは血糖値の上昇スピードを表す指数のことで、GI値が高いと上昇スピードが速く、低いと緩やかであることを示しています。
私たちの体は食物を摂ると血糖値が上がりますが、上がり方が急激だと太りやすく、緩やかだと太りにくいと考えられています。
白米と玄米の糖質量にあまり違いはなくても、GI値には大きな差があります。
白米は高GI値、玄米は低GI値食品なのです。
それゆえ玄米を食べても太りにくいと言われているのです。
しかし1度に大量に食べては、やはり血糖値は上昇します。
少量を小分けにしていただけば、血糖値の上昇スピードが抑えられ、太りにくい体質へと改善できるでしょう。
例えば茶碗1杯分の玄米ご飯を2つに分け、1つを鯵の干物と合わせた小さめのおにぎりにし、もう1つを具だくさんスープの実として使うのはいかがでしょうか。
ダイエット中はそのおにぎりと味噌汁、漬物、酢の物、卵などを合わせて緑茶を飲めば、立派なランチになります。
夕食はその具だくさんスープをメインにたっぷりのサラダ、肉か魚の料理をつければお腹も心も満足するはず。
ぜひお試しください。
玄米ダイエットを成功させるには和食がポイント
茶碗1杯分のカロリーが白米とほとんど変わらない玄米でダイエットをしようとするなら、単に白米と玄米を置き換えるだけでは成功しません。
玄米の量を控えめにしたうえで、組み合わせるおかずに工夫を凝らしてみましょう。
揚げ物や甘いものはカロリーや糖質が高くなるので、できるだけ抑えて。
玄米自体にビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれているため、おかずは少なくても大丈夫です。
メニューの中心は和食にすると非常にバランスが良く、味の相性もピッタリです。
鯵の干物などの焼き魚をメインに、漬物やおひたしを副菜に添え、具だくさんの味噌汁をつけるのはいかがでしょうか。
また、生卵や納豆、とろろなど、ネバネバしたものでくるむと、玄米の食感が苦手なかたでもおいしくいただけます。
お手軽で、しかもおいしいのは、味噌汁をぶっかけたいわゆる「ねこまんま」です。
味噌汁に豆腐や豚肉、卵などタンパク質を入れると栄養的にもバランス良く、腹持ちも良くなります。
ダイエットを成功させるおいしい玄米の炊き方
玄米は炊くのが面倒と思うかたもいらっしゃいますが、炊飯器の玄米モードを使えばカンタンに炊けます。
ただ、白米に比べると玄米は吸水しにくいため、出来るだけ長く水につけておくことがおいしく炊くコツです。
最低でも6時間以上、できれば7~8時間は水に漬けましょう。
朝昼食分は前日の夜に、夕食分を朝食後すぐにセットしておけばOKです。
その時に少量の塩を加えると吸水率がアップします。
また、圧力鍋をお持ちの方はぜひ1度、圧力鍋で炊いてみてください。
おいしさに驚くはずです。
それでも玄米の味や風味がどうしても苦手というかたは、トマトを加えた炊き込みごはんにするとおいしくいただけますよ。
トマトの酸味と玄米の風味が良く合って、意外なおいしさです。
だし汁に酒、醤油、塩を加えたものに玄米を漬け、ミニトマトを適量入れてセットするだけです。
玄米モードで炊いて出来あがりです。
茶碗にトマトと共に盛っていただけば、玄米特有のクセが気になりません。
カロリーも控えめでダイエットにおすすめです。
体に良い玄米を上手に取り入れて健康的な食生活を
いかがでしょうか。
玄米は意外にも、白米とカロリーがさほど変わりないことがお分かりいただけたと思います。
そのため、白米を玄米に変えたからといって、すぐに痩せる効果が現れるわけではありませんが、その健康効果は絶大です。
ご飯の量は控えめに、おかずなど一緒に食べるものを工夫して、栄養豊富な玄米を食生活に取り入れてみましょう。