名古屋名物である味噌煮込みうどんを、みなさんは食べたことがありますか?
コクのある赤味噌ベースのスープで煮込まれたうどんは、一度食べると病みつきになる美味しさです。
そんな味噌煮込みうどんに合う味噌の種類は何なのか、基本の作り方やアレンジ術も併せてご紹介します。
ご家庭でも、本場名古屋の味を楽しめますよ!
味噌にはどんな種類があるの?
味噌煮込みうどんに使う味噌についてご説明する前に、味噌の種類について勉強してみましょう。
味噌は日本の食卓に欠かせない調味料のひとつで、日本全国で様々な味噌が作られています。
一口に味噌といっても、地域や家庭ごとになじみのあるものが異なり、実に多種多様です。
味噌は仕込みに使う麹や味噌の色、味の違いで細かく分類されています。
麹には米麹・麦麹・豆麹の3種類があり、日本で最も多く作られているのは米麹で仕込んだ米味噌です。
麦麹で作られた麦味噌が多く使われているのは九州や四国地方で、麦の香ばしさが特徴です。
最後の豆麹で作る豆味噌は、コクと独特な渋みがあります。
味噌煮込みうどんが有名な名古屋は豆味噌の文化で、味噌煮込みうどんのほかに、味噌カツなどにも同じ豆味噌が使われます。
続いて味噌の色ですが、味噌の仕込み方や熟成期間によって変化します。
白っぽい味噌はあっさり系、色が濃くなるほど味わいも複雑だとされています。
味わいの違いは熟成期間以外にも麹の割合と塩分量で決まり、甘口から辛口まで様々です。
味噌の種類の違いはシンプルな味噌汁にするとより際立ち、好みも大きく分かれるでしょう。
今はスーパーでも全国各地の味噌が手に入ると思いますので、興味のある人はぜひ食べ比べしてみてくださいね。
ご家庭に数種類の味噌を置いておくと、料理や気分によって使い分けができるので、料理の幅が広がりますよ。
味噌煮込みうどんに使う味噌の種類は○○味噌!
日本には数多くの味噌があり、みなさんもそれぞれ慣れ親しんだ味があることでしょう。
日本で一番使われているのは米麹で作った淡色味噌ですが、愛知や岐阜などの東海地方では豆麹で仕込む赤味噌、関西の一部では甘味の強い白味噌、九州地方では麦味噌というように地域色が強く出ます。
それぞれの地方には味噌を使った名物料理もたくさんあり、味噌は日本を代表する食材のひとつなのです。
味噌を使った名物料理というと、まず思い浮かぶのが名古屋の味噌煮込みうどんや味噌カツではないでしょうか。
その中でも、一二を争う人気料理である味噌煮込みうどんに注目してみます。
味噌煮込みうどんはコク深い味噌ベースのスープと味の染みたうどんが特徴で、小さな土鍋で煮込んだ熱々の状態で提供されることが多く、濃厚な味わいのためご飯と一緒に食べる人もいます。
味噌煮込みうどんに使われる味噌の種類は、赤味噌が一般的です。
味噌は先ほど説明したように、麹・味・色の違いで分類されますが、本場の味噌煮込みうどんには豆麹で仕込んだ赤味噌が使われています。
豆麹で仕込む豆味噌は香りと塩気が強めで独特のコクと渋み、ほんのりとした苦みがあります。
赤味噌の中でも、八丁味噌と呼ばれるものは材料や仕込み方法に基準が設けられ、2年以上の熟成期間中に腐敗しないよう塩分濃度が高いため、塩辛く甘味が少ないのが特徴です。
豆味噌はグツグツと煮込んでも香りが飛びにくいので、味噌煮込みうどんには最適といえます。
しかし、赤味噌とは豆麹で仕込むものだけを指すのではなく、見た目が赤い味噌も含まれるため、選ぶときには注意が必要です。
もちろん豆味噌以外の味噌でも味噌煮込みうどんは作れますが、本場の味に近づけたい人はパッケージの表示をチェックしてみてくださいね。
味噌煮込みうどんの基本の作り方
味噌煮込みうどんに最適な味噌の種類が分かったところで、基本の味噌煮込みうどんの作り方を確認してみましょう。
【材料 2人分】
・生うどん 2人前
・鶏もも肉 1/2枚
・油揚げ 1枚
・長ねぎ 1本
・しいたけ 2枚
・かまぼこ 4枚
・卵 2個
・水 5カップ
・和風だしの素 小さじ2~3
・酒 大さじ2
・赤味噌 大さじ6~
・みりん 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・醤油 大さじ1/2
【作り方】
①鶏肉は一口大、油揚げは1cm幅の短冊切り、長ねぎは斜め切り、しいたけは薄切りにします。
うどんは後で煮込むため、表示時間より3分短めに茹でてから冷水でしっかり洗っておきましょう。
②鍋に水と和風だしの素・酒を入れ沸騰させ、鶏肉を入れて4~5分煮立たせます。
ボールで赤味噌と砂糖・みりんを混ぜ合わせて、②のスープを少量加え伸ばしておきます。
③鶏肉に7割程度火が通ったら②の味噌を溶かし、醤油で味を調えたらもう一度沸騰させてください。
④うどん・油揚げ・長ねぎ・しいたけを入れて蓋をして、煮込みます。
煮込む時間は3分を目安にしましょう。
⑤鍋の中央に卵を落とし、かまぼこを入れたら蓋をして、卵が好みの固さになるまで煮込んだら完成です。
うどんはなるべく太めでコシの強い生タイプがあると良いですが、茹で麺や冷凍うどんでも大丈夫です。
茹で麺や冷凍うどんを使う場合は、煮込み時間を少し短めにすると良いでしょう。
鶏肉の代わりに豚肉の薄切りを使ったり、しいたけや長ねぎ以外に人参や白菜を入れても美味しいですよ。
食べ終わった後のスープにご飯を入れて、おじや風にしても良いですね。
赤味噌が手に入らないときは、熟成期間が長めの色が濃い味噌を使うと本場名古屋の味に近づきます。
1人分の小さな土鍋で作ると、熱々の状態で最後まで美味しく食べられて、雰囲気も出るのでおすすめです。
味噌煮込みうどんを美味しく作るコツを伝授!
味噌煮込みうどんの作り方は、意外と簡単だということがお分かりいただけたでしょうか。
具材を準備すれば鍋ひとつで作れるためで、簡単に済ませたいお昼ごはんにもおすすめです。
さらに、うどんの炭水化物、肉や卵のたんぱく質、野菜のビタミンやミネラルなど栄養バランスが優れているのもうれしいですね。
そんな味噌煮込みうどんを、ご家庭でさらに美味しく作るためのコツを3つお伝えします。
まず1つ目のコツは、先にスープの味を決めることです。
これは煮、込んでいる間にうどんと具材に味噌の味をしっかりと染み込ませるためです。
味噌汁などを作るときは香りが飛んでしまうため、味噌を入れた後沸騰させない方が良いですが、味噌煮込みうどんに使う豆味噌(赤味噌)は香りが飛びにくい特徴があります。
そのため、グツグツと煮込んでも味噌の香りを十分感じられるのです。
2つ目のコツは、煮込むことを考慮して、スープは多め&若干薄めにすることです。
うどんは煮込んでいる間に水分を吸収するため、いつものスープの量では足りない場合もあります。
味に関しては煮詰まって味が濃くなるので、煮込む前に味見をして少し物足りないと感じるくらいで留めておきましょう。
出来上がりでも薄いと感じたら、醤油や顆粒だしなどで調整できます。
最後の3つ目のコツは、だしの風味を効かせることです。
スープに使う味噌の種類にもよりますが、赤味噌を使って作る場合には、味噌の風味に負けないようにかつおの風味もいつもより強めに効かせるとバランスが良くなります。
だしの素を使う場合は、普段の1.5倍程度に増やして、一からだしをとる場合は2倍くらいのかつお節を使い、煮出す時間も長めにすると良いでしょう。
本格的な赤味噌や味噌煮込みうどんに合う麺を準備するのが難しくても、この3つのコツを意識して作れば美味しい味噌煮込みうどんが作れるはずです。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
味噌煮込みうどんのアレンジの種類は?
基本の味噌煮込みうどんも美味しいですが、ちょい足し食材でアレンジしてみましょう。
おすすめの味噌煮込みうどんアレンジ3種類をご紹介します。
1つ目のアレンジレシピは、キムチを加えた「ピリ辛味噌煮込みうどん」です。
基本の味噌煮込みうどんに、お好みの量のキムチを加えるだけで簡単に作れます。
ピリ辛で体がポカポカ温まる味噌煮込みうどんは、寒い季節に食べたくなりますね。
キムチにも塩分があるので、スープの味噌の量は少し控えめにしましょう。
2つ目のアレンジは、黒糖で甘みをつける「まろやか味噌煮込みうどん」です。
基本のレシピはみりんと砂糖で甘さをプラスしていますが、これを黒糖に置き換えることでコクが出て風味がアップします。
豆味噌が手に入らず、淡色味噌を使う場合に特におすすめです。
黒糖は一般的な砂糖に比べて甘みを強く感じるので、様子を見ながら少しずつ入れましょう。
最後のアレンジ方法は、とろーりとろける「チーズ入り味噌煮込みうどん」です。
味噌とチーズは発酵食品同士で相性が良く、お互いの良さを引き出してくれます。
チーズはピザ用のシュレッドチーズを使い、卵と同じタイミングで加えて蓋をしてとろけさせましょう。
チーズとスープが麺に絡んで、コクがさらにアップします。
スープのアレンジ以外にも、具材に変化をつけることで普段とは違う味噌煮込みうどんを楽しむことができます。
例えば、鶏肉ではなくエビや牡蠣などの魚介を加えることで、スープの味わいがガラッと変わります。
また、意外な具材ですが、ざく切りにしたトマトを入れるとコクがありながらもさっぱりとした味噌煮込みうどんになります。
味噌とトマトにはグルタミン酸という、うまみ成分が含まれていて、2つを合わせることでより強いうまみを感じることができるのです。
よりトマト感を出したいときは、水の一部をトマトジュースかトマトの缶詰に置き換えると良いでしょう。
アイディア次第で、どんどん新しいアレンジレシピが生まれそうですね。
赤味噌文化の名古屋名物は種類が豊富!
味噌煮込みうどんの基本の作り方やアレンジレシピをご紹介してきましたが、魅力は伝わったでしょうか。
赤味噌文化が深く根付いた名古屋には、味噌煮込みうどん以外にも「名古屋めし」と呼ばれる名物料理がたくさんあります。
ここでは、味噌煮込みうどん以外の名古屋めしを2種類ご紹介しましょう。
まずは、トンカツに甘めの味噌だれをたっぷりかけた味噌カツです。
一口に味噌カツといっても、お店ごとに特徴があり、さらっとした味噌だれやしっかり甘い濃い目のたれなど種類が豊富です。
ボリューム満点で、赤味噌のしっかりとした味つけなのでご飯もどんどん進みそうですね。
2つ目は味噌おでんです。
名古屋のおでんは味噌だれをかけて食べるものと、赤味噌のだしでじっくりと煮込んだ2つのスタイルがあります。
特に試してもらいたいのが、煮込んだタイプのおでんです。
大根などは中心部までだしが染みて真っ黒なので、はじめて見る人は驚くかもしれませんが、見た目とは裏腹に優しい味わいでいくらでも食べられる美味しさです。
赤味噌は熟成期間が長く、ほかの種類の味噌に比べてうまみ成分のグルタミン酸が多く含まれています。
独特のうまみが名古屋をはじめ、東海地方の人を虜にしているのかもしれませんね。
まだ赤味噌を使った料理を食べたことがないという人は、ぜひ一度美味しさを体験してみてください。
ご家庭でも本場の味噌煮込みうどんを楽しもう
日本に古くから伝わる味噌は種類も豊富で、料理によってさまざまな表情を楽しめます。
また、発酵食品である味噌は健康にも良いと、日本だけでなく世界中で注目されています。
名古屋名物の味噌煮込みうどんはスーパーで手に入る食材だけで簡単に作ることができますので、ご家庭でもコク深い熱々の味噌煮込みうどんをお楽しみください。