玄米ご飯を食べたことのない人の中には、独特のぬかのにおいが苦手という人や、硬いのが苦手という人がいます。
しかし、玄米は優れた栄養素をもつ万能食です。
ぜひ、玄米が美味しくなる炊き方をマスターして、ご自身にあった玄米ご飯の味を見つけてみてください。
今回は、玄米の栄養や味、圧力鍋を使って玄米4合を炊く基本のレシピをご紹介します。
圧力鍋で炊く玄米は白米と何が違うの?
多くの方が日常的に食べている白米とは、玄米を精白して、表皮と胚芽を取り除いて残った胚乳のことです。
一方玄米は稲からもみ、殻だけを取り除いたもので、何種類もの層がある表皮、胚芽が残されています。
玄米から精白された表皮や胚芽がいわゆる米ぬかです。
この米ぬかの表皮には、ビタミン、ミネラル、食物繊維、IP6がなどが含まれています。
そして胚芽には、米の栄養成分たんぱく、脂質、ビタミン、ミネラル、が含まれています。
白米は、これらの豊富な栄養成分をバランスよく含む「米ぬか」を捨てているわけです。
玄米は、ビタミンB1については白米の約8倍、ビタミンについては約2倍、食物繊維においては約5倍含まれています。
このような玄米の栄養を圧力鍋でぎゅっと閉じ込めて、玄米4合を炊いていきますが、玄米にはほかにも素晴らしい有効成分があります。
その成分について、ご紹介しましょう。
素晴らしい玄米の栄養成分について
玄米にはビタミン、ミネラル、食物繊維が白米に比べて豊富に含まれているとお話しましたが、そのほかの栄養成分にも、健康な体づくりのためにとても有効な成分が含まれています。
①y-オリザノール 自立神経を調節し、シミ、小じわの予防
②アラビノキシラン NK細胞の活性化、抗酸化作用
③イノシトール 肝機能改善、動脈硬化予防、高脂血症改善
④IP6(フィチン酸) 抗酸化作用、抗ガン作用、老化遅延効果、排毒排泄作用
⑤ギャバ(y-アミノ酪酸) 精神安定作用、血圧安定作用
⑥フェルラ酸 認知症予防効果
このような素晴らしい成分が含まれていますから、毎日食べることで最高にバランスの取れた食事を採ることができます。
玄米について少し理解が深まってきたところで、さっそく玄米4合を圧力鍋で炊いていきましょう。
玄米4合を圧力鍋で炊く準備をしよう
玄米の炊き方は、白米と少し異なります。
まずは準備の部分を見てみましょう。
【作り方】
①計量
・玄米 4合
※米をバットに広げて、もみ殻、ごみなどがあったら取り除きます。
・水 玄米の分量の1.5~1.6倍
※水分量は、火加減、季節、炊きあがりの柔らかさの好みによって調節しましょう。
②洗米
玄米をボウルに移して水を注ぎ、2~3回水を変えながらやさしく洗い、その後水気をよく切ります。
洗い方には、このほかにも、手と手をすり合わせながら洗う拝み洗いや、金網の中でゴシゴシと玄米の表面に傷をつけながら洗う方法。
泡だて器で右回転に回しながら洗うなど、いろいろな洗い方がありますよ。
③浸水
圧力鍋で炊く場合は浸水をしないでもやわらかく炊けますが、通常玄米は白米と違って表皮が硬いので浸水が必要になります。
6時間~8時間くらいすると普通の電気炊飯器でもやわらかく炊くことができますよ。
玄米4合の美味しい炊き方
前項に続いて、玄米を炊いていきましょう。
①予炊き
圧力鍋をコンロに置き、中火よりやや強めの火で10分~12分程度予炊きを行います。
ゆらゆらとお米が揺れるようになったら、中火弱にしましょう。
②びっくり水
予炊きでお米がゆらゆら揺れて、いい香りがしてきたら塩を一つまみ加えます。
塩の代わりに、梅干し、昆布、酒などを入れて炊いても美味しく炊けますよ。
塩が溶けたら15ccほどのびっくり水をして、再び加熱します。
びっくり水の分量は蒸発分を補う考え方なので、火加減や蒸発量により加減するといいです。
③本炊き
強火にし、圧力が上がるのを待ちます。
圧力が安定してきたら、火を中火強にして、20分~25分炊きましょう。
途中、鍋によっては焦げ癖などがあるので、鍋の向きを変えて火の当たりを調整していきます。
④炊きあがり
火からおろし、圧力が抜けるまで15分ほど待ちます。
上手く炊けると、カニの穴と呼ばれる穴が開いていますよ。
手早く天地返しをして、ふたをして10分ほど蒸らします。
以上が圧力鍋で炊く、美味しい玄米4合の炊き方です。
せっかく4合炊くなら自分好みの玄米を見つけよう
玄米を4合炊こうと思ったら、自分好みの玄米を見つけてみてはいかがでしょうか。
玄米の味を決める要素はたくさんありますが、大きく分けて5つあります。
①米の品種
②田の土質や肥料のやり方
③脱穀、もみすりの状態
④炊く人の体調
⑤炊飯方法
品種が同じでも、土壌が違えば味も違います。
玄米の場合、白米と違ってぬか層の部分も食べることになります。
ぬか層の部分にはビタミン、ミネラル、抗酸化物質んど健康に役立つものが多く含まれますが、農薬もこの部分に蓄積されることになります。
なるべく、減農薬または合鴨農法など最小限の農薬量で作られたものを選んでみましょう。
だからといって、農法だけで選ぶと問題もあります。
いくら自然農法であっても、過去に農薬が多量に使用されていた土地だとしたら、深い土の成分が地上にあがってくることもるからです。
一番の理想は現地を訪ね、過去にその場所で何がどのように育てられていたのか、土地の歴史を知ることです。
自然の中でどのように作られているのか、生産者はどのような人なのかを知ることなどが、美味しい玄米と出会える理想的な方法ですよ。
最後に、圧力鍋で炊いた玄米ご飯のレシピをご紹介します。
圧力鍋で炊く玄米ご飯のおすすめレシピ
それでは、圧力鍋を使って作る玄米ご飯のおすすめレシピをご紹介します。
●玄米炊き込みご飯
【材料 4人分】
・玄米 4合
・ひじき 15グラム
・油揚げ 1枚
・こんにゃく 半枚
・酒 大さじ2
・しょうゆ 大さじ1
・みりん 小さじ4
・塩 小さじ1/2
【作り方】
①玄米はよく洗い、7時間~8時間水につけます。
②ひじきは水でもどし、水気を切りましょう。
こんにゃくは細切りにして、下茹でします。
③油揚げは細切りにし、ざるにのせ、熱湯をかけて油ぬきをしておきましょう。
④水を切った玄米を圧力鍋に入れて、調味料を加え混ぜます。
残りの具材を全てのせて表面を平らにし、洗う前の玄米の容量の1.2倍程度の水を入れて炊きます。
⑤炊きあがったら、さっくり混ぜてください。
●桜えびとしば漬け混ぜご飯
【材料 2人分】
・玄米ご飯 茶碗2杯
・桜えび 10グラム
・しば漬け 20グラム
①桜えびをフライパンで乾煎りして、パリッとさせます。
②しば漬けはみじん切りにしましょう。
③あたたかい玄米ご飯に、①と②を混ぜます。
●梅干しとわかめのおにぎり
【材料 2人分】
・玄米ご飯 茶碗2杯
・梅干し 2個
・わかめ 2グラム
①梅干しは種を取り除いて、果肉を包丁でたたいてペースト状にします。
②わかめは水でもどして、水気をきつく絞り、細かく刻みましょう。
③ご飯に①、②を加え混ぜて、おにぎりにします。
美味しくて栄養豊富な玄米を毎日食べよう
玄米には食物繊維やカルシウム、たんぱく質、ビタミンB群、鉄分、リンなどの豊富な栄養を含み、これだけでおかずがなくても、主要な栄養素をほとんど摂取できる優秀な食品です。
麦やきび、ひえ、あわ、などの雑穀を玄米に混ぜて炊いてみると、また食感が変わり、食べやすくなります。
最近では、分づき米、発芽玄米、古代米など、食べやすい形の玄米を、スーパーなどで手軽に手に入れることができます。
ときには、お米マイスターのようなお米のプロがいる、こだわりの米穀店で色々教えてもらいながら選ぶこともできますよ。
ぜひ、自分好みの味を見つけて、毎日の食卓に美味しい玄米を取り入れてみてください。