和食の汁物として定番の味噌汁は、発酵食品として、健康によいおなじみ料理です。
みなさんは、どのような具材を味噌汁に入れていますか?
健康によいと分かっていても、毎日同じような具材では飽きてしまいますよね。
ここでは、野菜や魚など、食材別におすすめする味噌汁の具をご紹介します。
どんな具でも味噌汁は健康的?
和食といえば、必ず汁物としてついてくるのが味噌汁です。
当たり前に用意するので、味噌汁や具についてあまり栄養や健康について意識しないものですよね。
しかし、味噌汁は次に述べるように、実は健康的な食事なのです。
・発酵食品
味噌にはたっぷりと酵素が入っていて、体に必要なエネルギー代謝を促進します。
代謝がよいと、体内の老廃物の排出が活発になり、新陳代謝が血行をよくします。
実際、冬に温かい味噌汁を飲むと体がポカポカになりますよね。
・塩分
汗をかくと体内のナトリウム=塩分が排出されます。
体内のナトリウムが少なすぎると、倦怠感を覚えやすくなりますよ。
特に暑い夏は、味噌汁を毎日飲むとナトリウムを適度に補えますので健康的に過ごせます。
このように、味噌汁は具材を問わず、味噌自体が健康によい食材なのです。
味噌汁に健康によい具材を入れたら、さらに効果が高まります。
そこで味噌汁に入れたい具材をご紹介しましょう。
味噌汁の具におすすめの野菜は?
まずは、健康的な味噌汁を作れる定番の具、野菜です。
着目したいのは、二つの点です。
①カリウムで塩分調整
食事の塩分調整をしている人は、味噌汁の塩分計算にお困りではないでしょうか。
そんなときは、カリウムを多く含む食材を使うのがおすすめです。
カリウムは、味噌汁の塩分=ナトリウムを適度に排出してくれます。
カリウムを多く含む野菜はホウレン草、里芋、春菊、カボチャなどです。
②緑黄色野菜で効率よく栄養を摂る
厚生労働省は、一日の野菜摂取目標量350gのうち、栄養価の高い緑黄色野菜120gが占めるように推奨しています。
ところが、実際にほとんどの人は、緑黄色野菜の摂取量は目標量を下回っているのが現状です。
淡色野菜に比べて、緑黄色野菜は生活習慣病を予防するβカロテンが豊富に含まれています。
毎日食べる味噌汁の具に摂り入れてみましょう。
代表的な緑黄色野菜は、ホウレン草、カボチャ、小松菜、トマト、アスパラガス、ニラなどです。
全般的に味が濃厚な緑黄色野菜の具を入れると、出汁が少なくてもおいしくなります。
健康だけでなく、味の面でもおすすめです。
健康は毎日の魚介・海藻から
最近では、毎日食べる人が少なくなった魚介類は、健康を考えると毎日摂るべき食材です。
そこで、味噌汁におすすめの魚介の具をご紹介します。
・つみれ汁
焼き魚用のサバやイワシを多めに購入し、余った分を味噌汁の具に入れましょう。
青魚といえば代表的な健康食材で、カルシウムや生活習慣病を防ぐDHAが豊富です。
包丁で叩いて片栗粉を入れ、丸めるだけでつみれが作れます。
・石狩鍋風味噌汁
具に、アンチエイジング効果のあるアスタキサンチンを含む鮭、食物繊維が多い酒粕を使います。
美容に関心がある人におすすめです。
おいしい出汁を出すために、ぜひ骨付きの鮭を使いましょう。
・シジミ汁
「肝臓によい」といわれるシジミ。
実は女性の健康にうれしい鉄分も豊富なのです。
ほかにも、アミノ酸を多く含むので、旨味たっぷりのおいしい味噌汁が最小限の出汁で作れます。
・アオサ・ワカメ
カリウムが多く含まれていて、塩分を気にする人におすすめです。
乾物を使えば、包丁要らずで作れる手軽さもうれしいですね。
健康食材としておなじみの具のキノコ
キノコは値段的がお値打ちですので、人気の味噌汁の具材です。
どのような栄養が含まれていて、健康に効果があるのでしょうか。
①食物繊維
キノコの栄養で特筆すべき栄養は、食物繊維です。
特にきくらげ、しいたけ、しめじに多く食物繊維が含まれています。
腸内環境は健康に大きくかかわり、食物繊維は胃腸の働きをよくします。
②ビタミンD
限られた食材にしか入っていない栄養です。
カルシウムの吸収を高め、子どもの成長や骨粗しょう症の予防に欠かせません。
②カロリーが低い
ダイエットの強い味方のキノコは、カロリーは100gで20kcalです。
スーパーの店頭に並ぶしめじ1袋で約30kcalですので、かなり低カロリーですね。
③出汁が出る
キノコはグルタミン酸を豊富に含む旨味がある具材です。
味噌汁を作るときは、水からキノコを鍋に入れましょう。
60~70℃の温度から、キノコの旨味が出やすくなりますよ。
味噌汁の具をキノコだけにして、複数種類入れて作ってもおいしいですし、健康的でもあります。
健康的な味噌汁は具沢山が簡単
ここまで色々な味噌汁をご紹介しましたが、健康によい具材はなるべく多く一度に入れたいものです。
あれこれ考えなくても、具沢山になる味噌汁を作りましょう。
●豚汁
豚汁を作るときに、具材が少ないということはあまりないですよね。
豚肉の脂の旨味を活かすために、なるべく多くの具材を入れたい、という心理が働くものです。
ご紹介した緑黄色野菜やキノコをたくさん入れて、健康によい味噌汁を作りましょう。
●納豆汁
東北地方の郷土料理の納豆汁は、具沢山なのをご存知でしょうか。
冬の季語であり、大根、ネギ、ホウレン草などの冬野菜をたくさん入れて作ります。
冬野菜を淡白な味を補う納豆を加えて、健康によくおいしい納豆汁を作ってみましょう。
●冷や汁
冷や汁は宮崎県の郷土料理で、夏のスタミナ食です。
のどごしがよく、夏に必要な塩分を補給できる健康食ですよ。
暑い時季に食欲がなく味噌汁を飲みたくなくても、冷や汁なら、おいしく食べられますね。
冷や汁の具はきゅうりを入れますが、きゅうりはナトリウムを排出するカリウムが豊富です。
塩分計算している人には、味噌汁の塩分の過剰摂取を防げるので冷や汁はおすすめですよ。
冷凍・フリーズドライを味噌汁の具に
味噌汁の具をどれにしようか考えるのが面倒な場合は、下ごしらえしたものや加工品を使いましょう。
たくさん食材を買って管理しきれず、腐らせてしまったということがありません。
次に述べるように、健康的なメリットも多くあります。
▼作り置き
下処理が面倒なゴボウや里芋は、味噌汁の具用にまとめてカットしておいて冷凍しておきましょう。
キノコは1パックの量がたくさんあるので、3回分に分けて冷凍すると便利です。
▼フリーズドライ
野菜や海藻をたくさん入れたフリーズドライを、味噌汁の具として多くの種類が販売されています。
乾物は味が凝縮していて、健康によい栄養がたくさん含まれています。
例えば、切干大根は大根を天日干しすることでカルシウムや鉄分が大幅に増えます。
ご自宅で干し野菜を作るのもおすすめですよ。
カボチャやナス、ゴボウなど水分が少ないものが適しています。
▼冷凍野菜
下処理が面倒であれば、「汁物ミックス野菜」として販売されているものを、味噌汁の具に上手に利用しましょう。
健康によい野菜・ゴボウや里芋もお手軽に使えます。
毎日飲むことが大事
健康によい味噌汁の具をご紹介しました。
珍しい具はなく、よく食べる機会のあるものばかりではないでしょうか。
やはり昔から飲まれている定番の味噌汁は、健康を考えられた具で作られていますね。
インスタント味噌汁も定番の具で作られていますので、どんな形でも一日1食飲むことを習慣にしてみましょう。