ヨーグルトの上のほうに、分離した水分が溜まっているのを見たことがないでしょうか。
この水分のことを「ホエー」と言います。
ホエーは低カロリーなのに高栄養なので、捨ててしまうのはとてももったいないです。
ヨーグルトと混ぜて一緒に食べるのも良いですが、その他にもいろいろな活用方法がありますよ。
今回は、ホエーの活用の仕方をご紹介しましょう。
ヨーグルトのホエーは低カロリー・高栄養!
ホエーは「乳清」とも呼ばれる、ヨーグルトの上澄み液です。
ヨーグルトは、牛乳のたんぱく質である「カゼイン」が乳酸菌の働きで固まってできているのですが、ヨーグルトの発酵が進むにつれてこの固まりが収縮し、内包しきれなくなった水分が分離します。
この分離した水分がホエーです。
ホエーには特にカルシウムが豊富に含まれている他、必須アミノ酸を含有する良質のたんぱく質も含まれており、摂取することでこれらの栄養素を素早く体に吸収できます。
また、ヨーグルトと同等の乳酸菌を含んでいるにもかかわらず、ヨーグルトよりカロリーが低いのも特徴です。
普通のプレーンヨーグルト100gあたりのカロリーが約60kcalなのに対して、ホエーは100gあたり約26kcalと、半分程度のカロリーです。
そのため、カロリーを気にしている方でも摂取しやすいのが嬉しいですね。
今までホエーを捨ててしまっていたという方は、これを機にぜひホエーを摂取してみてはいかがでしょうか。
ホエーの簡単な作り方!水切りヨーグルトも楽しめる!
先ほど、ホエーはヨーグルトの発酵が進むことで出てくる水分であるとご説明しましたが、発酵を待つよりも早くたくさんのホエーを作れる方法があります。
ここでは、ホエーの簡単な作り方をご紹介しましょう。
【材料】
・プレーンヨーグルト
・ボウル
・ざる
・キッチンペーパー
【作り方】
①ざるの中にキッチンペーパーを敷き、ボウルの上に乗せます。
②キッチンペーパーの上にヨーグルトを乗せましょう。
③冷蔵庫に入れて一晩置けば、濾された水分がボウルに溜まってホエーが出来上がります。
ここでは、厚めのキッチンペーパーを使うのがポイントです。
ざるに残ったヨーグルトは水切りヨーグルト(ギリシャヨーグルト)として味わえますよ。
クリームチーズのような濃厚な口当たりが特徴です。
水切りヨーグルトにはたんぱく質が濃縮されているという長所がありますが、同時に脂質も濃縮されているため、普通のヨーグルトよりカロリーが高めです。
とは言え、チーズに比べると低カロリーなので、クリームチーズの代わりに活用すればカロリーカットに役立つでしょう。
また、少量のヨーグルトであればドリッパーとコーヒーフィルターを使って水分を濾しても良いでしょう。
低カロリーなホエーを使ったラッシーを作ろう
低カロリー・高栄養が嬉しいホエーですが、そのまま飲むと薄まった飲むヨーグルトのようで、あまり美味しくないかもしれません。
そこで、ここからはホエーを活用したさまざまなレシピをご紹介します。
まずご紹介するのは、インドの定番の飲み物であるラッシー風ドリンクの作り方です。
【材料】
・ホエー 100ml
・牛乳 100ml
・はちみつ 小さじ1
【作り方】
作り方はとても簡単で、材料を全て混ぜ合わせるだけです。
牛乳と合わせることで、ホエーの酸味が抑えられて飲みやすくなります。
甘さははちみつの量で調整してください。
桃などのフルーツを入れてミキサーにかけ、ヨーグルトドリンクのようにしても美味しいでしょう。
低カロリーですっきりした味わいなので、毎日の朝食におすすめです。
ホットケーキにホエーを加えるとカロリー控えめ&ふわふわに!
ホットケーキを作る際に、牛乳の代わりにホエーを使えばカロリーを抑えられるうえ、ふわふわに焼き上がります。
これは、ホットケーキに使用するベーキングパウダーに酸性のホエーが加わって、膨らむ力が強くなるためです。
それでは、ホエーを使ったふわふわのホットケーキを作ってみましょう。
【材料】
・ホットケーキミックス 1袋
・卵 1個
・ホエー 150ml
・サラダ油 大さじ1
【作り方】
①ボウルにホットケーキミックスと卵、ホエーを入れて混ぜ合わせます。
②フライパンにサラダ油を敷き、中火で温めます。
③①のタネをお玉1杯分すくって、フライパンに流し入れて丸く形作り、蓋をしてしばらく焼きます。
④表面に気泡が出てきたら、裏返してまた蓋をします。
⑤裏面もしっかり焼けたら出来上がりです。
ホットケーキミックスに含まれるベーキングパウダーとホエーが混ざり合うことで、ふわふわでもちもちとしたホットケーキができます。
子どものおやつに作ってあげれば、きっと大喜びするでしょう。
ホエーと一緒にできた水切りヨーグルトを添えても良いですね。
ヨーグルトの代わりにホエーで!タンドリーチキンの作り方
タンドリーチキンを作る際は、ヨーグルトを使うことが多いと思います。
ここで代わりにホエーを使えば、ヨーグルトを使うよりも低カロリーでヘルシーなタンドリーチキンができますよ。
ホエーに漬け込むことでお肉が柔らかくなり、とてもジューシーに仕上がります。
【材料】
・鶏もも肉 または鶏むね肉 1枚
・ホエー 100ml
・カレー粉 大さじ1
・ケチャップ 大さじ1
・塩 小さじ2分の1
・おろしにんにく、おろし生姜 適量
【作り方】
①ホエーとカレー粉、ケチャップ、塩、おろしにんにく、おろし生姜を全て混ぜ合わせます。
ビニールやジップロックに入れて混ぜると良いでしょう。
②一口サイズに切った鶏肉を①に入れ、もみ込んだら冷蔵庫で1時間以上寝かせます。
③②を耐熱容器に入れ、電子レンジ(600W)で2分ほど加熱します。
④③をオーブントースターで15~20分ほど焼けば完成です。
オーブントースターで焼く際は、焦げないように様子を見ながら焼くようにしましょう。
ホエーでできる!韓国の定番の漬物「水キムチ」
韓国の家庭でよく食べられている「水キムチ」は、普通のキムチと比べて辛くないのが特徴です。
すっきりとした酸味があり、日本の漬物に近いと言えるでしょう。
水キムチには、非常に多くの乳酸菌が含まれており、本場韓国だけでなく日本でも注目されている食材です。
ヨーグルトのホエーを使って、ぜひ作ってみましょう。
【材料】
・ホエー 150ml
・大根やキュウリ、にんじんなどお好みの野菜 1kg
・塩(野菜の塩もみ用) 大さじ1
・お湯 300ml
・塩(お湯に溶かす用) 大さじ2分の1
・りんご 1個
・にんにく 2片
・しょうが 2片
・鷹の爪 適量
【作り方】
①野菜を薄切りにしたら、塩もみをして5分ほど置き、水分を出します。
②りんごやにんにく、しょうがも薄切りにしておきます。
③保存容器に、水分を切った①と②を入れ、鷹の爪も入れて軽く混ぜます。
④お湯に塩を入れ、塩を溶かしておきます。
⑤③にホエーと④を注ぎ、ラップをして冷蔵庫に入れ、一晩以上置いておけば出来上がりです。
砂糖などは使用していないので低カロリーで、野菜をたっぷりと食べることができます。
漬け込んだ汁にも栄養が溶けているので、汁も美味しくいただきましょう。
低カロリー・高栄養のホエーは捨てずに活用しよう!
今回は、ヨーグルトの上澄み液であるホエーの活用の仕方をご紹介しました。
ホエーを牛乳やヨーグルトの代わりに使うことで、カロリーを抑えたヘルシーな料理を作れます。
また、カルシウムやたんぱく質などの栄養もしっかりと取ることができます。
これまでホエーを捨ててしまっていたという方も、ぜひさまざまな料理に取り入れてみてください。