1日の摂取カロリーが低いだけではないバランスの良い食生活

自分の年齢と性別の、1日に必要なカロリーをご存知ですか。

毎日摂っている食事のカロリーが、必要なカロリーよりも高いという人もいますが、必要なカロリーよりも低い人もいます。

必要なカロリーよりも摂っているカロリーが高いから太る、低いから痩せるかというと、そうではない人もいます。

それはなぜでしょうか。

そして、年齢や性別による1日に必要なカロリーがどれくらいなのかをご紹介しましょう。

1日に必要なカロリーが低い日

私たちは年齢によって、基礎代謝量と呼ばれている生命を維持するために必要なエネルギーのカロリーが決まっています。

これは女性の場合は12~14歳が最も多く、15歳を過ぎると減少していきます。

この基礎代謝量に、その日の生活活動内容を掛けて、1日に必要な推定エネルギー必要量と呼ばれる、その日に必要なカロリーがわかります。

しかし、推定エネルギー必要量というのは、母集団の50%の人に当てはまる量になりますので、必ずしもその量のカロリーを摂ればいいということはありません。

同じ年齢で、同じ生活内容でも一人一人の背の高さや体重によって、1日に必要なエネルギー量は違ってきます。

同じ人でも、毎日の生活のほんのちょっとした作業内容によっても違います。

推定という言葉を使うというのは、そういう意味になります。

標準身長と体重の同じ女性が、平日の仕事内容がハードワークな1日と、比較的楽に終わった1日では、同じ就業日でも消費カロリーが変わり、いつもと同じ食事内容では、ハードワークな日では摂取カロリーが低いため体重が減少してしまうことがあります。

逆もありますね。

これは、マラソン選手やテニスの選手が、練習日と試合の日では同じ食事内容でも、試合の日の方が体重が減ってしまうことがある、ということと同じです。

2018年現在、20代女性が必要としている基礎代謝量は1日1110kcalで、休日はそこに1.4~1.6倍、普通の日は1.75~1.9倍します。

休日何もせずに家にいるなら、摂取カロリーはハードワークな就業日1日の70%くらいで十分です。

しかし、私たちは健康な身体を作るためには、十分な休養も必要になりますので、休日は身体を休めることも大切です。

のんびりと休日を過ごす日は、1日に必要なカロリーが低い日と、自分で決めておきましょう。

テレビを見ながらダラダラとジュースを飲みながらポテトチップやクッキーを食べたり、面倒だからと言ってカップ焼きそばや冷凍のパスタ・冷凍チャーハンで食事をすると、カロリーオーバーになってしまうこともあります。

気を付けてくださいね。

年齢によって低い、1日の必要カロリー

同じ女性でも年齢が上がっていくと、1日に消費するカロリーが若いころほど必要としなくなります。

数年前まではランチバイキングで、好きなだけ食べても平気だったのに、同じ量を食べてしまうと、ぽっこりとお腹が出てしまうということがあります。

10代、20代だった時と、30代、40代になってしまった今。

悲しいことに、基礎代謝量は下がり、以前よりも低いカロリーでも、体重が減らなくなったということをよく耳にします。

特に女性は、20代の後半から30代にかけて妊娠・出産で通常よりもカロリーを必要とすることがあります。

妊娠中に通常の1.1~1.2倍のカロリーを必要とし、出産後も授乳によっていつもよりも高いカロリーの食生活をしていても太ることはありません。

しかし授乳が終わり、子どもが保育園や幼稚園に行き始めると、体重が増えてしまうという人もいます。

授乳で与えていたエネルギー量がなくなっただけでなく、年齢が上がることで基礎代謝量が下がり、いつもよりも低いカロリーにする必要があります。

妊娠・出産経験がないから大丈夫と思っていても、経験がない人も女性ホルモンの働きの変化はありますので、年齢によってカロリーを変える必要があります。

1日の消費カロリーが高い人

同じ年齢の女性でも、身長や体重・年齢・妊娠や出産の有無で1日の消費カロリーが違います。

さらに、生活の仕方で大きく変わっていきます。

しかし、どれほど食べても全く太らないという人がいますね。

大食いといわれている人が、必ずしも太っているとは限りません。

むしろ、痩せている人の方が多いくらいです。

それでは、痩せているのに大食いの人と、普通に食べても痩せない人、低いカロリーにしても痩せない人はどこが違うのでしょうか。

どれほど食べても太らないという人は、善玉菌が普通の人の2~4倍の量があるといわれています。

さらに褐色脂肪細胞と呼ばれる細胞が他の人よりも多い、というのも良く聞きます。

褐色脂肪細胞量が高い人は基礎代謝量が高いため、1日の消費カロリーが高くなります。

10代のころまでに運動をしていた、特に水泳をやっていたという人は、他の人に比べると褐色脂肪細胞量が高くなります。

褐色脂肪細胞量は乳児が最も高く、年齢とともにどんどん減少し、成人になると生まれた時の半分になります。

成人は褐色脂肪細胞量が低いため、子どもよりもカロリー消費も低くなります。

10代までは増やせる褐色脂肪細胞でも、年齢とともに失ってしまった褐色脂肪細胞が再生されることはありません。

しかし、少なくなってしまった褐色脂肪細胞量を増やすことはできませんが、活性化させることはできます。

褐色脂肪細胞を活性化させる一番の方法は水泳ですが、普段の食生活でも褐色脂肪細胞を刺激することができますので、上手にバランスの良い食事をしましょう。

低いカロリーで1日を過ごすこと

褐色脂肪細胞の量が低いだけでなく、他にも痩せにくい理由があります。

当然なことですが、家にじっとしていて動かない日はカロリー消費が低くなりますね。

野菜や発酵食品が嫌いで、腸の働きがよくない、善玉菌が少ない人は便秘をしやすく太りやすくなります。

運動が嫌いで筋肉の量が少ない人も、基礎代謝量が低いと言います。

肉や乳製品が嫌いの人は、筋肉量が減ったり善玉菌の量が減り、見た目が痩せていて体重が少なくても脂肪が多い人もいます。

太りやすいからと、やみくもにファスティングといって食べることそのものをやめてしまっても、痩せることには結び付きません。

痩せにくい人でもしっかりと食べないと、腸の働きが悪くなってしまいますので、善玉菌が増えずに痩せにくい身体になってしまいます。

もちろん、カロリーを摂りすぎると太りやすくなりますので、食べ方を工夫する必要があります。

低いカロリーでありながら、きっちりと満腹感を感じて腸の働きを良くし、必要な栄養素を摂ることができる。

そんな食生活で1日を過ごすことが必要になります。

今日は休日でのんびりするから、カップ麺や冷凍のパスタで終わり…。

カロリー量は確かに低いですが、その分たんぱく質や食物繊維、乳酸菌量も低いです。

カロリーと呼ばれるエネルギーを作る栄養素は、糖質・脂質・たんぱく質の3つからバランスよく食べる必要があります。

カロリーの表示だけを見て、今日はいつもの70%減の食事だから大丈夫というのは危険です。

いつもなら、たんぱく質や脂質からも摂っているカロリーを、ほとんど糖質のみになってしまい危険です。

たとえのんびりと過ごす休日でも、低いカロリーにするだけでなく、栄養素のバランスを考えて食事をすることが大切です。

1日のカロリーのバランス

カロリーの低い・高いに気を付けるだけでなく、乳酸菌やGI値やビタミンにも注目しながら食べるものを選んでみましょう。

子どものころ、若いころはご飯をたくさん食べても太らなかった、という人がいますね。

一つは基礎代謝が高いため、同じ食生活をしても成人よりも多く消費してします。

特に、小学校高学年から高校生にかけては成長期で、横だけでなく縦にも成長するため、エネルギー必要量が高いということです。

もう一つは、毎日の学校での勉強や運動で、糖質をエネルギーにして消費しています。

人の脳は糖質のみをエネルギーにしていますので、甘いものが好きでも真剣に勉強取り組むと、エネルギーとして消費してしまいます。

しかし、成人になるとそういうわけにはいきません。

同じものを食べていては、糖質過多になってしまいます。

そこで肉じゃがでも、ジャガイモやにんじんの量を少しずつ減らして糸こんにゃくの量を増やす、6枚切りの食パンにチーズとハムをやめて、8枚切りのパンに野菜やチーズを挟んで食べるという工夫が必要です。

ごはんの前にGI値が低いチーズを食べたり牛乳を飲んだり、キャベツやもやしを先に食べるといったことも大切です。

ご飯も普通の白米ではなくビタミンB群や食物繊維を含むもち麦や雑穀を混ぜる、魚や豚肉をしっかりと摂って、DHAやビタミンB1を忘れずに摂るのも重要ですね。

ご飯やパン、麺から摂ってしまうカロリーを低いものにして、逆に肉や魚・乳製品からとるカロリーを高いものにします。

すると1日に摂取するカロリーが、同じカロリーでも炭水化物と脂質、たんぱく質から摂るバランスが良くなりますね。

こうすることでカロリーをものすごく低いものにしなくても、適度に低くすることで、しっかりと食べながらバランス良く太らない身体作りができます。

生活様式で変わる1日の消費カロリー

中高生の中で肥満体質な人の多くは、生活態度に問題を抱えています。

運動が嫌い、朝ごはんを食べない、好き嫌いが多いという子どもの多くが、痩せすぎか肥満です。

痩せすぎの子どもの中には骨や筋肉が弱いうえに抵抗力も低く、友だちと腕相撲をして骨折をしてしまう、体育の後に捻挫や肉離れを起こす、毎年インフルエンザになるという子どももいます。

いかにもガリガリで骨も細い子は、色々な問題体質を抱えています。

さらに、太りすぎの子の中に多いのが、昼夜逆転生活です。

夜遅くまでゲームをしたり、テレビを見たり、インターネットを使って遊んで起きています。

寝る時間が遅いため夜中にお腹が空いて、深夜にスナック菓子を食べて一緒に炭酸飲料を飲みます。

朝起きられないため、朝食を食べずに学校へ行きます。

途中でお腹がすくため、昼までの間に間食をしたり、また炭酸飲料やジュースを飲んでしまいます。

睡眠不足で、授業中はいつも居眠りをしています。

そしてまた、夜遅くまで遊んでいます。

こういった生活を繰り返しています。

これは子どもだけでなく成人も同じです。

昼間仕事をしているにも関わらず、深夜に遊んでいる夜型人間が増えています。

世間には深夜遅くまで開店している店に、テレビ番組がたくさんありますね。

外で遅くまで飲食を楽しむ人もいれば、自宅でテレビや撮りためていた録画を見て、遅くまで起きているという人が増えています。

こういった生活を繰り返すと、いつも頭がボーっとした状態になるだけでなく、1日のカロリー消費のバランスが崩れます。

就寝前の食事は3時間は空けましょうといわれますが、寝る寸前まで何かを食べていると、そのまま消化されることなく身体の中に残ってしまいます。

朝食を抜くことで、血糖値のバランスも崩れてしまい、インスリンが過剰に分泌されて普通の人よりも空腹を感じやすくなったり、インスリンの分泌のコントロールが乱れることもあります。

昼間、他の人と同じ生活をしているのに、低い摂取カロリーでも余ってしまうことがあります。

昼間勉強や仕事をしていても、睡眠不足でテキパキと動くことができず、どうしても動作が緩慢になってしまいます。

疲れやすいため、つい座ってしまったり、階段を使わずにエレベーターやエスカレーターに頼る生活をしてしまいます。

そのため、昼型人間の人よりも起きている時間は長いので、低いカロリーでは物足りないため、ダラダラと食べてしまいます。

逆に熟睡している睡眠時間が少ないため、成長ホルモンの分泌が悪く、カロリーの消費ができず太りやすい体質になってしまいます。

私たちは、食事のカロリーや運動のカロリーだけを気にするだけでなく、生活様式によっても消費するカロリーが違っています。

カロリーだけではない食生活

年齢や生活様式・身長・体重が違うだけで、摂取するカロリーの低い高いが違ってきます。

1日のカロリーを低くしたから痩せる、という考えはやめましょう。

健康な身体を作るためには、カロリーだけでは決められないことがたくさんあります。

バランスの良いたくさんの種類の食事をして、バランスの良い生活をし、しっかりと身体を動かして80年間の人生を健康に生活できる身体を作りましょう。