カロリーと栄養バランスが大切!一日の男子高校生の食生活

男子高校生は朝・昼・夜のご飯の他に間食を含めて、一日に2850kcalを必要とします。

2850kcalというカロリーの量は、テイクアウトの焼き肉弁当を3食摂っても足りない量です。

同じ高校生でも女子は一日2300kcalになりますので、必要とする量はカップ麺1つ、ハンバーガー1つ以上の差になります。

しかし、これでは炭水化物で増やすことになりますね。

成長期の男子高校生には炭水化物よりも必要な栄養素がたくさんあります。

それでは、男子高校生が健康な毎日を過ごすために必要なカロリーはどれくらいになるのか、どんな食生活が理想的なのかをご紹介しましょう。

男子高校生が一日に必要なカロリーが不足している

人が一生の中で最も成長するのは乳幼児期ですが、その次に成長をするのが、女子は中学生で男子は高校生です。

女子と男子では成長する量も質も違うため、男子高校生が最もカロリーを必要とする時期と言えます。

男子は中学入学から高校卒業までの6年間で、身長で10~30cm、体重で10~30kg増えます。

2018年現在の男子高校生の平均身長は175cm、体重は60kgになります。

これは、60年前よりも10cm、30年前よりも5cm高くなっています。

中には小学校高学年で成長をする子もいますが、男子のほとんどは女子よりも成長期が遅いため、中学三年生くらいから高校二年生くらいの間に急成長していきます。

さらに、中学三年生になると初めての受験、高校生になると電車通学や部活・アルバイトと生活様式も変わり、一日のカロリーの消費量が急に増えていきます。

中学生の時なら給食では昼ご飯が不足し、部活の後帰宅すると夕飯まで待てない、塾の前にご飯を食べても、帰宅後にお腹がすくというのは当たり前のようになっていきます。

これは健康な男子中高生なら当たり前のことです。

運動部が盛んな高校では、寮生活で朝・昼・夜と栄養士の人が作った食事を提供してもらったり、学校側から必要な食事の指導があるため、カロリー不足になることはありませんが、一般的な高校生の中には、カロリーが不足している子もたくさんいます。

当たり前のことですが、午前授業の合間の早弁は許されませんし、放課後も特に間食をすることなく部活をし、帰宅途中での買い食いなども校則で禁止している学校もあります。

男子高校生の中には、学校が遠いため朝ゆっくり食べる時間がなく、朝食を抜いたり菓子パンや果物だけで登校し、昼はラーメンやうどんだけ、帰宅後も夕飯しか食べないため、カロリー不足になってしまっていることがあります。

中には一日に2000kcal以下の男子高校生もいます。

そのため身長と体重のバランスを数値で表すBMI値が、標準以下の痩せすぎの高校生が多くなっています。

一日のカロリーは普通なのに肥満になる男子高校生

一方、食事の摂り方のバランスが悪く、いつも炭水化物ばかりを食べている男子高校生の中に、肥満の子も増えています。

空腹になるとおにぎりやラーメン・うどん・カップ麺と炭水化物を摂ってしまう、野菜や果物を食べるのは面倒で安くお腹をいっぱいにしたいと、バランスよりもボリューム重視の食生活をしている子です。

一日に摂っている総カロリーは特に問題はないけれど、食べるものの種類が少なく、米や小麦が中心で、圧倒的に野菜が不足しています。

家庭でも肉が中心の食生活で、おやつはスナック菓子やおにぎり、ハンバーガーという子ですね。

特に中高生に人気のカップ焼きそばは、普通のサイズでも700kcalほどあり、見た目以上にカロリーが高いです。

しかし、そのほとんどは炭水化物と脂質で、たんぱく質はかなり少ない量になります。

私たちが一日に必要とするエネルギー量の60%は炭水化物で摂ることを理想とされていますが、残りの40%は脂質20~25%、たんぱく質15~20%と言われています。

ところが毎食カップ焼きそばや牛丼、おにぎり、ピザやパスタばかりの食生活では、圧倒的にたんぱく質量が不足します。

野菜や果物・肉・魚を食べないとビタミンや無機質の量も不足するめ、摂った炭水化物や脂質・たんぱく質をエネルギーに変えることができず、ただの体脂肪になってしまいます。

そのため、総カロリー数はそれほど問題はないのに、肥満になってしまう男子高校生もいます。

男子高校生が一日に必要なカロリーのバランス

男子高校生と言っても、皆が同じカロリーを必要としているわけではありません。

15歳から17歳の男子の一日に必要な基礎代謝量は1610kcalですが、この値にどれくらいの活動をしているかを掛けて、一日に必要な推定エネルギー必要量を算出します。

部活もせず毎日何となく学校に通っている生徒、アルバイトや部活・体育の授業を快活にこなしながら生活をする普通の高校生、毎日全国大会を目指すような部活動をしている高校生では、必要とするカロリーはかなり違ってきます。

普通の高校生が部活やアルバイトをこなして毎日を過ごすと、一日に必要なエネルギー量は2850kcalになります。

これは、30代の女性が軽い生活をするときに必要なエネルギー量の1.5倍です。

男子高校生は普通に生活をしていても、それくらいのカロリーを必要とするということです。

それでは2850kcalのエネルギーを炭水化物・脂質・たんぱく質で、具体的には一日にどれくらいを摂ればいいのでしょうか。

炭水化物は1g当たり4kcalになりますので、一日427g摂ります。

たんぱく質も1g当たり4kcalのため、107g必要になります。

脂質は、1g当たり8kcalとなり、79g摂ることになります。

炭水化物はご飯や麺、パンの他に牛乳や砂糖・果物やいも類にも含まれるため、ご飯や麺が好きな人は、おかずやデザートでいも類やケーキ、せんべいなどを摂ると、炭水化物を摂りすぎてしまいます。

たんぱく質は一日に107g必要ですので、肉・魚・豆製品でバランスよく摂る必要があります。

脂質も必要ですが、脂質は炒めものや揚げ物の油の他に、肉や魚に含まれる脂、ソースやマヨネーズでも摂取してしまいますので、気を付けるて摂りすぎないことが大切です。

カロリーのバランスを考えた男子高校生に理想的な一日の食材

男子高校生が一日に必要なカロリーを考えると、次のような食材を摂ることが理想とされています。

まず、牛乳や乳製品を一日に400g摂ります。

牛乳200mlと1本と、チーズやヨーグルトで200g摂りましょう。

卵は一日50g、ちょうど1個分になります。

肉・魚は80gの肉と鯵やサンマなら一尾、カジキなど切り身なら1切れ、そして豆腐1/4丁と納豆を50g分の大豆を摂ります。

果物は毎日、りんごなら1/2個から1個分、みかんなら1個分を食べましょう。

野菜は緑黄色野菜と淡色野菜を合わせて、一日350g、平皿5皿分と言われています。

果物と野菜を合わせて、一日500g食べるのが理想と言われています。

炭水化物はお弁当のごはんが茶碗1.5杯分、麺を2杯、食パン2枚分くらいにします。

ご飯が好きなら、一日茶碗で3杯分におにぎり1個をプラスします。

他に砂糖は一日10g、油は大さじ1までにします。

これで本当に2850kcalになるのか、と思われるかもしれませんが、ここで大切なのが「野菜と果物」で500g摂ることです。

野菜はもちろん、果物は果糖が含まれているためカロリーは高くなります。

また、乳製品をしっかりと摂ることで、たんぱく質からのカロリーも摂ることができます。

乳製品はたんぱく質と脂質を含みカロリーを摂ることができますが、GI値が低いため満腹感を感じながらも肥満になることを予防します。

毎日カップ麺や牛丼・ハンバーガー・ピザ・カレーライスといったジャンクフードばかりでは、炭水化物ばかりになり、バランス良く摂ることは絶対に難しいですね。

運動をする男子高校生に必要な一日のカロリー

全国高校野球大会を目指すような男子高校生たちは、毎日の練習で摂ったカロリーのほとんどを消費してしまいます。

身体も成長をしていますが、ケガを防ぐためにしっかりとした筋肉と骨を作ることが必要です。

そこで、中学生になると普通の学校の野球部ではなく、シニアリーグやボーイズと呼ばれる硬式野球のチームに入ります。

彼らは、毎食1kgの白飯と、それに見合ったおかずを食べるように指導されます。

高校に入ると、全国から集められた優秀な選手の中でさらに鍛えられます。

朝早くからの練習、授業と部活、夜遅くまでの練習とその後の勉強と、文武両道をするために一日に3000kcalを超える食事をしても、体重が減ってしまうそうです。

食べても痩せてしまうため、さらに食べて身体を作り上げる、という食生活で、もともと細身の子どもなら一日4000kcalくらい摂ることもあるようです。

身長も伸びている時期ですので、体重が増えても決して肥満になることはありません。

これは他の競技をしている男子高校生も同じで、柔道やラグビー、サッカーと、身体を鍛えるためには普通の食生活ではカロリー不足になります。

もちろん熱中症を防ぐためにスポーツドリンクも飲みますが、市販のスポーツドリンクでは砂糖を摂りすぎてしまうため、学校や部活で独自のスポーツドリンクを作っているところもあるようです。

体重を増やしすぎると動けなくなる競技では、さらにカロリーバランスには注意をしています。

カロリーを摂っても炭水化物で摂る量を制限し、たんぱく質や脂質からしっかりと摂るようにしています。

スポーツドリンクの代わりに、薄い塩水を飲んでいるところもあるようです。

卒業した後、大学や実業団、プロで続ければ良いですが、進学とともに引退してしまう人もいますね。

引退後はそのままの食生活では肥満になってしまいますので、制限をするようですが、習慣になってしまって糖尿病になってしまう人もいるようなので注意が必要です。

男子高校生のためのお弁当

男子高校生に必要なカロリーを摂りつつ、バランスの摂れたお弁当を用意してみましょう。

男子高校生用のお弁当箱は、細長いお弁当箱が二段になっているものが多いです。

二段で900mlくらい入り、ご飯は茶碗で2杯くらい入ります。

おかずは肉や野菜、魚と3~5種類入れることができます。

お弁当を作る時に一番簡単にバランスを摂る方法は、彩りを考えることです。

高校生のお弁当なんて茶色一色で良いなんて思っていませんか。

彩りを考えることは単に綺麗なだけでなく、栄養のバランスを考える一番簡単な方法なんです。

白・黒・茶・赤・黄・緑の6色を意識すると、バランス良く作ることができます。

白はご飯、黒は海苔やゴマ・昆布・黒豆になります。

赤はプチトマトやにんじんを入れることで、野菜を摂ることができます。

黄色は卵焼きやゆで卵・コーン・かぼちゃなどで摂れますね。

緑はアスパラやブロッコリー、小松菜などの野菜を入れると良いです。

茶色はウインナーやハンバーグ、唐揚げで肉類を摂ることができます。

他にも、焼き鮭などを入れるとピンク色になり、彩りだけでなく栄養素的にもバランスが良くなります。

最近は、レンジで焼き鮭ができるというものもありますので使ってみましょう。

アスパラガスや細く切ったにんじんを薄きりの肉やベーコンで巻くと、それで一つのおかずで2~3色の彩りになり綺麗です。

ピーマンやキャベツは前の日の夕飯を作る時に、カットして冷蔵庫に入れておくと、すぐに調理することができます。

忙しい時はキッチンバサミを利用するのも一つです。

野菜の肉巻きは作り置きもできますので、夕飯のために多めに作って冷蔵庫で保存すれば、翌日のお弁当のおかずにもできます。

卵焼きにプチトマトや小松菜を入れると、こちらでも2色の色を使うことができました。

冷凍のカボチャとアスパラガスをレンジで柔らかくし、缶詰やパウチのサラダ豆・すりごま・マヨネーズで合えると、簡単かぼちゃのサラダの出来上がりです。

そして、米を含めて13品目の食材を使うと、栄養素のバランスがとても良くなります。

一日に必要なカロリーを3食に分けて1食分の栄養素を考えてお弁当を作ると、朝ごはんを少々簡単に済ませてもバランスの良い食生活をすることができます。

ここに季節の果物も添えられれば一番ですね。

日本の男子高校生はどうしても忙しくて、朝ごはんにゆっくりと時間をかけることができません。

朝ごはんでバランスの良い食生活が難しい人ほど、お弁当でしっかりとバランス良く、色々な食材を摂るようにしましょう。

カロリーとバランスの両方を考えた男子高校生の食事

男子高校生の好きなメニューばかりを食べていると、どうしても炭水化物中心の食生活になります。

一日に必要なカロリーばかりに気を取られていると、肝心のバランスが崩れた食生活になってしまうこともあります。

仕事に家事に、そして育児にと大忙しのお母さんたちには、ゆっくりと食事の準備をする時間はありません。

それでも、ほんのちょっとの工夫でバランスの良い食事を作ることができます。

レンジを利用することは悪いことではありません。

キッチンバサミも利用しましょう。

便利グッズを使うと、夕飯のおかずもお弁当作りも時間の短縮になります。

学食の昼食も良いですが、子どもの健康と成長を考えてバランスの良い食事を提供してみてはどうでしょうか。