食事のカロリーをゼロにしなくても太らない食生活と生活習慣

カロリーが高いものは太る、低いものは太らないというイメージがあります。

しかし、人間はカロリーを全く摂らずに生きることはできません。

絶対にカロリーのあるものを食べることが必要です。

それでは、人間がカロリーゼロのものを食べ続けるとどうなるのでしょうか。

本当に太らないのでしょうか。

今回はカロリーと太るということの関係をご紹介していきましょう。

カロリーがゼロは太らないは本当か

ダイエットの方法に、ファスティング(断食)というのがあります。

ファスティングとは、ビタミンやミネラルを含んだものや酵素ドリンクを飲んで、一定の期間、胃や腸を休ませるという方法です。

ファスティングをするといっても、まったく何も食べないというわけではなく、野菜や果物の酵素を利用したものを摂ることになります。

ファスティングによって、太らない身体を作るということです。

今の日本人は、飽食の時代から食べすぎの文化になっています。

贅沢な食生活を当たりまえとし、食品ロスという問題があっても、気に掛ける人はあまりいません。

好き嫌いが多いアンバランスな食生活は、生活習慣病を生み出し、肥満問題に向き合わなければいけない10代の子どもたちも増えています。

肥満が問題になってから初めて、生活習慣病の予防のために太らないように注意をする、太りすぎは健康に悪い、という感覚が多くの人に芽生えてきました。

しかし、そのために何日も断食をしていれば、命の危険もありますので、最低限の食事は必要になります。

その最低限の食事というのが、酵素ドリンクやビタミン・ミネラルのサプリメントということです。

ビタミンやミネラルのサプリメントは、その栄養素を身体に吸収しやすいように、凝縮して作られています。

カロリーはゼロで、必要な栄養素だけを摂ることができます。

酵素ドリンクは、水で割ったり牛乳で割って飲みますが、水で割って飲めば酵素以外のカロリーはゼロになります。

ドリンクの種類によっては、1杯当たりのカロリーが50kcalにもならず、1日に必要なカロリーの10分の1以下というものもあります。

しかし、こんな食生活を続けることが、本当に太らない身体を作るのでしょうか。

カロリーゼロの健康食品で太らないのは危険

サプリメントや健康食品、ダイエット補助食品の中にはカロリーがゼロのものも多くあります。

例えば、蒟蒻ゼリーの中にはカロリーがゼロのものもありますね。

蒟蒻の働きで満腹感を一時的に得ることができます。

しかし、人間の脳が満腹、空腹を感じるのは血液中の糖の量、つまり血糖値の高さによるものです。

そのため、胃や腸がいっぱいになっていても、脳は空腹感を感じることがあります。

血糖値が上がると、脳の満腹中枢が満足感を感じて、逆に血糖値が下がると、飢餓中枢神経が反応して、空腹感を感じるようになります。

カロリーがゼロという食べ物の多くは、糖質を減らす、または糖質ゼロというものになり、血糖値を上げることができません。

元々肥満体質で体脂肪が多い人は、糖質が不足すると、体脂肪がそれを補うためにエネルギーになります。

しかし、決して肥満ではない普通体型の人の中に、痩せ願望が多いのが現状で、日本の10代、20代の若い女性は痩せすぎが問題になっています。

それは、40代、50代の女性も同じで、エネルギーになるための体脂肪が少ない人がカロリーゼロにするダイエットを行うと、たんぱく質が不足してしまい、筋肉が落ちてしまいます。

中には脂肪を原料にする骨芽細胞が不足し、骨密度の低下を招き疲労骨折になってしまうこともあります。

太らないからとカロリーゼロの健康食品ばかりを食べていると、どれほどカルシウムやビタミンDのサプリメントをとっても、他の栄養素が不足し、しっかりとした骨が作られなくなってしまいます。

このようにカロリーゼロの健康食品やサプリメントばかりの食生活をしていると、太らない代わりに、肝心の骨や筋肉が減少してサルコペニア肥満になってしまうことになります。

カロリーにばかりこだわって、ダイエットをすることは、健康な体を続けるためには危険なことです。

摂取カロリーをゼロに近くすると脳が働かない

人は毎日、基礎代謝という生きるために必要なエネルギーを消費して活動しています。

15歳の女子高生で1日1310kcalが必要です。

50代の女性でも1100kcalが必要になります。

1100kcalというエネルギーは、何もしない状態で「生命」を維持するためにも必要な量です。

しかし、ファスティングをすることで1日に1000kcal以下の食生活をする人が多くいます。

酵素にはミネラルが豊富に含まれているといわれますが、人間の脳は「糖質」だけを必要としています。

考えたり、学んだり、記憶をしたりするためには、脳が働く必要があります。

ファスティングをすることで、脳が働かなくなり仕事中ぼーっとしたり、脳貧血を起こしてしまうこともあります。

仕事を持ち健康的な食生活をしている人が、細くなりたい、痩せたいと考えて行うファスティングは、脳が通常通り働かなくなり、仕事に集中できないことになってしまいます。

毎日脳を働かせているのであれば、必要なカロリーを摂っても太ることはありません。

しかし近年、糖質は摂りすぎても、脳の働きに良くない影響を与えることが解ってきています。

家で座位で過ごすことが多く、身体活動レベルが低いのに、外で仕事をしている人と同じ糖質を摂ってしまうと、糖質過多になってしまうことがあります。

特に、夜遅い時間に糖分の多い飲食をし、そのまま時間を空けずに就寝してしまうと、余った糖質が体脂肪となってしまうため、肥満の原因にもなります。

また糖質の摂りすぎは、インスリンの過剰な分泌を起こし、それが認知症の原因になるのではないか、という研究がされています。

しかし、インスリンの過剰な分泌は糖質の摂りすぎだけではなく、朝食を抜いてしまった場合や、急激なダイエットでも起こることがあります。

カロリーをゼロにすると、一時的には太らないかもしれませんが、その後リバウンドでさらに太りやすい身体になったり、糖尿病になる可能性もあります。

無計画なダイエットは太らないどころか、太りやすい体質を作ってしまうこともありますので、注意しましょう。

夕飯で太らないためのカロリーゼロに近い食材

夜遅い飲食によるカロリーや糖質過多は肥満の原因になります。

それでも仕事の関係で、どうしても夕飯が遅くなってしまう、という人は夕飯の摂り方やメニューを一工夫しましょう。

まずは、できるだけ脂や糖質がたまりにくいメニューを選びましょう。

ラーメンや天ぷらうどんなどは論外ですね。

外食や中食(テイクアウトの食事)は、味が濃く砂糖や油を必要以上に使っていることが多くありますので、夜遅い時間には避けたい食事です。

消化がいいものが良いのでは、と言う人がいますが、おかゆやリゾットはGI値が高く、逆に太りやすい体質を作ってしまいます。

野菜を食べると、食物繊維の働きで糖質の余分な吸収を予防することができりため、ご飯やパンを食べる前に野菜を摂ると良いということもよく聞きます。

しかし、食物繊維を豊富に含む、レンコンやにんじんもGI値が高い野菜になります。

食物繊維が豊富で、ダイエットに良いといわれる和食の根菜料理ですが、サトイモやにんじん、レンコンやゴボウはいずれもGI値が高い食材です。

その上に、味付けに砂糖やみりんを使いますので、夜遅い時間の食事には、向かないメニューになります。

和食の煮物にするなら、カロリーがゼロに限りなく近い蒟蒻のきんぴらや煮物がお勧めです。

蒟蒻や糸蒟蒻は、カロリーがゼロに近いだけでなく、食物繊維も豊富で、ダイエット効果は高いです。

しかし、似たような食材で春雨はGI値が高いため、太らないという効果はあまりありませんので注意しましょう。

同じ野菜でも、キャベツやもやしなどのGI値が低い野菜を摂る方が、糖質の余分な吸収を抑えるための効果が高くなります。

もやしもGI値が低いだけでなくカロリーゼロに近い野菜のため、太らないメニュ―を作るために利用したい食材です。

キャベツの浅漬けや、もやしやキャベツをごま油だけでさっと炒めたものなども、ご飯の前に摂ると余分な糖質の吸収を抑えてくれます。

夜遅い時間の食事はもちろんですが、夕食でも一工夫すると、太らない食事にすることができます。

太らない体質を作るために気を付けたい食事内容

太らない体質にするために、一番必要なものが「筋肉」です。

筋肉を作るためには、たんぱく質が必要ですが、肉や魚の他に大豆食品からも摂ることができます。

特に発酵食品の納豆は、たんぱく質食品であるだけでなく、腸の善玉菌を増やし腸内環境を整えます。

同じようにたんぱく質食品で発酵食品といえばヨーグルトですね。

同じ乳製品で一見太るように見えるチーズも、同様の効果があります。

特に食事前に、乳製品を摂るとダイエット効果があると言われています。

また、塩分の摂りすぎが心配される味噌汁ですが、味噌は大豆の発酵食品です。

味噌汁に野菜の具を入れることで、塩分過多を予防し1日2杯までは、健康効果があるともいわれています。

毎日の食事で、しっかりとたんぱく質を摂ることは、太らない身体を作るために必要なことです。

気を付けるべきことは、味付けが濃いものばかりを食べることに慣れてしまうことも太りやすい身体を作ってしまうことです。

味の濃いものが好きな人は、ついサラダのドレッシングを余分にかけてしまったり、しょうゆやみりんを多めにつかってしまいます。

その中でも、太らない体質にするために、できるだけ避けたいことが「外食」「中食」です。

外食は万人が美味しいと感じる味付けになっています。

中食は家に持ち帰って、冷めてしまっても美味しく感じる味付けになっています。

いずれも味付けは、家庭よりも濃くなっているうえに、安い油を使っていることが多く、健康に良いといわれているえごま油や、オリーブオイルを使っているわけではありません。

もちろん、健康志向のお店もありますが、毎日の食事でこういったお店ばかりを選ぶのは難しいですね。

太らない身体を作るためには、カロリーをゼロにするだけでなく、できる限り塩分や糖分、脂分を控えた食事内容を目指し、手作りの料理メニューを摂る食習慣を身につけるようにしましょう。

基礎代謝を上げて太らない体質になろう

カロリーがゼロに近い食事で、太らない体質を作るのはとても難しいことです。

シンプルに考えて、食事のカロリーをゼロにしなくても、摂ったカロリー分を消費すれば、人間は太りません。

摂ったカロリーよりも消費カロリーが少ないから太るのです。

まずは、基礎代謝を上げましょう。

基礎代謝や年齢でも下がってきますが、体温が低くても下がります。

体温はシャワーだけでなく浴槽に入ってしっかりと温まる、運動をして筋肉をつけるだけでも上がります。

体温を上げると基礎代謝があがり、同じカロリーを摂取しても消費しやすくなります。

また、肉や乳製品・ナッツ類に多く含まれるビタミンB1・B2を多く摂取します。

ビタミンB1・B2は糖質やたんぱく質、脂質をエネルギーに変えるために必要な補酵素です。

不足すると、せっかく摂った糖質や脂質がエネルギーになれず、さらに余った糖質は体脂肪になってしまいます。

そのためにも、豚肉やナッツをしっかり摂ってエネルギーに変えるようにしましょう。

ビタミンB1・B2は不足すると手足のしびれや口内炎になりますので、不足の目安にしてください。

わざわざ食事のカロリーをゼロにしなくても、太らない方法はあります。

体重を落とすときも、痩せる時も一度にカロリーをゼロにしてしまうのではなく、摂ったカロリーよりも多く消費し、徐々に痩せていくようにしましょう。

カロリーだけでは決められない

食材のカロリーという数値だけでは太らない、太るを決めることはできません。

カロリーゼロの食事で痩せるというのはとても危険なことです。

食事内容を見直す、基礎代謝を上げるなど、しっかりと食事をしても太らない方法はあります。

カロリーを摂っても太らないために、バランスの取れた食事と生活を心がけましょう。