甘酒は、「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価の高い飲み物です。
最近ではスーパー等で見かけることが多い甘酒ですが、実は簡単に自宅で作ることができるのです。
自家製ならば、生きた酵素をそのまま摂ることができてよりヘルシーです。
今回は、甘酒についてより深く知りながら、麹200gでつくる甘酒や、甘酒のアレンジレシピをご紹介します。
甘酒の材料になる麹とは?
甘酒作りに必要な麹は米麹です。
米麹とは蒸した米に麹菌を植え付けたものです。
販売されているものには生米麹と乾燥米麹があります。
生米麹は、長期の保存は利きませんが、麹が生きているので麹菌の力が強く、酵素の生産力も高いと言われています。
冷蔵庫で保存することで、麹の力を高い状態で保つことができ、3週間ほどは保存可能です。
麹の力は落ちますが、冷凍庫だと3か月ほどは保存可能です。
乾燥米麹は生米麹を乾燥させたもので、乾燥させて麹菌を休眠状態にしてあるので、長期保存が可能ですが、麹菌の力は生米麹より劣ると言われています。
常温での保存が可能で、商品にもよりますが、3~5か月ほど保存可能なものが多いです。
高温多湿の場所に保存すると、麹の品質や味が落ちる恐れがありますので、冷暗所や冷蔵庫などに保存することが望ましいでしょう。
酒粕で作る甘酒もありますが、今回は生米麹200gで甘酒を作りましょう。
生米麹でも乾燥米麹でもどちらを使っても大丈夫です。
ご自身のライフスタイルに合わせて使い分けてみてくださいね。
甘酒にはどんな栄養や効果があるの?
甘酒にはビタミンB群(B1、B2、B6)、葉酸、食物繊維、オリゴ糖やアミノ酸が含まれています。
これらの栄養成分は、栄養補給の為に打つ点滴と含まれる成分がほぼ同じであることから「飲む点滴」と呼ばれています。
また、甘酒に含まれているビタミン類は体への吸収率が90%以上もあり、非常に効率よく栄養を補えるのです。
ビタミンB群は、効率的にエネルギーを代謝させるとともに皮膚や粘膜を保護してくれる働きがある為、体力の向上と美容に効果があります。
食物繊維とオリゴ糖は腸内環境を改善してくれる栄養素で、便秘や腸活に効果が期待できます。
腸内環境が整うと免疫力が向上し、風邪などの病気にかかりにくくなりますよ。
アミノ酸は「血中のコレステロールや中性脂肪をコントロールし、脂質の代謝を促進する」「血液をさらさらにする」「動脈硬化を予防する」「自律神経に作用し、気分を穏やかにする」などさまざまな効果が期待できます。
また、麹には、甘味を生み出すアミラーゼや旨味を生み出すプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼなど30種類以上の酵素が豊富に含まれており、それらの酵素が甘酒にも含まれていると考えられています。
麹200gは商品にもよりますが、550kcal~800kcal程度ですが、甘酒は自然な甘みに加えて、旨味成分も豊富なので、少量ずつ砂糖の代用としても使えますし、コクのある料理を作ることもできます。
米麹200gで甘酒を作ってみよう
甘酒は、ぜひご自宅で手作りすることをおすすめします。
市販品は、流通の都合上加熱処理を行っているため、アミノ酸などの栄養素は残りますが、酵素は失われてしまうからです。
自家製であれば、生きた酵素をそのまま摂取することができるので、より高い栄養を補給できます。
ここでは料理に幅広く活用できる甘酒をつくります。
甘酒として飲む場合は、水やお湯で希釈してくださいね。
また乾燥米麹でも作れますが、ここでは生米麹を使います。
一説によると栄養素などに違いはありませんが、乾燥麹より生麹は分解力が優れていると言われています。
ではさっそく、米麹200gで甘酒を作ってみましょう。
【材料】
・麹(米・生) 200g
・約60℃のお湯 200cc
【作り方】
①麹をよく手でほぐします。
② ①を炊飯器に入れ、約60℃のお湯を入れてよくなじませます。
ヨーグルトメーカーやお鍋などでも作れますが、ここでは炊飯器を使います。
温度計がない場合は、お湯を沸かして泡が出はじめたら60~70℃だと言われていますので、目安にしてみてくださいね。
③炊飯器の蓋を開けた状態で、ゴミが入らないように布巾をかぶせます。
④炊飯器を保温モードにして、炊飯器の蓋を少し開けた状態で4~5時間保温します。
ふたの開け具合を調節して、なるべく60℃を保つようにしましょう。
全体の温度が均一になるように途中で1~2回、空気を含ませるように全体を混ぜましょう。
⑤容器に移して粗熱が取れたら、冷蔵庫や冷凍庫で保存します。
甘酒は栄養価の高い夏バテ防止の飲み物として、身体を温める冬の飲み物としても1年中楽しめます。
ぜひご自宅で手作りに挑戦してみましょう。
麹200gで作った甘酒でヘルシードリンクを作ろう
甘酒は同じく発酵食品であるヨーグルトや果物との相性がとてもいいです。
甘酒が苦手な方でも毎日飲めちゃいますよ。
【材料】
・甘酒 大さじ2
・プレーンヨーグルト 大さじ2
・バナナ 1本
・牛乳 150ml
【作り方】
①材料を全てミキサーに入れて撹拌するだけです。
麹200gで甘酒を作ると、大さじなら10杯程度はできますので、5杯分は作れます。
お好みで材料の量は調節して頂いて大丈夫です。
甘みがもっと欲しいという方はハチミツを加えても美味しく頂けますよ。
氷を加えるとスムージーにもなります。
またお湯やホットミルク、生姜のしぼり汁を加えるとホットドリンクにもなりますし、身体が温まってよりヘルシーです。
ぜひキウイフルーツやいちごなどの季節の果物を使って、甘酒ドリンクを楽しんでくださいね。
甘酒を砂糖代わりに使ってみよう
甘酒はお砂糖の代わりに使えます。
飲むだけではなく、様々なお料理に使えます。
甘酒によって甘みが違いますので、はっきりとした量をお示しすることは難しいですが、レシピに砂糖大さじ1と書いてあれば、甘酒なら大さじ2に置き換えると丁度よいことが多いと思います。
2倍の量を目安にしてみましょう。
甘酒はできる限り1週間程で消費した方が鮮度も保たれる為、麹200gで作るのがちょうど消費量としては適量かと思います。
煮物や卵焼きなど甘辛い味にもよく合いますし、キンピラや肉じゃが、カレーなどに入れるとコクが増してとても美味しくなります。
ぜひ日々の料理で活用してみてください。
甘酒は、入れ過ぎたからといって味に大きく影響が出ませんので、もし甘酒を入れ過ぎてしまっても、問題ありません。
お好みの甘さに合わせて、甘酒の量を調節してみてくださいね。
また、離乳食にも甘酒はとてもよいです。
少しお野菜のペーストに混ぜたり、スープに入れたりして自然なほのかな甘みをプラスしてみてくださいね。
甘酒はそのまま使うと、少しつぶつぶとした触感が気になることもあります。
もし抵抗があるときは、使用する前に簡単にザルでこしたり、ミキサーにかけたりすると米粒が潰れてなめらかな触感となりますので、より使いやすくなりますよ。
麹200gで作った甘酒を使ってみそ汁を作ってみよう
今回はみそ汁に甘酒を加えることで、一味違ったほんのり甘いみそ汁を作ってみましょう。
具だくさんでとてもヘルシーですよ。
【材料 4人分】
・甘酒 大さじ5
麹200gで作った甘酒をお湯で希釈してから使いましょう。
量はお好みで調整してください。
・だし汁 600ml
・玉ねぎ 1/2個
・にんじん 1/2個
・じゃがいも 1個
・しめじ 1/4房
・白ねぎ 1/2本
・味噌 大さじ2と1/2
・白いりごま 適量
【作り方】
①玉ねぎは薄切りに、にんじんとじゃがいもは半月切りにします。
②しめじを洗い、石づきを切り落とし、1つずつさき、白ねぎは斜め薄切りにします。
③火にかけただし汁に①を入れ、柔らかくなったらしめじ、白ねぎを入れます。
④味噌を溶き入れて火を止めます。
⑤甘酒を加えてサッと混ぜます。
⑥最後にお好みで、白いりごまをちらして完成です。
ヘルシーな甘酒をもっと日常に取り入れてみよう
甘酒や麹は今では一般的になり、スーパーやネットでも簡単に麹が手に入る時代です。
ぜひ手作りの甘酒を作って、日常生活に取り入れてより健康的な生活を送りましょう。
また甘酒はレシピが豊富です。
スムージーにしたり、お料理やスイーツにお砂糖の代わりに活用したりと、幅広い活躍が期待できます。
毎日続けて食べることで、きっと心身のいい変化を実感できるはずです。
今回ご紹介したレシピはほんの目安に過ぎません。
ぜひお好みの味を探しながら、量を調節して、自分なりのオリジナルレシピを模索してみてくださいね。