日本を代表する主食、お米。
はるか昔から食べられている、歴史ある主食であり、私たちにとってはなくてはならないものです。
ところで、お米を炊いてご飯にすると量が大きく変わりますよね。
お米は炊き上がりで何倍になるのか、考えたことはありますか?
今回は、お米は炊き上がるとどのくらいに増えるのかをはじめ、美味しいお米の炊き方など、いろいろな角度から、ご紹介します。
お米の炊き上がりは重さが何倍になる?
お米の炊き上がりは、白米と玄米では違いがあります。
炊き上がりの話をする前に、まずは玄米と白米の違いについて、お話させてください。
ご存知のことと思いますが、お米の元となるイネは、成長すると、穂に籾と呼ばれる果実を付けます。
籾から籾殻と呼ばれる一番外側の皮を除いたものが玄米、その玄米から、ぬかと胚芽を除いたものを白米と言います。
玄米は、見たことのある人はご存知の通り、薄茶色をしています。
上記の通り、玄米は籾から籾殻のみを除いたものです。
籾殻を除いたお米は、固く厚いぬかの層に覆われているため、玄米は薄茶色なのです。
最近は、健康のため玄米食を取り入れている方も多いですが、一般的に玄米がぬか臭いと言われているのは、厚いぬかが付いているからです。
では本題である、炊き上がりの話に戻ります。
炊く前の1合のお米の重さは、玄米は約156g、白米は約150gです。
やはりぬかと胚芽が付いている玄米の方が、白米より少し重くなっています。
しかし炊飯後は、生の状態に比べ、玄米は約1.8倍、白米は約2.2倍の重さになり、1合の場合の重さは、それぞれ玄米は約280g、白米は330gになります。
上記の通り、玄米に覆われているぬかはとても固く厚いものですので、白米に比べ水の吸収率が悪く、玄米の重さは白米よりも軽くなるのです。
1合炊くには、お米の何倍の水が必要?
では、1合炊くには、お米に対してどれくらいの水が必要なのでしょうか?
そもそもお米を食べるには、固いでんぷんを柔らかいでんぷんにする必要があります。
このことをアルファ化と言うのですが、ご飯を美味しい炊き上がりにするのに必要なことなのです。
アルファ化するには、お米はもちろんのこと、水と十分な加熱が必要です。
水の量は、白米と玄米、お粥を炊く場合など、それぞれ違いますが、白米の場合は、生のお米の1.1~1.3倍、玄米ではそれよりも多く、1.5~2倍が必要です。
お粥の場合は、水の量によって種類があるものの、全粥だと、お米の5倍になります。
ちなみに全粥は5倍粥や10分粥とも呼ばれ、一般的なお粥のことを意味します。
つまり、白米ならば1合につき200cc~230cc、玄米ならば270cc~360cc、お粥の場合は、900ccの水が必要だということになりますね。
数倍美味しい炊き上がりになる、お米の炊き方
炊き方によって、何倍も美味しくなると言われているお米。
ここでは、格段に美味しい炊き上がりになるお米の炊き方をご紹介します。
①研ぐ
水を張ったボウルなどにお米を入れ、手早く捨てる作業を2~3回繰り返します。
力を入れると、お米が割れてしまうことがありますので、なでるような感じで洗うのがよいです。
少し濁ってはいるものの、お米が透けて見えるようになればOKです。
研ぐ際、お米が入ったボウルなどに水を入れる方が多いと思いますが、乾燥したお米は急速に水を吸いますので、これから流そうとしている白く濁った水を吸うことになりかねません。
お米と水が触れる時間はなるべく少なくしたほうがよいので、水を張ったボウルなどにお米を入れましょう。
②吸水、炊飯
吸水時間は、美味しいご飯を炊くためには、どの季節でも必要です。
夏は30分、冬は2時間ほどを目安に吸水し、炊飯しましょう。
③蒸らし、ほぐし
炊き終わって15分間は蓋を開けず、そのままにしておきます。
15分後、蓋を開け底からほぐし、ふんわりと混ぜ再度蓋をし、さらに10分置いておきましょう。
何倍も美味しくなる、玄米の炊き方のコツ
最近は、白米よりも栄養が豊富なことから、玄米食を取り入れている人もいます。
しかし、玄米は白米よりも炊き方が難しく、断念してしまった人も多いのではないでしょうか。
続いては、玄米が何倍も美味しい炊き上がりになる炊き方を紹介します。
①研ぐ
ボウルなどに玄米と水を入れかき混ぜ、上がってきたゴミやほこりを取り除く作業を2~3回繰り返します。
玄米は、白米に比べて水の吸収が悪いです。
研ぐ際、両手でお米をすくい手のひらで揉むと、表面に傷がつき、水の吸収率がよくなります。
②吸水、炊飯
玄米は白米よりも、吸水に時間がかかります。
吸水時間は、平均で6時間前後ですが、柔らかめが良い場合は8時間ほど、歯ごたえがあるほうが良い場合は、3~4時間ほどと、好みの固さにより時間を設定しましょう。
また炊飯時、塩を入れることによって、ぬか臭さが取れる、水の吸収率が上がり柔らかく仕上がるという効果があります。
さらに、玄米にはカリウムが豊富に含まれていますが、カリウムには苦味があり、塩を入れることによって苦味が消えますので、一段と食べやすくなるでしょう。
③蒸らし、ほぐし
白米と同じく、蓋をした状態で15分間蒸らしましょう。
15分後、蓋を開け底からほぐし、ふんわりと混ぜ、蓋をして10分置きます。
夏に、お米を水につけたまま一晩置くのは危険!
お米を炊くのに、一番楽なのは、やはり炊飯器を利用することです。
タイマー予約もできますし、夜にタイマーセットすると朝に炊き上がりますので、朝食にできたてのご飯を食べる家庭も少なくないのではないでしょうか。
しかし、タイマー予約は季節によっては、危険なこともあるのです。
冬のように、室温が低い季節は問題はないのですが、夏は冬にくらべ室温が倍以上高いです。
室温が高い状態ですと、当然、お米を浸している水の温度も上昇しますので、雑菌が繁殖する可能性があり、大変危険です。
対策としましては、夏は前夜にお米を研ぎ、釜にお米と水をセットした状態で、ラップをし冷蔵庫に入れておきます。
起床後、すぐに炊飯器にセットし炊飯するという方法があります。
炊飯器の適正量以上で炊くと、炊き上がりはどうなる?
炊飯器には適正量があり、容量の7~8割程度とされていますが、炊飯器の容量ぎりぎりで炊くことはできるのか疑問に思ったことはありませんか?
実は、どのメーカーの炊飯器でも容量ぎりぎりでも炊けないわけではないのです。
つまり炊き上がりの問題ではなく、炊いた後のほぐしに関連があるのです。
通常、炊飯器の釜は縦長の円柱の形をしており、ご飯の重みで下の方がどうしてもほぐしづらくなります。
そのため、ほぐしムラのほか、お米がつぶれたり糊状や団子状になるなどになる可能性があるのです。
美味しいご飯を炊くには、ほぐしも重要な工程の1つです。
つまり、炊飯器のメーカーは、ほぐしまでの工程が問題なくできる炊飯量として、適正量を設定しているのです。
しかし、大勢が集まった時など、どうしても一度にたくさんのご飯を炊きたいときもあるでしょう。
その場合は、ほぐしの作業が問題なくできる、炊飯器よりも倍以上大きな容器に移し替えるとよいです。
お米の炊き上がりが何倍かは白米と玄米で違う!
今回は、お米の炊き上がりは何倍になるのかということを白米と玄米に分けてご紹介しました。
現代は、毎日タイマー予約してご飯を炊きたい方や、いつもは少人数でも、たまに適正量以上のお米を炊く必要のある方、玄米食を取り入れている人など、さまざまなライフスタイルがあります。
この記事を参考に、ご自分にあったご飯の量や炊き方を見つけてみてください。