どこの家庭にでも、「塩」は調味料として常備してあるのではないでしょうか。
「塩」は、調味料としての実力もさることながら、他にもさまざまな使い方があります。
その中でも、「精製塩」は、安価で手に入りやすい「塩」です。
調味料としては、もちろん「塩」の殺菌効果を利用して、漬物や塩漬けなどの保存食作り、消臭や掃除などにも実力を発揮します。
そこで、「塩」の調味料以外のスーパーな実力をご紹介しましょう。
スーパー調味料「精製塩」その特徴は?
わたしたちの体に必要不可欠な「塩」ですが、「精製塩」と言うと聞き慣れないと思う方も多いのではないでしょうか。
「精製塩」とは、よくスーパーマーケットなどで売られている、食塩=塩の事です。
安価で手に入りやすい「精製塩」は、海水を電気分解し、効率良く塩化ナトリウムを抽出したものを言います。
さらさらしていて水に溶けやすいので、料理にも使いやすく、食卓に置いておいても便利です。
また、「精製塩」は、品質の変化がとても少ない食品なので、時間が経っても、その品質はほとんど変わりません。
そのため、「精製塩」には賞味期限がありません。
このように、長い間使う事のできる「精製塩」ですが、その保存には、少し注意が必要です。
「精製塩」は、水分とにおいを吸いやすいという特徴があるので、高温多湿は避けましょう。
常温で保存可能なので、密閉容器などに入れて、湿気の少ない場所に保管してください。
ときどき、冷蔵庫で保管される方もいますが、冷蔵庫での保管は、容器内部が結露しやすいのでお勧めできません。
また、「精製塩」はカロリー0です。
調味料のカロリーは、高いものも多いので、ダイエット中の方は「精製塩」を上手に利用しすれば、カロリーオフに役立てられます。
「精製」と聞いて、「精製塩」の白さは脱色や漂白によるものではないかと、勘違いされる方もいるかもしれません。
しかし、塩はもともと無色透明で、結晶に光が反射して白く見えるのです。
「精製」とは、不純物やミネラルを取り除き、塩化ナトリウムを抽出した事を指します。
そのため、雑味がなく、料理初心者には使いやすい塩と言えます。
「精製塩」以外の「塩」にはどんな種類があるのか?
スーパーマーケットの食品コーナーに行くと、驚くほどの種類の塩が並んでいます。
このことは、1985年に日本専売公社が民営化された事が、大きく影響しています。
それまでは、国が「塩」を安定供給するために、日本専売公社が独占販売していました。
そのために作られたのが、「精製塩」なのです。
その後、さまざまな取り組みがなされ、専売制が廃止となり、「塩」も自由に販売できるようになりました。
そのため、原料も海水からだけではなく、海外から岩塩や湖塩などを原料とした「塩」も増えました。
作り方もさまざまで、大きく分けて3つの種類があります。
・精製塩
海水を電気分解し、塩化ナトリウムを抽出したもの
・天然塩/自然塩
海水、岩塩、湖塩などを原料としたもの
・再生加工塩
精製塩などにミネラルやにがりなどを添加したもの
このように、ひとくちに「塩」と言っても、いろいろな種類がありますね。
しかし、あまりにも種類が多いと、何を選んだらいいのか、分からなくなると思います。
その点、先ほどもご紹介したように、「精製塩」は、雑味がなく使いやすいので、迷ったら「精製塩」をお勧めします。
料理に役立っている「精製塩」のスーパーな実力
「精製塩」は、調味料以外の使い方でも料理にスーパーな実力が発揮されています。
たとえば、パスタを茹でる時に、塩を入れますが、これはコシを出すためです。
しかし、うどんをゆでる時に、塩はいれませんね。
これは、うどんを作る時に塩を練り込んであるからです。
うどんのコシは、塩の効果によるものなのです。
他にも、青菜をゆでる時に「塩をひとつまみ」と言われますが、これは「精製塩」に変色防止効果あるからです。
この変色防止効果で、ゆでる時だけでなく炒める時にも、ほんの少し加えることで青菜が色良くなります。
そして、りんごや桃などの果物やじゃがいもなどを、塩水に浸けることでも変色防止の効果が期待できます。
また、じゃがいもをゆでる時に塩を入れると、水分が浸み込まず、ホクホクになりますし、白菜などの白野菜は、甘みが引き出されます。
他にも、ゆで卵を作る時にも、塩を入れることで、殻が割れにくくなり、殻もむきやすくなります。
また、卵白やクリームをあわだてる時に、塩を入れると、あわ立ちを良くします。
肉の旨味を閉じ込めたり、魚の下処理に使うと、臭みの原因であるヌメリが取れます。
こうして、ひとつひとつ挙げてゆくと切りがありません。
このように、スーパー調味料「精製塩」は、調味料としてだけではなく、料理の下ごしらえや、おいしく仕上げるために、役立てる事ができるのです。
殺菌効果がすごい!「精製塩」を使って食材を保存する
先ほどは、「精製塩」が料理にスーパーな実力を発揮していることをご紹介しました。
ここからは、「精製塩」の殺菌効果を利用して、食材を保存する方法をご紹介しましょう。
そもそも、食材が傷むの原因は何なのでしょうか。
それは、細菌などの微生物が水分を利用し、腐敗菌となって増えるからです。
「精製塩」は、その増殖の元である水分を吸収し、腐敗菌そのものの水分も奪うことができるので、食材が傷むことを抑える事ができるのです。
この効果を利用すると、食材を保存する事ができるのです。
一番身近なもので言いますと、梅干しをはじめとした漬物が、すぐに思い浮かぶと思います。
他にも、魚を塩水に浸して干した、一夜干しや干物も塩の殺菌効果を利用したものです。
しかし、最近では漬物や干物は、自分では作らないという方も多いでしょう。
そこで、もっと手軽で簡単な方法として、「精製塩」を使って冷凍保存もする、という方法があります。
肉は軽く塩をふって冷凍すれば、約1か月ほどもちます。
魚は、先ほどもご紹介したように、塩水に浸したものを干すのではなく、冷凍すれば風味が落ちません。
また、野菜類も「精製塩」を使えば、上手に冷凍保存できます。
火の通りにくいものは、サッと10秒ほど塩で下ゆでして、水気を切って冷凍しましょう。
水分の多い葉物は、使う時の大きさに合わせてカットし、塩もみをして水気を切ってから冷凍すれば、炒めものや和え物、サラダにも使えます。
このように、「精製塩」を使うと漬物や干物まではなかなかできなくても、冷凍保存でしたら手軽にできますね。
料理だけじゃない!「精製塩」のスーパーな使い方
「精製塩」と言えば、料理と思いがちですが、他にもさまざまな使い方があります。
ここでは、殺菌効果も高い、塩の意外な使い方をご紹介しましょう。
・排水溝の汚れ
定期的に濃い食塩水を流すと、消臭と汚れ防止になります。
・油汚れ
油のついた部分に塩をふっておくと、簡単に拭き取れます。
・アルミニウムの汚れ
塩をつけたスポンジで磨くと、汚れが落ちます。
・密閉容器の臭い取り
密閉容器を塩水につけておくと、臭いが取れます。
・汗のシミ抜き
大さじ4杯の塩を溶かした1リットルのお湯につけ置きしてから、洗うと目立たなくなります。
・ワインのシミ抜き
ワインをこぼした部分に塩を盛っておくと、塩がワインを吸収し、シミが目立たなくなります。
・靴の消臭
靴の中に直接塩を入れておくと、消臭・除菌・除湿になります。
・畳の掃除
塩をまいて掃除機で吸うと、除菌・消臭になります。
・陶器の汚れ落とし
汚れた部分を塩と少量の水でこすると、汚れが落ちます。
・うがい
200㏄のぬるま湯に小さじ1/2の塩を溶かすと、うがい液になります。
・入浴剤
お風呂に塩を入れると体が温まり、血液循環が良くなります。
・マッサージ
入浴時などに塩で肌をマッサージすると、古い角質を取り除く効果があります。
・消火
油に燃え移った火は、塩をかけると消火できます。
料理以外にも、さまざまな使い方ができますね。
このように、塩を多く使う場合は、スーパーマーケットなどで手軽に購入できる「精製塩」が便利ですね。
余分な成分が入っていない分、シミ抜きなどには安心して使えます。
「精製塩」本当に体に悪い?減塩の落とし穴
これまで、スーパー調味料「精製塩」の使い方についてご紹介してきました。
食品としてだけではなく、殺菌や消臭効果まで期待できる「精製塩」は、わたしたちの生活に欠かせないものだと、お分かりいただけたかと思います。
最後に、「精製塩」の健康に関する実力を、ご紹介しましょう。
最近の「減塩ブーム」で、「精製塩」は、体に良くないものとして、取り上げられることが多くなりました。
特に「精製塩」は、海水から不純物とミネラルを取り除いているので、体に悪いと言うのです。
果たして、本当にそうでしょうか?
確かに塩分の摂り過ぎは、体に支障をきたします。
しかし、塩分を控えすぎても体に悪いのです。
塩分は、血行促進効果があります。
血行が良くなると体が温まり、新陳代謝が良くなり、免疫力が上がります。
冷え性や肩こり、めまいや貧血など、体質と思われがちな症状も、もしかしたら塩分不足かもしれません。
体内から、ナトリウムが不足すると筋肉や神経にも、支障をきたします。
もちろん、摂り過ぎは良くありませんが、適度な塩分は体には必要なのです。
スーパー調味料「精製塩」は万能選手
このように「精製塩」には、調味料としてだけではなく、殺菌効果に優れているのでさまざまな使い方ができます。
そのスーパーな実力は、お分かりいただけたと思います。
また、安価で手に入りやすいので、汚れ落としなどの掃除に使う時も、気を遣わずに使えますね。
調味料としてだけではなく、「精製塩」を利用して、より豊かな生活をお楽しみください。