ぶりの味噌焼きはごはんにもお酒にもよく合いますね。
味噌焼きにすることで、味噌のこってりとした味により、魚独特の臭いがカバーされ、味噌焼きなら食べられるという魚嫌いなお子さんもいるようです。
ぶりや他の魚の味噌焼き、味噌焼き用の味噌のレシピや、味噌・ぶりの栄養、味噌焼きの解凍・冷凍方法などもご紹介していきます。
昔から親しまれる味噌!その栄養は?
大豆は畑の肉ともいわれるほど栄養価が高いです。
その大豆を使った味噌も栄養が豊富なのです。
では、味噌にはどのような栄養が含まれているのでしょうか?
●味噌に含まれる菌
味噌が発酵することで乳酸菌や、麹菌が生まれます。
乳酸菌は便秘や下痢の元となる悪玉菌の発生を減らして、腸内を健康な状態に保つ働きがあるといわれています。
麹菌は食べたものを消化する胃の仕事を一緒にし、消化の手助けをしてくれる働きがあるようです。
●豊富なタンパク質
髪や肉体など人間の体を作るために、欠かせない栄養素が味噌の中に豊富に含まれています。
●大豆レシチン
アンチエイジング効果があるといわれていて、そのほかに生活習慣病の予防もできるとされています。
また、他にも味噌にはアンチエイジング効果や、更年期障害の緩和、血流の改善から血圧を安定させてくれる働きがあるといわれています。
昔の人は、今のように魚や肉を自由に食べることができず、ぶりの味噌焼きはなかなか食べることのできなかったメニューでしょう。
そのため、各家庭がオリジナルのレシピで味噌を作り、味噌をおかずにしてごはんを食べていたそうです。
味噌でタンパク質を摂取し、外出するときや、仕事に行くときに、味噌を香ばしく焼いた味噌焼きを携帯したりもしていたそうです。
頭の中に効果あり?!ぶりの栄養
ぶりの栄養も見ていきましょう。
ぶりは出世魚と呼ばれていて、成長段階で呼ばれる名前がかわる、面白い魚です。
成長する大きさによって呼ばれかたが変わり、若い順から並べると以下のようになります。
【もじゃこ(稚魚)】
【わかし・わかなご・つばす(35cm以下)】
【いなだ・はまち・ふくらはぎ(35cm~60cm)】
【わらさ・めじろ(60cm~80cm)】
【ぶり(80cm以上)】
このように、冬が来るまでの1年間、大きく成長した脂ののったぶりが、たくさんスーパーに並ぶのです。
しかし、脂がたっぷりのった美味しいぶりには、ダイエットや健康によくないのではないかと思う人もいるのではないでしょうか?
実は、ぶりの脂はどんどん摂ったほうがよいのです。
●ぶりの脂はDHAとEPAが豊富
DHAとは、脳で行われる情報の伝達を行う上で、必要な栄養で記憶力が向上したり、アルツハイマーの予防にもよいといわれています。
EPAとは、中性脂肪を減らし、動脈硬化や、脳卒中、糖尿病を予防するといわれています。
また、そのほかにも骨粗しょう症を予防するといわれる「ビタミンD」や、抗がん作用が期待されている「セレン」、二日酔いを予防するといわれる、お酒を飲む人にはうれしい「ナイアシン」が含まれています。
ぶりと味噌の栄養がわかった所で、ぶりの味噌焼きのレシピをご紹介します。
ぶりの味噌焼きレシピオススメ3選
ぶりの味噌焼きのレシピは家庭によってさまざまで、漬け込んで作るものや、手早く作れるものなどあります。
今回はすぐに焼いて作れる味噌焼きのレシピと、半日から1日程度漬け込んだ味噌焼き、甘酒を使ったこってり味噌焼きの3種類をご紹介します。
5分で作れる、簡単ぶりの味噌焼き
【材料】
・ぶりの切り身 2切れ
・味噌 大さじ2
・砂糖か、みりん 大さじ2
①油をひいたフライパンでぶりの両面をこんがりさせます。
②砂糖とみりんをボウルで混ぜ、ぶりに塗り、味噌がこんがりしてきたら完成です。
5分で手軽に作れ、簡単に美味しいぶりの味噌焼きを食べることができます。
半日から1日つけて味染みぶりの味噌焼き
【材料】
・ぶりの切り身 2切れ
・味噌 大さじ2
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・砂糖 大さじ1
①ジップロックなどの厚めの袋の中に、調味料を入れて揉みながら混ぜます。
②調味料が合わさったら、ぶりの切り身を入れて空気を抜き半日から1日程度冷蔵庫の中で保存します。
③グリルで弱火で焼いて完成です。
半日から1日漬け込んでおくことで、味噌の旨味がぶりに染み込みとても美味しいです。
甘酒でこってり!ぶりの味噌焼き
【材料】
・ぶりの切り身 4切れ
・長ねぎ 2本
・味噌 大さじ4
・甘酒(砂糖不使用) 大さじ4
・酒 大さじ4
・ごま油 大さじ1
・ごま 少々
①ジップロックなどの厚めの袋の中に、味噌・甘酒・酒を入れて揉みながら混ぜ、ぶりの切り身を入れ30分程度漬けます。
②長ネギを3cm程度に切っておきます。
③フライパンにごま油をひいて、漬けておいたぶりについている味噌ダレを、キッチンペーパーなどでふき取りながら焼いたら完成です。
甘酒を使うことで、こってりとした奥深い味の味噌焼きになります。
ぶりの味噌焼きを冷凍・解凍する時のポイント
通常、ぶりの味噌焼きのために味噌漬けにしたぶりの賞味期限は、長くても5日間程度、食べごろは3日程度といわれています。
それ以上経過してしまうと、ぶりの持つ水分が味噌に溶けだして痛みやすくなります。
ですが、味噌漬けになった状態のぶりを冷凍すると、賞味期限は倍程度に伸びるので、好きなタイミングでぶりの味噌焼きを楽しむことができるのです。
ただし、冷凍や解凍する際に気を付けることが2つあります。
●味噌漬けを冷凍するときは、味噌をぬぐってから冷凍庫にいれてください。
味噌がたくさんついたまま冷凍してしまうと、味噌の塩分がどんどんぶりの身に染み込んでしまい、食べる際にしょっぱくなってしまいます。
そのため、食べごろの状態にしたぶりを冷凍するために、漬け込みが完了した段階で、味噌をぬぐって冷凍することをおすすめします。
●解凍するときは冷蔵庫の中か、冷水で行いましょう。
魚を解凍する際に、電子レンジの解凍機能を使う人もいると思いますが、解凍にムラがあったり、一部魚の身が煮えてしまうこともあります。
ちなみに、電子レンジで解凍した際に出てくる水分(ドリップ)は、ぶりの旨味です。
そのため、電子レンジは極力使わないで解凍したほうがよいでしょう。
【解凍方法その1】
冷蔵庫の中に調理する6時間ほど前に入れておいて、ゆっくり解凍する。
【解凍方法その2】
調理する1時間ほど前に、ボウルへ冷水(氷水ならなおよし)を入れて、そこへジップロックなどの厚めの袋の中に入れたままつけておきます。
このように、電子レンジを使って数分で解凍するよりも、極力時間をかけて解凍することで、ぶりの旨味を閉じ込めたまま調理することができるのです。
ぶりの味噌焼きだけでなく、豚の生姜焼きや、鶏のから揚げなど、漬け込みをするような他のレシピもこの方法で解凍や冷凍をおこなって調理すれば、美味しくいただくことができるでしょう。
長期保存可能で味噌焼き・他の食材にも合う!万能味噌レシピ
先ほど、味噌焼きを冷凍保存する方法をご紹介しましたが、味噌焼きの味噌も保存できるのです。
ちなみに、保存期間は最大で2か月程度となっていて、ぶりや、他の味噌焼きでも、ごはんに乗せても、野菜をディップしても美味しくいただける万能な味噌です。
【材料】
・味噌 200g
・酒 25cc
・みりん 100~120cc
・砂糖 20g
・しょうゆ お好み
・水 小さじ1~2
①大きい鍋に味噌・酒・みりん・砂糖を入れて弱火で熱します。
②砂糖が溶けたら味見をし、甘ければ醤油をお好みで入れ、塩気が強ければ砂糖をお好みで足します。
③重たくもったりとした固さまで、水分を蒸発させたら完成です。
※保存する容器は一度煮沸消毒してから、使用しましょう。
この味噌焼き用の味噌ダレを作っておけば、手軽に味噌焼きも楽しむことができますし、他のレシピにも使え料理のバリエーションも広がります。
季節の魚を使った味噌焼きレシピ
ぶりの味噌焼きをご紹介しましたが、他にも味噌焼きで美味しくいただくことができる魚はたくさんいます。
スーパーで割と手に入りやすく、味噌焼きで美味しくいただける季節ごとの魚で、味噌焼きのレシピをご紹介します。
カツオの味噌焼き
【材料】
・カツオの刺身 10切れ程度
・味噌 大さじ1
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ2
・水 コップ1杯
①味噌・みりん・酒を袋の中に入れて揉み混ぜます。
②袋の中にカツオの刺身を入れ、5分程度漬け込みます。
③フライパンにカツオの刺身を並べて、お水をコップ1杯入れて蓋をし、中まで火を通し完成です。
かつおの旬は春で、他の魚と比べると臭みが強いといわれたりもしますが、味噌焼きなら香ばしさでその匂いもカバーされ、美味しくいただけるでしょう。
あゆの味噌焼き
【材料】
・あゆ 2匹
・味噌 30g
・砂糖 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
①あゆの内臓とぬめりを取り除きよく洗います。
②あゆを両面焼きます。
②フライパンに味噌・砂糖・酒・みりんを入れて水分を飛ばし、ペースト状にします。
③焼いたあゆに、ペースト状になった味噌を塗り、少し味噌がこんがりしてきたら完成です。
あゆの旬は夏で、ちょうど夏のあゆは春の稚魚が成長してきていて、まだ骨まで柔らかいのが特徴です。
さんまの味噌焼き
【材料】
・さんま 2匹
・小麦粉 適量
・味噌 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・醤油 小さじ2
・酒 大さじ3
・サラダ油 適量
①さんまの頭と内臓をとり除き、開いた状態にし、小麦粉をまぶしておきます。
②フライパンにサラダ油をひいて、さんまの両面が少しこんがりする程度まで焼きます。
③味噌・砂糖・醤油・酒を混ぜて、フライパンに入れさんまとよく絡め、酒が飛んだら完成です。
さんまの旬は秋で、秋のさんまはとても脂がのっていて美味しく、ぶりと同じ体によいとされる脂のDHA、EPAが豊富に含まれています。
ぶりや他の食材を味噌焼きにして美味しく健康
栄養が豊富で昔から親しまれてきた味噌と、脳によいとされるぶりの味噌焼きは体にとてもよい一品です。
味噌焼きは冷凍保存することもでき、解凍方法に気を付ければ、旨味も丸ごといただけます。
作り置きの味噌焼きも2か月の長期保存が可能なので、いろいろな味噌レシピにチャレンジできそうですね。