ピーマンと麹で作る味噌とは?作り方と美味しい活用術を紹介

子どもの苦手な野菜の代表であるピーマンですが、ビタミンCがレモンの約2倍も含まれていて風邪予防にはもちろん美肌効果も期待できます。

ピーマン独特の苦みや青臭さが苦手な人にぜひ試してほしいのが今回ご紹介する「ピーマン味噌」です。

たっぷりのピーマンと麹で作るピーマン味噌は、熱々ごはんやグリル野菜に乗せて食べると箸が止まらない美味しさです!

美味しくて栄養満点なピーマン味噌の作り方と活用術をご紹介します。

ピーマンと麹で作る「ピーマン味噌」の正体に迫る

皆さんは「ピーマン味噌」という料理を聞いたり食べたりしたことはありますか?

ピーマン味噌は「味噌」という名前がついていますが、実は味噌を使っていないというちょっと不思議な万能調味料です。

ピーマンと麹・醤油・砂糖などで作るピーマン味噌は岩手県の郷土料理のひとつで、甘辛い味は様々な料理と相性が良く、一度食べると病みつきになってしまいます。

似ているもので北海道に「三升漬」というものがありますが、こちらは青唐辛子を使っているので辛味が強いのに対し、ピーマン味噌は甘味が強いので大人から子どもまで食べやすい味わいです。

ピーマンは独特の青臭さや苦みがあり嫌われがちな野菜ですが、ピーマン味噌はじっくりと加熱するため青臭さが飛び苦みも和らぎます。

ピーマン嫌いを克服する第一歩にも良いかもしれません。

ここでピーマンの栄養について改めて確認してみましょう。

ピーマンはビタミン類が豊富で、特にビタミンCはレモンの約2倍、トマトの約5倍も含まれています。

そのビタミンCは過熱しても壊れにくいため、ピーマン味噌にしても効率よく摂取できるとされています。

ビタミンCには粘膜や皮膚の健康を維持する働きがあり免疫力を強化したり、シミ・そばかすを防ぐ効果もあるとされているので美肌になりたい人には欠かせません。

他にも鉄分の吸収を助けたりストレスへの抵抗力を高める効果もあると言われているので、ストレスの多い現代人は積極的に摂りたい栄養素のひとつです。

続いてはピーマン嫌いの人でも食べやすく、しかも保存が効くピーマン味噌の作り方を詳しくご説明します。

ピーマン味噌の作り方

味噌を使わないのに名前は「ピーマン味噌」の材料は、どれも一般的なスーパーで手に入るものばかりなので、思い立った時に作れるのが良いですね。

コトコト煮詰める時間はかかりますが、刻んで混ぜるだけと作り方はいたってシンプルです。

【材料】作りやすい分量

・ピーマン 500g(12~15個くらい)
・米麹 200g
・ザラメ(上白糖でも可) 100~150g
・醤油 200ml
・みりん 200ml
・赤唐辛子 1~2本

【作り方】

①米麹は手でほぐし、醤油とみりんを合わせたものに1~2時間漬けておきます。

②ピーマンはヘタと種を取り粗めのみじん切り、赤唐辛子は種ごとみじん切りにします。

フードプロセッサーを使うと手間がグッと短縮できますよ。

③鍋にすべての材料を入れたら弱火にかけ、焦げ付かないように混ぜながら煮詰めましょう。

水分がなくなり味噌くらいの固さになれば完成です。

消毒した瓶や保存容器に入れて冷蔵庫で保管します。

元々保存食として考えられたピーマン味噌は半年~1年は保存できるとされていますが、なるべく小分けにして保存し早めに食べきる方が良いでしょう。

大量に作った場合は冷凍保存も可能です。

辛い物が苦手な人や子どもがいる家庭では、赤唐辛子抜きで作っても十分美味しく作れます。

時間が経つと全体が馴染んできて少しずつ味わいが変化していくのも面白いです。

ピーマンが特売だった、家庭菜園でたくさん収穫できたなどピーマンが大量に手に入ったらぜひ作ってみてください。

味噌も醤油も!和食に欠かせない麹のパワーとは?

ピーマン味噌の正体と作り方が分かったところで、材料の「麹」に注目してみたいと思います。

麹と聞いてもあまりピンとこない人も多いかもしれませんが、実は日本人の食生活とは切っても切れない関係にあります。

麹とは米や麦・大豆などにカビの一種である麹菌をつけて繁殖させたものです。

カビと言っても体に害はなくむしろ酵素をたくさん含んでいて、体に良いだけでなく美容にも効果があると注目されています。

麹の持つ酵素は30種類以上と言われていて様々な働きをしています。

和食に欠かせない味噌や醤油にも麹が使われていて、独特の風味や旨みは麹の発酵パワーによるものです。

少し前に塩麹が一大ブームとなりました。

肉や魚を塩麹に漬けておくだけで劇的に旨みが増したり、野菜にかけて半日ほど漬けるだけで美味しい漬け物が出来上がります。

なぜ漬けるだけで美味しくなるのかというと、麹に含まれる酵素がタンパク質を旨みの元であるアミノ酸へ、デンプンをブドウ糖へと分解して旨みを引き出してくれるのです。

麹のパワーで食材をより美味しく食べるという日本人の知恵は大切に守っていきたいですね。

野菜につけて楽しむ「ピーマン味噌のマヨディップ」

ここからはピーマン味噌の美味しい活用術を3つご紹介します。

どれも簡単に試せるものばかりなのでぜひ作ってみてくださいね。

まず1つ目の活用術は混ぜるだけの「ピーマン味噌のマヨディップ」です。

【材料】

・ピーマン味噌 50g
・マヨネーズ 30g
・お好みの野菜 適量

【作り方】

①きゅうりや大根、人参などお好みの野菜をスティック状に切り冷やしておきます。

②ピーマン味噌とマヨネーズをよく混ぜたら完成です。

ピーマン味噌とマヨネーズの割合はお好みで調整してください。

居酒屋の定番メニューもろきゅうのような感覚でお酒のおつまみにもおすすめの一品です。

ほんのり残っているピーマンの苦みもマヨネーズでまろやかになり、麹の甘味もあるので子どもも喜んで食べてくれること間違いなしです。

お好みでごま油やラー油をほんの少し入れるとまた違った味わいが楽しめます。

上記の野菜以外にもキャベツやブロッコリー、トマト、じゃがいもなど色々な野菜と相性抜群です。

このディップを少量の牛乳や水で伸ばすと、麹の粒々食感が楽しいドレッシングとしてもお使いいただけます。

混ぜるだけの簡単ディップのご紹介でした。

麹がうまみを引き立てる「ひき肉入りピーマン味噌の冷奴」

続いての活用術は「ひき肉入りピーマン味噌の冷奴」です。

淡白な味わいの豆腐に甘辛味のひき肉をたっぷりと乗せることで、ボリュームのある一品に変身します。

【材料 2人分】

・豚ひき肉 100g
・ピーマン味噌 40g~お好み
・酒 大さじ1
・サラダ油 大さじ1
・豆腐 1/2丁

【作り方】

①フライパンにサラダ油を熱し豚ひき肉をほぐしながら炒めます。

全体の色が変わりひき肉から出た油が透明になるまでじっくりと炒めるのが美味しさのコツです。

②ひき肉をしっかりと炒めたら火を弱め、酒とピーマン味噌を加えよく混ぜます。

全体が馴染んだら肉味噌の完成です。

③豆腐は食べやすい大きさに切り分けて器に盛り、上から②の肉味噌をたっぷりとかけてお召し上がりください。

ピーマン味噌自体に麹や醤油・みりんなどが入っているので難しい味付けは必要なく、誰にでも簡単に作れます。

味の濃さはピーマン味噌の量で調整してください。

使う肉の種類は豚肉だとコクのある味わいに、鶏肉だとあっさりとした肉味噌になります。

この肉味噌は豆腐にかける以外にも熱々のごはんやうどんなどの麺類にかけたり、きゅうりと一緒にレタスで包んで食べても美味しいですよ。

肉味噌は冷蔵庫なら2~3日、冷凍なら2週間程度は保存も可能なので作り置きメニューにもおすすめです。

文句なしの相性「ピーマン味噌の焼きおにぎり」

最後にご紹介する活用術は「ピーマン味噌の焼きおにぎり」です。

ピーマン味噌とごはんの相性は言うまでもありませんが、おにぎりにして焼くことで香ばしさがプラスされ、さらに食欲をそそります。

【材料 2個分】

・ごはん 2膳分(約300g)
・ピーマン味噌 30g~お好み
・白ごま 大さじ2
・サラダ油 適量

【作り方】

①温かいごはんにピーマン味噌と白ごまを混ぜます。

②おにぎりを作ります。

にぎり方が緩いと焼いている途中で崩れてしまうことがあるので、普段のおにぎりよりもきつめににぎってください。

③熱したフライパンに薄く油をひいておにぎりを焼きます。

両面にこんがりと焼き色がついたら完成です。

ピーマン味噌は麹やみりんが入っていて焦げやすいので、弱火~中火でじっくりと焼くと良いでしょう。

ここではフライパンで焼いていますが、トースターや魚焼きグリルでもOKです。

ただし火力の調整が難しいので、焦げないようにこまめに確認しながら焼いてくださいね。

味噌を塗りながら焼く方法もありますが、ごはんとピーマン味噌をあらかじめ混ぜておいた方が味が均一になり美味しいですよ。

さらに一工夫したいという人は、小さく切ったプロセスチーズを混ぜてみてください。

味噌とチーズは相性が良く、香ばしさとコクがアップします。

あっという間に作れるので朝食にもおすすめです。

ピーマン味噌は病みつきになること間違いなし!

ピーマン味噌には甘味や塩味・辛味以外にほんのりとした苦みがあります。

その苦みが複雑な味わいを生み出している重要なポイントで、ごはんのお供としてだけでなく炒め物などの調味料としても大活躍してくれます。

まだまだメジャーではないピーマン味噌ですが、家でも簡単に作れるのでぜひ一度お試しください。