日本では、古くから食べられていた大根。
今でも一年中食卓にのぼる機会が多い、私達に身近な野菜のひとつですよね。
そこで今回は、和食の定番でもある「ふろふき大根」の作り方をご紹介します。
美味しい味噌だれをつけて、召し上がってくださいね。
ふろふき大根に適した大根の種類
今回の記事では、ふろふき大根と味噌だれの作り方をご紹介します。
まずは、大根の代表的な種類について学んでおきましょう。
ふろふき大根の調理に適した大根もありますよ。
☆青首大根
畑に植わっているときに、土から出ている部分が、淡い緑色をしています。
土の中で育っている部分は、真っ白なのが特徴です。
これは、スーパーでもよく売られているので、一番身近な大根ともいえるでしょう。
サラダや浅漬け、大根おろしといった生食から、ふろふき大根やおでんなどの加熱調理にも適しています。
☆三浦大根
名前の通りに、神奈川県三浦半島特産の品種です。
葉に近い首の部分がキュッと細く、下の部分が太い形をしています。
大根の肉質がソフトなので、おでんや煮物にするといいでしょう。
☆辛味大根
強い辛味が特徴です。
おろして、薬味として使われています。
長野県では、辛い汁に蕎麦をつける「おしぼり蕎麦」が名物です。
☆練馬大根
東京練馬区の特産品です。
首と下の部分は細く、中央部が太い形をしています。
沢庵漬けに適している「尻細大根」と、その改良型で煮て食べたり、浅漬に使われる「秋詰まり大根」の2種類があります。
その他にも、亀戸大根、守口大根、聖護院大根などがあります。
ふろふき大根の名前の由来
ふろふき大根の材料に適しているのは、青首大根だとわかりましたね。
早くふろふき大根と味噌だれの作り方を教えて!とウズウズしている方もいると思います。
ですが、その前に、ふろふき大根の名前の由来について気になりませんか。
よくよく考えてみると、ふろふき大根っておかしな名前ではないですか。
漢字で書くと「風呂吹き大根」とのことなので、謎はさらに深まるばかりです。
実は、「風呂吹き」は、フゥフゥと息を吹きかけ、冷ましながら食べるしぐさに由来しているのです。
昔の風呂は蒸し風呂でした。
江戸時代より前、大勢で入る蒸し風呂が主流だったころ、そこにはお客の体をきれいにする仕事がありました。
蒸し風呂で息を吹きかけ、垢をこすり取ることや、それを行う人を「風呂吹き」と呼ぶようになったのです。
湯気の出る体に息を吹きかける様子と、熱々の大根を冷ます姿が似ていることから、ふろふき大根と命名されたといわれています。
その他にも、大根は体に良く、安くて経済的なため、不老富貴(ふろうふき)の意味である、といった説もあります。
名前の由来って、調べてみると面白いですね。
ふろふき大根は味噌だれにピッタリ!どんな料理?
「ふろふき」とは、熱々の食べ物を冷ましながら食べる仕草からきているのですね。
確かに熱いものは、無意識にフゥフゥと息を吹きかけて冷ましていますよね。
ふろふき大根がどんな食べ物かすでにご存知の方や、よく食べている人もいらっしゃるでしょう。
ふろふき大根の作り方は、使用するだしや調理器具によって、多少の違いはあります。
しかし基本的には、大根を厚さ数cmほどに切って、皮を剥いで面取りし、だし昆布などで大根が柔らかくなるまでゆっくり煮る作り方がされています。
煮えたらお好みで、味噌だれや、ゆず味噌などをのせて食べます。
調理に使う、新鮮で美味しい大根の選び方も覚えておきましょう。
まずは、ずっしりと重みがあり、白くてなめらかなものを選びましょう。
次に注目すべきポイントは、表面にある小さな穴です。
この穴が等間隔で空いているもの、真っ直ぐ下に向かっているものが良いでしょう。
穴の間隔がまちまちなのは、肥料のやり方にムラがあった証拠です。
また、穴が曲がっている大根は、辛味が強いと言われています。
葉っぱのチェックも忘れずに。
葉っぱがしなっていたり、黄色く変色している部分があるものは新鮮ではありませんよ。
圧力鍋で簡単に!ふろふき大根の作り方
それでは、味噌だれともよく合う「ふろふき大根」の作り方をご紹介します。
圧力鍋を使えば、簡単に作れますよ。
【材料】
・大根 1/2本
・だし汁 500ml
【作り方】
①大根をお好みのサイズにカットしましょう。
②切った大根を鍋に入れ、だし汁をかぶるくらいに入れたら、火にかけます。
③使用する圧力鍋にもよりますが、シューッとなったら弱火にして数分待ちます。
④水道水で急減圧して、ピンが下がれば完成です。
⑤まだ固いようであれば、もう少し煮ましょう。
だし汁にコンソメや鶏ガラスープのもとを使うと、洋風になって、違った美味しさが味わえますよ。
もうひとつ、大根の葉っぱを使ったレシピもご紹介しておきます。
大根の葉っぱを捨ててしまうなんて、もったいないです。
炒め煮や味噌汁の具としても使えるのです。
栄養たっぷりの、大根葉の常備菜の作り方です。
【材料】
・大根の葉 1本分
・白だし 小さじ1
・みりん 大さじ1
・鰹節 ひとつかみ
・一味唐辛子 お好みで
【作り方】
①大根の葉っぱを良く洗い、5mmくらいに細かく切っておきましょう。
②油をひいていないフライパンに、①の大根の葉っぱを入れます。
そして蓋をして、中火で8分加熱します。
③8分くらいたって水分が出てきて、軽くフライパンにくっつく感じになっていたら、みりんと白だしを回し掛けましょう。
④汁気が軽く飛んだら火を止め、鰹節を入れて、よく混ぜたら出来上がりです。
お好みで一味唐辛子をかけましょう。
味噌だれの作り方
ふろふき大根の作り方がわかったら、次は味噌だれを作ってみましょう。
味噌だれの材料の味噌は、日本人にとって、古くから身近な調味料です。
ふろふき大根だけでなく、多種多様な料理で活躍している味噌ですが、原材料や味、色によって色々な種類に分類されているんです。
色で分けた味噌の種類をご紹介します。
☆赤味噌
赤味噌は、大豆の浸水時間を長くし、高温で長時間蒸して作られています。
糖質やたんぱく質が熱変性して、麹の酵素による分解が促されます。
熟成期間が長いほど着色が進んで、濃い赤味噌となります。
☆白味噌
白味噌は、大豆の浸水時間を短くし、蒸さずに煮て作られています。
水溶成分の糖質やたんぱく質が除去されるので、色が薄くなります。
熟成期間は1~2週間と短いです。
その他にも、黄色を帯びた淡色の淡色味噌、副菜や酒の肴として食べられるなめ味噌などがあります。
ここでは、赤味噌を使った味噌だれの作り方をご紹介しますね。
【材料 2~3人分】
◎赤味噌 大さじ2
◎みりん 大さじ2
◎三温糖 小さじ2
・卵黄 1個
【作り方】
①◎を小鍋に入れて、弱火で滑らかになるまで混ぜましょう。
②滑らかになったら火を止めます。
③卵黄を加え、よく混ぜます。
④弱火で約30秒加熱しましょう。
味噌だれに合う!ふろふきレンコンの作り方
最後に、作った味噌だれを、他のふろふきメニューにも活用してみましょう。
ふろふき大根だけでなく、ふろふきレンコンも、味噌だれとの相性はバッチリなのですよ。
レンコンは煮物に入れるとほっくり、焼き物や酢の物に使うとシャキシャキとした食感が楽しめますね。
レンコンはビタミンCを多く含み、食物繊維、カリウム、亜鉛、鉄などのミネラルも含んでいます。
さらに、ネバネバ系食材の健康成分として注目されている、ムチンやタンニンなども含まれているのです。
それらの栄養成分の働きによって、疲労回復、かぜ予防、老化防止、消炎止血作用などに効果が期待できます。
それでは、圧力鍋で作る「ふろふきレンコン」の作り方をご紹介します。
【材料】
・レンコン 小さめ1本
・水 約500cc
・粉末だし 小さじ1
・薄口醤油 大さじ1
・酒 大さじ1
・砂糖 小さじ1
【作り方】
①レンコンはピーラーで皮を剥き、半分に切ります。
大きさは、お好みで大丈夫です。
②圧力鍋に、レンコンが浸るくらいに水を入れ、蓋をして加熱します。
沸騰してから、弱火で8分~10分くらい加圧しましょう。
③柔らかくなったレンコンを別の鍋に移して、水、だし、醤油、酒、砂糖で下味をつけましょう。
④弱火で約10分加熱して、食べるときまでそのまま放置します。
⑤薄く下味のついたレンコンに、味噌だれをかけて召し上がってください。
万能調味料の味噌だれを活用しよう
いかがでしたか。
寒い冬は、旬の大根をふろふき大根にして、味噌だれをつけて食べてみましょう。
ふろふき大根は、シンプルに大根そのものの美味しさを味わうことができますよ。
味噌だれの作り方も覚えておくと、幅広く調理に使えるのでおすすめです。