近年では外食をする機会が増えていると思いますが、健康面を考えて自宅で手料理をする方も多くなってきています。
料理を作る際に計量カップを使用する人が大多数だと思いますが、その時に気になることが「水1カップ」とはどのくらいなのかということですよね。
そこで今回は水1カップの分量とはどのくらいなのかということや、日本と外国の計量カップについて詳しく紹介したいと思います。
日本でいう水1カップの量とは?
料理本に記載されている「水1カップ」の文字をよく見かけます。
一人暮らしを始めると料理を始める人が多いと思いますが、「水1カップ」とはどれくらいの量なのか分かりづらいですよね。
水1カップを計るためには、料理用の計量カップを使用します。
この計量カップには50や200などの数字の目盛りが書いてあり、料理を作る際などは分量がわかりやすいようになっています。
水を計量カップで計る際の量は、1カップ200mlになります。
また、mlと同じく体積を表す単位のccでは、1カップの量は200ccとなります。
料理本などではmlではなくccで記載している場合もありますが同じ意味合いになっています。
しかし、お米を量るときの計量カップは、1カップ180mlであり、注意を要します。
さらに、海外の料理のレシピにおいては、1カップと記載されていても国によって容量が異なる場合がありますので気をつけてください。
ちなみにアメリカでは、1カップ240mlとされています。
水以外の食品も水と同様に1カップで計ることはできる?
上述の通り、水を計る場合においては1カップ200mlです。
それでは、水以外の食品も水と同様の計量カップで計る際も1カップ200mlとなるのでしょうか。
一般的には、水以外の食品を計る場合においては1カップ200mlとは一概にはいえません。
理由としては、体積と容積は素材により重さが違ってくるためです。
例えば、水200mlと粉類では重さに違いが出てきます。
おまけに、粉類を計る場合は、ふんわりとした状態で計るのか、詰め込んで量るのかで人によって計り方も異ってしまうため曖昧です。
ちなみに、計量カップで粉類を計る場合は、計量カップ内に隙間ができないように、ほぐしてから計量カップに入れることや、スプーンで押し込んだり、トントンと底を打ちつけたりというように無理矢理詰め込むような行為はしないこと等が注意点としてあげられています。
水とそれ以外の食品の1カップあたりの重さ(g)とは?
水1カップ(200ml)は200gですが、他の食品ではどのくらいの重さとなるのでしょうか。
料理本などでは、醤油や酒などの液体を計る場合にはml(cc)の単位で記載し、粉類などを計る場合はgで記載されていることが多いですね。
g(グラム)とは重さを表す単位なので同じ量でも、食品によって1カップあたりの重さは異なります。
ここでよく使う食品の1カップ(200ml)あたりの重さ(g)について紹介します。
・水 200g=1カップ
・醤油 230g=1.15カップ
・味噌 230g=1.15カップ
・酒 200g=1カップ
・小麦粉 110g=0.55カップ
つまり、食品の容量が増加することで、重量が変わります。
食品によっては1ml(cc)=1gにならないこともありますので注意が必要となります。
日本の計量カップの考案者は?新発明された計量カップも!
計量カップは、誰しもが使ったことがある調理器具ともいえますね。
簡単に水などを1カップで計ることができ、今や料理やお菓子作りをする際には必需品となっています。
そんな計量カップは、女子栄養大学の創立者の香川綾(当時48歳)によって考案され、1948年に登場しました。
香川さんは、日本における栄養学の普及に広く貢献しており、栄養学の礎を築いたといわれています。
日本において、江戸時代から多数の料理本が存在していましたが、調味料の分量は詳細に記載されていませんでした。
明治時代、大正時代へ時代が移り変わっても、料理の味付けは料理をする人の勘や経験などで判断していったため、誰でも簡単に料理が作れるとは限りませんでした。
そのため、香川さんは調味料の計量化を図るため、計量カップと計量スプーンを考案しました。
これは、現在の日本で使用されているものと同様な分量の計量カップと計量スプーンです。
これらが考案されてから定着するまで約30年の期間も要しました。
香川さんは、これらを使用することで料理の作り方を文章にしてまとめ、誰でも同じような味付けができるレシピを初めて作成しました。
これが料理雑誌や料理本、料理番組、家庭科の授業などで使われるようになり、日本各地どこへでも広めることができるようになり、一般家庭へ普及していきました。
さらに、香川さんは調味料などの量の把握をすることで、塩分糖分の取りすぎを防ぎ、病気予防にも繋がるとも考えました。
今、私たちが不自由なく料理を作ることができるのは、香川さんの考案があったからだといえますね。
また、現在において中学生が発明した計量カップが特許を取得した例もあります。
これは、置かずに量れる計量カップで、第74回の毎日新聞社賞を受賞した中学生の作品です。
受賞者は料理を作る際に水量が量れないことに不便を感じていたようで、持ったまま量れる計量カップの開発を考案したようです。
完全な円筒型の容器に入った液体は、容器を傾けても中心の水位が変化しない点に気づき、この原理を利用した作品となっています。
アメリカの1カップについて
先ほどもお話ししましたが、アメリカでは水1カップといえば240mlとなっています。
国によって計量カップの容量が異なるということを意外に感じる人も少なくないと思います。
ここではアメリカの計量カップとはどのような特徴があるのかについてふれたいと思います。
日本の計量カップは、50、100、150、200mlなどの間隔で数字の目盛りがありますが、一方でアメリカの計量カップは分量ごとにいくつか独立しています。
1カップ、2/3カップ、1/2カップ、1/3カップ、1/4、1/8カップなどまで計れるカップが個々にあり、日本の計量カップのようにカップの内側には数字の目盛りがありません。
そのため、それぞれ決められた量しか計ることができないということになります。
また、アメリカの料理本では計りではなく、カップ計量の記載が多いといわれています。
計量が非常に重要なお菓子作りなども、カップ計量で作れるので手軽に挑戦できますよね。
以下では、お菓子作りなどでよく使われる食品のアメリカの計量カップでの1カップあたりの重量をおおまかに紹介します。
・小麦粉類 130g=1カップ
・粉砂糖 110g=1カップ
・グラニュー糖 200g=1カップ
・ココア 110g=1カップ
・シロップ 330g=1カップ
是非、みなさんもアメリカの計量カップを試してみてはいかがでしょうか。
きっと、料理やお菓子作りの幅が広がると思います。
フランスの1カップについて
続いてはフランスの計量カップについてご説明します。
美食の国ともいわれるフランスには、フランス各地の郷土料理が数多く存在します。
日本食に負けないほど美味しいフランス料理を自分の手で再現したいと思う方もいると思います。
ですが、ここでも困るのはフランスのレシピに記載されている水1カップとはどのくらいの量なのかということですよね。
フランス語で1カップとは「1tasse」です。
1カップ(1tasse)は250mlとなっています。
アメリカと同様に、日本よりも1カップの量は多めになっていますね。
それから、フランスのレシピに記載されている「oz(オンス)」というのもあります。
1ozは35mlです。
ちなみに、フランスのレシピでは食品を質量で記載する傾向があります。
例えば、小麦粉やバターなどの量はアメリカでは計量カップ単位で表され、フランスではグラム単位で表されているレシピが多く見受けられます。
小麦粉などは、空気の含み具合で密度が変化するため、計量カップ単位よりもグラム単位のほうが再現性が高くなるともいえますね。
レシピから、それぞれの国の国民性が垣間見れて興味深いですね。
料理の必需品である計量カップは国によっても違う
日本の計量カップは1カップ200mlであり、また、水以外の食品を計る場合においては1カップ200mlとは一概にはいえません。
また、アメリカやフランスの計量カップについては日本との相違も見られました。
各国ごとに標準の分量として決められていることで、私たちは様々な料理の味付けをレシピにして共有でき、同じような味付けで料理を作ることができるのです。