甘酒と聞くと、お正月をイメージする方もいると思います。
家族みんなで飲める甘酒は、団らんにはぴったりです。
「酒」の漢字が付いているため、アルコールが入ってると思われがちですが、入っていない甘酒もあります。
麹で作った甘酒は、アルコールが入っていないので、子どもや妊娠中の方も飲むことができます。
しかも、ご自宅にある炊飯器を使って作ることもできるのです。
今回は、麹で作る甘酒のポイントや、レシピをご紹介していきます。
麹の甘酒は炊飯器でも作れる?
麹で作る甘酒の材料は、米麹・お米・水です。
それだけで作ることができますが、温度管理を間違えると、美味しく作ることができません。
温度管理が難しくて、作るのを諦めている方もいるかもしれません。
そんなときは、ご自宅にある炊飯器を使えば、簡単に作ることができます。
甘酒は、麹菌という菌がうまく働けば、美味しくできます。
麹菌の酵素が、お米のでんぷん質を糖化することによって、甘酒の甘みが出るのです。
そのため、酵素に最適な温度(60度前後)を、6~10時間ほどキープし続けなければなりません。
70度を超えてしまうと、酵素がうまく働かなくなります。
そうなると、甘酒が酸っぱくなってしまいます。
6時間以上も、ずっと温度を見続けることは難しいですが、炊飯器の保温機能を使えば、温度を簡単にキープすることができます。
メーカーにより、多少違いはありますが、保温の温度は約60度~70度の設定になっています。
甘酒は、ヨーグルトメーカーや魔法びんなどの、保温ポットでも作ることができます。
しかし、どこのご家庭にもある炊飯器を使った作り方が、最も手軽に作れると思います。
甘酒に使う麹
麹には、乾燥麹と生麹の2種類があります。
2つの違いを、ご説明します。
・乾燥麹
乾燥しているので、常温で長期保存ができます。
初心者でも、使いやすくなっています。
ただし、使うときに水で戻す必要があるため、買ってすぐに使いたい場合は不向きです。
生麹と味の違いは、ほとんどありません。
・生麹
生麹は麹菌が生きているため、雑菌に弱く、冷蔵保存で1週間ほどしかもちません。
そのまま使うことができるため、使用頻度が多い人は、水で戻す手間が掛からない生麹がおすすめです。
乾燥麹は、生麹を乾燥させたものですので、味や栄養価は生麹と違いはありません。
しかし、生麹のほうが、美味しい甘酒ができたという意見が多くあります。
両方作って、試してみるのも面白いですね。
併せて、乾燥麹の戻し方もご紹介しておきます。
①乾燥麹をもみほぐして、ボールに入れます。
②規定量のぬるま湯を入れ、よく馴染ませます。(お風呂くらいの温度で大丈夫です)
③1~2時間ほど、ラップをしておけば生麹の出来上がりです。
ラップをしてる間は、15分に1回くらいも頻度で軽く混ぜましょう。
どちらの麹でも、炊飯器を使うことができるので、お好みで選んでみてください。
甘酒を作るときに使いたいおすすめの麹
麹は乾燥麹・生麹の2種類があるとお伝えしました。
その中でも、さらに様々な種類があるため、どれを買えば良いか悩む方も多いと思います。
甘酒を炊飯器で作るときの、おすすめの麹をご紹介します。
・みやここうじ(伊勢惣)
スーパーでも、よく見かける乾燥タイプです。
値段も手頃で、美味しい甘酒が作れるので、初めて作る方にはおすすめです。
・自然栽培の白米麹(マルカワみそ)
値段は高めですが、お米は農薬も肥料も使われていない自然栽培で、麹菌は味噌蔵についてるものを使っています。
お米は弾力があり甘く、麹菌は天然ものなので、発酵する力が強く、甘みを出す酵素がよく出ます。
生麹のため、保管には注意が必要ですが、美味しい甘酒を作ることができます。
・プラス糀 米こうじ(マルコメ)
マルコメは、老舗の味噌メーカーです。
150年以上も麹を扱っているため、味は間違いないでしょう。
乾燥タイプで個別包装されているため、少量でも甘酒を作れるので使いやすいです。
みやここうじは、スーパーでよく見かけますが、他の麹は高級スーパーや自然食品店などでしか手に入らないようです。
お近くにない場合は、ネットショップでも手に入ります。
お米以外の材料でも甘酒が作れる
甘酒を作る際に、もうひとつ大切な材料があります。
それは、お米です。
甘酒は、米麹・お米・水だけで作れるとお伝えしましたが、お米以外の材料でも作ることができるのです。
まずは、最もシンプルな作り方の、お米のおかゆから説明していきます。
・おかゆ
炊飯器を使って甘酒を作る場合は、先に炊飯器でおかゆを作ります。
その中に米麹を入れると、スムーズに甘酒を作ることができます。
一般的な炊飯器には、おかゆ機能が付いているので、水加減はメモリに合わせればOKです。
・白米+水
おかゆがない場合は、鍋に、炊いたお米と水を入れることで、おかゆにすることができます。
お米のグラムに対して、2倍の水を入れると、ちょうど良い固さのおかゆになります。
・もち米
普通のお米以外に、もち米でも作れます。
お米ともち米では、同じデンプンでも、含まれている糖の種類が違います。
アミロペクチンが多く含んでいるもち米のほうが、より甘い甘酒を作ることができます。
・玄米
玄米でおかゆを作るときは、しっかりと浸水して玄米に吸水させてください。
だいたい6時間ほど浸水が必要ですが、種類によって、少し違うことがあります。
購入した玄米の説明を確認して、それに従って浸水時間を調節しましょう。
お米の種類は、コシヒカリ・あきたこまちなど、どのお米でも作れるので、家にあるものを使えば大丈夫です。
甘酒を炊飯器で作るときのポイント
甘酒は作るのに時間が掛かるため、1回失敗すると、大幅に時間をロスしてしまいます。
そこで、失敗しないために、炊飯器で作るときのポイントをご紹介します。
甘酒を作るために、最も重要なポイントは温度管理です。
まず、混ぜ合わせた材料を、炊飯器の内釜に入れます。
そうしたら、保温のスイッチを入れ、60度を保つようにします。
フタをしてしまうと、温度が上がってしまいますので、フタは閉めないようにしてください。
フタをしない代わりに、布巾を被せておきます。
温度計を入れて温度を管理していきますが、もし温度が下がった場合は、1回フタを閉めます。
60度まで上がったら、再びフタを開けておきましょう。
始めの1~2時間は15分に1回くらい温度を確認し、温度が安定してきたら、あとは出来上がるまで待てば大丈夫です。
途中、味見をし、甘くなければ、もう少し保温時間を延ばします。
甘くなったら完成です。
麹菌が、ちょうど良く働くのは60度前後です。
70度以上になってしまうと甘酒が酸っぱく仕上がり、60度以下の場合は甘さが出ないので、60度を保つように作りましょう。
炊飯器で作る麹の甘酒レシピ
それでは、前項のポイントも踏まえて、炊飯器で甘酒を作ってみましょう。
【材料】
・お米 1合
・水 4合分
・米麹 230グラム
・水 600~900グラム
【作り方】
①お米1合と水4合分で、おかゆを作ります。
炊飯器のおかゆ機能で作ると、簡単にできます。
②米麹は乾燥・生どちらでも大丈夫ですが、乾燥麹の場合は、必ず戻してから使ってください。
③おかゆを冷まします。
おかゆが人肌程度の温度になったら、②を入れて、水600~900グラムを入れます。
ドロッとした濃いめが好きな方は600グラム、サラッとしたほうが好きな方は900グラム程度、水を入れてください。
④保温をして、布巾を被せて60度を保つようにします。
だいたい8時間前後で出来上がります。
味見をして、甘くなければ保温を続けます。
甘くなっていれば、保温は終了します。
⑤出来上がった甘酒の粗熱が取れたら、ミキサーにかけます。
ミキサーにかけた甘酒を、さらにザルなどでこすと、のどごしが良い甘酒になります。
つぶつぶした食感も楽しみたい方は、④までで出来上がりです。
もっとサラッとしたほうが良いという方は、⑤までしてください。
途中で温度を確認しながら、その都度、軽く混ぜていけば、失敗することも少なくなります。
体に良い甘酒を自宅で
甘酒を飲む機会は少ないかもしれませんが、甘酒は飲む点滴と呼ばれるほど、体に良い飲みものです。
飲む以外にも、お菓子や料理に入れることで、砂糖を使わずに甘さやコクを足すことができます。
慣れないと作るのに時間が掛かりますが、1回作ってみると、意外と簡単に作れます。
ぜひ自宅でも甘酒を作って、健康的な生活を送ってみませんか?