お米はちょっとのひと手間で美味しくなる食材です。
主食ですから、食べるなら美味しく食べたいですよね。
美味しくするひと手間の1つが浸水です。
待つのが面倒と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、一晩置いておいても問題ない方法があります。
今回は浸水について詳しくご紹介します。
お米は数時間~一晩浸水で美味しくなる
ほぼ毎日食べているであろう日本人の主食であるお米。
どうせなら美味しいお米を毎日食べたいですよね。
お米を美味しく炊くためには、お米を浸水させることがとても重要なポイントです。
浸水するだけでも、しないよりも別格で美味しくなります。
美味しくなる理由はお米をしっかりと糊化させることができるからです。
糊化というのは、デンプンが熱湯や、水の加熱によって糊のようになることです。
精米は成分の7割以上がデンプンです。
お米は炊飯されたときに糊化が行われてます。
このデンプンが糊化されることによって、お米は美味くなります。
しかし、お米を完全に糊化させるにはある程度時間を置いて水をお米にしっかりと吸収させる必要があります。
お米をといで浸水時間無しですぐにお米を炊いてしまうと、水の吸収時間が足りません。
表面だけしか糊化されず、芯が残ってツヤがないお米に仕上がってしまうのです。
そこで水をしっかり吸収させるために、お米の浸水を行います。
お米は、水に浸水させておくことで水をしっかり吸収します。
水をしっかり吸収させれば、全体に水が浸透して熱が全体に伝わり、ふっくらと粘りのある美味しいお米になります。
少し手間ではありますが、お米をといだ後は、すぐに炊かずに浸水させてから炊くようにしましょう。
夜にお米をといでおいて、一晩寝かせておけば朝はすぐに炊くことができますよ。
お米を浸水する時間の目安
浸水の時間の目安ですが、気温が温かい方が水の吸収率が良いです。
夏と冬で、浸水しなければならない時間は変わってきます。
常温だと、約2時間ほどだといわれていますが、夏なら30分~1時間、冬なら1時間半以上が理想です。
一度この時間を目安に炊いてみて、炊きあがったお米を柔らかいと思えば時間を短く。
固いと思えば時間を長くしてみてください。
こうすることで、ご自身の好みのお米を食べることができます。
ただし、お米は一定の水を吸収し終えると、もう吸収することはありません。
ですので、長く浸水すればするほど良いというわけではありません。
基準としては、しっかりと水を吸収した米は、不透明で白っぽくなります。
また、お米を長めに浸水しておくことで、味が落ちにくくパサつきにくくなります。
その場で食べ切らないときや保存しておくためのものは、しっかり浸水させておくと良いでしょう。
浸水を早く終えてしまうと、芯が残ったり、色やにおいに影響が出てしまう可能性があります。
長時間や一晩置いておけば問題はありませんが、早めに浸水を終わらせたい場合でも30分は浸水しておく方が良いです。
長時間、一晩置いておく危険性
浸水の時間を待つのは面倒くさいし、長時間や一晩放置できるのは嬉しいですよね。
しかし、どのようにお米を浸水させていたかにもよりますが、長時間の浸水は場合によってお米を不味くしてしまうこともあります。
食べ物や飲み物は、そのまま放置していればすぐに傷んだり、腐ってしまいます。
特に夏場は食べ物も飲み物も傷みやすい時期ですよね。
水も例外ではありません。
暑い夏、そのまま長時間放置していれば菌は増殖していきます。
まして浸水していることで、お米に含まれているアミノ酸などの水に溶けやすい成分が溶けています。
すると、さらに雑菌が増殖しやすい状態です。
浸水している水に泡が出てきていると要注意です。
また、見た目やにおいが少しでもおかしいと感じた場合は、絶対に食べないようにしてくださいね。
もちろん一年中、注意は必要ですが特に夏場は気を付けなければいけません。
長時間、一晩置いておく方法
お米にいつもずっとつきっきりで見ていられるのならそれが一番良いですが、実際そうもいきません。
お米を長時間や一晩浸水させておくときには、ちょっとした方法があります。
まず、長時間や一晩の間に浸水しているときの良くない原因としては、常温のところに置いておくのが大きな原因の1つです。
ですので、長時間置いておく際は、ラップをして冷蔵庫に入れておくと良いです。
冷蔵庫に入れることによって気温が低く水が冷えても、長時間の浸水ならお米は水をしっかり吸収しますので問題ありません。
また、長時間や一晩浸水しているところに、塩をひとつかみ入れるのも良いです。
塩を少し入れることによって、雑菌が増えるのを抑えてくれます。
少しなら味にも支障はありませんので、ぜひやってみてくださいね。
お米の浸水の時短方法
お米を一晩浸水するのを忘れてしまって、朝を迎えることもありますよね。
すぐに炊かないといけない、何時間も待てないという場合の時短方法もあります。
先ほど、気温が温かい方が水の吸収率が良いといいましたが、これの応用です。
お米をぬるま湯で浸水することによって、吸収の速度を高めるという方法です。
40度くらいのぬるま湯でお米を浸水すれば、30分くらいで十分な水を吸収してくれます。
お湯で浸水したり、炊いてしまうのは良くないといわれていますが、40度程度なら問題ありません。
ただし温度は30度~40度のものを使用するようにし、それ以上熱いお湯で浸水してはいけません。
急いでいるときは、40度に温めたぬるま湯に20分ほど浸した後、炊きましょう。
お米は浸水することで、水を吸収し、炊飯して熱を加えることで糊化し、甘くておいしいお米が炊きあがります。
40度を超えたお湯でお米をといでしまうと、お湯が温かすぎて炊く前にお米が糊化してしまいます。
つまり、二度お米を炊いたような状況になるのです。
そうすると、米から糖のにおいがしたり、旨味が無くなって甘みもなく風味もない美味しくないお米になってしまいます。
行うときはお湯の温度に注意してくださいね。
お米をとぐのも大切
お米を炊く前の浸水はとても大切な工程の1つですが、とぐことも大切な工程です。
長時間や一晩浸水して、しっかり水を吸収していても、とぎ方で味を損ねている場合もあります。
最後に、とぎ方による味を損ねる原因をご紹介します。
お米をとぐ際は手早く、あまり力を入れずにとぎます。
米のとぎ過ぎはデンプンを失い過ぎてしまい旨味を落としてしまいます。
また、力を入れすぎると、米同士がこすれて米が割れたり欠ける恐れがあります。
洗うときは浸水前に水を吸収し過ぎないためにすぐに水を替えるようにしてください。
一度ザルに上げて水分をしっかり切り、水を注ぎます。
長い間ザルに上げたままにしておくのは良くありません。
お米が割れてしまったり、べちゃりとした炊きあがりになる恐れがあります。
これらに気を付けてといで、浸水するようにしてください。
美味しいお米が炊けることは間違いなしですよ。
毎日のお米を美味しく
お米の浸水は面倒くさいと思ってしまいますが、長時間の間でも放置しておけるので、用事があっても問題なくできます。
美味しいお米を食べるためにも、少し面倒くさいと思ってしまうかもしれませんがチャレンジしてみてくださいね。