米びつの中に茶色い虫が湧いていたら、衝撃ですよね。
しかし、お米には虫がついてしまうことがよくあります。
ついてしまった場合、どのようにしたら良いのでしょうか?
できるだけ虫を寄せ付けないようにするには、どうしたら良いのでしょうか?
お米につく茶色い虫の正体
もし米びつに虫が湧いてしまっても、その虫をじっくり見ることはあまりありませんよね。
どのような虫が米びつに湧くのか、知っておきましょう。
●コクゾウムシ
口先が象のように長くなっているのが特徴で、体長3mmほどの茶色もしくは黒色の甲虫です。
お米に穴を開けて、卵を産み付けます。
お米の中で孵化した幼虫は、お米を食べて成長していきます。
●ノシマダラメイガ
この体長7~8mm程度の蛾は、お米の表面に卵を産み付けます。
孵化した幼虫が、お米を食べて成長します。
この幼虫は、いわゆるイモムシです。
頭が赤く、体部分は薄い黄色です。
白い糸を出して、お米の粒をくっつけてしまいます。
お米が白い糸でくっつていたら、この蛾の幼虫が湧いていると考えてください。
卵のときは目立ちませんが、孵化した幼虫は見つけやすいです。
●コクヌストモドキ
体長は3~4mmの赤褐色の甲虫です。
一般家庭で発生するのは、まれと言われてます。
小麦・シリアル・パスタ・お米などにつきます。
ヌカに卵を産み、1ヶ月で成虫になり、お米を食べて1年近くも生き延びます。
ちなみに、コクヌストモドキのコクヌストは「穀盗人」から来ています。
名前からわかるように、お米をダメにしてしまう害虫なので、しっかり対策しましょう。
それでは、虫がついてしまったお米は食べられるのでしょうか?
全部捨てるべきなのでしょうか?
茶色の虫が湧いてしまったお米は食べられる?
虫がついてしまっても、よほど状態がひどくない限り、お米は食べられます。
以下の方法をお試しください。
①ざるに入れて振るう
茶色の虫はお米を食べて、糞をしていますから、お米のくずと虫の糞をまず、ふるい落としましょう。
コツは、すぐ洗いたくなる衝撃を抑え、まず、ざるでふるい落としてみることです。
②水を替えながらよく洗う
虫や食われたお米などは軽くて浮いてきますので、お米を手で研ぐ前に、多めに水を替えながら流してしまいましょう。
③目で虫がお米に交じっていないか確かめる
確認作業を怠らないようにしましょう。
万が一、茶色の虫が入ったままご飯を炊いて虫を食べてしまったとしても、病気になることはありませんので、心配はされないでください。
しかし、誰も虫は食べたくはないですよね。
上記の3つのポイントをしっかり押さえてくださいね。
茶色の虫がたくさん湧いてしまった場合
たくさんお米をもらって保存期間が長くなってしまったときや、家を長期不在にしていたときなどには、茶色の虫が大量発生してしまうことがあります。
大量発生してしまうと、前の項でお話した方法では、虫を取り除くことが難しくなります。
違う方法で、虫を取り除きましょう。
その場合は、お米と虫を分ける作業が必要になります。
まず、日当たりの良いところに新聞紙やブルーシートを広げ、お米を薄く広げます。
コクゾウムシであれば、そのまま日を当てていくと、おそらく3時間くらいで自然に逃げていきます。
蛾の幼虫なら、箸やピンセットでつまみだしましょう。
虫が多量発生した後のお米ですから、お米を洗うときは念入りに行います。
水の表面に浮いてきた虫や、お米を取り除きましょう。
何度か、水を替えて洗うことが必要です。
このお米を、もとの容器に入れる場合にも注意が必要です。
容器自体に卵や糞などがついていますので、容器をしっかり洗って乾かした後に、洗ってきれいにしたお米を入れます。
そうしないと、きれいに虫を取り除いたお米を入れても、容器についている卵が孵化して、またお米を食べだすということになってしまいます。
手間をかけたくないというときには、精米機にかけてしまいます。
お米と異物を分けてくれるので、きれいなお米を再び手に入れることが可能です。
デメリットはお金がかかることと、お米がひと回り小さくなってしまうことです。
虫がついてしまっているので、この場合はヌカを持ち帰るようにして、他の人に迷惑をかけないようにしたいものです。
あの茶色の虫はどこから来たの?
きれいにしていたはずなのに、いつの間にか湧いている虫は、いったいどこからやってきたのでしょう。
もちろん、あの茶色の虫たちは自然と湧いて出てきたわけではなく、いくつか侵入ルートがあります。
1つめのパターンは、精米業者がお米を貯蔵しているときに、お米に虫が卵を産み付けていたというもの。
購入時、しばらくは目につかないのですが、孵化して成虫になり、肉眼でよく見えるようになります。
2つめのパターンは、購入後、虫が卵をお米に産み付けて、それが孵化して成虫になったというパターンです。
3つめのパターンは、収穫前や収穫後の乾燥や精米前に、すでに卵を産み付けられているというものです。
ただ、最近の市販のお米については、虫がつくことは、かなり少なくなったそうです。
精米所で臭化メチルなどの薬剤を使って、ネズミや虫が出ないように処理されているからです。
ただし、市販のお米でも、無農薬のお米や薬剤不使用のお米なら、虫がつく場合もあります。
虫がつくということは、逆に考えると無農薬の安全なお米である証拠でもありますから、このように観点を変えてみるのも、興味深いですね。
茶色の虫をお米に近付けない方法
お米に湧いてしまった虫を取り除く方法をお伝えしてきましたが、その前に大切なのは「虫を防ぐ」ということです。
その方法をご紹介していきます。
●唐辛子・にんにく・ワサビなどを入れる
虫の嫌う成分を持つこれらの調味料を、布やお茶パックなどで包み、お米の中に入れるという方法です。
唐辛子なら、そのまま入れても良いかもしれませんね。
この方法は安価で試しやすいのですが、あくまで虫よけ効果が期待できるだけですので、もしすでに卵が産みつけられている場合、効き目は薄いようです。
●市販の米用防虫剤を使う
薬局やホームセンターで手に入りますし、値段もそんなには高くないので、これも試しやすい方法です。
米びつに、お米とともに入れるだけです。
これも殺虫剤ではなく防虫剤なので、すでに虫がついているお米や卵が産みつけられているお米では、やはり虫が湧いてしまうこともあります。
●低温でお米を保存する
お米につく茶色の虫は基本、15℃以下では活動しません。
そのため、におい移りを防ぐため、プラスチックや蓋つきの瓶などにお米を入れて、冷蔵庫の野菜室に入れるのがおすすめです。
冷蔵庫にスペースがない人は、密閉容器にお米を移し替えて、冷暗所に置きましょう。
今は便利なもので、電化製品で保冷機能付きの米びつというものもありますよ。
お米の温度が管理しやすくなるので、お米の保管温度を15℃以下に保ってくれ、カビや虫を寄せ付けません。
値段は3~4万円くらいです。
お米にこだわりがあるのであれば、こういった電化製品を使うのもおすすめです。
簡単にできるお米の上手な保存法
手間をかけずに、簡単に虫を予防したいというときもありますよね。
そんなときは、このような方法を使ってみましょう。
●酸素遮断袋を購入し使用する
例えば、ネットでも買える、酸素を遮断できる袋状の商品があります。
これは、ポレエチレン・ナイロンでできた袋の中にお米を入れた後、エージレスを入れてジッパーすることで、14日間は酸素を遮断することができるものです。
これで、虫を退治できます。
お米だけでなく、そば・小麦粉・豆・非常食の保管やペットフードの保管にも役立つ優れものです。
虫防止、カビ防止、風味維持や変色防止にもなりますよ。
冷蔵庫でお米を保存できない場合、これがあると助かりますね。
●ストックしすぎない
お米も生鮮食品なので、古くなると酸化してしまい、カビが生えてしまったり、虫がつきやすくなったりします。
あまりストックしすぎず、1ヶ月ほどで食べきれる量を買いましょう。
また、お米を入れ替えるときには、米びつをきれいに掃除して乾かしてから、次のお米を入れるようにします。
●ペットボトルの中に入れる
ビニール・紙袋は茶色の虫たちが簡単に食い破って侵入してしまいますから、ビニールや紙袋のまま保存してはいけません。
大きめのペットボトルの中に、お米を入れて保存するのがおすすめです。
ペットボトルに入れて保存するメリットは、虫が絶対に外からはつかないことがあります。
また、空気に触れにくくなるので、お米が劣化しにくい、酸化しにくいというのもあります。
茶色の虫がつくのを防止するだけでなく、お米の味も守ることができるということですから、ぜひ試してみたいですね。
大切なお米をきちんと保存しよう
米農家の人がたくさんの苦労をして、やっとできたお米です。
毎日食べるものですし、決して安いものでもありませんよね。
虫が湧いたからといって、すぐ捨てることはできません。
今回、ちょっとした工夫で虫の発生を防ぐことができるのがわかりました。
ぜひ、試してみてください。