最近はバター不足なため、値段も高くなっており、数量制限してるお店もあります。
その点、マーガリンは安価で、数量もたくさんありますよね。
であれば、手に入りやすいマーガリンでお菓子を作りたいところです。
しかし、バターと同じように作っても良いのでしょうか。
2つの性質の違いや、混ぜるときのポイントをご紹介したいと思います。
バターとマーガリンの違い
始めに、バターとマーガリンの違いについて、ご紹介していきます。
バターの方が、高価で風味が良いとよく聞きますが、なぜなのでしょう。
まず、バターとマーガリンは大きく分けて、動物性と植物性に分けることができます。
■バター
牛乳から分離したクリームを固めたもので、主な成分は乳脂肪です。
その中でも、発酵バター・無発酵バターがあり、それぞれ無塩・有塩と種類があります。
・発酵と無発酵
無発酵バターは、クリームをかき混ぜて作られたバターです。
市販のバターは、ほとんどが無発酵バターです。
発酵バターは、原料となるクリームを乳酸菌によって、発酵させて作られたバターです。
・無塩と有塩
無塩はその名の通り、塩が入ってないバターです。
繊細な味のお菓子には、無塩を使うことが多いです。
有塩は100グラムに対して、塩が約1.5%とほど入っています。
■マーガリン
マーガリンは、油脂に発酵乳・塩・ビタミンなどを入れた、加工食品です。
油脂には、植物性油脂を使うことが多く、油脂の含有量により、マーガリンやファットスプレッドと分類が変わります。
加工食品のため、メーカーにより、様々なタイプのものがあります。
実際に混ぜてみると、バターは冷たいと硬いのですが、マーガリンは冷たくても柔らかく、簡単に混ぜることができます。
バターをマーガリンで代用できる?
バターとマーガリンの違いについて、わかりましたね。
見た目は似ていても、原材料は大きく違っていました。
しかし、高価なバターよりマーガリンの方が、コストパフォーマンスが良いので、マーガリンで代用したいときもあります。
果たして、代用可能なのでしょうか。
そんな疑問について、答えていきたいと思います。
結論から言うと、マーガリンで代用することは可能ですが、性質が違うため、作るものの向き不向きがあります。
マーガリンは冷たくしても硬くならないため、パイ生地・タルト生地などの生地を、伸ばしたりするものには不向きです。
逆に、絞り出しクッキー・パウンドケーキなどは、形成する必要がないので、マーガリンで代用するのに向いています。
マーガリンはすぐに柔らかくなるので、バターの感覚で混ぜると、すぐに溶けてしまいます。
そのため、なるべく涼しい場所で、手早く混ぜることが大切です。
バターとマーガリンを混ぜると?
様々な料理やお菓子作りで、バターをマーガリンで代用することは可能ですが、やはりバターに比べると、風味や食感は落ちてしまいます。
では、バターとマーガリンを混ぜると、どうなるのでしょうか。
実は、ケーキ屋などの専門店でも、バターにマーガリン・ショートニングのような植物性油脂を合わせて使うことがあります。
複数の油脂を混ぜることで、風味や食感を変えることができて、より美味しくなります。
スーパーでも、製菓用マーガリン・コンパウンドマーガリンなどが販売されていますね。
これは、マーガリンにバター・動物性油脂を混ぜたもので、少しコクや風味が欲しいときにおすすめです。
また、製菓用マーガリンなどを使うことで、ケーキは冷めても固くならず、軽い食感になります。
クッキーなどはバターを入れると、多くの空気を含むことができて、サクサクした食感を楽しむことができますよ。
バターもマーガリンもないとき、サラダ油を混ぜるのは大丈夫?
バターはマーガリンで代用可能でしたが、お菓子を作ってる最中に、バターやマーガリンの量が全然足りなかったとしたら、どうしたら良いのでしょう。
一旦中断して、スーパーに買いに行くのも手間ですし、そのままの量で作るのも難しいときは、困ってしまいますね。
そんなときは、サラダ油などの植物性油脂でも、代用することができます。
大きく違う点は、バターやマーガリンは固体ですが、サラダ油などは液体であるというところです。
そのため、よく混ぜることで乳化させたり、分量を変えたりと、固体とは違う工程が必要になります。
サラダ油が代用できるお菓子は、油脂を必要としないもの・形成する必要のない焼き菓子です。
パウンドケーキ・絞り出しクッキー・マドレーヌなどの焼き菓子は、型に入れて焼くため、生地が柔らかくても大丈夫です。
ふんわりした食感も、卵でカバーすることができますよ。
サラダ油の割合は、バターなどの固体に比べて、半分くらいの分量にすると、上手く焼き上がります。
バター・マーガリン・サラダ油の混ぜるポイント
これまで、バター・マーガリン・サラダ油(植物性油脂)とご説明してきましたが、同じ油でも混ぜる方法が少し違ってくることは、お分かりになりましたか。
ここで、混ぜるポイントをまとめました。
■バター
冷蔵庫から出した状態だと、冷たくて硬いため、混ぜられません。
常温で置いて、触ったときに指跡が残るようになれば、混ぜて大丈夫です。
それ以上柔らかくすると、作業中に溶けてしまい、形状が液体になる可能性があるので、気を付けてください。
混ぜるときは、泡立て器ではなく、ゴムベラを使い、空気を含むように混ぜます。
■マーガリン
マーガリンは、冷たくても柔らかいため、作業するときは、冷蔵庫から出したてのものを使います。
バターと同じように作業すると、あっという間に溶けるので、手早く混ぜます。
■サラダ油など(植物性油脂)
バターやマーガリンと違い、形状が液体です。
そのため、温度は気にしなくて良いですが、混ぜ方を間違うと分離することがあります。
水と油は、よく混ぜたり、卵などをつなぎとして入れることで、乳化して混ざり合います。
うまく乳化しないと、舌触りが悪くなるので、油脂を入れたあとは、しっかり混ぜる必要があります。
3つの油についてご説明しましたが、結局、どれが一番良いのか、順位付けすることはできません。
予算や作りたいものに合わせて、選びましょう。
おすすめのバターとマーガリン
バターとマーガリンなどについて、ご説明してきました。
しかし、実際バターやマーガリンを買うときは、どれを買えば良いのか分からず、値段やお買い得品などをなんとなく買っていることが多いですよね。
そこで、おすすめの商品をご紹介していきます。
■バター
・カルピスバター
カルピスを作る過程で、牛乳から分離した脂肪分を使ってできたバターです。
あっさりしていますが、コクやクリーミーな味わいを楽しめます。
・四葉バター
よくスーパーで見かける、おなじみのバターで、ミルクの風味とコクが強いです。
■マーガリン
・小岩井マーガリン
原材料に発酵バターを混ぜるため、バターに近いコクがあります。
米油を使用していて、トランス脂肪酸も少なめです。
・ホテルマーガリン
小岩井マーガリンに比べると、バターの味は弱いですが、添加物が少なく、香料・着色料などが入っていません。
シンプルな味で、どのお菓子とも相性が良いです。
マーガリンと言えば、トランス脂肪酸をイメージする人も多いと思います。
ただ現在では、昔に比べ、できるだけトランス脂肪酸を入れないよう、健康に気を遣ったマーガリンが作られています。
バター不足のときでも
バター不足と言われているので、バターの価格が高騰していますが、今はバターに変わるマーガリンや植物性油脂があるため、バターがなくても美味しいお菓子を作れます。
マーガリンや植物性油脂は家に常備している方が多いと思うので、一度、バターなしのお菓子を作ってみてはどうでしょうか?