過食嘔吐の人が、ブログに食事を載せるのは、なぜでしょうか?
過食嘔吐とは拒食症や過食症などといった「摂食障害」のうち、過食に嘔吐を伴う行為、または症状のことをいいます。
これは単に、身体的な欲求で起こるものではありません。
無理なダイエットやストレスなど、その原因は様々で、克服するためには心の治療が必要です。
それでは、過食嘔吐の人にとってブログとは、どのようなものなのでしょうか。
なぜ過食嘔吐の人はブログに食事を載せるのか
ブログの内容というのは、人によって様々です。
料理やスポーツなど自分の趣味についての内容をひたすら書き残したり、日々の備忘録として、コツコツと毎日をつづってみたり…
ストレス発散の場として、普段は言えない愚痴を書いたりする人もいます。
ある意味ブログとは、その人の「お城」です。
誰にも邪魔されず、安心して自分自身を出すことができる場なのですね。
そして、そんな自分のお城を持つ人の中には、過食嘔吐に悩まされている人もいます。
過食嘔吐とは、摂食障害の一種です。
通常の食事とは別に、大量の食べ物を摂取し、その後のどに指をつっこむなどして、自ら嘔吐を起こす精神疾患のことです。
精神的なストレスや、無理なダイエットが原因で発症すると言われる病気です。
ブログをやっている過食嘔吐の人の多くは、食事内容を毎日アップしていますが、なぜなのでしょうか?
過食嘔吐のような、食べ物に関わる病気を治すためには、まず食に関する意識を見直すこと、また、精神的なストレスを減らすことが大切です。
先ほども言いましたが、ブログとは個人のお城のようなものです。
溜まったストレスを発散する場所として、最適なツールです。
ブログに食事を載せ、その時の状況や気持ちを文字にすることで、過食嘔吐に悩む人たちは無意識に「心の疲れを解消しよう」と思っているのかもしれません。
ブログは過食嘔吐克服のための食事日記代わり
摂食障害の治療法に「食事日記をつける」というものがあります。
これは日々の食事をいつ・どのくらい食べようとして、どのくらい食べたのかを日記に残すことで、自分がどのような時に過食に走ってしまうのかを、自分自身で把握する目的があります。
多くの過食嘔吐の人は、自分が過食をしているという認識はあります。
ですが、どのような時に食べているのか、また、どのくらい過食をしてしまったのかという記憶があいまいです。
一気に食べてしまうので、内容までは覚えていないのですね。
食事日記をつけるようになると、「過食をした」という罪悪感よりも、食事の内容に意識が向くようになります。
食事の内容を振り返ることで、自分自身の気持ちと向き合うことができるのですね。
食事日記は、ブログでも効果的です。
というより、むしろ、紙の日記よりも手軽で効率的です。
食事を撮った写真をそのまま載せる事もできるので、文字に起こす手間も省け、体調が思わしくない時でも、少ない負担で記録をつけることができます。
毎日の記録がしっかり取れていれば、今後の治療にも役立ちます。
過食嘔吐に悩んでいる人にとって、ブログとは克服のために重要な役割を持っているのですね。
ブログには過食嘔吐克服のヒントがたくさん
とはいえ、ブログを始めるだけで過食嘔吐が治るというわけではありません。
摂食障害は精神的なストレスが、主な原因の病気です。
精神的な疾患は、一度発症するとなかなか治りづらく、完治までには時間がかかります。
何故なら、それは、その人の生活環境や考え方が病気の引き金となっている場合が多いからです。
つまり、専門医のもとで適切な治療を受け完治したとしても、取り巻く環境がストレスの多いものだったり、物事のとらえ方が悪ければ、すぐまた再発してしまうことになるということです。
頑張っているのに思うように良くならない…
自分だけが辛いと思ってしまう…
過食嘔吐に悩んでいる人のブログを見てみると、こうした心の葛藤がよくわかります。
過食嘔吐を克服した人のブログには、食事内容だけではなく、克服へのヒントもたくさん載っています。
・自分が受けた治療法
・そのうち良かったものと効果が実感できなかったもの
・完治への考え方や辛い時の対処法
など、実際に経験した人でなければ、わからないようなことを、ブログを通して知ることができるというわけです。
また、同じように過食嘔吐で悩む人の存在を知ることは「自分だけが辛いのではない。克服しようとがんばっている人は他にもいるんだ」というような、治療に対して前向きな気持ちを持つ手助けにもなるのです。
過食嘔吐を食事以外で克服する方法
摂食障害を治すというと、食事でしか治療のしようがないと思いがちですが、実はこれは大きな間違いです。
摂食障害の治療法には、大きく分けて2つの治療法があります。
●過食嘔吐の場合
カウンセリング等による、心理的治療が主な中心です。
●拒食症の場合
嘔吐や食べ物を受け付けなくなり、極端に痩せてしまったなど、拒食症の治療法は身体的•心理的と両方の治療が必要になってきます。
同じ摂食障害でも、病気へのアプローチ方法はそれぞれ異なるのですね。
過食嘔吐を克服するためには、まずカウンセリングを行います。
そして、どうして過食をするようになってしまったのか、そのきっかけは何かなどを、医師と共に本人自身が考えていきます。
そして、ストレスに対する適応能力、つまり正しいストレス発散法を見つけ出すのです。
もちろん、ブログを書くことも、立派なストレス発散になります。
過食嘔吐は「認知のゆがみ」を正し、ストレス適応能力を身につけることで、完治が望める病です。
治すという強い意志を持って、焦らず頑張ること。
それが過食嘔吐を克服する、唯一のコツと言えるのです。
そもそも過食嘔吐になりやすい人
過食嘔吐になりやすい人は、いくつかの共通した性格の特徴があると言われています。
まずは「まじめな性格の人」です。
几帳面で完璧主義、何事もこうでなければいけないというような考え方をする人は過食嘔吐に限らず、様々な心の病にかかりやすいとされています。
また、「自分に自信がない」「思っていることを言えない」人も要注意です。
負の感情は、そのまま心のストレスに変化します。
溜まったストレスを外に出すため、過食嘔吐の人は食事をし、そしてそれを外に吐き出すのですね。
わたしたちはストレス社会に生きています。
自分は大丈夫と思っていても、ある日突然、溜まったストレスが原因で病にかかるかもしれません。
過食嘔吐やパニック障害、そしてうつ病。
これらは、今の社会ではそう珍しい病気ではありません。
そうならないように、あなたはどのように、そのストレスを解消しますか?
いざという時のために、自分なりのストレス発散法を探しておきましょう。
ブログや日記などで、気持ちを吐き出すのも、ひとつの方法です。
過食嘔吐は何科にいくべき?
摂食障害は精神的な疾患であり、過食嘔吐は摂食障害のひとつの症状です。
そのため、病院にかかる際には精神科や心療内科など、「心」を中心に診てくれる科にかかるのが一般的です。
摂食障害は専門性の高い病気ですから、できるだけ実績のある病院の方が良いでしょう。
克服した人のブログで紹介されている病院を、参考にしてみてもいいと思います。
しかし、近場には評判の良い病院がない場合や、そもそも、病院にかかること自体が怖いと思うかもしれません。
そんな時は無理せずに、まずは馴染みの内科を受診してください。
摂食障害の患者さんが来院した場合には、専門の病院に紹介状を書いてくれますし、吐くことによって体が脱水状態を起こしていたりすれば、身体的なケアも行ってくれます。
また、地域によっては、保健センターで相談も可能です。
とにかく、まずは行動を起こしましょう。
病気というのは、放っておいたぶんだけ、治るまでに時間のかかるものです。
「なんだかおかしいな…」と感じた時点で、病院にかかるようにしましょう。
食事に関してだけではなく、体と心、両方の健康に日々アンテナをはってくださいね。
同じ悩みを持つ人を知ることで、心の負担は少し軽くなる
食事内容を載せた過食嘔吐の人のブログ。
それは、書く側にとっては治療の一環であり、読む側にとっては克服へのヒントがたくさん載った、いわば情報の宝庫です。
ブログを通して同じ悩みを共有することで、心の負担を軽くし、症状を改善に向けることもできるのです。
思いがけず開いたインターネットのページで、知らない誰かと通じ合える事ができるなんて、とても素敵ですね。