完全栄養食と呼ばれている玄米。
今一度、その玄米の栄養について考えていきたいと思います。
また、玄米は炊き方が難しいと言われていますが、その原因は、水加減にあります。
そこで、玄米の吸水時間について、詳しく解説します。
そのほかにも、玄米を家庭の炊飯器で美味しく炊く方法や、おかゆにする方法もご紹介いたします。
玄米はおかゆにするほうが食べやすい
玄米は、食物繊維が豊富です。
食物繊維は、腸内の有害物質やコレステロールを排出する効果があります。
便秘にも効果的で、お腹まわりをすっきりさせてくれます。
食物繊維は、美容や健康に良い栄養素のひとつです。
玄米は白米に比べて、よく噛まないと飲み込みづらいので、自然と咀嚼回数が増えます。
そのため、満腹感が得られやすく、ダイエットにも効果的です。
また、玄米はビタミンやミネラルが豊富なことも魅力のひとつです。
肌トラブルや生活習慣病が気になる方や、日頃の食生活のバランスが乱れがちの方は玄米を意識的に摂るように心がけましょう。
しかし、食物繊維が多いため、玄米は消化に悪いとも言われています。
風邪などで体調が悪いときは、どうしても胃腸の調子が良くないときがあります。
そこで、炊飯器などを使用して、玄米をおかゆにすることをおすすめします。
おかゆにすることで、玄米の白米の部分が水分を含んで、そのまま食べるよりも胃に優しくなります。
食べやすくなっても、しっかり噛むことは大事なので、しっかり噛むのは忘れないようにしましょう。
炊飯器などを利用して玄米をおかゆにするメリット
炊飯器などを利用して、玄米をおかゆにすることは、食べやすくなるのでおすすめです。
しかし、注意したい点もあるので、よく確認していきましょう。
玄米が消化に良くないと言われる原因は、不溶性食物繊維の豊富さです。
この食物繊維は不溶性なので、おかゆにしても変わることはありません。
そのため、繊維の量は変わらないので、消化吸収率は悪いのです。
しかし、玄米の内側にある白米の部分は、おかゆにすることで水分を多く吸収するので、消化を楽にしてくれます。
ですので、多少は食べやすくなるものの、すぐに消化したい場合には不向きと言えるでしょう。
玄米をおかゆにするメリットは、消化を良くすることよりも、お米が多くの水分を吸うことにあります。
水分を多く含み、お米の量が増えることによって、食べる量が減少する効果が期待できます。
また、白米のみで作ったおかゆより、しっかり噛む必要があります。
そのため、玄米のおかゆは養生したいときに食べるよりは、ダイエットしたい人が食べるのに向いています。
炊飯器を使用して玄米をおかゆにするには
玄米を炊飯器でおかゆにする場合は、水加減がとても難しいです。
一般的に炊飯器で白米をおかゆにする場合は、水の量を約2倍にして炊きます。
玄米であれば、5倍は必要です。
しかし、炊飯器の特性もあるので、一概に決めきれません。
そのため、まずは、炊飯器で玄米を炊いてから、おかゆにする方法が無難です。
それでは、玄米を普通に炊く方法をご紹介します。
まず、玄米を炊飯器で炊くときは、炊く6時間以上前から、玄米を浸水させておきましょう。
そうすることで、柔らかく炊けます。
その後、玄米用の目盛に合わせて、水を入れましょう。
炊飯器で玄米を炊くメリットは、そのまま保温できることです。
そして、途中の火加減の調整もいらず、簡単にできることです。
炊飯器で玄米を炊くときに、炊飯器におかゆモードや玄米モードがあれば良いのですが、これがない炊飯器もあるでしょう。
吸水時間をしっかり取って、お水の量を多めにして、工夫して炊いてください。
そうすれば、炊飯器でも、美味しい玄米とおかゆが炊けるはずです。
炊飯器で玄米を炊くときに忘れやすいもの
炊飯器で玄米を炊いたり、おかゆにすると、なんだか美味しくないということをよく聞きます。
その原因は、水加減と圧力にあります。
玄米のもちもち感は、圧力をあげて炊かないと実現できません。
炊飯器の能力と限界もあるので、圧力鍋で炊いた玄米の味には、どうしても勝てません。
そして、もうひとつは、塩を入れ忘れていることがあります。
なぜ、玄米やおかゆを炊くときに塩を入れる必要があるのかというと、玄米のぬかや胚芽の臭みを取るためです。
玄米を炊くときに塩を入れないと、どうしても、ぬか臭さが抜けません。
ぬかの味が残ってしまいます。
それを塩が抑えてくれます。
また、塩を入れることで水の吸収率が高まり、ふっくらした柔らかい仕上がりになります。
東洋医学では、塩は玄米の生命力を引き出すとも言われます。
おかゆを炊くときも塩をひとつまみ、そこにオリーブオイルを入れてみるのもおすすめです。
炊飯器で作ったおかゆをアレンジ
玄米のおかゆを食べることで、体温があがり、基礎代謝があがります。
また、温かい玄米のおかゆを、少しずつ冷ましながら食べることで、満腹中枢が刺激されます。
そのため、食べ過ぎを防ぐことができます。
ですが、毎日おかゆでは飽きてしまいます。
そこで、炊飯器で作ったおかゆに、塩や醤油の調味料を入れるだけのおかゆではなく、さまざまな食材を使用した玄米のおかゆアレンジレシピをいくつかご紹介します。
〇大根おろしにしらす玄米おかゆ
大根おろしは温めてもよく、消化を良くしてくれます。
そこにしらす干しの塩味が加わり、とても美味しく食べることができるでしょう。
〇トマトとたまご玄米おかゆ
トマトのリコピンは血圧を下げて、美肌効果もあります。
そして、たまごは栄養満点です。
メインのおかずが要らず、トマトとたまご玄米おかゆで大満足できるはずです。
〇チーズリゾット玄米おかゆ
玄米のおかゆに、とろけるチーズを入れて、リゾット風にアレンジします。
チーズだけでは物足りない場合は、同じ発酵食品のお味噌を足して、味を整えてください。
とても美味しくなります。
玄米をおかゆにして保存炊飯器にそのままではダメです
毎回、玄米をおかゆにするよりも、多めに玄米のおかゆを作り、保存ができれば良いと思いませんか?
おかゆは水分が多いために、そのまま炊飯器に入れていると、傷んでしまいます。
また、保存するとおかゆが水分を吸ってしまい、固くなってしまいます。
長期保存するのであれば、冷凍保存がおすすめです。
玄米のおかゆを冷凍するときは、小分けにして冷凍してください。
できるだけ、空気に触れないようにすることが重要です。
おかゆのあら熱が取れたら、フリーザーパッグに入れて、しっかりと空気を抜いて、冷凍保存してください。
そのほかにも、1食分ずつサランラップに包んでも良いですし、タッパーに入れて冷凍保存しても良いです。
そして、冷凍保存の目安は2週間程度です。
保存した玄米のおかゆは、電子レンジで解凍してから食べるときでも、一度お鍋で過熱することが、食中毒予防にもなります。
玄米のおかゆは、75℃以上で1分間、中心まで加熱してから食べましょう。
玄米はおかゆでも良い
玄米は栄養価の高い食物ですが、よく噛む必要があります。
そのため、敬遠する人もなかにはいると思いますが、健康やダイエットの道のりは、決して楽なものではありません。
ですが、苦しくては続かないので、楽しみながら長い目で続けていきましょう。