玄米は、白米よりもビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で、人間が必要な栄養素をほとんど含んでいます。
そのため、完全栄養食と呼ばれ、近年では玄米の健康効果が認知されるようになってきました。
しかし、残留農薬を気にする声も、たまに耳にします。
残留農薬をどのように取り除けばよいのか、洗い方などをご紹介します。
玄米を食べたいけど残留農薬が心配
玄米は健康食として、健康効果やダイエット効果などを得られるとして話題になっています。
玄米は、収穫した状態のもみから、もみ殻を取り除いただけのお米です。
精米されていませんので、ぬかに含まれる豊富な栄養素や食物繊維を摂取することができます。
しかし、気になるのは残留農薬です。
田んぼでお米を育てているのですから、害虫などの駆除のために農薬を使うのは一般的なことです。
農薬は稲穂にも散布されますので、もみにかかり、お米のぬかにも入り込んでいると考えられます。
精製された白米で食べるのであれば、ぬかを取り除いてあるため、残留農薬も、もみと一緒にほとんど除去されていると言われています。
しかし玄米の状態ですと、もみが付いたままの状態ですので、残留農薬がある可能性があり、注意が必要になってくるのです。
注意といっても、農薬は目に見えるわけではありませんから、どのように注意すれば良いのかわからないですよね。
次の項から、残留農薬の取り除き方や、玄米の洗い方などをご説明していきます。
玄米は浸水が大切!普通の洗い方ではダメ
玄米に限らず、多くの人がお米を炊く前に水に浸けておきますよね。
これは、残留農薬にも効果があります。
水に浸けることで、農薬が水に溶け出し、玄米に含まれている残留農薬を減らすことができます。
昔ですと、お米を炊くときには、水に浸けておくのは常識でしたが、近年では無洗米などが広がり、水に浸けておく習慣がなくなってきたように感じます。
無洗米でしたら、ぬかの部分が取り除かれていますので、水に浸ける必要はありませんが、玄米の場合は必ず水に浸けましょう。
玄米を水に浸けておくメリットは、残留農薬の除去だけではありません。
玄米は、お米がぬかに覆われている状態のお米ですので、硬くて食べにくくなっています。
普通の洗い方では、お米の内側まで水が浸透せず、炊き上がりも硬いままの食感になってしまいます。
水に浸けておくと、玄米が十分に吸水し、炊き上がりを柔らかくすることができます。
また、発芽玄米にして栄養価を上げることも可能です。
玄米は、種としても使える状態のお米ですので、水に浸しておくと発芽します。
発芽玄米は通常の玄米より栄養価が上がり、玄米のパワーを最大限に摂取することができます。
農薬を除去する玄米の洗い方
残留農薬を除去する玄米の洗い方をご説明します。
きれいな水を用意します。
ミネラルウォーターや、ウォーターサーバーの水などです。
そのお水を沸かし、40℃程度に温めておきます。
その間に、玄米を洗います。
玄米にゴミなどが入っていることがあるので、それを水で洗い流します。
水を吸収しやすくするために、手で玄米をすり合わせるようにして、少し玄米の表面にキズを付けます。
長時間の吸水になりますので、雑菌の繁殖を防止するため、ふた付きの鍋などを用意しましょう。
玄米を鍋に入れ、鍋の半分くらいの量のぬるま湯を入れ、4~6時間浸水します。
浸水が済んだら、使った水は農薬を含んでいますので捨てて、玄米をザルにあげます。
最後にさっと玄米を洗い、計量した水を入れて炊きます。
残留農薬を除去し、さらに玄米をおいしく炊くことができる洗い方です。
発芽玄米にするには、さらに浸水時間が必要です。
まず、玄米を洗います。
冬は10℃、夏は25℃くらいの水を用意し、浸水します。
ふたのある入れ物で浸水してください。
水に塩をひと振りして、雑菌の繁殖を抑えましょう。
塩を振っても雑菌は繁殖しますので、6時間ごとに水を取り替えます。
12時間浸水しますと、玄米が発芽し始めますので、栄養価が高まります。
無農薬の玄米だったら安心
残留農薬を取り除く洗い方がわかっても、心配な人もいますよね。
でしたら、無農薬の玄米を買うというのも、ひとつの手段です。
一般的なお米よりも少し高価ですが、安心という意味では購入する価値があります。
お米は毎日食べるものですので、不安に感じるのであれば、お金を投じるのは間違いではありません。
どこで誰が作ったかわからないお米を食べるのは心配ですよね。
最近では、作った人の名前入りのお米も販売されていますので、そのようなお米を選んでもよいですね。
安心なお米を買ったとしても、しっかりと洗うことは忘れずに行ってください。
玄米は洗っても栄養価が落ちるわけではありませんし、発芽玄米にした方が栄養価が上がります。
せっかくの栄養を効率的に摂取するためにも、きちんと洗米して、浸水して炊飯することをおすすめします。
農薬は悪者ではない
残留農薬を取り除くための玄米の洗い方についてお話しましたが、農薬というものは、悪者というわけではありません。
農薬は体に良くないというイメージがありますが、農作物に使われる農薬は、人体に害が出ないように制限されています。
残留農薬についても、気にしない人もいるくらいですから、神経質になる必要もないという気もします。
厚労省でも、農薬の残留基準を設定しており、基準値を超える食品の販売は禁止されています。
農薬が広く使われているのには、それなりのメリットがあるからです。
有農薬のお米にもメリットがあります。
虫などの混入がないことや、環境・人畜に害がないような規制のもとでつくられていること、一定の安全が確認できること(浸水で取り除ける程度の農薬である)です。
安定して栽培できるため、価格が安定しているということも言えます。
農薬は、害虫や病原菌を防ぐために使われています。
ですから、劇薬であることも事実ですが、だからこそ環境・人畜に影響を及ぼさないように、きちんと規制されています。
心配でしたら、浸水をしっかり行うことで残留農薬は減らすことができます。
ただ、ほとんどの農作物は農薬を使って栽培されているのですから、心配しだしたらキリがありません。
あまり神経質にならずに、しっかり洗う、しっかり浸水するを心がければ良いと思います。
玄米の洗い方がわかったら炊き方も覚えよう
残留農薬を取り除く玄米の洗い方は、上の項でご説明しましたね。
最後に、炊き方も覚えておきましょう。
●圧力鍋
・玄米 2合
・水 400ml
・塩 小さじ1/2
圧力鍋に、浸水が済んだ玄米・水・塩をを入れます。
軽く混ぜて塩を溶かし、ふたを閉めます。
高圧に設定してください。
強火にかけ、圧が掛かったら弱火にします。
20分加圧し、10分予熱で蒸らします。
圧が抜けてから、ふたを開けて、しゃもじで返します。
●土鍋
・玄米 2合
・水 500ml
・塩 小さじ1/2
土鍋に、浸水が済んだ玄米・水・塩を入れます。
軽く混ぜて塩を溶かし、ふたをします。
中火にかけ、沸騰させます。
沸騰したら弱火で、25~30分炊きます。
ふたを開け、水分を確認します。
水分が無くなっていれば、30秒ほど強火にし、火を止めて10分蒸らします。
蒸らし終わったら、しゃもじで返します。
炊飯器で炊く方が簡単ですが、圧力鍋や土鍋で炊くと、さらにおいしく玄米が炊けます。
お家で眠っている圧力鍋や土鍋があったら、試してみてください。
安心できる方法で玄米を食べよう
玄米を食べることで得られる健康効果は大きく、できれば積極的に食事に玄米を取り入れていきたいですね。
残留農薬については気になる人もいると思いますが、毎日お米を食べて健康的に長生きしている人もたくさんいるのですから、あまり神経質になることはないでしょう。
毎日食べるものですから、自分が一番安心できる方法で、玄米を食べてほしいと思います。