日持ちが良いと聞いて、玄米を購入してみたけど、精米の方法が分からない…
なんて方もいるのではないでしょうか?
今回は、機械を使った精米方法と、精米した際に出る糠(ぬか)の活用法、ご家庭で精米する方法を紹介します!
昔の人が、玄米を精米していた方法は?
昔ながらの精米方法としては、酒瓶などに玄米を入れて棒で突っつきながら、摩擦によって表面の糠がこそげて精米する方法があります。
手身近なな瓶でできることから、家庭向けの小規模な精米方法としてよく知られ、かつては子供の仕事でもありました。
●一升瓶精米が一般に広まった背景
この瓶搗き精米が一般に広まっていった背景は、「はだしのゲン」のようです。
作中で配給された玄米を瓶搗き精米していたことが身近に広まったようですが、この方法は、とても時間がかかります。
●動力式精米器は明治時代には存在していた
では動力式精米器はいつごろでてきたのでしょうか。
実は、動力式精米器は明治時代に存在していました。
日本で初めての動力式精米器は1896年(明治29年)、広島県の佐竹利市氏によって開発されました。
佐竹氏は、後の食品加工機メーカーであるサタケの創業者だった人です。
この他に水車式のものや、さらに原始的なものとして臼と杵を使用したものもあります。
水車以上の精米能力が必要になってきたのは、酒米を研ぐのに食用米以上の精米歩合が必要とされたからです。
灘の桜正宗が研ぎに研いだ酒米を仕込んで有名になったのは今から150年も前のことです。
玄米を機械で精米する方法は?注意することはある?
玄米は、みなさんの身近なところに設置してあるコイン精米機で精米することが出来ます。
価格はおおよそ10kgが100円程度、時間にして10分弱程度です。
ほとんどの機械は、イラスト付きの分かりやすい説明文がついているので、初めての人でも簡単に使用できると思います。
●初めての精米で注意することは?
機械そのものの使用方法は簡単なのですが、精米した白米が出てくるところを取り出すのに苦労する人が多いようです。
・30kgの玄米を精米する場合
お米の標準的な袋のサイズは30kgです。
30kg用の袋を使用する場合は、白米の出口をそのまま覆う(カバーする)ことが可能なので、袋をセットしたらペダルを踏めば問題なくお米が袋に入って行くので大丈夫です。
・10kgの玄米を精米する場合
10kgの玄米を精米する場合、購入時の10kgの米袋に精米後のお米を入れることになるでしょう。
ところが、出口の下に直接10㎏の袋を置いてしまうと、袋がお米の出口にとどかず間隔ができてしまいます。
この状態で、そのままお米を出すペダルを踏んで精米すると、精米されたお米が勢いよく袋の外に飛び出てしまいます。
10kgの袋を使用する場合、袋を出口の近くまで持ち上げるか、台などの上に置いて出口まで上げないと、きちんと精米機から白米を入れることができません。
持ち上げる場合には、お米が重くなってくるので注意してください。
玄米を機械で精米する時に持っていくべきものは?
玄米の入った米袋は紙製です。
しっかりした紙製ではありますが、それでも引っ掛けたりすればやっぱり紙ですので、小さく破れたり、穴が空いたりすることもあります。
米袋に小さな破れが生じたり、誤って穴を空けてしまった場合、その穴からお米がどんどん出てしまい、どうにもならなくなることもあります。
そこで、米袋がすっぽり入る程度の大きめのビニール袋を持参するのがよいでしょう。
また、穴を空いた場合、その穴を塞ぐためのテープを持参するのもよいです。
精米機によっては、精米で出る糠が取り出せるような構造になっているものもあり、無料で持ち帰れる場合もあります。
糠は、お料理にお掃除、美容などにいろいろなところに活用できるので、糠を持ち帰れるように予備の袋を持参するのがよいでしょう。
コイン精米機の使用方法は簡単で操作に困ることはありませんが、10kg用の米袋しか持参しないと、白米を取り出すことに苦戦します。
コイン精米機を使用するときには、以下のことを押さえて行きましょう。
・できるなら2人でいく
・1人なら台になるものを持参する
・米袋がすっぽり入るビニール袋か穴を塞ぐテープを持参する
・糠が持ち帰れるように小袋を持参する
玄米を精米した時に出る糠の具体的な活用法①
米糠は玄米を精米する時に出るものです。
この米糠は、そのまま捨ててはなりません。
実はこの米糠は、いろいろな活用方法があるすばらしいものなのです。
栄養成分においても、我々が普段食べている白米よりも、この米糠の方がはるかに優れた栄養があるとも言われています。
そんな、すばらしい米糠には、どんな活用方法があるのでしょう。
●米糠の利用【家事生活編】
まず、米糠の家事や生活における身近な利用方法について紹介します。
・米糠をハンドクリーム代わりに活用
米糠にはお肌をつるつるにする美肌効果があります。
米糠を使用すれば、手荒れが防げて、使用すればするほどお肌をつるつるにしてくれます。
・洗剤として食器洗いに使用
米糠をそのままスポンジにつけて食器を洗うと、油汚れなどを落とすことができます。
・拭き掃除のワックス効果に使用
米糠を布袋に入れて、木製フローリングや板の間を乾拭きするとワックス効果を発揮して床がピカピカになります。
・掃き掃除に使用
米糠を撒いてほうきで掃くと、埃がたたず、ごみもきれいに掃くことができます。
・消臭剤として使用
煎った米糠は嫌な臭いを消してくれます。
冷蔵庫、靴箱、生ごみなどに一緒に入れておくと、消臭効果を発揮します。
・肥料として使用
米糠を落葉や雑草と混ぜ込んで土に埋め発酵させて肥料にすると、家庭菜園などで非常にすぐれた有機材肥料になります。
玄米を精米した時に出る糠の具体的な活用法②
●米糠の利用【食用編】
米糠といえば、日本の発酵食の代表である糠漬けです。
昔の人は、この糠漬けと、糠床をお湯に溶いて飲む糠茶を飲んで健康を維持していたようです。
糠漬けは、元の野菜には見られない栄養分が新たに生まれることで、いろいろな栄養分を摂取できる「万能食」です。
糠漬けの基本である糠床の作り方について説明します。
☆糠床の作り方
【材料】
・米糠:水/1:1
・塩 糠の重さの13%程度
・捨て漬け用の野菜 何でもよい
※例えば米糠100gなら水も100g、塩は約13gになります。
【作り方】
塩は事前に水に溶かして沸騰させます。
水が冷めてきたら米糠を入れ、捨て漬け用の野菜を入れます。
数日したら捨て漬け用の野菜を取り除くと、糠床が出来上がりです。
さらに唐辛子や昆布などを加えると、さらに保存や味が向上します。
☆糠床を毎日かき混ぜるのが大変と思うなら冷蔵庫の野菜室に保管します。
温度が低いのでゆっくりと発酵が進むので、数日おきにかき混ぜればよいのです。
漬けた野菜が漬物になっていくのもゆっくりで、5~6日程度です。
玄米を精米した時には、白米だけ持ち帰ることが多いですが、米糠も一緒に持ち帰って利用してみてください。
ここで紹介したものの他にもいろいろな利用方法があります。
どうしても家で精米したい!そんな人にいい方法はある?
精米機では簡単に精米できますが、重いので大変、毎回の精米ではお金がかかるなどデメリットもあります。
そんな人には、家庭用精米機があります。
ではどんな種類のものをあるのでしょう。
●精米機の種類
家庭用精米機は、精米の方法により大きく「摩擦式」と「研削式」があります。
どちらかというと「摩擦式」が主流になっています。
■摩擦式
(1)かくはん式・対流式
カゴの中の羽根で玄米を回転させながら、米同士やカゴとの摩擦で糠を除去する方式です。
温度上昇が少なく、お米の劣化が少ないです。
米が欠けたり、運転音がやや大きいのが欠点でしょう。
価格が手頃なので家庭用では主流です。
(2)圧力一回通し式
圧力で玄米同士を擦り合わせながら糠を除去する方式です。
お米が割れにくく栄養素も十分残り、運転音が静かです。
温度上昇が高く、機体が少し大きいのが欠点でしょう。
価格はやや高いです。
(3)圧力循環式
圧力を使い、何度も玄米を循環させて糠を徐々に除去していく方式です。
圧力が低いので温度上昇が少なくお米の劣化が少ないです。
価格はやや高いです。
■研削式
砥石状のロールを玄米が通過することで研磨しながら糠を除去する方式です。
米を循環させずに一度で精米するため、短時間で精米できます。
精米店など業者でよく利用されています。
玄米を購入して、精米してみよう!
今回は、玄米の精米方法と米糠の活用法、ご家庭で使用する精米機の種類を紹介しましたが、役に立つ情報はありましたか?
玄米は、日持ちが良いだけでなく、価格も白米と比べ安いです。
また、精米せずにそのまま食べることも出来、精米した時に出た米糠も利用出来、いいことづくめといえるでしょう。
ぜひ、これを機に玄米を購入してみてはいかがでしょうか?