パンは、パン屋で買うものだと思っていませんか?
自宅で焼けるようになれば、焼きたてのパンを好きなときに味わうことが出来ますよ。
パンでも、焼きたてのパンはまた別格でしょう。
しかし、パン作りには発酵時間や寝かせる時間、たくさん工程があって難しい!
そんな方に、パン作りの基本となるやり方のコツと流れ、発酵の見極め方などについてご紹介していきます。
パンが膨らむのはグルテンとイースト菌の働き
パンが膨らむもとになるものは、ベーキングパウダーだと思っていませんか。
実はパンが膨らむのは、パンの主原料である小麦粉に含まれるグルテンと、イースト菌の働きによるものなんです。
パンを作るのに最低限必要なものは、小麦粉・イースト・水・塩の4つになります。
そこへ味と風味を良くするために、砂糖・油脂(バターなど)・乳製品などを加えます。
イースト菌は実は、微生物なのです。
イースト菌は一定の温度・水分・栄養分のあるところで、盛んに活動する特徴を持っています。
このイースト菌が活動するようになると、ガスを発生させます。
イースト菌が増殖すれば、そのぶん、ガスが発生することになります。
そして小麦粉は、こねると伸びる性質を持つグルテンが生まれます。
このグルテンがイースト菌の作り出す炭酸ガスを包み込むため、パン生地の中に気泡を閉じ込め、膨張していきます。
これがパンの発酵です。
では、発酵について分かったところで、パンの作業のやり方について早速ご紹介しましょう。
やり方の前に、まずは材料を用意して計ろう
冒頭でも言いましたが、パン作りに必要なものは、非常にシンプルです。
材料を用意できたら、正確に測りましょう。
これは非常に重要な部分になります。
パン作りに必要な材料は、決まった割合に基づいて、レシピの分量がグラムで決められています。
そのため、ここでの計測は、レシピと同じように計りましょう。
また注意点として、水の温度に注意します。
パン作りは、水の温度が重要になります。
イースト菌の活動で発酵に関係してくるためです。
○春・秋—水の温度45℃くらい
○夏—水の温度40℃くらい
○冬—水の温度49℃くらい
この温度を目安に覚えておくといいでしょう。
全て用意できたら、早速生地をこねていきます。
計量した小麦粉・イースト・砂糖・乳製品を合わせ、そこへ塩をいれて、さらに混ぜます。
次に用意した水を少しづつ加えて、こねていきましょう。
やり方として、揉みこんだり、叩いたりします。
この作業を行うことで、グルテンが生まれます。
大体まとまってきたら、バターなどの油脂を入れ、さらにこねていきます。
最初はベトついていますが、やがてほとんど手につかなくなり、生地もまとまってくるでしょう。
こねる時間は大体15~20分程度に収まるようにしましょう。
こねすぎは、生地の水分も飛んでしまう可能性もあります。
十分にこねられたかどうか確認する方法は、生地の一部をつまんで引っ張り、薄く向こう側が透ける程度まで伸びるか確認します。
ここで、生地がちぎれてしまうようだったら、グルテンが成型されておらず、こねが足らないということになります。
パンの一時発酵について、見極め方
パン生地のこねが出来たら、次は一次発酵に移りましょう。
一次発酵に欠かせないのが、イースト菌ですね。
ある程度温かい場所でないと、イースト菌が活動せず、パンが膨らみません。
目安として、27℃~30℃と覚えておきましょう。
発酵機が無ければ、温度が上がりやすい窓際など、発酵しやすい場所に置いてあげましょう。
時間は大体30分~40分間ほどです。
発酵させる際は、必ず生地が乾燥しないよう、濡れふきんやラップ等を忘れずに、かけておいてくださいね。
発酵が完了したかどうか見極める方法について、生地が付かないよう、粉をつけた指をそっと生地に突き挿します。
そして、抜いた時に生地が戻らず、きちんと穴がそのまま残っている状態が確認できたら、発酵が完了したことになります。
突き挿して、すぐ生地がはね返ってくるようなら、発酵不足ということになります。
発酵不足の場合は、もう少し時間をおいて、きちんと発酵させます。
発酵が完了したら、ガス抜きを行います。
このガス抜きは、発酵でふくらんだ生地の炭酸ガスを全体に分散させ、イーストの活動に必要な新しい空気を入れるという目的があります。
やり方として、手のひらで軽く生地を押さえるように、ガスを抜いてください。
一次発酵の次は、パンの分割と丸め方のやり方
発酵・ガス抜きが終了したら、次は分割に進みます。
全体の重さを軽量し、分割する数で割り、生地を切って計量していきます。
生地を切るやり方として、スケッパーと呼ばれる、プラスチック上のものを使用します。
なるべく細かくならないよう、引きちぎらないように注意します。
だいたい同じ重量で生地を分割できたら、次は丸めていきましょう。
その際は、切り口を下に封じるように丸めます。
切り口を下にする理由として、生地の中に発生するガスを閉じ込めるためと、生地温度を保つという理由があります。
生地を全て丸めることが出来たら、次の工程、ベンチタイムに移ります。
パンを成型していた台などの上に1つずつ並べ、乾燥させないように上に濡れふきん等をかけ、15~20分間休ませます。
この際は、直接生地の上にふきんをかけて大丈夫です。
この休ませる工程をベンチタイムといいますが、生地を休ませることで、生地を成形しやすいという理由があります。
成型のやり方と仕上げの発酵、二次発酵の見極め方について
ベンチタイムが済んだら、そのまま焼いても大丈夫です。
もし、パンの形を成型するなら、ここで成型となります。
1つの生地を取り、めん棒でのばし、形をつくっていきます。
そのとき、他の生地は乾燥を防ぐため、濡れふきんをかけたままにしておいてください。
やり方の注意点として、何度も成型し直したり、生地をいじりすぎると生地を傷めてしまう可能性があります。なるべく、一度で仕上げるようにしましょう。
生地を成型したら、ようやく仕上げの発酵、二次発酵になります。
二次発酵では一次発酵と同様の流れになりますが、温度が少し違いますので、注意してください。
二次発酵の際は、パンを35℃~38℃の所に30分~40分間程度置き、見た目が2倍程度の大きさになるまで発酵させます。
この二次発酵の場合は、直接触って確認することが出来ません。
目視での確認となるので、不安な方は、写真を取るのをおすすめしています。
デジカメでなくても、携帯カメラで十分です。
発酵前の写真を撮ることで、十分膨らんだか確認することが出来ます。
最後の工程、パンの焼き上げについて
パンを焼くときは、予熱をするのが一般的です。
予熱をすることで、パンの水分が飛び過ぎなくなり、ふんわりとしたパンを焼くことが出来ます。
この工程をせずにそのままパンを焼くと、焼きムラができたり、余計な水分が飛んでしまい、固いパンに仕上がってしまいます。
予熱を始めるタイミングとして、30分~1時間前には行っておくようにしましょう。
二次発酵でオーブンを使用しないなら、この間に予熱を行うといいでしょう。
家庭用のオーブンは、火力不足な場合もあります。
火力不足だと、仕上がりにも影響しますので、予熱の温度設定を最大限まで上げ、さらに天板も一緒に温めるとより、焼きムラが少なくなります。
予熱が済んだら、素早くオーブンにパンをセットします。
素早くやらないと、オーブン内の温度が下がってしまうので注意しましょう。
ここでの温度や時間は、レシピ通りに設定してくださいね。
一般的に電気オーブンは時間がかかり、ガスオーブンは早く焼けるようです。
パンの発酵や、やり方は一見難しそうに感じますが、慣れてしまえば工程も難しいものではありません。
少ない材料で作れるのも、魅力のひとつですね。
パン作りに挑戦してみませんか?
いかかでしたか?
パンの作り方や工程について、ご紹介しました。
パンは、一次発酵、二次発酵、ベンチタイムなど休ませる時間が多いですが、作り方はとてもシンプルで、簡単なものであれば、決して難しくないものだと思います。
自宅でパンが焼けるようになれば、いつでも焼きたてのパンを食べることが出来ます。
ぜひ、挑戦してみてはいかがでしょうか。