夏のお弁当は、傷みが早いので食中毒などの心配もあり、保存する際は気を遣うという方も多いのではないでしょうか?
梅雨の時期や夏の時期でなければ、おかずなどにもそれほど気を遣わずに済みますが、夏のお弁当はおかずも気を遣わなければなりませんよね。
今回は、夏のお弁当の保存はどのくらいできるのかお話していきたいと思います。
また、夏のお弁当の作り方の基本と、オススメのおかずなどを紹介していきます。
夏のお弁当の保存はどのくらいできる?
夏は食品が傷みやすい季節です。
そのため、食品の保存には気をつけなければなりません。
特に、お弁当は保存することが前提の食品なので注意が必要です。
基本的に、細菌が繁殖する条件には「栄養分」「水分」「温度」の3つがあります。
お弁当の中にはすでに栄養分と水分がありますので、ここで管理すべきなのは温度です。
細菌の繁殖は10℃で緩慢になり、-15℃で停止すると言われています。
また、細菌の最も繁殖しやすい温度は30℃から40℃くらいです。
60℃以上で熱に弱い細菌が、75℃以上でほとんどの細菌が死滅します。
食中毒について言うと、発症するにはある程度の細菌量が必要ですが、少なくても発症するものと、多くの細菌によって発症するものがあります。
また、食中毒になる細菌の繁殖と、食品が微生物によって分解され有害物質が発生する腐敗は異なります。
以上のことから、お弁当の常温保存は4~6時間が目安ですが、可能なら冷蔵庫で保存する方が良いでしょう。
常温保存する場合でも、なるべく涼しくて日光の当たらないところで保存しましょう。
夏に温度が高い場所や車でお弁当を保存する場合はどうすれば良い?
冷蔵庫や涼しい場所でお弁当を保存できればいいですが、夏はどうしても気温が高くなりますし、冷蔵庫がない場所で保存しなくてはならない場合も十分に考えられます。
そのような場合のお弁当の保存方法を紹介します。
お弁当を温度が高い場所で保存せざるを得ない時は、お弁当に保冷剤を着けてタオルで巻いておくと、温度上昇を防げます。
さらに、クーラーボックス、クーラーバッグ、発泡スチロールなどの箱に入れておくとかなり効果が得られます。
また、ペットボトルの飲料を凍らせてお弁当と一緒にクーラーバッグに入れれば、飲み物も一緒に用意できて便利です。
自動車の中など、かなり高温になる場所でしか保存できない場合は、保冷剤の数をかなり増やして対応しましょう。
作業現場のように肉体労働を伴う場合は、保冷剤の一部を凍らせたペットボトルにしてタオルを巻いておくと、お昼には冷たいタオルで体の火照りを冷ますのにちょうど良くなっています。
自動車の中でなくてもクーラーバッグに保冷剤を敷き詰めてお弁当を入れ、凍らせたペットボトルをタオルで巻いたものを入れれば、作業現場用の傷まないお弁当になります。
夏の時期のお弁当作りの基本とは?
夏にお弁当を保存する方法を紹介していますが、まずは傷まないお弁当を作ることが重要です。
この項では、夏でも傷みにくいお弁当の作り方を紹介します。
まずは、基本的な対策です。
・生野菜、生の果物を入れない。
・水分の多い食材は避ける。
・火をしっかり通した食材にする。
・梅干し、酢、しょうが、カレー粉、わさび、からしなど防腐効果のある食材をうまく使う。
・詰める時に手で直接触れない。
・使用する前にお弁当箱をしっかり洗い、きちんと乾かす。
・マヨネーズやタルタルソースを使わない。
その他、注意すべきことをいくつか挙げます。
・前日に作ったものを詰める場合は、電子レンジで加熱してからにする。
電子レンジで温めた後、きっちり冷ましてからふたを閉めましょう。
食材が熱いうちにふたをすると、水滴が発生し傷みやすくなります。
・お弁当の上に敷く、お弁当箱専用の抗菌シートを使う。
抗菌シートには、わさびやからしに含まれるアリルカラシ油や銀イオンなどの成分が使われています。
ただし、この抗菌シートはあくまでも菌の繁殖を抑える効果しかなく、食中毒を起こす黄色ブドウ球菌などを殺菌する効果は得られません。
夏場でも前日に作り置き保存ができるおかずでオススメは?
夏でも傷まずに保存できるお弁当を作る重要性は分かっていても、お弁当にそれほど時間と手間をかけられない、という人は多いと思います。
そういう場合は、前日から作り置きした食材を使うとよいでしょう。
青菜のおひたし、胡麻和え、ひじきの煮物、卯の花、きんぴら、こんにゃくの煮物などのおかずは前日に作って冷蔵したものを使うことが可能です。
汁気をできるだけ食材に染み込ませることで傷みにくくなり、しっかりとした味付けになります。
そして野菜、海藻類、乾物などの食品をメインに摂ることも出来ます。
また、豚肉のロール焼き、鶏肉の照り焼き、つくね、焼きウィンナー、ロールキャベツなどのおかずや常備菜は冷凍保存することが出来ます。
これらのおかずは自然解凍して食べることが出来るので、朝はお弁当箱に詰めるだけで良いのです。
そして保冷剤の代わりにもなります。
冷凍する際は、解凍後に汁気が出ないようにしっかりと水気を切ってから小分けにしてから冷凍することを忘れずに。
冷凍保存したものは2週間を目安に使い切ると良いでしょう。
夏のお弁当で傷みにくいオススメのおかずの紹介!
前項では、夏でも傷まないで保存できるように、前日に作り置き出来るおかずを紹介しました。
この項では、夏でも傷みにくいおかずを紹介します。
・ピクルス
生野菜は酢につけてピクルスやマリネにすれば、夏でもお弁当に入れられます。
ただし、お弁当箱に一緒に入れるのではなく、小さなパックなどに別に入れましょう。
・肉のシソ巻き
豚肉やささみをしょうゆ、みりん、砂糖で味付けし、大葉で巻いたおかずです。
中に梅干しを加えると抗菌作用でさらに傷みにくくなるのでオススメです。
・きんぴら
汁気も少なく、味付けもしっかりしているのでお弁当のおかずとして適しています。
きんぴらごぼう、きのことニンジンのきんぴら、ピーマンとニンジンのきんぴらなど、いろいろとアレンジ出来るので飽きることがないでしょう。
・わさび入り玉子焼き
傷みやすい玉子も火を中まで通せばおかずに使えます。
味付けとして少しわさびを入れると、抗菌作用もあるのでオススメです。
・生姜焼き
生姜は食物の腐敗を防ぎます。
味付けをしっかりとすれば冷めても美味しいです。
生姜には食欲を増進させる働きがあるので、食欲がなくなりがちな夏にオススメのおかずです。
・唐揚げ
揚げ物は中まで熱が通るので傷みにくいおかずの代表と言ってよいでしょう。
唐揚げの他に、エビフライ、てんぷら、豚カツなども良いでしょう。
ただし、じゃがいもの入ったコロッケは傷みやすくなりますので注意が必要です。
夏のお弁当にはNGな8つのおかず!
夏に傷みにくいお弁当を作るためには、保存がきかないおかずを避けることが重要です。
この項では、夏に特に注意が必要なおかずを紹介します。
・炊き込みご飯やチャーハン
味付けしたごはんや味付けした具入りのご飯は腐りやすいので避けた方が良いでしょう。
・生野菜
生野菜は腐りやすく、時間が経つにつれてどんどん水分が出てきてさらに腐りやすくなるので避けた方が良いでしょう。
・海苔巻きおにぎり
ごはんが温かいうちに海苔を巻いてしまうと傷みやすくなります。
夏はご飯と海苔を別々に入れると良いでしょう。
・かまぼこなどの練り製品
かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの練り製品は傷みやすいので、夏は火を通してから入れると良いでしょう。
・ハム、ソーセージなどの加工食品
食肉加工食品はそのままでは傷みやすいので、火を通してから入れると良いでしょう。
・煮物
水分を多く含んでいると腐りやすくなるので、しっかりと煮詰めて水分を取ってから入れましょう。
・ポテトサラダやマカロニサラダ
水分が多いので腐りやすく、注意が必要です。
また、マヨネーズを使っているので夏は避けた方が良いでしょう。
・イモ類や根菜類
イモ類や根菜類に多く含まれるでんぷん質は腐りやすいので、夏は避けた方が良いでしょう。
夏のお弁当の保存には十分注意しましょう
いかがでしたか。
夏のお弁当の保存や、おかずの選び方は気を遣いますが、基本を覚えておけばスムーズにお弁当作りができるようになると思います。
また、前日に作り置きを作っておくことで時間短縮にもなります。
節約と健康維持のために、これからやってくる夏でも安全なお弁当作りを頑張りましょう。