私達の生命を維持していくのに欠かせない食べ物。
食べ物の中には、消化の悪いものもあり、体調の悪い時には避けたいですよね。
「消化の悪い食べ物」といっても、消化に時間がかかるというだけで、体に害があるわけではなく、むしろ体に良い栄養効果があるので、バランス良く摂りたいものです。
今回は、肉、野菜、玄米は消化に悪い食べ物なのかについてと、消化が良くなり効率よく摂取できる為の対処策についてお話します。
肉の栄養効果とは?
肉類はアミノ酸やビタミン類を豊富に含んでいる食材で、中でもタンパク質は筋肉や内臓を作る成分でもあるので、生きていくためには必要不可欠と言えるでしょう。
またアミノ酸はタンパク質を生み出すだけではなく、興奮や緊張を抑え込んで集中力を高め、脳を活性化させることで記憶力を向上させます。
さらに肌の組織や免疫細胞を作り出すことでシミやシワが出来ることを防ぎ、風邪などにも罹りにくくしてくれます。
疲れも溜め込まなくなるので、肝臓への負担も減らせることでしょう。
身も心も支えてくれる万能な成分ですが、とくに注目したい点は「鬱状態の予防」です。
必須アミノ酸の一種であるフェニールアラニンは、鬱症状を取り除き、落ち込んだ気分を明るく持ち直させる役割を担っています。
これが多いものは動物性タンパク質、つまり肉類です。
肉類は脂質も多いため、摂り過ぎたり野菜が不足していると身体の調子が悪くなりますが、必要量を守っていれば健康的な身体を維持する手伝いをしてくれます。
ただし一気に食べ過ぎると胃もたれや胸焼けを起こし、消化も悪くなるのでほどほどにしておきましょう。
野菜の栄養効果とは?
野菜は肉や魚などの主食と並べることで足りない栄養素の補給をしたり、食事に彩りを添える役目があります。
生でも美味しく食べられるものが多いですが、火を通せばさらに甘みや旨味が増し、とくに煮込んでやると柔らかくなるので消化されやすく、体調不良の時でも胃の中に入れやすくなります。
緑黄色野菜はカロチンが豊富で、ビタミン類には抗酸化作用があるので動脈硬化を引き起こす過酸化脂質の増殖を抑え込み、血管が老化していくことを防いでくれます。
すでに老化が始まっていたとしても、徐々に改善へと導いてくれるでしょう。
また大根やごぼうなどの淡色野菜にはリグニンという食物繊維の一種が含まれており、これには便秘の解消や大腸ガンの予防をする効果が秘められています。
便秘で悩んでいる人は、積極的に摂取して下さい。
さらに野菜類にはミネラルも多く含まれているため、高血圧や貧血など、血糖値の高さが症状を左右する病気に対する強みにもなるのです。
肉料理や揚げ物など、脂質や糖質を最近摂り過ぎていると感じるなら、生活習慣病にならないためにも野菜を多めに摂りましょう。
肉・野菜・玄米は消化に悪い?対処策は?
食材には消化の良し悪しというものがあります。
脂肪分の多い肉や魚がその筆頭なので、胃に負担を掛けないためにも身体の調子が良い時に食べるようにして下さい。
イカやタコ、貝類なども意外と塊をそのまま飲み込んでいることがあるので気を付けましょう。
オススメはあっさりしていてタンパク質の多い「鶏ササミ」です。
野菜の場合は、繊維質が多くて、咀嚼の回数が自然と多くなるものに注意しましょう。
セロリ、ごぼう、タケノコ、キノコ類、ネギ、豆類、サツマイモなどが挙げられます。
食べにくいと感じたのならジュースにして飲み干すのもひとつの手です。
消化の悪さで知られているのは「玄米」です。
ですが玄米には人間の身体にとって有益な栄養素が豊富に含まれているので、健康を気にするのなら摂取しておきたいところです。
ポイントは「よく噛む」こと。
玄米は白米よりもしっかりした歯応えをしているので、米粒の形が分からなくなるまで噛まないと消化不良を引き起こす可能性があります。
その結果、お腹を下してしまうかもしれないので、十分に咀嚼して下さい。
肉・野菜・玄米以外の消化に悪い食品は?
肉や野菜、玄米などは消化に悪いと言われていますが、卵も比較的良くありません。
とくにゆで卵にすると黄身が胃の中にある水分を吸い込んでしまうので、必ず水分も摂るようにして下さい。
効率良く消化出来る調理法は半熟卵が最適です。
また果物の中でも酸味の強い柑橘類は消化までに時間が掛かります。
ドライフルーツ入りのフルーツグラノーラをコーンフレークに混ぜて食べる人も多いかと思われますが、実はこの2つは両方とも消化がよろしくありません。
あっさりしているからといって、体調不良の時に食べるのはやめておきましょう。
そして身近にあり、食べる頻度が高いものと言えば市販されているお菓子です。
大半の菓子類には油脂、それもなるべく摂取したくないトランス脂肪酸が使われていることが多いため、少し食べただけで胃に負担が掛かるのです。
甘いお菓子はもちろん、油で揚げたポテトチップスや香辛料が多く刺激の強い味付けをしているものは、効率良く消化することが出来ません。
とはいえ基本的に、風邪などで身体の調子が悪くなっていない限りは問題ありません。
ただし食べ過ぎると悪影響を及ぼすので、一定量を超えないように気を付けましょう。
体調が優れないなら玄米よりも消化吸収の良い発芽玄米を食べよう
身体の健康を保つのなら肉や野菜をバランス良く摂ることが一番ですが、白米を玄米に変えても良いでしょう。
その際、発芽玄米にすると含まれている栄養素の量がさらに増えます。
玄米をしばらくの間水に浸しておき、1mmほど芽が出てくるまで放置しておきましょう。
こうすると柔らかい食感となり、甘みが増すだけではなく、消化吸収もスムーズに行えるようになるのです。
発芽する際には酵素が作られ、それによりフィチン酸などの成分が水の中に溶けていき、芽を出す準備が整います。
フィチン酸とはイノシトールという成分にリンとミネラルがくっつくことで生まれた栄養素のことで、通常は腸を通り、身体の外へと出てしまいます。
ですが発芽させればこれを効率的に摂り込むことが出来るのです。
またこの他にもギャバと呼ばれる成分も豊富です。
ギャバとはγ-アミノ酪酸というアミノ酸の一種を略した呼び名で、神経からのあらゆる信号の伝達をコントロールする役割を担い、興奮や緊張に陥るとそれを抑えて落ち着かせてくれます。
肝臓の不調を改善したり、中性脂肪を減らすことにも効果があります。
発芽玄米にはアレルゲンも少ないので米アレルギーを発症する可能性も低く、デトックス作用も強いと言われています。
新陳代謝の向上や、アルツハイマー型の痴呆症も防いでくれるようです。
消化に良い発芽玄米の作り方と炊き方
肉や野菜を摂るのも大事ですが、玄米にも豊富な栄養素が含まれているので是非摂取することをオススメします。
しかし玄米には独特の風味があり、しかも硬くて消化に悪いので、積極的に食べたくなるものではありません。
そこで難点を緩和するために、発芽玄米にしてみましょう。
含んでいる栄養素の量も増えるので一石二鳥となります。
まずは玄米を何回か揉み洗いして下さい。
そして大きめの容器に敷き詰めたら水で浸し、蓋はしないで放置しておきましょう。
翌日の朝と夜には水を取り替えて下さい。
胚芽の辺りに白っぽいものが見えていたら、軽く蓋をして冷蔵庫に入れましょう。
24時間が経過しても、何も変化が見られなければ、そのまま放っておいて下さい。
その時の室温や環境によっても発芽するタイミングは変わるので、こまめに様子をチェックしましょう。
冷蔵庫の中でも、野菜室やパーシャル室など、場合によっては置く場所を変えるのも手です。
炊く時は炊飯器を使います。
水の量は好みに合わせてどうぞ。
柔らかめが好きなら少し多めに入れて下さい。
なお白米と違い、保温状態にしていると美味しさが失われます。
小分けにして冷凍保存すると良いでしょう。
消化の悪い食べ物は、よく噛むことが大切
いかがでしたか。
例え、消化が悪くても、体に必要な栄養分が多く含まれた食べ物は多いですよね。
消化をよくする為の一番のポイントは、良く噛んで食べること。
消化の良い食べ物と、消化の悪い食べ物を、バランスよく上手に食べて食事を楽しんでくださいね。