健康志向の方で、玄米を取り入れている方は多いですよね。
玄米はとても栄養価が高いことで知られています。
玄米ほど栄養価は高くないですが、白米と精米比率の違う栄養がある分搗き米(ぶづきまい)は皆さんご存知ですか?
玄米に挑戦したいけど玄米は苦手・・という方にオススメです。
今回は、分づき米について説明していきます。
玄米の栄養素について
玄米は精米の時に籾米から籾殻を除いただけものです。
そして、玄米のぬかや胚芽を取り除いたものが、白米です。
玄米は白米の約4倍もの栄養素を含んでいて、1杯の玄米ご飯を食べただけで、1日分の白米を食べたのと同じくらいの栄養を摂ることができます。
また白米よりも、豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維を含んでいて、人が健康を維持するために必要な栄養のほとんどを摂ることができます。
このことから玄米は完全栄養食とまで言われています。
栄養バランスのよい食事は、1日30品目以上と言われていますが、これは白米が主食の場合です。
逆に考えた場合、白米が主食だと、これだけの栄養素が不足しているということになりまね。
また、1日に30品目以上を摂るのはかなり大変です。
玄米が主食の場合はこの必要がなく、昔から、「一汁一菜」でも健康を維持できていたのは、玄米が主食だったからなのですね。
玄米が食べにくい場合は、白米と一緒に炊くこともできますし、玄米と白米の比率も好みで加減できます。
そもそも玄米を白米に精米する意味とは?
精米は玄米を白米にする精白作業のことです。
籾殻を取り除いた玄米はぬかがついているので色が茶色です。
この茶色いぬかの部分を削り、白米にする作業のことを精米と言います。
ビタミンやミネラルなど栄養素が多く含まれる玄米ですが、残念なことにあまり美味しくはなく、健康によいと分かっていても、そのまま食べるのには向いていないと言えます。
そのようなお米を食べやすくするのが精米作業なのです。
玄米を7~10%くらい削ると、元の玄米の大きさの90~93%の大きさの白米になります。
ところで精米はどこでできるのでしょうか?
スーパーで販売されている袋入りの白米は、すでに精米されていますが、お米屋さんには業務用精米機があり、購入時にその場で精米してくれるお店もあります
地方によく見るコイン精米機がある所もあり、自販機やコインランドリーのように、お金をいれてその場で精米ができます。
また近頃は、自宅で精米できる家庭用精米機が人気です。
多機能で小型の精米機が続々と登場していて、値段も手頃です。
自宅で精米する家庭が増えてきたのは、お米屋さんで購入した玄米を、自宅で好みの精米比率にできることが理由でしょうね。
玄米を精米するときの精米比率はさまざま!一分づき~三分づき
玄米はさまざまな精米比率があり、比率によって食感や栄養も変わります。
籾殻だけを取り除いた精米していない玄米は、胚芽の部分は残っているので、栄養素のビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んでいて、食物繊維は白米の6倍もあります。
また、ぬかがそのまま残っていて、調理しにくいうえ、硬くて消化吸収もよくないのでよく噛んで食べましょう。
胃腸の弱い人には向いていません。
玄米には、ぬか層やサピオ層に含まれている栄養素があり、それを無駄にするのは勿体ないことですね。
そこで、家庭用精米機を使う場合ですが、分づき米をオススメします。
分づき米は、一分づき、三分づき、五分づき、七分づきとあります。
一分づきは、ほぼ玄米と同じです。
一分づき米は、玄米表皮にキズを少しつけて、水の吸収をよくして、炊きやすくします。
三分づき米は、玄米表皮を三割程度削ることで、ぬかの層が残り胚芽の栄養も失われずに、香りもよい玄米を味わうことができます。
また、玄米よりも柔かくなるので食べやすくはなっていますが、やはり消化吸収がよくないので、食べる時にはよく噛んで食べて下さい。
もっちりと炊き上げたい時には、少し水加減を増やしましょう。
玄米を精米するときの精米比率はさまざま!五分づき~七分づき
玄米の精米比率はいろいろですが、痩せたい時に効果的な比率があります。
それは、五分づき米で、玄米のぬかの層の半分を取り除いたお米です。
ぬかも胚芽も50%以上は残っています。
五分づき米は、玄米と白米のちょうど半分なので、玄米の香りと白米の甘みが味わえます。
白米の栄養素と比較してみると、ビタミンB1は4倍以上でビタミンEは2倍以上、繊維質も約2倍も含まれています。
玄米より消化吸収もよく食べやすいのですが、味が白米よりも劣ります。
五分づき米を炊く場合は、最低でも2時間以上は浸水し、炊くときの水加減は白米の2割増しで炊いてください。
七分づき米は、分づき米の初心者に最適ですね。
玄米のぬか層と胚芽の部分の7割を取り除いたお米で、胚芽の栄養も一部残りますし、白っぽい色になります。
七分づきは普通のご飯と同じ方法で炊けることと、白米とほとんど同じで初心者でも食べやすく、一番人気があります。
だだ、白米と比べて硬さが少し残るので、好みで水加減を変えたり、2時間は浸水したほうがいいでしょう。
白米よりも味わいがあるので好きと言う人も多いのが、七分づき米です。
白米は、玄米を100%精米して、ぬか層や胚芽を取り除いているので、玄米よりもビタミンEが12分の1、ビタミンB1は5分の1しかありません。
ただ、消化吸収がよいのと、ふっくらつやつやでもっちりした食感と甘みです。
白米を炊く時は、少なくとも1時間以上は浸水させるとより美味しく炊けるでしょう。
玄米の精米の比率によって差が出る主な栄養素について
玄米の精米比率が高ければ高いほど失われる栄養素は次のようなものです。
単純計算すると、玄米の栄養が、三分づきは30%、五分づきは50%、七分づきは70%失われるというイメージです。
実際、は精白米自体に含まれる分があるので、100%無くなってしまうわけではありません。
ビタミンB1
糖質をエネルギーに変える時に酵素を助ける。
不足すると疲労、倦怠感、脚気、むくみ、動悸、意識障害など。
また、加工食品、甘い物、アルコールを多くとることで不足しやすい。
ビタミンB2
脂質や多くの栄養素の代謝に関係していて、発育に欠かせないことから発育ビタミンとも言われる。
不足すると肌荒れ、口角炎、舌炎、涙目など起こしやすい。
ビタミンE
血行促進して代謝を促す、老化防止、不妊を防ぐ。
不足すると皮膚の抵抗力低下、肩こり、冷え、神経症状、溶血性貧血など。
カルシウム
歯や骨を作る、筋肉の収縮調整など。
不足すると骨粗しょう症、成長不良。くる病、神経過敏など起きやすい。
マグネシウム
カルシウムといっしょに骨を作る、代謝に欠かせない。
不足すると高血圧症、心筋梗塞を起こしやすい。
カリウム
筋肉や心臓の機能の調節。
ナトリウム
塩分の排出を促し血圧を下げる効果。
亜鉛
たんぱく質の合成。
不足すると成長障害、味覚障害、食欲不振など。
鉄
血液の赤い色素(ヘモグロビン)の材料、筋肉の色素(ミオグロビン)の材料、酵素の活性化。
不足すると鉄欠乏性貧血、疲労感、倦怠感、筋力低下など。
食物繊維
有害物質の吸着して体外排出、便秘予防、大腸がん予防など。
炭水化物
体を動かすエネルギー源で重要な栄養素。
精米比率、三分・五分・七分精米の研ぎ方と水加減について
玄米の精米比率三分、五分、七分精米の研ぎ方のポイントは、白米に比べて糖成分が多いためスピードが大切です。
研ぐ時のコツは、一番初めはかなり濃い研ぎ汁が出るので、お米が吸う前に素早く研ぎ汁を捨てましょう。
この研ぎ汁をお米が吸ってしまうと、炊き上がった時にぬか臭くなります。
なので、1回目、2回目の研ぎ汁は素早く捨てます。
分づき米を研ぐ手順
1.正確にお米を測りボールに入れて、水を勢いよく注いで、軽くかき混ぜて2回すすぎます。(1回のすすぎは約10秒)。
2.水を捨てます。
3.ソフトボールを持ったような形に指を広げ、約30回お米を攪拌(かくはん)します。
4.濁った水を捨てます。
5.水をたっぷりと注いで、軽くかき混ぜすぐに水を捨てます。
6.再び、3~5を1回~2回繰り返して、水が濁らなくなったら研ぎ終わりです。
全ての工程を約3分以内で終わらせましょう。
三分、五分、七分精米の水加減は、白米より少し多めか、または同量でよいでしょう。
そして、白米より長めに浸水することがポイントになります。
塩ひとつまみを入れると、少しふんわりと炊き上がるようですね。
また、三分、五分、七分精米は保温には向かず、色が変わってしまいジャーもぬか臭くなってしまいます。
ご飯が余ったら、ジャーで保温しないで、ラップに包み冷凍保存をしましょう。
その日のうちに食べる場合は、冷蔵庫で保存してください。
白米に近い分搗き米から挑戦してみては?
分づき米は、玄米に比べると栄養価は落ちますが、白米に比べたら栄養価は高いです。
玄米が苦手・・という方は、白米に近い分づき米から挑戦して、徐々に精米比率を下げてみるのもいいかもしれませんね!
好みによって調整できるので、自分の好みの精米比率を発見できるといいですね。