栄養豊富な玄米飯を妊婦が食べても大丈夫?胎児への影響は?

妊娠すると、お腹の赤ちゃんのために栄養素が高くて体に良いものを摂りたい!と思うものですよね。

日々の食事で食べているお米ですが、玄米が体に良いと聞いて摂り入れてみたいと考えている方、いらっしゃるのではないでしょうか?

でも、妊婦でも玄米は食べられる?と疑問を持つ方もいらっしゃいますよね。

今回は玄米が妊婦さんに与える影響について説明していきたいと思います。
また、玄米を取り入れる際の注意点についても説明します。

玄米の持つ健康パワーとは

普段食べている白いお米は「白米」と呼ばれ、収穫した米を精白して中の拍乳の部分だけにしたもののことを言います。
この精白する前の、籾殻だけを除いた米を玄米と言います。

玄米と白米では栄養価が大きく違い、なんと玄米のほうが栄養価が4倍も多く含まれています。
玄米ご飯1杯で白米ご飯1日分の栄養ということになります。

玄米は「完全栄養食」と言われるほど、人間が必要としている栄養素のほとんどを含んでいるため、1回の食事で多くの栄養を摂り入れることが出来ます。

とくに、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれています。
妊婦の方は積極的に摂取したい栄養ですね。

1日30品目以上摂ることが栄養バランスのとれた理想の食事と言われていますが、これは主食が白米ご飯の場合です。

1日30品目以上を摂ることはなかなか難しいですが、主食を白米ご飯から玄米ご飯へ置き換えると、こんなにも沢山の食材を摂らなくても栄養バランスのとれた食事にすることができます。

昔の人は「一汁一菜」の食事でしたが、とても健康でした。
それは主食が玄米だったことが影響していると考えられるのです。

玄米の豊富な栄養素について

玄米は食物繊維が豊富に含まれており、その含有量は白米の約6倍とも言われています。

その食物繊維の効果でよく知られているのが「便秘解消効果」です。
その他にも、コレステロール・糖分・発がん物質などの有害物質を体内から排出してくれる効果があり、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病予防にも繋がります。

日本人の食物繊維の所要量は1日20~25gですが、実際に摂取している量は所要量よりも平均で5~10g不足していると言われています。

しかし、毎日の食事を白米ご飯から玄米ご飯へ置き換えるだけでこの不足分を補うことが出来るようになります。

食物繊維以外の栄養素として、ビタミンも豊富に含まれています。

ホルモン分泌を促して更年期症状を予防してくれるビタミンEは「若返りのビタミン」とも言われています。
ビタミンEには抗菌作用もあるので、血行を良くする働きもあります。

そして糖質をエネルギーに変えるのに大切なビタミンB1も含まれています。
糖質を効率よくエネルギーに変えることが出来ないと、その影響でイライラしたり、疲れやすくなります。

また、余分な糖質を脂肪として身体に溜め込んでしまうため、肥満になりやすくなるので、このビタミンB1の摂取はとても大切になってきます。

その他、ミネラル類も豊富に含んでいます。
ミネラル類の1つであるカリウムは、体内のナトリウムの排出を促す効果があるので、高血圧が気になる人にオススメです。

このように妊婦に必要な栄養をたくさん含んでいる玄米、食べたいですよね。

玄米を食べることで体に良い影響がたくさんある!

①玄米には白米よりも多くのビタミンB群が含まれています。
このビタミンB群には、神経症や肌荒れの改善効果・消化不良の予防効果・糖質や脂質をエネルギーに変える働きなどがあります。
また、貧血予防効果もあるので、妊婦さんや生理出血が多い女性などにオススメです。

②玄米は白米よりも歯ごたえがあり、無意識によく噛む習慣がつきます。
これにより満腹中枢が刺激され少量でも満足感を得ることが出来るので、ダイエットにも向いています。
玄米は腹持ちも良いので、間食を止めたい方にも効果的です。

③玄米に豊富に含まれている食物繊維により、便秘の改善効果があります。
食物繊維は生野菜からも摂取することが出来ますが、身体に必要な分を摂取しようとすると沢山の野菜を食べなければいけませんので、生野菜だけでの必要量の摂取は難しいので玄米はオススメです。

しかし、玄米を食べ過ぎると腸が刺激されて頻繁に便通を感じるようになることがありますので、食べ過ぎには注意をしてくださいね。
1日2食を玄米・残り1食はうどんやそばなどにすることをオススメします。

④若返りの効果があると言われているビタミンEも豊富に含まれています。
細胞を活性化させて女性ホルモンの分泌を促すため、更年期症状の予防に繋がります。
また、血行を良くする働きもあるので、肩こりや冷え性の改善効果も期待できます。

妊婦になったら摂るべき食材は?食事は妊婦にたくさんの影響を与えます

妊娠中には多くの栄養素が必要になってきますので、緑黄色野菜の摂取が大切になってきます。

とくに摂取が大切な栄養素は葉酸です。
葉酸には胎盤の細胞増殖に必要な要素が含まれているので、妊娠初期から摂取したい栄養素です。
ほうれん草には葉酸だけでなく鉄分も豊富に含まれているので、妊婦さんにはオススメの野菜です。

未精製の雑穀類である玄米や胚芽米などにはミネラル・ビタミン・カルシウム・食物繊維などが含まれています。
妊娠中は便秘になりやすい方も多いので、食物繊維が豊富に含まれている玄米や胚芽米はとてもオススメです。

海藻類には鉄・カルシウム・食物繊維が含まれています。
栄養素が豊富の割に低カロリーです。
また、あっさりとしていて食べやすいので、つわりがある妊婦さんにも食べやすい食材でしょう。

納豆や豆腐などの大豆食品に含まれているたんぱく質は、血液や筋肉をつくるため胎児の身体のベースとなる大事な栄養素です。
枝豆には葉酸も多く含まれているため、たんぱく質と葉酸を同時に摂取できるオススメ食材と言えるでしょう。

きのこ類にも葉酸などの栄養素が含まれています。
また腹持ち効果もあるため、体重の増加が心配な妊娠中期以降には、きのこたっぷりスープやきのこ鍋を食べるのも良いでしょう。

バナナにはつわりを軽減してくれるビタミンB1が、ヨーグルトには胎児の骨や歯の形成に大切なカルシウムが多く含まれているので、バナナヨーグルトもオススメです。

このように食事で摂れる栄養素の影響で胎児の成長度合は変わってきそうですね。

玄米を食べることによって妊婦に与える良い影響とは?

白米などの炭水化物は、食べることによって血糖値が上昇してしまうため、妊娠糖尿病や妊娠高血圧になる可能性があります。
そういった影響を考え、血糖値が高い妊婦さんには産婦人科から炭水化物の食事制限を指摘される場合があります。

それに対し、玄米は消化に時間がかかるので、血糖値が上がりにくい食材です。
妊娠中の血糖値が正常値を超えてしまっている妊婦さんには白米を玄米に替えることをオススメします。

玄米は白米と比べてカロリーはそれほど差がありません。
ただ歯ごたえがあり満腹感を得られるため、ダイエットに効果的です。

妊娠中は1週間に500g程度の増加が目安と言われていますので、体重が増えやすい妊婦さんには嬉しい食材です。

また、食物繊維が豊富に含まれているので、便秘の予防効果もあります。

玄米にはビタミンも豊富に含まれています。
抗酸化作用があり血行改善効果のあるビタミンEには、女性に嬉しい肌荒れ予防効果も期待できます。

そして胎児の成長に欠かせないビタミンB1も豊富に含まれています。
このビタミンB1が不足してしまうと、胎児奇形などが起こる可能性があるため、とても大切な栄養素になります。

玄米には妊娠中に大切な栄養素が豊富に含まれています。
中には玄米が苦手な方もいると思いますが、玄米が苦手でなければ妊娠中はとくに、白米を玄米に替えて食べることをオススメします。

妊婦が玄米を食べるときの注意点について!

玄米に含まれている「フィチン酸」という物質には、強い「キレート作用」があります。
このキレート作用というのは、金属イオンと結合することにより体内のミネラルを体外へ排出する作用があります。

普通の人にとってはこのキレート作用により体内の毒素を排出してくれるため、デトックスに効果的なのですが、妊婦さんにはこの作用は逆効果になります。
鉄やカルシウムなどのミネラルはママの貧血予防効果や胎児の骨や歯を形成するため、妊娠中に欠かせない大事な栄養素ですが、このミネラルが体外に排出されるとこれらの栄養素が不足してしまうことになってしまうからです。

そのため、妊婦さんは摂取量に注意しなければなりません。

また、玄米に含まれている食物繊維は不溶性の食物繊維なため、お腹の中で水分を吸収することによって腸を刺激し便秘を解消する働きがあります。
この影響で、水分不足気味な人には腸に負担がかかり消化不良を起こす可能性がありますので、玄米を食べる際にはよく噛んで食べましょう。

白米は精米の際に籾殻や糠などに含まれている農薬を取り除くことが出来ますが、玄米の場合には残ってしまう可能性があります。
また、米のアクは糠の部分に含まれているため玄米にはアクも残ります。

これらの点から、妊娠中の食べ過ぎには注意が必要ですが、栄養素もたっぷり含まれているので、適度に摂取していきたいですね。

妊娠中はバランスの良い食生活を!

妊娠中に玄米を食べてはいけないということはないですが、玄米の注意点をしっかり理解しておくことが重要ですね。

玄米は様々な効果が期待できるので、普段の食事にとり入れられるといいですね。

妊娠中は胎児のために栄養を考えたバランス良い食事を心掛けることが何よりも大切なのです。