こんなに塩分の差が?醤油の塩分は1グラムにどれくらい?

醤油は、日本の様々な地方で、様々な料理に家庭や料理店等で使われています。

それこそ、使わない地域はもしかしたらないと思われるほどに多くの地域で使われていますよね。

しかし、そんな醤油ですが、誰もが一点、気になるであろうことがあります。

それは塩分です。

今回は、醤油の塩分が1グラムにどの程度入っているか、醤油と塩分について深堀していきます。

醤油の種類

醤油は、各地で様々な料理に使われています。

その種類は様々です。

日本では、大きく分けて濃口醤油・薄口醤油と2種類の醤油が多くの場所で使われているようです。

しかし、その特徴と用途は大きく違います。

関東生まれ。

醤油の香りや味が濃く、日本ではこの醤油はこの種類が1番多く使われています。

色を気にしない場合、濃い色の料理にしたいときに使用します。

用途:焼き物・煮物・漬物・和え物・刺身・江戸そば等。

関西生まれ。

その名の通り、薄い色をしています。

醤油の香りや味は残しつつ、食材の味や香りを最大限に生かすお料理をするときに使います。

塩分少なめと誤解されがちですが、濃口醤油より塩分が若干高いことが特徴です。

用途:お吸い物・お浸し・炊き込みご飯・関西おでん、関西のうどん等。

ちなみに、どちらの醤油も地方によっては、こちらに書いてある用途だけでなく、どんなお料理にでも加えることがあります。

旅行先で刺身を食べて、味の違いにびっくりするということは、よく聞く話です。

醤油1グラムを各々お皿に取ってみても、だいぶ色に差があります。

醤油1グラムの塩分を計算

さて、醤油1グラムの塩分の計算です。

醤油の塩分計算は、実は大きく分けて2種類あります。

それにより誤差がありますので、ご紹介します。

①醤油に含まれている塩分%濃度を単純に計算する方法

計算式:醤油のグラム×塩分濃度=食塩相当量

1(g)×0.16(16%塩分)=0.16グラム

1(g)×0.18(18%塩分)=0.18グラム

②ナトリウム量から塩分を算出する方法

計算式:ナトリウム量(1グラム)×2.54=食塩相当量

0.57(濃口醤油1グラムのナトリウム量)×2.54=0.15グラム

0.63(薄口醤油1グラムのナトリウム量)×2.54=0.16グラム

これは、計量スプーンで比較すると、醤油は小さじ1=6グラム・大さじ1=18グラムなので、どちらの式を採用しても、少量の使用量では大きな違いはありません。

しかし、塩分が気になる方、簡単に計算されたい方は単純な塩分%濃度から計算した方が取り過ぎには気を付けましょう。

逆に、参考にできるものがナトリウムの記載しかない場合や、なるべく正確な醤油の量を使いたい場合、ナトリウムから塩分計算をした方がいいでしょう。

ただし、気を付けて頂きたいのがナトリウムの単位です。

ナトリウムがミリグラムの記載になっていたとしたら、まずはミリグラムをグラムにしなければなりません。

1グラム=0.001グラムなのでこの点には気を付けましょう。

塩1グラム分の醤油の量

では、塩1グラムは醤油でいう何グラムになるのでしょうか。

食塩1グラムの塩分量は、どの計算式をとっても約100パーセントと計算されます。

100グラムの食塩をナトリウムからの塩分計算してようやく99.1グラムの塩分と出る程度の誤差です。

現実的には、100グラムも1日で塩分を取ることはありませんよね。

食塩1グラムは、醤油でいうどのくらいの量になるのでしょうか。

食塩1グラム÷食塩相当量=醤油1グラムなので、

約6~7グラム

約5~6グラム

となります。

どちらも、計量スプーンで小さじ1・大さじ1/3程度の量です。

そして、醤油の小さじ1は塩分1グラムなのに対し、食塩の小さじ1は、塩分が約6グラム程度です。

つまり、食塩と醤油の塩分を比較すると、醤油より食塩の方が約6倍の塩分が含まれているということになります。

もし、「醤油も食塩もそんなに塩分変わらない」と思い込んでそのまま醤油と同じように食塩を使用してしまうと、相当しょっぱいです。

塩分にかなりの差があるので、出来るだけ味付けを食塩単体で行うのではなく、うまく醤油を使っていく方がよさそうです。

醤油1グラムに入っている調理・栄養的効果

醤油の1グラム分の塩分がわかったところで、塩分以外の栄養的な効果をお話します。

醤油といえば大豆由来の調味料です。

大豆由来の調味料なので、たんぱく質が糖質よりも多く含まれています。

製造の過程で、最初は何の匂いもしませんが、過熱や熟成が進むとともに、いい匂いの成分が増えていきます。

醤油の特徴の1つは、その独特な香りでもありますよね。

この香りは、たくさんの自然由来のリンゴやバニラ等の多くの香気成分が奇跡的に調和した匂いだそうです。

そして、加熱するとメイラード反応を起こし、いい匂いを発生させます。

この匂いに抗酸化成分「フラノン」が入っており、癌発生リスクが抑えられたという報告があがっています。

そして、褐色成分「メラノイジン」には、抗酸化作用のある成分が入っており、体の若さを保つには良い成分が入っているのです。

さらに、プレバイオティクスの1つである「ペクチン」により、腸の乳酸菌を増やし、腸内環境をよくします。

全体を通していうと、体を健やかに保つ効果が醤油全体像を通して見られます。

そう考えると、1日の塩分を1グラムでも食塩ではなく、醤油に変えると栄養的に良いといえるでしょう。

1日に摂取していい醤油(塩分)の限界

それでは、1日にどの程度の醤油を摂取できるのでしょうか。

最低必要な塩分は約3グラムといわれていて、WHO世界保健機関による世界基準では1日5グラム未満推奨となっています。

というのも、世界保健機関のファクトシートによる発表で、世界死因第1位に虚血性心疾患、2位脳卒中という結果が出ていることが背景にあると思われます。

この虚血性心疾患・脳卒中は、塩分過剰による高血圧が原因で動脈硬化が起こることがリスクファクターの一つとされています。

その為、塩分過剰はよくないとされているのです。

しかし、日本人は世界の中でも、塩分を多く摂取していた民族です。

いきなり5グラムにできるわけもなく、日本では食事摂取基準が5年ごとに更新されるたびに塩分目標量が減っています。

現在の日本では、

・男性 8グラム
・女性 7グラム

を、塩分摂取の目標量として設定されています。

具体的な塩分摂取の限界というものは、日本では発表されていません。

しかし、すでに世界的に見て過剰な塩分摂取を日本人はしている傾向があり、塩分の目標量を守らないことで虚血性心疾患や脳卒中等のリスクが上がります。

日本の食事摂取基準の塩分目標量を守っていくのが良いでしょう。

そして、この食塩の目標量を醤油に換算すると、

男性 約45~55グラム
女性 約35~50グラム

と、なります。

ご家庭でお料理をされる場合は、男性と女性の間を取って、1日に約45グラム程度(小さじ約7~8杯分・大さじ約2~3杯分)までにするとよいでしょう。

意外と多いようで少ない45グラム。

1グラムの醤油を有効に使いたいものですね。

醤油1グラムを有効活用する方法

1日3食、塩分に気を付けると醤油を小さじ約7~8杯分・大さじ2~3杯分を1日に使えるといっても、なかなか難しいですよね。

単純に考えて、1食だと15グラム(小さじ2~3杯・大さじ1杯弱)の醤油しか使えません。

お浸しに醤油をかけてしまえば、人によっては1食で使える醤油が終わってしまう量です。

それでは、醤油1グラムを有効活用する方法をご紹介します

①スプレーする
100円ショップなどで販売されている空のスプレーを煮沸消毒して乾かしてから、醤油1日分を容器に入れて吹きかけて使います。

1プッシュ約0.14グラムなので、醤油1グラムは約7プッシュです。

まんべんなく醤油がかかるので、1グラムも醤油をプッシュすればものすごく味が濃く感じられます。

②醤油を伸ばす
1日に使う醤油にを皿に取り、水をその重量の20%入れます。
(45グラムなら約10グラム程度のお水を入れます。)

そのなかに、鰹節一つまみと昆布1cmを加えて冷蔵庫へ入れます。

すると、旨味の相乗効果で薄めにのばした醤油でも味がしっかり感じられます。

多めに醤油を使う煮物などには、いい手法です。

ただし、鰹節と昆布はもとは生ものなので、衛生面的にその日中に使い切ることと、冷蔵庫にはきちんと入れることに気を付けましょう。

③ポン酢や生姜醤油を作る
醤油を使う分だけ取り、そのなかに生姜や柚子などご自身が食材につけたいと思う香りのものをチョイスして入れます。

そうすると醤油に香りが移り、嗅覚により塩分が濃く感じられます。

まとめて作る場合はビンを使うと便利です。

ビンを煮沸消毒し、冷蔵庫に入れ3カ月以内に使い切ってください。

まとめて何種類か作ると冷蔵庫のスペースは取りますが、献立を考える際もすでに味がついているので、そのまま適量使えば便利です。

醤油を上手に使いましょう

醤油は日本古来よりある、栄養面的にもよい効果のある食品です。

何よりも、その味は日本人にとっては切っても切れない縁の深い食材です。

うまく醤油を使えば食塩単体で味付けをするよりも、健康的でよいでしょう。

ほとんどの調理法で使え、食材の味を鮮やかにしてくれる調理をする人にとっては心強い調味料です。

刺身に醤油を1グラムですら垂らすと、醤油と一緒になることで味が鮮やかになります。

健康的に付き合うために、様々な工夫をして塩分過剰にならないように上手に摂取しましょう。