日本の食卓に欠かせないものと言ったらご飯に味噌汁です。
毎日当たり前のように口にしていますが、その本当の作り方はご存知ですか?
古き良き昭和の時代のように、鰹節を削って作る方法です。
今回は昔ながらの味噌汁に近くなるように、作り方のポイントをまとめていきます。
味噌汁の本当の作り方をご存知ですか?
普段、どんな味噌汁の作り方をしていますか?
おそらく、鍋に水を張って火にかけ、顆粒だしと具を加えて煮て、最後に味噌を溶くというやり方だと思います。
顆粒だしはとても便利ですし、間違いなく美味しくしてくれるので大助かりの調味料ですよね。
しかし、きちんとイチから出汁をとって味噌汁を作る方法は、あまり知られていないものです。
鰹節で出汁をとる場合の作り方でも、「鰹節を削る」、「出汁をとる」、「出汁をこす」と、案外複雑な工程を必要とします。
また、鰹節だけでとった出汁で味噌汁を作った場合、味の調節はどうすればいいのでしょうか?
そういった様々な疑問を解決すべく、「鰹節の出汁を使用した味噌汁の作り方」をまとめてみました。
ひと手間かけるだけで、ぐっと家庭の味から料亭の味のように変化します。
特別な日には、顆粒だしではなく、イチから出汁をとったお味噌汁を作ってみてはいかがでしょうか。
味噌汁の作り方、出汁は鰹節だけでいいの?
日本食の文化のひとつとして「出汁」は浸透していますよね。
味噌汁の作り方でも、「まず出汁をひく」と書いてあるものが多いです。
その際とる出汁は鰹節由来のものが一般的ですが、果たして鰹節の出汁だけで美味しい味噌汁は作ることが可能なのでしょうか。
出汁は、食材を組み合わせれば組み合わせるほど複雑になり、旨味が増します。
そのため、鰹節でとった出汁を使用するのであれば、ぜひ昆布の出汁も併用して欲しいと思います。
鰹節と昆布に含まれる旨味成分は相性が良く、同時に使用するとふくよかな旨味を楽しむことができます。
旨味成分である、アミノ酸の一種が、両方に含まれているためです。
鰹節にはイノシン酸という旨味成分が、昆布にはグルタミン酸という旨味成分が含まれています。
これに干し椎茸などを加えると、グアニル酸という旨味成分も摂取できるため、完全無欠の和風出汁をとることができます。
三つの食材を組み合わせて出汁をとるのはなかなか難しいので、代表的なもの二つを組み合わせると良いでしょう。
ちなみに味噌汁は味噌自体にグルタミン酸が含まれていますので、鰹節の出汁だけでも大変美味しく仕上げることは可能です。
鰹節で出汁を取る時の基本的な方法
では、鰹節の出汁を使用した味噌汁の基本的な作り方をおさらいしましょう。
【材料】
・水
・鍋が隠れるぐらいの削った鰹節
【道具】
・ざる
・ふきんもしくはキッチンペーパー
・ボウル
・鍋
【作り方】
①鍋に水を張り、お湯を沸かします。
②お湯が沸騰したら水が全部隠れるぐらいの量の鰹節を入れ、それが全部水に沈んだら火を止めます。
③ボウルにざるを乗せ、その上にふきんかキッチンペーパーを敷きます。
④ふきんかキッチンペーパーの上から出汁をこします。
これで出来上がりです。
もったいないからといってきっちり水気を絞ってしまうと、鰹節に含まれる雑味が出てしまうので、軽く絞る程度にしておきましょう。
この出汁を使用すれば、味噌汁だけではなく、煮物なども美味しく作ることができます。
味噌汁にする場合は、この出汁を鍋にもう一度移し、具材を入れて火を通した後、味噌を溶き入れて完成です。
味噌を溶くときには、出汁を沸騰させないように気をつけましょう。
鰹節を使った味噌汁のアレンジレシピ&作り方
さて、この鰹節からとった出汁を使った味噌汁ですが、もちろん他の料理に使用しても美味しく食べることができます。
例えば、前日作って残ってしまった味噌汁を使用して、茶碗蒸しを作ることができます。
その簡単な作り方をご紹介しますね。
【材料】
・卵 2個
・残った味噌汁 300ml
・お好みの具材
【作り方】
①ボウルに卵を入れて白身の塊をほぐすように溶いておきます。
②味噌汁を加え、しっかりと混ぜ、茶漉しやざるなどで卵液をこします。
③お好みの具材と卵液を入れた容器にふんわりとラップをかけ、電子レンジの弱火(200W)で7~10分ほど加熱して出来上がりです。
味噌汁の味が際立つと思いきや、きちんと主張を抑えて「茶碗蒸し」という風味にちゃんとなるのが面白いです。
作り方も簡単なので、ぜひアレンジの一つとして覚えておいてください。
味噌汁に使われる鰹節、実は種類が?鰹節の作り方
ひとくちに「鰹節」と言っても、実は種類があるんです。
「荒節」、「枯節」、「荒亀節」と分けられます。
これは製作工程によって名前が変わります。
鰹節の作り方をおさらいしますね。
まずはカツオを選別します。
この時カツオは脂肪分の少ないものほど良いとされます。
カツオを解凍し、頭と内臓を取り出して二枚に卸します。
4.5kg未満のカツオは、切れ目だけを入れます。
次は「煮熟(しゃじゅく)」という工程で、ここで煮ることによって殺菌されてタンパク質が変性し、脂肪分が除去されることになります。
それが終わると、まだやわらかい身から骨を抜き取ります。
その後サクラやカシ、ブナ、ナラ、クヌギなどを乾かしたチップを使って「焙乾(ばいかん)」という工程を行い、夜の間は火を止めて、カツオの中の水分を均等にさせる「あん蒸(あんじょう)」という工程を10~12日ほど繰り返し、「荒節」が出来上がります。
「枯節」は、ここから表面を削り、かびをつけます。
かび付けは1回につき約2週間かかり、これを2回以上繰り返します。
荒節も枯節も味噌汁に使えますので、手に入れた際には味比べなどをしても良いかもしれません。
鰹節に含まれる栄養素やそれに伴う効能
鰹節は高タンパクの食品として注目されています。
なんと100g中の約70%がタンパク質です。
さらに、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
含まれている必須アミノ酸は、トリプトファン、バリン、リジン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、スレオニンの9種類です。
鰹節10gを摂取するだけで、1日に必要な必須アミノ酸の約1/3が摂れます。
また、アミノ酸が含まれているということは、旨味をたっぷり含んでいるということです。
鰹節を使ってしっかり出汁をとると、旨味でカバーされて減塩をすることができます。
味噌汁などを作って残った出汁ガラを、ふりかけなどにして上手に摂取しましょう。
ふりかけの作り方もとても簡単です。
鍋やフライパンを使って出汁ガラから水気を飛ばし、お醤油などを加えて炒ってあげるだけです。
ごまなどを加えても香りが良くなり、栄養も満点です。
出汁ガラ本体にまだまだ旨味が残っていますので、味付けは控えめにしてみてください。
ちょっとしたご飯のお供が欲しいときに、ぴったりのふりかけですよ。
鰹節出汁の味噌汁の作り方、これさえ押さえておけばバッチリ!
鰹節で味噌汁の出汁をとる場合の、簡単な作り方は押さえてもらえたでしょうか。
アミノ酸(旨味成分)の組み合わせで、リッチな味わいにすることも可能ですし、丁寧に出汁をとれば鰹節の旨味だけで十分に美味しい味噌汁を作ることができます。
出汁ガラも利用できるので、ぜひ一度はチャレンジしてみてください。
使う鰹節によって味も変わってきますので、お気に入りのものが見つかると良いですね。