もやしと枝豆と大豆は元は同じもの?栄養素などに違いは!?

食卓でお馴染みのもやし。

ビールのお供に最適な枝豆。

対して、納豆やお豆腐など、色々な形に姿を変えている薄茶で丸い大豆。

これらを好きな方は、多いと思います。

でも、もやしと枝豆と大豆は元は同じもの?って聞かれても、答えに自信が持てますか?

そこで今回は、もやしと枝豆と大豆などの栄養素について調べてみました。

大豆などの豆類の種類と栄養効果

豆はマメ科に属し、ダイズ属、インゲンマメ属、ササゲ属、エンドウ属などに分けられます。
聞きなれないササゲ属には小豆が属しています。

小豆やインゲンマメなどの主成分は炭水化物で、そのうちの大部分は糖質です。
糖質は体のエネルギー源ですが、とくに脳は糖質からしか栄養を補給できません。

また豆類にはたんぱく質が多く含まれており、とくに大豆には、必須アミノ酸の内、白米に不足するリジンやスレオニンが豊富に含まれているので、豆類と白米の組み合わせは体に良いのです。
この組み合わせの代表といえば、納豆ご飯ですよね。

また豆類は美容とダイエットにも効果が高いです。
美容に良いとされるビタミンB群を含んでいるのを筆頭に、脂質の少ない物が多く、食物繊維も一般的に多いとされるごぼうやさつまいもの2~3倍含まれています。

また糖尿病やがんの予防にも力を発揮します。
食物繊維はほとんどが消化吸収されずに腸内に届く為、整腸作用があり大腸がんの予防につながります。

あとはポリフェノールも豊富で、動脈硬化を防ぎ、発がん性物質の活性化を予防するなどの効果があります。

次項からは私たちが日々口にしている、もやしや枝豆についてお話します。

 

大豆もやしの栄養と効能は?

大豆からもやしになる過程で発生するビタミンCはコラーゲンを作る手助けをします。
またビタミンCは紫外線による潜伏メラニンを抑えて、シミ、そばかすを防いでくれますので、もやしは肌にとても良い食品なのです。

またもやしに含まれる、サポニンという物質が脂肪の燃焼を活性化して溜めない様にもしてくれるので、ダイエット効果が期待されています。
もともとかなりの低カロリーですから、安心して多く食べられるのも良いです。

更に、もやしに含まれるカリウムは、体内に溜まった塩分を追い出してくれるので高血圧を防止して、血液系の疾病予防にも効果があります。

大豆は、血中のコレステロールを低減させ動脈硬化や血栓が出来るのを防いでくれますし、糖尿病の予防にもなります。

またもやしには「GABA」という栄養が含まれています。
このGABAは、脳に働きかけてストレスを緩和する効果があるのです。

とにかくもやしは、これだけの栄養素が含まれている上に低カロリーという、とてもありがたい食品なのです。

さて次項は枝豆についてお話します。

 

枝豆の栄養の健康効果とは?

枝豆が成熟したものが大豆です。
ですからもちろん含まれている栄養素も同じものが多いです。

ただ枝豆はマメと野菜の双方の栄養素を持っている、緑黄色野菜なので、大豆にはない効果もあります。

枝豆に含まれている主な栄養素は、カルシウム、カリウム、カロチン、ビタミンB群、ビタミンCなどです。
大豆なので当然ながらたんぱく質や食物繊維も豊富で、栄養価の高い食品です。

しかし枝豆には、大豆には含まれていないビタミンAやビタミンCを含んでいるので、また違った効果があります。

ひとつには、メチオニンという物質が、アルコールの分解を促してくれる上に、肝機能の働きを助けてくれます。
お酒のおつまみに枝豆が出てくる事が多いと思いますが、ただ相性が良いというだけでなく、この様な科学的根拠もあるのです。

また枝豆にはもやし同様、カリウムが多く含まれているので血液の疾病や糖尿病の予防になりますし、体内の水分量を調節してくれるのでむくみの解消や疲労回復にも効果的です。

 

大豆と枝豆の栄養の違いとは?

先ほどもお話しましたが、枝豆は成長すると大豆になります。
ですから枝豆は大豆を栽培している過程で、まだ若い未成熟の物を収穫している事になります。
その為枝豆は若い分瑞々しくて、少し青臭い感じがするのですね。

一方成熟した大豆の方は水分が抜け、成分が凝縮されるので、枝豆よりも粒が小さくなって、味も変わります。

大豆というのは実に様々な変化を見せます。
若い頃は枝豆、発芽させて成長させればもやしですし、煎って粉にしたものがきな粉、発酵させると味噌になります。
そして納豆や豆腐の原料にもなりますしね。

さてもとは同じである大豆と枝豆ですが、栄養素や成分は少し違います。
色や大きさ、味も違うので当然かもしれませんが…具体的に例を挙げて違いを見てみましょう。

【100g当たりの含有量】
たんぱく質:大豆35.3g 枝豆11.5g
炭水化物:大豆28.8g 枝豆8.8g
ビタミンA:大豆12㎎ 枝豆110㎎
ビタミンC:大豆0㎎、枝豆30g

たんぱく質や炭水化物は枝豆から大豆に成長する過程でさらに増え、逆に緑の物に多く含まれているビタミン類が減るという訳ですね。
どちらかが優れているという事では無く、お互いに利点があるという事です。

 

もやしと枝豆と大豆って同じもの?

何度もいいますが、枝豆は大豆の未成熟段階で収穫したものです。

枝豆は6月下旬~9月下旬に収穫されますが、そこから約4か月成熟させて10月~12月に大豆として収穫します。

枝豆は未成熟なのでさやも豆も緑で、風味も若干青臭いですが、大豆になるころには葉っぱも枝も黄色くなり、豆もギュッと凝縮して小さくなり、すっかり姿を変えていきます。
そして大豆は、枝豆になる前に発芽した芽を少しだけ成長させて収穫すれば「もやし」と呼ばれます。

ちなみにスーパーなどで良く目にするもやしは、大豆では無く緑豆を発芽させた「緑豆もやし」が多いです。
大豆のもやしは太めでしっかりしているので、中華料理で炒め物などに良く使われます。
実は「もやし」というのは植物名では無く、豆類や穀物を発芽させて成長させたものを全てもやしと呼んでいるのはご存じですか?
ですから大豆を発芽させれば大豆もやし、緑豆なら緑豆もやし、エンドウ豆をもやしにするとちょっと名前が変わって「豆苗」になります。
様々な豆類や穀物からもやしは出来ているのです。

 

もやし、枝豆は全て大豆!大豆アレルギーの方は要注意

もやし、枝豆、大豆と元を辿れば全て同じだったわけですが、実は大豆は卵、牛乳と並び食物アレルギーの3大原因物質と言われています。

大豆アレルギーの主な症状はじんましんが出たり、おう吐や下痢を繰り返し、ひどい時にはアナフィラキシーショックを引き起こします。

大豆は味噌や醤油の原料であり我々の生活に密着している食材である為、避けて通れない可能性があります。

大豆アレルギーの主な原因であるたんぱく質は、ピーナッツやエンドウ豆など他の豆類にも共通しているので注意をしなければなりません。

大豆は火を通してもアレルギーを起こす力は弱まらないのですが、納豆や豆腐などある程度加工されるとその力が弱まるとされています。
しかし症状には個人差がある為、ちょっとでもダメな方は加工品も避けた方が賢明です。
また意外なところでは、カバノキ科の花粉症を持つ方がそれを引き金にして、大豆アレルギーになる事がある様です。

アレルギーは知らずに原因となるものを摂ってしまうと、呼吸困難など命にかかわる場合もあります。
やはりお医者さんに行き、ちゃんとした指導を受けて、適切な予防・対処を行う必要がありますね。

 

大豆で健康の維持増進を!

いかがでしたか。

もやし、枝豆、大豆は、もとは全て同じものだったなんて知らなかった方は驚いたことでしょう。

スーパーでは、出来上がっているものを購入しているので、収穫時期で名前が違うという事実を、知らない方も多いと思います。

今回お話ししたように大豆には、健康に役立つ凄いパワーがあります。

毎日の食卓に是非、大豆食品を取り入れましょう。