梅雨時期のカレーの正しい保存は?梅雨時期は食中毒に要注意

カレーは手軽に大量に作れる主婦の定番料理ですよね。
一晩寝かせたカレーは特に美味しいですよね!

ですが、暑くなってくる梅雨の時期。
カレーを保存するには、どのような方法が一番良いのでしょうか?

また、暑くなってくる時期は食中毒も気になりますよね。
カレーに繁殖しやすいウェルシュ菌はご存知ですか?

そして、梅雨の時期は細菌性食中毒に要注意です!
食中毒の予防についてもお話します。

カレーの常温保存、梅雨の時期は1日持たない!?

たくさんカレーを作った後、保存して食べる人もいると思います。

しかし、適切な保存をしないと食中毒を起こす可能性が高くなります。
とくに梅雨時には注意しなければなりません。

この項では、カレーを常温で保存する場合の注意点を紹介します。

まずカレーを常温で保存する場合は、こまめに加熱することが重要です。
加熱後、鍋を水に浸してふたをせずに冷まし、冷めたらふたをして、なるべく涼しいところで保存します。
水に浸さず、放置して冷めるのを待つと、鍋や周囲は冷めても内部は冷めていない状態になるのです。
そのまま冷めていない状態が続くと、菌が繁殖しやすくなります。

そして食べる前にもしっかりと過熱することが重要です。
中まで火が通るように過熱し、全体に火が通るようにかき混ぜて下さい。

しかし、常温で保存する場合、安全に食べられるのは長くても翌日までです。
梅雨時は翌日まで持たないこともあります。

常温保存は菌の増殖を招きやすいので、季節を問わず、しない方が安全だと思われます。

 

梅雨時期のカレーの保存は、常温より冷蔵・冷凍保存が良い

前項ではカレーを常温で保存する方法を紹介しましたが、梅雨時にかかわらずなるべくならカレーは常温で保存しない方が良いでしょう。

そこで、この項ではカレーを冷蔵・冷凍保存する方法を紹介します。

まず、冷蔵保存する場合です。
前項でも述べた通り、カレーが温かいと菌が繁殖しやすくなるので早めに冷まします。
その時は自然に冷めるのを待つのではなく、鍋を水に浸してかき混ぜながら冷まします。
カレーが冷めたらタッパーやジップ付き袋など密封できる容器に入れて、冷蔵庫に入れましょう。
ジャガイモは傷みやすいので、この時取り除いた方が良いです。
冷蔵保存した場合は2~3日程度で食べましょう。

次に、冷凍保存する場合です。
冷ます手順は、冷蔵保存する場合と同じです。
冷めたらタッパーかフリーザーバッグに入れて冷凍庫に入れます。

フリーザーバッグを使う場合は、空気を抜いて平らになるように入れましょう。
やはりジャガイモは傷みやすく、冷凍すると水分が飛んで食感が悪くなるのでつぶすか取り除いた方が良いでしょう。

食べる時は、解凍して食べる前日に冷蔵庫に入れて解凍します。
その後、電子レンジで加熱するか、鍋に移して火にかけると良いでしょう。
凍ったまま電子レンジにかけると水分が飛んで食感が悪くなります。
冷凍した場合は1か月以内に食べましょう。

 

梅雨の時期はカレーの保存は要注意!カレーに繁殖しやすいウェルシュ菌とは

前項ではカレーを冷蔵・冷凍保存する方法を紹介しました。
この項ではカレーで繁殖しやすいウェルシュ菌について説明します。

ウェルシュ菌は、土中、人や動物の腸内にいる、ありふれた細菌の1つです。
加熱するとほとんど死滅しますが、全てが死滅するわけではなく、高温から身を守るため芽胞という殻を作って休眠状態になります。

芽胞となったウェルシュ菌は100℃の熱にも耐えるため、カレーを煮込んでも死滅しません。
カレーを鍋のまま常温保存すると、熱が下がってきたところで芽胞になったウェルシュ菌が休眠状態から戻ります。

ウェルシュ菌は酸素がない状態で増殖する嫌気性細菌であり、45℃では10分間に2倍に増殖します。
そのため、カレーを作った後、急速に冷まさずに放置しておくと、常温になる途中でウェルシュ菌の増殖する、酸素がなく常温より少し高い温度という増殖するのに良い条件が整うため、危険なのです。

また、ウェルシュ菌が増えてもカレーのにおいや味には変化が見られないので気づくことが出来ません。
梅雨時などの食中毒が起きやすい時期に限らず、注意が必要な細菌であると言えます。

 

ウェルシュ菌の症状は?菌を増やさない保存方法は?

前項に続いて、カレーを保存する際に注意が必要なウェルシュ菌についての説明です。
梅雨時に限らずウェルシュ菌は食中毒を起こす細菌として注意が必要です。

ウェルシュ菌による食中毒は、給食などの大量調理施設などで発生しやすいことから給食病とも呼ばれています。
給食などの大型調理施設は大きくて深い鍋で調理をするため、酸素が入りにくく、ウェルシュ菌が増殖する好条件が揃っているためにこう呼ばれます。

ウェルシュ菌は、体内に摂り込まれると腸管内で芽胞を形成します。
その際にエンテロトキシンという毒素を出し、この毒素によって発症するのです。

潜伏期間は約6~18時間で、ほとんどの場合、12時間以内に発症します。
症状は腹痛、下痢が主で下腹部の張りが多く見られます。

1~2日程度で回復し、死に至るような重症になることはまずないのと、発症まで時間があるため、食中毒の原因がカレーであると気づきにくいと思われます。

カレーを保存する時にウェルシュ菌を増やさない方法としては、ウェルシュ菌の増殖する好条件である、45℃前後で無酸素という条件を長く続けないことです。
すなわち、素早く低温にして保存し、食べる前にしっかり過熱してよくかき混ぜ、酸素を含んだ空気と触れさせることです。
この方法でウェルシュ菌の増殖を極力減らすことが出来ます。

 

梅雨の時期は細菌性食中毒に要注意!

前項では、カレーを保存する際に注意すべきウェルシュ菌について説明しました。

この項では梅雨の時期の食中毒について説明したいと思います。

食中毒は5月から9月にかけて最も多くなり、そのほとんどが細菌によるものです。
梅雨の時期は気温が高いのに窓を閉め切ることが多くなり、部屋の中が高温多湿になります。
高温多湿は細菌を増殖させる一番の要因となり、食品や調理器具の管理を徹底的に行う必要があります。

食中毒になると激しい腹痛、下痢、嘔吐といった症状が現れます。
症状が現れるまでの期間は、食べたものの量や、食中毒となる原因となった細菌の種類によって0.5時間~8日ほどと様々です。

食中毒を防ぐ時に注意すべき点は次の項で詳しく述べますが、食品の管理や調理時の手洗いなどをしっかり行うことが重要です。
また、なるべく加熱したものを食べることや、放置した食べ物を食べないことも重要です。
弁当など、保存が必要な食べ物は冷蔵庫で保存することをオススメします。

 

食中毒を予防するための3原則!

前項で食中毒について説明しましたが、この項では食中毒予防の3原則を紹介します。

・原因となる細菌をつけない
原因となる細菌が手や食品につかないようにすることで、食中毒を防ぎます。
生の肉や魚などを切った包丁やまな板は細菌がついている可能性が高いので、その都度丁寧に洗い、殺菌しましょう。

・原因となる細菌を増やさない
食中毒を起こす細菌の多くが高温多湿の環境では活発に増殖し、低温の環境なら増殖は緩やかになります。
細菌の量が少なくても食中毒を起こす細菌も存在しますが、肉や魚などの生鮮食料品や調理済みの惣菜などはできるだけ早めに冷蔵庫に入れましょう。

・原因となる細菌を殺菌する
ウェルシュ菌やボツリヌス菌などの芽胞を作る細菌は別にして、ほとんどの細菌は高温で加熱することで死滅します。
75℃で1分以上、食品の中まで火を通すことで安全に食べることが出来ます。
まな板、包丁、ふきんなどについた細菌は熱湯、アルコール、消毒液などで殺菌しましょう。

ここまで食中毒のことについて説明してきました。
カレーだけでなく全ての食品に言えることですが、梅雨の時期には保存する時に注意が必要です。

 

梅雨の時期は特に注意が必要ですね!

梅雨の時期は湿度や温度の高さから、食中毒が増加しやすいのですね。

梅雨の時期のカレーの保存は、必ず冷蔵・冷凍保存をするようにしましょう。
もちろん梅雨時期でないからと安心してはいけませんよ。

食中毒になってしまわないよう、予防対策はしっかり行うようにしましょう。
新鮮な食材を選んだり、加熱によって予防することも可能なので、心掛けるようにしたいですね。