ライ麦と全粒粉。それぞれのパン特徴、栄養の効能とは?

皆さんはライ麦パンや全粒粉パンが体に良いパンということは、ご存知かと思います。

ライ麦パンや全粒粉パンの違いについてご存知ですか?
ライ麦パンはライ麦から作られたパンで、全粒粉パンの全粒粉は小麦粉の一種です。

では、それぞれの特徴や栄養、効能についてお話していきたいと思います。

ライ麦パンの特徴について

ドイツパンで有名なライ麦パン。
小麦粉がメインのいつものパンとは違い、また違った旨味が楽しめます。

中でも、全粒粉のライ麦粉をつかったライ麦パンは、噛めば噛むほどに麦の旨味を味わうことができます。

このライ麦パン、ドイツやオーストリアなどの北欧に広く普及していますが、その起源は、その地域の気候風土に由来します。
このあたりの土地では小麦粉を栽培するのに適していなかったため、代替品としてライ麦が栽培されるようになり、それを加工したものがライ麦パンとなったようです。

ライ麦パンにはとてもたくさんのビタミンやミネラルがバランス良く含まれています。

例えば、疲労回復に役立つビタミンB1、皮膚や粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2、抗酸化ビタミンのビタミンEは活性酵素の発生・酸化を抑え、循環器の老化を防ぎ免疫力を高めてくれます。
そして、脳の神経を正常に働かせるナイアシン、ビタミンB6。
他にも、動脈硬化予防やストレス緩和効果のあるパントテン酸。
女性には必要不可欠な葉酸まで含まれています。

さらにミネラルでは、骨や歯を構成するのに大事なカルシウム、リン、マグネシウム。疲労回復、利尿作用、高血圧の予防に役立つカリウムが含まれています。

 

ライ麦パンに含まれるビタミン郡の栄養の効能について

では、ライ麦や全粒粉のパンに含まれるビタミンの効能について詳しく見ていきましょう。

ビタミンB1は炭水化物に代表される糖分の代謝を助け、エネルギーを作り出すので疲労回復に役立ちます。
脳神経や手足の抹消神経、筋肉は糖質を栄養源としているのでその機能を正常に保ちます。

同じくビタミンB2も、三大栄養素を体内でエネルギーに変え、代謝を支えます。
細胞の代謝を促進して皮膚や粘膜の維持、成長にかかわるので、お肌や成長期の子供には欠かせない栄養素です。

別名ビタミンB3といわれるナイアシンは水溶性ビタミンの一種です。
こちらも三大栄養素の代謝によりエネルギーを作り出す過程で働きます。
皮膚や粘膜を健康に保つだけでなく、脳神経を正常に働かせるのに必要不可欠なビタミンです。

パントテン酸は体内でも合成することができるビタミンB5と呼ばれる栄養素です。
動植物食品に広く含まれ、善玉コレステロールやホルモン、抗体などを作りだします。
なので、動脈硬化予防やストレス緩和、皮膚や粘膜の維持に役立ちます。

皮膚炎の予防から発見されたビタミンB6は、人間の体内の腸内細胞からも一部作られています。
こちらも皮膚や粘膜の維持に役立ちます。

最後にビタミンEです。
こちらは強力な抗酸化作用により活性酵素の発生と酸化を抑えます。
なので、細胞の酸化防止や血管、肌の老化防止、細胞の修復などで免疫力を高め、動脈硬化やがんの予防につながります。

 

ライ麦パンのビタミン群以外の栄養の効能について

ライ麦や全粒粉のパンにはビタミン以外の栄養も含まれています。

まず、妊婦さんには必要不可欠な葉酸です。
細胞の生まれ変わりと赤血球を作り出すのに欠かせない葉酸は、盛んに成長する胎児にとって大変重要な栄養素です。

骨や歯を作るのに外せないのが、カルシウム・マグネシウム・リンです。
カルシウムには血液凝固作用や筋肉、神経に作用します。
心臓や手足を動かしたり、神経に作用して緊張や興奮を鎮めることができます。

そしてマグネシウムはこのカルシウムと密接な関係にあると言えます。
また、エネルギーを作り出す際に必要な酵素にとっても必要不可欠な存在です。

さらにリンは体内の80%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくるのに使われます。
残りの20%は、身体の様々な組織に含まれており、エネルギーや脂質の代謝に大変重要な働きをしています。

貧血の予防でよく知られる鉄は、肺でとりこんだ酸素を全身の細胞や組織に運ぶ役割をしています。
実際にはヘモグロビンが細胞に酸素や栄養を届ける際に大切なミネラルです。

そして、カリウムです。
カリウムは体内のほとんどの細胞に存在します。
カリウムはナトリウムと一緒になり、汗や尿として排出されます。
ナトリウムは摂り過ぎると高血圧になる危険性がありますが、それをカリウムとバランスを摂ることにより、防いでくれます。
日々の食事でカリウムの摂取は大変重要だと言えるでしょう。

 

全粒粉パンってどんなパン?

さて、ここまではライ麦の栄養について話してきましたが、さらっと出ておりました「全粒粉」について詳しく説明したいと思います。

全粒粉とは、小麦を丸ごと皮も含めて挽いたもののことです。

小麦一粒というのは、表皮、胚芽、胚乳などの部分でできています。
その小麦を表皮、胚芽、胚乳全部丸ごと挽いたものが全粒粉です。
通常スーパーなどに売られている薄力粉などの小麦粉は胚乳部分のみの挽いたものになります。

つまり、この全粒粉を使用して作られたパンが「全粒粉パン」です。

表皮と胚芽は胚乳に比べて栄養価が高いのが特徴です。
食物繊維やビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど美容面と健康面で欠かせない要素がたくさん含まれています。

全粒粉パンのメリットとしては、まず食物繊維がたくさん摂れることです。

現代人は野菜不足とよく言われますが、日々のパンを全粒粉パンに替えてみることで、少し改善されると思います。

また、全粒粉パンは噛みごたえがあるので食べ過ぎを防げます。
そして消化するのに時間がかかるため、腹持ちもよいと言えるでしょう。
なので、便秘解消やダイエットされている方にはオススメです。

 

全粒粉パンに含まれる栄養と効能について

最後に、全粒粉パンの栄養についても詳しく見てみましょう。

まず、カリウムです。
ナトリウムとともに細胞内液の浸透圧を一定に保つよう調節することができます。

そして、骨や歯の形成に重要なカルシウム、マグネシウム、リンです。

マグネシウムは、血液循環を正常に保つという働きも持っています。

リンはカルシウムの次に多いミネラルで筋肉や脳、神経にも存在しています。

全粒粉には、他にも亜鉛や銅、マンガンやライ麦にも含まれていた鉄も含まれています。

亜鉛は味覚を正常に保つ栄養素です。
また、タンパク質や核酸の代謝に関係しています。

銅も鉄同様、赤血球の形成を助ける機能があります。
多くの体内酵素の働きを正常に保つのに関わっていて、骨の形成も助ける役割があります。

最後にマンガンです。
マンガンは人間の体の組織や臓器に広く存在し、様々な酵素を活性化させたり、その構成成分となったりしています。
結合組織を合成したり酸化を防止するなど、代謝に広くかかわる栄養素です。

 

全粒粉パンもライ麦パンと同様栄養が豊富!

全粒粉パンもライ麦パンと似た成分が含まれています。

まずはビタミンEです。
これは抗酸化作用により体内に存在する脂質を酸化から守ってくれます。

そしてライ麦でも出てきました、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、パンテトン酸です。
これは皮膚、粘膜の健康を維持してくれる働きがあるとお話ししましたね。
また、ビタミンB6はタンパク質からのエネルギーを生産してくれます。

妊婦に欠かせない葉酸も含まれています。
こちらは赤血球の形成を助け、胎児の正常な発育に重要な栄養素です。

ここからは全粒粉特有の栄養素です。

まず、ナイアシンです。
これは、アルコールの分解し動脈硬化を予防したり、三大栄養素をエネルギーに変えてくれます。
ビタミンB群の仲間で、「ニコチンアミド」「ニコチン酸」などの総称です。

最後にビオチンです。
アミノ酸や脂質の分解と代謝を助ける働きがあります。

①肝臓
②腎臓
③筋肉
④乳腺
⑤消化管
と順に多く含まれています。
三大栄養素の代謝の過程で酵素の働きを助ける役割もあります。

 

健康に良いものを選びましょう!

いかがでしたか。

ライ麦パンと全粒粉パンの違いは、ライ麦と小麦でもともと種類が違うのですね。

パンを選ぶ際は、できるだけ白くて柔らかいパンより、ライ麦パンや全粒粉パンなどの歯ごたえのあるパンを選ぶようにしましょう。

歯ごたえのあるパンで咀嚼回数を増やすことによって、顎にもよさそうですし、満腹感も得られるかもしれませんね。