ダイエットやメタボリックシンドロームの予防のためには、食事改善が欠かせません。
食事改善で食べ方を変え、摂取カロリーや糖分の補給をコントロールした後で運動をすることが、ダイエットや生活習慣病予防のセオリーです。
ところが食べる量が減ると、タンパク質が不足することがあります。
そのような場合には、プロテインでタンパク質を補いましょう。
良質なタンパク質と言われるプロテインとは
かつてプロテインとは、アスリートやウエイトトレーニングをする人々の、専用食品だと思われた時代がありました。
その後健康に興味を持つ人が増えたことにより、プロテインも一般に普及し始めたのです。
しかし、プロテインについて名前は知っていても、実際はどのようなものか、理解している人はまだまだ少ないものです。
プロテインはウエイトトレーニングだけではなく、食事改善にも活用できるものです。
プロテインについて知っておくことは、決して無駄にはならないでしょう。
プロテインとは、基本的にタンパク質と同じものです。
ではなぜ同じタンパク質なのに、わざわざプロテインを摂取する必要があるのでしょうか。
その答えは、タンパク質を摂取する時の効率性にあります。
1日に必要となるタンパク質を食事から得ようとすると、かなりの量の食材を食べなければなりません。
プロテインはタンパク質そのものなので、必要量を補給するのが簡単です。
また、通常の食事でタンパク質の摂取量を増やそうとすると、脂質の量も増えてしまいます。
脂質も人間が活動するうえでとても大事な栄養素ですが、とりすぎると身体にとってはよくありません。
こうした点から、プロテインを補給することが広がってきたのです。
タンパク質としてのプロテインの効果的なとり方
プロテインは、ウエイトトレーニングや食事改善だけではなく、成長期のお子さんの成長を助けるためにも活かせる食品です。
必要な時に摂取するだけでもよいのですが、より効果的に活用するために、知っておくとよいとり方があります。
筋肉を増やす目的でトレーニングをしているのなら、運動後の30分以内にプロテインをとりましょう。
運動をした直後というのは、筋肉が損傷されている状態にあります。
そのままでは筋肉が回復するまでに時間がかかります。
その時に良質なタンパク質を補給すると、「超回復」と言われる現象が起き、以前よりも強力な筋肉ができあがるのです。
そのため、運動後30分はゴールデンタイムと呼ばれることもあります。
この時間を狙ってプロテインを補給することは、筋肉の増強にとても役立つのです。
成長期のお子さんは、夜寝る前にプロテインを補給するとよいでしょう。
というのは、睡眠中は成長ホルモンの分泌量が増えるからです。
それを考慮すると、眠りにつく1時間前ぐらいに適量のプロテインを補給するのが最も効果的と言われています。
朝食でタンパク質をあまり補給できない場合には、食事の補助としてプロテインをとることをおすすめします。
食事の代わりにプロテインで食事改善
プロテインを利用した食事改善をおすすめする理由には、次のようなものがあります。
・効果的にタンパク質を補給できる
・余分な脂質をとらないようコントロールできる
・良質なタンパク質を補給できる
・準備をするのが簡単である
まず、1日に必要なタンパク質を食事でとろうとすると、結構な量の肉や魚を食べなければなりません。
タンパク質は大豆からもとれますが、やはりかなりの量が必要になります。
その点プロテインはタンパク質そのものなので、必要量を補給することが容易です。
次に脂質ですが、肉や魚などから必要量のタンパク質を摂取すると、余分な脂質までとることになります。
脂質の取り過ぎは肥満や、メタボリックシンドロームの原因にもなるので注意が必要です。
プロテインには脂質が含まれないので、安心してタンパク質を補給できます。
また、プロテインとして販売されている製品は、良質な原材料を使用していることがほとんどです。
しかも凝縮しているので、さらに身体によいとされています。
プロテインにはいろいろありますが、どのプロテインも手軽に使用できるのが特徴です。
ある程度の保存もできるので、食卓に常備しておくとよいでしょう。
良質なタンパク質としておすすめのプロテインとは
では、市販されているプロテインについて見てみましょう。
日本で手に入る主なプロテインには、次の3種類があります。
・ホエイプロテイン
・カゼインプロテイン
・ソイプロテイン
このうちホエイプロテインとカゼインプロテインは動物性タンパク質であり、ソイプロテインは植物性で大豆が主な原料となります。
動物性プロテインといっても肉というわけではなく、牛乳を原料としています。
同じ牛乳を原料としているホエイプロテインとカゼインプロテインとの違いは、プロテインに含まれる成分によるものです。
ホエイプロテインは牛乳のうち、乳清と呼ばれる成分を主に使用しています。
乳清は筋肉の増強に役立つので、ウエイトトレーニングを行った後に摂取するとよいでしょう。
対するカゼインプロテインは、生乳を主成分としています。
カゼインプロテインは吸収が遅いので、満腹感を長い間得られます。
そのため、朝食に利用したり寝る前に摂取したりするのに最適です。
ダイエットに活用できるプロテインというわけです。
ソイプロテインは血中コレステロールや中性脂肪に効果があるといわれており、基礎代謝も高まるので、健康維持効果が期待できます。
食事改善にもぴったりのプロテインです。
プロテインは食事改善だけではなくダイエットにも有効
プロテインはタンパク質を効果的に補給できるので、食事改善にもってこいな食品ですが、ダイエットにも有効活用できます。
プロテインをダイエットに活かす最も有効なダイエット方法は、置き換えダイエットです。
置き換えダイエットは普段の食事のうち、1食か2食をある食品に置き換えるやり方が主流となっています。
置き換え方はいろいろありますが、プロテインを置き換える場合には、他の食品もちゃんと食べるのが賢明です。
というのは、プロテインだけでは栄養のバランスが悪くなるからです。
野菜や炭水化物は必要量をちゃんと食べ、タンパク質をプロテインで補給するのが、身体にもよいダイエット方法になります。
タンパク質をプロテインにすれば脂質を減らせますし、カゼインプロテインなら満腹感が持続するので間食をとらなくてもよくなります。
急激なダイエットには向きませんが、継続性のあるダイエットになるので、かえって効果的なのです。
これに運動を加えることで、理想的なダイエットが実現できます。
食事改善でプロテインをとる時の注意点とは
食事改善だけではなく、ダイエットにもウエイトトレーニングにも有効なプロテインですが、注意点もあることを覚えておきましょう。
まずプロテインはタンパク質なので、分解するために内臓に負担がかかります。
普段の食事量で摂取するぐらいの量なら大丈夫なのですが、一度に大量のプロテインをとると、内臓は疲弊してしまいます。
そのため、プロテインを摂取する時には、25gぐらいにとどめるのが賢明です。
これを1日2回ほど摂取すれば、1日のタンパク質の必要量になるのです。
激しい運動をした後などには、もう少し量を増やすのもよいでしょう。
また、プロテイン自体にもカロリーがあるので、過剰にとるとカロリーオーバーを招きます。
ダイエットのつもりが、余計にカロリーをとることになっては、本末転倒です。
もうひとつ注意をしたい点は、余計な食品添加物です。
特に海外の製品には、フレーバーをつけるために必要のない添加物が使われていることがあります。
成分表をよくチェックし、安全なプロテインだけを利用するようにしましょう。
効果的にタンパク質を補給するために
プロテインは良質なタンパク質を補給するのに、とても適した食品です。
食事改善に役立ちますし、ダイエットや筋肉の増強にも効果的です。
しかし、プロテインだけを大量に摂取すればよいというわけではありません。
安全な製品を選び、正しい用法用量を守ることが大事です。
その点を注意すれば、健康的な生活にとても役立ちます。
上手に活用し、健康的な生活を送りましょう。