「このチョコレートはビターだから、カロリーもゼロに近いですよ」
「コレステロールゼロの油を使用しています」
食事のお話をしていると、健康に気を付けている方からよく聞くフレーズですが、本当なのでしょうか。
飲食物には「ゼロ」「カロリーオフ」などと、よく表記されていますね。
それぞれ規定があり、ちゃんと見るとからくりが潜んでいることもあります。
購入する際には、少し注意が必要です。
ビターとゼロの表記
「ビター」という言葉は、意味として、
①苦みがある様子、また、そのものであり、例として「ビターチョコレート」「ビターなママレードジャム」などが挙げられます。
②ホップの味が聞いたビールの1種となります。
ビターマイルドとなると、苦みを和らげた状態ということになります。
また、カロリーがゼロと表記できるものは、液体で100ml当たり5kcal未満のものです。
500mlのペットボトルの飲料の場合で考えると、全部飲んで0~21kcalと、実は幅ができていますが、ゼロと表記ができます。
そこから考えると、ビターチョコレートは決してカロリーがゼロでもないことは容易に想像がつきます。
ビターなビール…海外での表記が多そうですが、苦い=カロリーが少ないというわけではありません。
それでは、ゼロと表記してあるのは、何がゼロで、カロリーはどうなっているのかが気になりますよね。
表記だけを見てパッと飛びつくと、何もゼロになっていないということになりかねませんので注意しましょう。
「ビター」と「ゼロ」の一般使用例
ビターチョコレートは、ミルク(乳製品)が入らない、カカオマスが40~60%のチョコレートを指します。
また、カカオ分が70~90%の低糖チョコレートを指す場合もあります。
チョコレートの原料はご存知の通り、カカオの豆から作られ、それに砂糖を足して苦みを抑え、チョコレートとして私たちが口にする状態になって手元にやってきます。
カロリーゼロと表記できるのは、100mlあたり5kcal未満、低カロリーと表記できるのは100ml当たりカロリー20kcal未満でなければならないと、制定されています。
一般表記事項も合わせて示さなければならず、kcal、栄養成分表示(糖質、タンパク質、脂質)も表示しなければなりません。
ですから、「ゼロ」や「ビター」の表記だけでは、それがカロリーゼロとは限らないし、記号のものが控えられているとは限らないことになります。
ビターチョコレートにはカロリーがある!
チョコレートのお菓子の中でも、「ゼロ」を全面に押し出したものが販売されています。
食用油も、「コレステロールゼロ」と表記がされています。
間違えて認識していただきたくないのは、「ゼロ」と表記してあるものは、「カロリーゼロ」ではないことです。
チョコレートは、カカオマスに砂糖やミルクを足して、苦みを和らげた状態のもので、加えた糖質がゼロにはできます。
砂糖ではなく、人工甘味料を加えれば、砂糖そのものは使用がゼロになります。
でも、カカオ豆は、種実ですので、落花生やアーモンドと同じ仲間になりますので、脂質が多く含まれます。
糖質1g4kcal、タンパク質1g4kcal、脂質1g9kcalとなります。
カカオのカロリーはカットすることはできません。
カカオのカロリーが発生してしまうことは、ビターチョコレートでも同様です。
また、コレステロールゼロというのは、油の成分の話であって、油である以上カロリーは1g9kcalです。
この内容を知っていれば、大抵のものはカロリーがあり、ゼロになっているのは加えるものや成分が組み替えられているにすぎないことが理解できます。
ゼロカロリーのものは何があるの?
カロリーを気にしていると、ゼロカロリーというものにひかれますし、よく選ぶのではないでしょうか。
食物繊維は体内で消化ができないので、カロリーは限りなく発生しません。
食べ物で言うと、寒天で、甘みは人工甘味料(主に食物繊維の1種)でつけてあると、限りなくゼロになります。
また、寒天サラダをドレッシングなしで食べたり、ほぼ食物繊維でできているこんにゃくを食べれば、カロリーはゼロに近いです。
それでも味がないととても食べられないもので、何かしら味を付ける、油を足すことによって、カロリーは発生します。
飲み物では、カロリーゼロのサイダーや飲み物が出ていますが、これも人工甘味料で甘さを付けています。
使用されているものは食物繊維ですので、大量に摂ると、お腹の調子が悪くなることもあり、よく読むと注意喚起がしてあります。
通常飲むお茶やミネラルウォーターは、カロリーはゼロです。
コーヒーはブラックであればカロリーゼロですし、紅茶も砂糖を入れないストレートティーであればカロリーがゼロになります。
「苦み」を感じるもの、抹茶や出しすぎた紅茶、濃いコーヒーがビターとなります。
美味しく飲むためには、やはり砂糖が入って苦みが和らいだ状態がベストではないでしょうか。
苦みだけの飲み物を口にすることは、実際にはとても困難なのです。
ゼロ表記とカロリー表記
苦みを和らげるのは、甘さと油になります。
例えば、苦い薬を子供に飲ませるとき、甘いゼリーやジャムに薬をくるんで飲ませるというテクニックを使ったことがある方も多いと思います。
ビターチョコレートは、通常のミルクチョコレート等よりは、砂糖が少ないですが、カロリーとしてはさほど変わりません。
苦いものをそのまま食べることができない人間の味覚なので、砂糖で甘さを足して食べるのです。
「ゼロ」と表記が前面に押し出されているのは、大抵「砂糖不使用」です。
カカオそのものにカロリーがありますので、カロリーはゼロではありませんが、人工甘味料、つまり砂糖ではないもので甘みを付けているので、「砂糖ゼロ」なのです。
チョコレート菓子では、フレークやウエハースをくるんであるものも多いですが、砂糖ゼロであれば、「ゼロ」の部分を全面アピールされていることが多く、そこだけ見ると、ゼロカロリーと勘違いをしやすい部分です。
メーカーによっては、糖尿病の患者や健康に気を遣う人に向けたチョコレート菓子も見ますが、カロリーはカウントしやすい80kcalや1つ100kcalに合わせて、サイズが小さいものになっています。
ダイエット中はカロリーゼロ表記に気をつけて!
最初に、苦いビールのことに触れました。
アルコールにもカロリーがあります。アルコール1g7kcalです。
ですから、ビターなビールもカロリーはありますし、アルコールを多飲することはカロリーをたくさん取りかねませんので、苦いだけでは判断ができません。
カロリーゼロのお菓子も、簡単にはないものですし、カロリーゼロの食べ物は、それだけ食べ続けるにはかなりの苦痛が伴います。
もし、ビターチョコレートがカロリーが低いと思っていたらそれは間違えですので、よく表示を確認して下さい。
ゼロと勘違いしやすい表記が多いですし、それをそのまま鵜呑みにしてしまうと、ダイエットやカロリー制限には程遠いです。
飲み物やお酒、食べ物の表記に○○ゼロと表記があるときは、ぜひ表示やそのほかの成分も見る必要があります。
苦いものがカロリーが低いのは、砂糖が加えられていない場合が多いです。
例えば、茶道で飲むお抹茶は、お茶のほのかな甘みと苦みがあります。
口の中の苦さを和らげるために、甘い和菓子が必ず添えられています。
甘い和菓子を少しずついただきながらお茶を飲んで、口の中の苦みを適度に調節するのです。
人工甘味料にも色々とありますが、熱に弱いものもあり、使用方法を間違えると苦みが出てしまう場合があります。
また、砂糖の純粋な甘さとは異なる甘みが気になる人もいますので、使用方法や使用量に気をつける必要があります。
人工甘味料でカロリーゼロにした飲み物に慣れてしまうと、甘さがないと物足りないという感覚に陥ってしまうおそれもあります。
通常の砂糖を使用した飲み物に気をつけたとしても、カロリーゼロとうたわれている飲み物を多量に摂取してしまっては、意味がありませんよね。
飲食物は、摂る量と内容に気を付けるのが大切なポイントとなります。
カロリーゼロの甘い罠に落ちないようにしよう
ビターチョコレートは板チョコ類であれば、ミルクチョコレートもホワイトチョコレートもカロリーは大きく変わりません。
砂糖が多いかミルク(乳製品)が多いかだけで、ビターチョコレートには砂糖が使われているのです。
飲食物にカロリーゼロの表記を見つけても、安易に飛びつかないように注意してください。
カロリーゼロでも、糖質ゼロでも、摂取量にはくれぐれも気をつけましょう。