飽食の時代と言われて久しい現代、生活習慣病に悩む人々も増えています。
そこでダイエットに取り組もうというとき、気になるのはカロリーの一日の摂取量ではないでしょうか。
ダイエットの基本とも言うべきものは食事の管理です。
ただ闇雲に食事の量を減らせば良いというわけではありません。
目標体重まで減量するのに最適な摂取量を割り出すには、正しい摂取量を知る必要があります。
では、一日に必要な摂取量を見ていきましょう。
カロリーの基本についておさらいをしよう!
何気なく毎日のように、カロリーという言葉を我々は使用しています。
しかし、カロリーの厳密な意味を知って使っているでしょうか。
ここで改めて、カロリーについて確認してみましょう。
カロリーとは熱量のことです。
熱量は普通、エネルギーという言葉を使いますが、栄養を考えるときはカロリーを使用することが多いですね。
我々の体内でエネルギーになるのは次の3つのみです。
たんぱく質、脂質、炭水化物。
カロリーとはこの3種から得られる熱量の合計を意味しているのです。
我々が痩せようとする場合、次の公式が成り立ちます。
一日の消費カロリーが、一日の摂取カロリー以上である。
つまり、我々が一日で必要とするカロリーがわかれば、摂取量をそれ以下にすれば良いわけですね。
さて、一日に必要なカロリーの摂取量は年齢と、どのくらい身体を使った生活をしているかで違ってきます。
基本としては、基礎代謝基準値×平均体重=基礎代謝量が目安になります。
基礎代謝基準値とは、一日に生きていくのに最低必要なカロリーの値です。
では年代別に詳しく見ていきましょう。
育ち盛りの10代での一日に必要なカロリーの摂取量
10代では学校生活を送っている期間が長く、基本的には同じような生活習慣だと思われますが、クラブ活動でも差が出ますし、通学手段でも差が出るでしょう。
また、同じ10代でも、10才から14才と、15才から19才では違いますが、ここでは15才から17才の数値を見てみます。
まず最初に厚生労働省が作成した、2015年度版の必要エネルギー量から引用します。
15才から17才 男子
レベル1=2,500 レベル2=2,850 レベル3=3,150
15才から17才 女子
レベル1=2,050レベル2=2,300 レベル3=2,550
(単位はkcal/一日)
これらの数字は、先ほど見た次の式から出された数字に、さらに身体活動レベルの係数をかけ合わせたものです。
基礎代謝基準値×平均体重=基礎代謝量
つまり、基礎代謝量×身体活動レベルが一日に必要なカロリーとなるわけです。
身体活動レベルをおおまかに表現すると次のようになります。
レベル1 ほとんど座って過ごす生活
レベル2 座っていることが多いが、軽い運動もする生活
レベル3 スポーツをしたり、立っていることが多い生活
この係数は年齢で分けられてますが、男女では同じ値となります。
ご自分の身体活動レベルに合った数値が、一日の必要カロリー摂取量となるわけです。
10代のうちは、これらの数値をだいたいの目安で覚えておけば大丈夫でしょう。
20代のうちから気をつけよう!一日に必要なカロリーの摂取量
ここでも厚生労働省が作成した、2015年度版の一日に必要なエネルギー量の表から引用しましょう。
18才から29才 男子
レベル1=2,300 レベル2=2,650 レベル3=3050
18才から29才 女子
レベル1=1,650レベル2=1950 レベル3=2,200
(単位はkcal/一日)
それぞれの身体活動レベルの目安はこちらです。
レベル1 ほとんど座って過ごす生活
レベル2 座っていることが多いが、軽い運動もする生活
レベル3 スポーツをしたり、立っていることが多い生活
この数値を見ると、17才までと比較して減少していることがわかりますね。
なぜ減少したかというと、基礎代謝基準値が減ったからなんです。
つまり、育ち盛りの10代から成人して、身体の成長も少なくなる20代では代謝が落ちてくるというわけです。
特に女子の各レベルの数値の減少が目立ちます。
おおむね、400キロカロリーも減っていますので、10代と同じカロリー摂取量で食事を取っているとその分太ってしまうのです。
社会人となり、外での食事や飲み会なども増えて来る20代は、10代の頃以上にカロリーに気を付けなければなりませんね。
生活習慣病が気になりだす30代、40代での一日に必要なカロリーの摂取量
30代、40代男女の一日に必要なカロリーの摂取量は、このようになっています。
30才から49才 男子
レベル1=2,300 レベル2=2,650 レベル3=3050
30才から49才 女子
レベル1=1,750レベル2=2,000 レベル3=2,300
(単位はkcal/一日)
レベル1 ほとんど座って過ごす生活
レベル2 座っていることが多いが、軽い運動もする生活
レベル3 スポーツをしたり、立っていることが多い生活
20代と比較すると、男子は全く同じですが女子が増えていることがわかります。
代謝は年代と共に減りますが、増えることはまれです。
では何故女子の必要カロリーが増えたのでしょうか。
実は男女とも、基礎代謝基準値は減っているのです。
ところが平均体重が増加しているので、結果的に必要カロリー数も増えたというわけですね。
男子は基礎代謝基準値の減少と、平均体重の増加が相殺されて同じ数値となっています。
だいたいこの頃から生活習慣病に注意が必要になってくる年代になります。
必要カロリー数が増えたからといって、食べる量を増やしても良いというわけではありません。
ご自分の体重の管理に気を付けて、成人病を予防しましょう。
若い頃とは違う!50代、60代での一日に必要なカロリーの摂取量
50代、60代男女の一日に必要なカロリーの摂取量はこちらです。
50才から69才 男子
レベル1=2,100 レベル2=2,450 レベル3=2,800
50才から69才 女子
レベル1=1,650レベル2=1,900 レベル3=2,200
(単位はkcal/一日)
レベル1 ほとんど座って過ごす生活
レベル2 座っていることが多いが、軽い運動もする生活
レベル3 スポーツをしたり、立っていることが多い生活
30代、40代と比較すると、全部の項目で減少しているのがわかります。
身体活動レベルの係数は同じなので、平均体重と基礎代謝基準値の減少が影響をしていることになります。
年代と共に、基礎代謝は確実に落ちてきます。
以前と同じ食事では、消費されないカロリーがどんどん体内に蓄えられます。
生活習慣病を発症する割合も増えてきて、食生活にはさらなる注意が必要になってきます。
生活を根本から見直す時期だとも言えるでしょう。
軽い運動、散歩などを毎日の生活に取り入れるのも大事です。
最近は糖分控えめなお酒も出ていますが、アルコール自体がカロリーの高い飲み物なので、お酒もほどほどにしましょう。
70代以上であればカロリーの摂取量はほどほどに
70代以上の男女の一日に必要なカロリーの摂取量はこちらです。
70才以上 男子
レベル1=1,850 レベル2=2,200 レベル3=2,500
70才以上 女子
レベル1=1,500レベル2=1,750 レベル3=2,000
(単位はkcal/一日)
レベル1 ほとんど座って過ごす生活
レベル2 座っていることが多いが、軽い運動もする生活
レベル3 スポーツをしたり、立っていることが多い生活
70才以上の数値を60代と比較すると、基礎代謝基準値は同じですが、平均体重はますます低下しています。
特に病気ではない場合、体重の減少は筋肉の減少だと考えることができます。
筋肉が減った分、カロリーの消費も少なくなりますので、さらにカロリーの摂取量には注意が必要になってきます。
特に身体活動レベルが1だと、男女とも2,000キロカロリーを切っています。
男性の場合、おおまかに2,000キロカロリーと覚えていると、消費しきれなくなります。
3食のバランスを考え、ご飯を減らすなどの工夫が必要になります。
また、ついお茶菓子などをつまんでしまいがちな、毎日の生活習慣も改善しましょう。
おやつには低カロリーのものを選ぶのも大事です。
一日のカロリー摂取量を気にする習慣をつけよう!
今回は厚生労働省が発表した、一日のカロリー摂取量をもとに、各年代の必要摂取量を見てきました。
これらはおおまかな数値なので、実際は各々の体重により変化します。
平均体重との差が大きい方は、その分の増減に注意が必要です。
また、せっかく数値を知っても、生活に活かさなければ意味はありません。
コンビニやスーパーなどの食品にはカロリーが表示されています。
それらをこまめに見て、食生活の参考にしましょう。