冷蔵庫はとても便利な家電で、玄米の保存にも浸水のためにも使えます。
ですがその場合に、冷蔵庫の温度が玄米に与える影響とは、どのようなものになるのか、気になる方も多いことでしょう。
今回は、冷蔵庫の温度がどのように玄米に影響するのか、また便利な家電として使えるのかを調べましたので、注意点やポイントをチェックしてみて下さい。
玄米を冷蔵庫で浸水させるべき時はあるの?
まず冷蔵庫を使いたい時のことを考えると、「夏」が思い当たるのではないでしょうか。
そう考えると、玄米を炊飯器で炊く前には、浸水をすることがいいと言われているため、その際の保存場所に冷蔵庫を使うことになります。
夏場に室温で玄米を浸水しておくと、菌が繁殖しやすくなるので、それは望ましくないため、冷蔵庫を使うことは良い方法と言えるでしょう。
それというのも水温が30℃近くなったり、またはそれ以上の温度になった水に漬けていると、セレウス菌や黄色ブドウ球菌などが繁殖しやすくなるようなのです。
例えば「セレウス菌は加熱しても死滅しない」特徴を持つ食中毒の原因になる菌で、症状は嘔吐や下痢が見られるタイプです。
黄色ブドウ球菌については、人の手の傷からも菌が見つかり、それが原因となって広がっていくので、玄米を取り扱うときにも注意が必要となります。
このように一度菌が発生すると厄介なため、暑くなる季節は冷蔵庫を使って、玄米を浸水させる方が良いでしょう。
冷蔵庫を玄米の保存や浸水に使った時の栄養価への影響とは?
玄米は高温多湿の場所を嫌うので、夏場の保存や浸水時間においては、冷蔵庫を使わないといけないことになります。
その場合、虫やカビは避けられるのですが、玄米に含まれる栄養素については、栄養価が変化することはないのか、疑問を持たれる方もいるでしょう。
そもそも栄養価が落ちる原因は、「乾燥」「空気に触れることで酸化が進む」などが理由と見られます。
そのため暑い季節は、玄米の持つ栄養素のためにも、直射日光が当たるような、高温多湿の場所での保存は避けたくなりますよね。
そして、具体的に玄米に含まれる栄養価の変化ですが、例えば水溶性のビタミンは、浸水をすると水に栄養が出てしまうことになります。
ただし玄米は栄養を体内で消化しにくい食品と言われていて、薄皮(ヌカ)でしっかりと覆われているため、中の栄養分は溶け出しにくいはずです。
そうなると薄皮の部分にどんな栄養があるのかですが、主な成分は食物繊維とビタミンB群となります。
玄米に含まれる食物繊維の大部分は不溶性の食物繊維なのでいいのですが、ビタミンB群の水溶性ビタミンが水の中に溶け出してしまうのは残念ですね。
ただ、玄米の場合は日頃から洗米をすることで、ある程度ヌカを洗い流すことにもなっているので、栄養素の水への流出はあまり影響はないでしょう。
そして玄米に含まれるビタミンB1などは、白米の5倍の量が含まれているため、あまり気にしすぎることはないでしょう。
保存や浸水のために玄米を冷蔵庫に置く時の注意点はあるの?
玄米は高温多湿の場所が苦手なので、直射日光の当たらない、室温が12℃~14℃の、湿度が55%~75%の場所がおすすめになります。
そうなると、夏場の国内は40℃ともいわれる気温なので、冷蔵庫に入れて保存や浸水をする方が良いはずです。
その時に保存や浸水をする上での注意点を見てみましょう。
まず、玄米を発芽させるのは34℃の水温がベストと言われてもいるのですが、室温が30℃を超えると食中毒の菌も繁殖しやすくなるようです。
そのため、発芽をさせて栄養価を上げる時にも、気温の高い時期は焦らず冷蔵庫でゆっくりと、発芽をさせる方法が安心です。
この場合、野菜室の方がほんの少し温度が低いようなので、スペースがあれば、保存や浸水には野菜室を選んで置いておくと良いでしょう。
そして玄米を軟らかくおいしく炊くために、夏場に浸水をする場合も、冷蔵庫でゆっくりと水を吸収させることが、良い方法となります。
あるお米屋さん情報では、浸水させている時の水は、長時間置いて玄米が発芽するようになると、水が濁ってきたり小さな泡がプクプク出てくるようになります。
そうした場合も含め、水を交換した上で炊飯器にセットすることが、おいしい香りのよい玄米を炊くために、おすすめの方法とされているのでご参考にして下さい。
玄米を冷蔵庫で浸水する適温は何度?
夏場の玄米の取り扱いについては、暑さ対策を考えて冷蔵庫を利用する場合が多くなるでしょう。
その際には、玄米に水を吸収させるために、浸水をさせた状態で冷蔵庫に置くことになりますよね。
例えば玄米に水を吸収させ早く発芽させるために、ぬるま湯につける方法が見られます。
そう考えると、玄米を浸水させる水は、あまり低い温度ではない方が望ましいことになります。
ただそうなってくると、冷蔵庫で保存をした時の温度のことが気になるのではないでしょうか。
その場合、保存する側の冷蔵庫の温度に関しては、このような情報が見られます。
あるメーカーさんの冷蔵庫の冷蔵室は、1℃~8℃の温度調整ができるようになっていて、だいたい2℃~6℃辺りが食品にちょうど良い温度になるそうです。
また、冷蔵庫の野菜室の温度は3℃~7℃辺りの温度になります。
具体的に玄米の浸水にぴったりの温度の情報は見られないのですが、少しの温度差ではあっても野菜室で保存をする方が、望ましいと言えます。
「もしも野菜室にスペースがあれば置く」という考え方でも良いかもしれませんね。
玄米を冷蔵庫で「保存する」「保存しない」に違いはあるの?
玄米を高温多湿の場所に置くことは、虫が発生したりカビが生えやすくなるため、避けるべきだと言われています。
そのため夏場には玄米を保存する時も、炊く前に浸水をさせる時にも、冷蔵庫で保存することが望ましくなります。
玄米を保存するために一番良い環境は、室温が12℃~14℃で湿度が55%~75%、そして直射日光が当たらない場所がおすすめとされます。
そうなると冬場の国内であれば、玄米を室温で保存できることが多くなるでしょう。
もちろん暖房をしているので、その場合は温度や湿度に合わせて、冷蔵庫を利用することも必要となるはずです。
玄米を冷蔵庫で保存する、保存しないはそういった温度や湿度の関係で、する必要性が出てくれば利用することになります。
玄米を冷蔵庫で浸水させた場合の発芽への影響は?
あるお米屋さんの情報では、玄米が発芽するためには、一説によれば34℃の水温に6時間ほどつけると良いそうなのです。
そして、積算時間が100時間になると発芽をする計算になるということです。
そう考えると、冷蔵庫で浸水をして発芽をさせる場合、水温が低いのでその分時間がかかってしまうことになりますね。
また、浸水時間を短くするために、ぬるま湯につけて発芽を促すという方法が見られます。
この場合は、玄米が水分を吸収するスピードを速めるようなので、やはり発芽との関係も水の温度は影響するのでしょう。
例えば、冷蔵庫を利用して発芽をさせる時は、冷蔵庫内は2℃~6℃ほどなので、水温を6℃と考えれば、18時間置くと積算時間が100時間となります。
衛生面を考えた場合には、冷蔵庫でゆっくりと浸水をする方が、おいしい玄米が食べられそうに感じられます。
もしも、浸水している間に水が濁ったり泡が出てくるようなら、玄米が発芽モードになっているようです。
夏場なら浸水している間に、一度か二度水を変えると、衛生面でもより安心できそうですね。
室温が30℃以上になれば玄米は冷蔵庫で浸水させる方がいいでしょう
冬場に、浸水した玄米をわざわざ冷蔵庫には入れませんが、暖房が効いているいる時には必要になります。
このように暑さ対策で、菌が増殖しないようにするためにも、玄米は冷蔵庫で保存や浸水をすることが良いようですね。
初夏から初秋にかけて室温が30℃以上になるようなら、冷蔵庫の中で浸水させるようにしましょう。