電子レンジにオーブン機能が搭載されたオーブンレンジには、たいていグリル機能も付いています。
1台で、「電子レンジ」と「オーブン」と「グリル」の3役をこなすにもかかわらず、意外と使いこなせていません。
しかも、コンロにも魚を焼く「グリル」がついていて、ますます使い分け方がわかりません。
今回は、それぞれの機能の違いによる適した料理の使い分け方や、出来あがるまでの時間などについてお話しします。
電子レンジとグリル、レンジグリルはどこがどう違うの?
電子レンジは、電磁波を食材に照射します。
すると、中の水分と電波の衝突によって起こる振動から、食品自体が熱を発し、火が通るという構造をしています。
食材の水分が温まって加熱されますから、せいぜいが130℃くらいまでしか温度が上がりません。
温まり方も、食材の内部から先に、だんだん外へと温まっていきます。
蒸し器で蒸す感じに似ており、焼き目や焦げ目といったものはつきません。
一方、焼き目や焦げ目がつきやすいのがグリルです。
オーブンレンジに搭載されているグリル機能も、ガスコンロなどの真ん中を占める魚焼きグリルも、基本的には同じ作りで、直火で焼く感じと思っていいでしょう。
機種により片面焼きと両面焼きがありますが、片面焼きは天井に付いた電熱線を、両面焼きは天井と底に付いた電熱線を最強にして、その熱で温め加熱します。
焼き目や焦げ目が付けられ、短時間で焼きあがります。
コンロのグリルはレンジグリルに比べて庫内が狭いため、焼き上がり時間が短くて済みます。
点火からわずか2分で300℃まで上昇させられるので、高温で焼く調理に適しています。
レンジグリルはコンロのグリルよりは多少時間がかかりますが、一度にさまざまな食材を焼けることから、食事の準備にかける時間が減らせます。
それぞれの特性をうまく生かして、調理に活用してみてください。
電子レンジのオーブンとグリルはどう使い分けたらいい?どちらが時間がかかる?
電子レンジに搭載されているオーブンとグリルの違いについてご説明いたします。
まず、オーブンは温度設定ができますが、グリルはできないという違いがあります。
しかし、どちらも庫内に設置されている電熱器を加熱し、その熱で庫内が温められ、中の食材が加熱される仕組みなのは一緒です。
オーブンでは天井と背面につけられた電熱器が発熱し、その熱で温められた庫内の空気で、食品が蒸し焼きにされます。
中までじっくり火を通すため時間がかかりますが、うまみが外に洩れず、中にぎゅっと閉じ込められるため、大変おいしく仕上がります。
一方レンジグリルでは、天井の電熱器を最大級に加熱して焼き付けます。
そのため短時間で火が通り、焦げ目や焼き目がつけられます。
オーブンでは蒸し焼き、レンジグリルでは直火で焼きたいものに使うといいでしょう。
ローストビーフやケーキなどは、オーブンでじっくり時間をかけて焼き上げるのに適しています。
また、クッキーのように薄くても、ハッキリとした焼き目を付けたくないものにも向いています。
一方焼き魚や焼き鳥など、しっかりした焼き目をつけたいものはレンジグリルがいいでしょう。
ハンバーグステーキなどは、オーブンでじっくり蒸し焼きにしてから、焼け目をつけるためにグリルで焼いてもいいですね。
電子レンジのグリルとコンロのグリルはどう使い分ける?どちらが時間かかる?
コンロのグリルも電子レンジのグリルも、基本的に焼き方に変わりありません。
しかし、コンロのグリルはもっぱら焼き魚用になっていませんか。
魚の脂がこびりついてなかなか落ちず、臭いも残りますよね。
洗うのも大変です。
その点、電子レンジのグリルで魚を焼くと、後片付けがとてもラク。
脂も臭いもサッと拭くだけでこびりつきません。
しかも、いっぺんに何匹もの魚が焼けるので調理時間の短縮につながります。
天板にクッキングシートを敷き、魚と一緒にハーブや野菜を並べ、オリーブオイルと岩塩をかけて焼けば、そのまま食卓に出せるおしゃれな洋風、魚のグリルの完成です。
魚をチキンに変えてもいいですね。
味付けもトマト味にしたり、バターを加えたり、黒コショウなどスパイシーにしてもおいしいでしょう。
このように、電子レンジのグリルはどちらかというとおしゃれな大皿料理、おもてなし料理に使い、コンロのグリルは普段の焼き魚用、と使い分けているかたが多いように感じます。
もちろんそれでもいいですが、普段の焼き魚もレンジグリルにすると、ふっくらジューシーに焼き上がり、焦げすぎてパサパサになることがありません。
オーブンで焼いたようなおいしさにびっくりします。
ただし、機種にもよりますが、コンロのグリルに比べて時間がかかります。
急いでいるならコンロのグリルのほうがいいでしょう。
コンロのグリルはアルミホイルを敷けば洗い物もラクになるうえ、魚以外のものも一緒に焼けて時短できます。
朝に忙しい時のお弁当作りにも役立ちますよ。
余分な脂が落ちるのでヘルシーでもあります。
ぜひお試しください。
食事の準備時間を減らす!電子レンジとコンロのグリルのフル稼働作戦!
もっぱら焼き魚専門になっているコンロのグリルを、もっと使いこなしてみませんか。
着火してすぐ300℃近くの高温になるので、忙しい時の食事の準備時間が短縮できます。
特に朝の忙しい時は、電子レンジとコンロのグリルをフル稼働させて、朝食作りを一気にやってしまいましょう。
例えば朝食に欠かせない食パンのトーストが、コンロのグリルで簡単にできます。
パンを焼いている間に電子レンジで牛乳を温め、コンロで目玉焼きを作れば立派な朝食の完成です。
コンロのグリルにアルミホイルを敷けば、魚以外の食材も簡単に焼けます。
例えば、朝食用に塩鮭を焼いている傍らで、アルミカップに割り入れた卵や、バターに絡めたアスパラガス、ウインナソーセージなどを焼けば、お弁当のおかずもできてしまいます。
夕食も、例えば電子レンジのオーブンモードでグラタンを焼いている間に、アルミホイルを敷いたコンロのグリルで、かぼちゃやアスパラ、エリンギなどを焼き、お好みのドレッシングであえれば焼き野菜サラダが完成します。
さらに、前日の揚げ物の温め直しや、豚肉や鶏肉を焼くのにもコンロのグリルは適しています。
揚げ物の温め直しに電子レンジを使うとベチャッとなるのに対し、グリルならパリッとします。
また、肉をフライパンで焼くときには油が欠かせませんが、グリルなら油を使わないうえ、網から肉の余分な脂が落ちるのでとてもヘルシーです。
ダイエットしているかたにもおすすめです。
コンロのグリルを焼き魚だけにしておくのはもったいないです。
ぜひもっと使ってみてください。
電子レンジのグリルにおまかせ!おいしいアイデアレシピ
コンロのグリルで作っていた焼き魚を、電子レンジのグリルで作ってみませんか。
臭いも油もこびりつかいないので後片付けがラク。
そのうえ魚の切り身なら、一度に4切れ焼ける広さなので、家族全員分が同時に調理でき、準備にかける時間が短縮できます。
特におすすめは魚の照り焼です。
コンロのグリルだと焦げつきやすく、お手入れがとても大変です。
またフライパンで調理すると油が必要になるので、敬遠されているかたもいるはず。
その点、電子レンジのグリルなら、表面に少し焦げ目がつくだけで、中はふっくらジューシーに焼きあがります。
もちろん油は必要ありません。
ダイエットや健康管理を気にされているかたにもおすすめできます。
そしてもう一つおすすめなのが、魚や肉のグリルです。
パーティーなどおもてなし料理にはもちろん、普段の食事にもぜひ活用していただきたいメニューです。
フライパンで焼くのと違って油を使わず、魚や肉本来のうまみが凝縮され、とてもジューシーな味わいに仕上がりますよ。
天板にクッキングシートを敷いて焼けば、後かたずけはシートを捨てるだけなので、とてもラクです。
野菜やハーブ、チーズなどと一緒に焼けば、栄養バランスも良く、それだけでも満足のいく一品に。
おもてなしの場合は、おしゃれな大皿に入れて焼くと、器ごと食卓に並べられて便利です。
また、小皿にエビやホタテ、にんにく、塩コショウ、オリーブオイルをかけて焼けば、パーティーのお酒のおつまみになります。
とても簡単なレンジのグリルを活かし、レパートリーを広げてくださいね。
ピザもローストビーフも!オーブンよりグリルのほうがおいしく時間も短縮!
ピザを焼くときは、オーブン、もしくはオーブントースターを使うかたが多いと思いますが、実はグリルの方がおいしく焼けることをご存知ですか。
グリルは電子レンジのオーブン機能よりも高温となるため、釜の奥で炎で燃えている石窯と同じような状態になるそうです。
そのため焼き時間も短くて済み、上下直火型なら2分程度です。
ローストビーフはフライパンで焼き目をつけてから、電子レンジのオーブン機能で中まで火を通すため時間がかかります。
しかしグリルなら予熱要らず。
表面を焼きつつ、中までじんわりと火を通すため、レンジオーブンの約1/3の時間で出来あがります。
急なお客様でおもてなし料理を、というときに助かります。
高温で早く焼けるという利点を生かし、料理にもっともっと活用してくださいね。
簡単でおししくヘルシーな料理ができるグリルをもっと活用して!
いかがでしょうか。
コンロのグリルにせよ、電子レンジのグリル機能にせよ、魚を焼くだけでなく、グリルはさまざな料理に活用できることがわかりました。
すぐに高温になるため、調理時間の短縮にもなるグリルを、普段の食事にもっと生かしてみませんか。
油を使わず、素材の本来のうまみがギュッと凝縮された、ふっくらジューシーな味わいにきっと満足できるでしょう。