電子レンジで食パンをトーストすると、なぜ時間がかかるの?

最近は、いろいろな機能の付いた便利な電子レンジが出回っています。

トースト機能が付いているのもその一つです。

ところが、電子レンジで食パンをトーストすると、とても時間がかかるんです。

そこで今回は、どうして時間がかかるのか、おいしく手早くトーストするにはどうしたらいいか、などを探っていきます。

パンを電子レンジでトーストすると、どうして時間がかかるの?

電子レンジでトーストする場合は、あたため機能ではなく、オーブン機能を使っています。

庫内を一定の温度にまで高めてから焼くので、広い庫内であればなおのこと、温度が上昇するまで時間がかかるのです。

最近主流の多機能型レンジでは、ターンテーブルがありません。

天板に食パンを入れてスイッチを押すと、熱源が上部にしかありませんから、片面が焼けるだけです。

両面焼くためには、裏表をひっくり返す必要があります。

庫内の温度を上げる時間+パンの表面を焼く時間+パンの裏面を焼く時間と、機種にもよりますが、10分~20分近くかかり、朝の忙しい時の戦力になりません。

1人暮らし向けの小型の電子レンジですとターンテーブル付きのものが多く、テーブルを外すと網になっています。

そこに食パンをのせて焼けば、一度に両面が焼ける仕組みとなっていて、天板型よりも短い時間で、なおかつおいしく仕上がるようです。

天板を使う多機能型の電子レンジは、一台でいろいろな料理が楽しめるのがメリットですが、トースター機能だけは家電店の人もおすすめしないようです。

おいしいトーストを時間をかけずに作りたいなら、少なくともファミリー向けの多機能型電子レンジはふさわしくないといえるでしょう。

トースト機能がついていない電子レンジでトーストはできるか?

電子レンジで食パンをトーストできるのは、機能の一つにトーストモードが付いている機種に限ります。

オーブンレンジであっても、トーストモードが搭載されていなければトーストはできないと思ってください。

現在販売されているファミリー向けの多機能型電子レンジには、意外にもトーストモードが搭載されていない機種が多くあります。

このタイプのレンジは庫内が大きく、温度が充分高くなるのに時間がかかります。

仮にオーブンでトーストしようとすると、余熱の過程でパンの水分が飛んでしまい、ただの乾燥したガビガビのパンにしかなりません。

電子レンジは電磁波で調理するため、食材の中の水分の温度を高めることで食材全体を加熱していくのですが、その温度はパンをトーストするのには足りません。

温度を上げていけば水分が蒸発し、パンが焼ける前に乾燥してしまうのです。

したがって、トーストモードが付いていない限り、電子レンジでトーストはできません。

しかも、トーストモードであっても時間がかかってしまうのです。

電子レンジでも時間をかけずに食パンをトーストできる方法はある?

食パンを電子レンジにかけようと思ったら、発想を変えてみましょう。

トースト機能を使うのではなく、普通のレンジ機能を使うのです。

水分が飛んで、乾燥するだけと思いきや、意外にも焼き立てパンのような、フワフワしたおいしいパンになるのです。

時間もトーストのようにかかりませんから、朝の忙しい時間帯におおいに助かります。

やり方はとても簡単です。

まず食パンをラップでくるみ、15~20秒チンするだけ。

フワフワの温かいパンにするには、この時間が大切。

チンする時間が長いと、水分が飛んでガビガビに硬くなるため、充分注意してください。

電子レンジにパンを入れてスイッチを押したら、その場を離れないのがコツでしょう。

出来あがりはトーストとだいぶ趣きが異なるため好みが分かれそうですが、ソフトな感触が好みのかたには向いているといえます。

また、このやり方ですと、保存のために冷凍しておいた食パンでもおいしくいただけます。

もっちりフワフワした食感は、とても冷凍していたパンとは思えない出来栄えです。

ぜひ一度、お試しください。

電子レンジ以外でトーストを短時間においしく作れるものは?

短時間でおいしいトーストが食べたいなら、狭い台所の場所をとったとしても、ぜひトースターの購入をおすすめします。

表裏両面を直接一気に焼くので温度が上がりやすく、早く焼きあがります。

しかもオーブントースターならピザトーストやチーズトーストはもちろん、お餅を焼いたり、焼き芋やホイル焼きもできるため、案外使えるのです。

値段も安く、機能が一つに特化されているためか耐久力があり、10年、20年ともちます。

トーストのための家電を考えるなら、トースト機能がついた電子レンジよりも、トースターの方がいいというわけです。

電子レンジは、一人暮らしの場合なら、あたため機能さえあれば大丈夫です。

家族で使う電子レンジは、オーブンレンジとして料理やお菓子作りに使いましょう。

機能が付いているとはいえ、電子レンジでトーストするのは、トースターを持っていない場合に限るのです。

トースターがなかったら!電子レンジ以外の調理器具で短時間にトーストする裏ワザ

朝食には食パンのトーストが欠かせませんよね。

しかし、電子レンジのトースト機能で焼こうとすると時間がかかりすぎます。

かといって、トースターもありません。

そんな時に、短時間でササッとトーストができる裏ワザをご紹介しましょう。

それは、魚焼きのグリルを使うこと。

ガスレンジをお持ちなら、魚焼き用のグリルがトースターとして使えるのです。

食パンを網の上に並べ、様子を見ながら2分くらい焼くと焦げ目ができます。

ひっくり返して1分くらいでもう片面が焼けます。

水を入れる必要もありません。

ただし、時間がたつほど高温になるため、ちょっと目を離すと真っ黒焦げになりますから、頻繁に様子をチェックするようにしてください。

直火なのでカリッと香ばしく焼けますよ。

魚の臭いが付くこともありません。

気になるかたは、網の上にアルミホイルを敷くといいでしょう。

チーズトーストもピザトーストも簡単にできます。

魚焼きグリルが無ければ、お餅を焼く焼き網でもできます。

焼き網を熱したら食パンを載せて焼くだけです。

忙しい朝には電子レンジのまだるっこしい加熱より、直接炎が見える直火のほうが、短時間で手早くおいしく焼けるのです。

これから家電を買うなら電子レンジかトースターか

トーストを作るなら、電子レンジよりトースターのほうをおすすめします。

しかし、これから家電を買おうとするなら、果たしてどちらを買った方が重宝するでしょうか。

考えるにあたっては、一人暮らしかファミリーかによっても異なります。

一人暮らしならば、どういったライフスタイルかを考えて選びましょう。

コンビニ弁当のあたためなどで、やはり電子レンジは必須です。

朝食もときどきは食べるが、簡単なトースト程度というのであれば、トースト機能のついた電子レンジがおすすめです。

一人暮らし向けのコンパクトなタイプなので、ターンテーブルを外せば、トーストも比較的短時間でできるはず。

あたため機能とレンジ加熱、トースト以外に使わないとすれば、値段もそれほどしません。

一台あれば普段の食生活がまかなえるでしょう。

ファミリーなら、電子レンジとオーブントースターの両方をおすすめします。

確かに場所はとるかもしれませんが、いざとなったら電子レンジの上にオーブントースターが置けます。

一度に複数の料理をこなす必要があるので、たとえば電子レンジであたためをしている時に、トースターでトーストが焼けます。

しかもオーブントースターならトーストの他にもいろいろ使えますから、一台持っておいても損はありません。

耐久力もありますから、長い年月もちます。

あまり料理をしないなら、電子レンジはあたためとレンジ加熱さえできるもので大丈夫です。

ある程度料理をする方なら、オーブンレンジタイプがおすすめです。

ぜひ、ご参考にしてみてください。

トーストはトースターに、それ以外は電子レンジで

いかがでしょうか。

電子レンジはもともと、食材を内部から外側に向かってあたためるものです。

一方、トーストは「焼く」料理です。

もともと火で表面を焼き付けることで、内部まで熱を行きわたらせています。

両者の熱の動き方は正反対といえるのです。

ですからトーストは、焼くことに特化した調理器具を使った方がおいしくできます。

電子レンジは、電子レンジでなければできない機能を大いに活用しましょう。