ダイエットを考えるときに、一番に気にするのがカロリーです。
しかし、カロリ―を減らせば痩せるのでしょうか?
カロリーが多いと太るといわれていますが、痩せの大食いというのもあります。
それでは、カロリーが多いと太るのは嘘なのでしょうか?
カロリーと太るという関係性について、お話します。
カロリーの摂りすぎが太るは嘘?
日本人に、必要な食事摂取基準というのが決められているのは、ご存知でしょうか。
エネルギーの必要量や指標というのが、決められています。
今、肥満による血圧や血糖値、脳の血管性の疾患や心臓の病気と、様々な生活習慣病が問題になっていますよね。
日本人の場合は、食事の欧米化によるカロリーの摂りすぎが原因といわれています。
生活習慣病の原因に肥満場あると、欧米では原因物質を取り除くために、様々な取り組みが行われています。
日本でも、肥満は生活習慣病の原因になるため、健康診断では身長と体重、腹囲の数値を見て、痩せることを勧められてしまうこともありますよね。
しかし、体重や腹囲に問題がなくても、血液がドロドロ、血糖値が高い、コレステロール値が高い人もいらっしゃいます。
こういった人は、カロリーを控えても、健康問題は解決しません。
太ることとカロリーの摂りすぎは無関係というわけではありませんが、必ずしもイコールの関係というわけではないというわけです。
カロリーの摂りすぎが太る、健康に悪いというのは、「嘘」と言ってしまうのは言い過ぎかもしれませんが、必ずしも原因はそれだけではないようです。
太ることを気にしすぎるために、逆に健康被害を起こしている人がいるのも事実なのです。
どうして太るとダメなのか、太っている基準は何かを、考えてみましょう。
肥満の基準とカロリー制限
健康診断の結果を見ると、BMI値という数値があります。
これは、自分の体重を身長の二乗で割って、100を掛けたものです。
体重(kg)÷×100
という式で計算します。
この数字が18歳から49歳までの場合は、18.5~24.9が、50歳~69歳までなら20~24.9が標準となっています。
しかし、これはあくまでも体重なので、40歳を超えると腹囲も測ります。
男性は84.9cm、女性は89.9cm以下なら問題ないといわれています。
この数値を超えると、肥満、太っていると判断されてしまうのです。
そのため、栄養指導が入り、太る原因になる糖質や脂質が多いものを避けて、摂取するカロリーを下げるように指導されます。
カロリーを下げるために控えるようにいわれているのが糖質ですが、脳は唯一糖質をエネルギーにしているため、適切な量を毎日摂る必要があります。
健康診断で指摘されている人は、本当に必要以上のカロリーを摂取している場合が多く、まずは食生活の改善と運動が必要です。
しかし、太っていると思い込んでいる女性の多くは適正体重で、気にしている人ほど、さほど気にする必要がない人です。
健康診断で指摘されていなくても、ダイエットをして痩せたいと望んでしまいます。
そのため、テレビや雑誌で話題のダイエットがあると、実践したくなりますよね。
テレビや雑誌、本で低糖質によるカロリー制限のダイエットを取り上げていますが、低糖質ダイエットは、痩せることは一過性で、むしろ糖尿病の原因になり危険です。
「糖質を下げて痩せる」は、嘘と言ってもいいです。
脂質も同じで、適度な脂質はコレステロール値のバランスに必要なだけでなく、女性ホルモンや骨芽細胞の原料になるため、抜け毛や骨粗鬆症予防には必要です。
明らかな肥満でない人が食事制限のダイエットをすると、健康被害を起こすことがあります。
その方が問題なのです。
適正体重内でも、もう少し体重を減らしたい場合には、食事制限よりも運動をすることをお勧めします。
嘘のカロリーオフダイエットは太る原因
人の脳には、満腹中枢と飢餓中枢というものがあります。
これは、血液中の糖、血糖値の量を脳に送ることで、空腹と満腹を知らせています。
朝ごはんを抜いてしまうと、血糖値が通常よりも下がり、昼食を取った後はその反動で血糖値は急激に上がります。
急激に血糖値が上がると危険なので、インスリンがそれを抑えるために、通常よりも多く分泌されてしまうのです。
インスリンがいつも以上に分泌されると、また急激に血糖値が下がってしまい、早く空腹になります。
ここで、間食に糖質の多いものを食べると夕食の時間は空腹を感じなくなり、寝る前に空腹になるということになります。
夜寝る前に何か食べ物をとると、食べた糖質を使い切らずに寝てしまいますので、余った糖質は脂肪になり、体に蓄えられてしまうのです。
それならと、夜食べる分のカロリーをオフにしてしまえば脂肪になる分も減らせると勘違いをしている人もいますが、これを続けているとインスリンを分泌する量も機能も低下します。
さらに筋肉が落ちて、体温が低下します。
筋肉の量が少ないと、体温も上がらず基礎代謝のカロリーも上がりません。
痩せていても筋肉の量が少ないということは、決して健康的に痩せているわけではないということです。
痩せたと喜んで、食事を通常の量にしたときに、体がカロリー過多と間違って、必要なカロリーをエネルギーにせずに脂肪にしてしまいます。
これがリバウンドです。
食事を抜いたり、カロリーの低い食事を続けていると、糖質を分解するインスリンの分泌量もバランスを失ってしまい、ほかの人よりも少なく食べているのに、太るということになってしまいます。
「カロリーオフにすれば痩せる」という、嘘の情報に振り回されるのは、身体の機能が低下し危険です。
高カロリーのチーズが太るは嘘
ピザにグラタン、パスタ、ポテトのチーズ焼きやチーズハンバーグにチーズケーキ。
カマンベールチーズにゴーダチーズ・モッツアレラチーズ・マスカルポーネ・チェダーチーズ。
餅に乗せたり、カレーに入れたりとバリエーションも多く、そのままで食べる人もたくさんいますよね。
チーズが大好きなのに、「カロリーの高さがダイエットの敵」と我慢してしまうことがありませんか。
チーズはダイエットの敵ではありません。
高カロリーのチーズは太るから、ダイエットの敵というのは嘘です。
むしろ、チーズは高たんぱく、高無機質、低GI食品でダイエットの味方です。
食品のカロリーは、食品に含まれる炭水化物と脂質、たんぱく質の量から導き出したカロリーの合計になります。
炭水化物(糖質)1g×4kcal、脂質1g×8kcal、たんぱく質1g×4kcalになり、その合計が食品のカロリーとなります。
チーズは、100g中の栄養素の1/4がタンパク質で、1/4が脂質のためカロリーは高くなりますが、炭水化物が1/20以下のため、糖質からのカロリーがほとんどありません。
そのため、カロリー値は100g中、300kcal~400kcalと高くなりますが、そのほとんどが筋肉や皮膚、血液の原料になりますので、余分な脂肪になりにくいのです。
GI値が低いので、食事の前にチーズを食べて満腹感を得ていると、ご飯やパンの食べ過ぎを防ぐことができると、いわれているくらいです。
チーズの中でも、カッテージチーズやリコッタは特にカロリーが低く、脂質も少なめです。
他のチーズに比べてレチノール(ビタミンA)やカリウムが多いので、血圧が気になる人向きのチーズです。
パルミジャーノレッジャーノは、チーズの中では脂質が多めでカロリーも高めになりますので、カロリーが気になるようであれば、エダムチーズに変えてみましょう。
パン食のときに、ジャムを塗る代わりにカッテージチーズを乗せて食べる方が糖質を減らし、ナトリウムとのバランスを取り、たんぱく質を摂ることができます。
ピザが太るというイメージが強いのは、チーズの乳脂肪というよりも、ピザの生地が小麦粉を原料とし、ほとんど糖質でできているからです。
チーズ好きな皆さん、チーズが太るは嘘です。
食前にチーズを一口つまんで、余分な糖質の吸収を防ぎましょう。
カロリーを摂り過ぎても太ることはないというのは嘘
カロリーを摂りすぎても太ることはない、という意見もありますが、それは嘘です。
やはりカロリーを摂りすぎれば、太ることは避けられません。
大切なのはカロリーの摂り方です。
チーズや乳製品、肉や魚のカロリーはたんぱく質の分のカロリーが多い分、カロリーが高くても太る心配はいりません。
しかし、肉の脂身には脂質がたくさん入っています。
飽和脂肪酸も多く、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が上がります。
肥満や生活習慣病の原因にもなります。
豚の角煮や、霜降り肉はとてもおいしいです。
しかし、摂りすぎた太る要因になるのは本当です。
同じカロリーでも、たんぱく質量が少なく、ほとんど炭水化物によるカロリーの穀物や砂糖の多い菓子類は、太る原因になります。
脳は炭水化物(糖質)のみをエネルギーにしていますので、1日に120gは必要です。
しかし、それ以上の量は、余分となり脂肪になります。
砂糖の1日にとっていい量は、10gで大さじ2/3です。
カップケーキや甘い炭酸飲料には、その何倍もの砂糖が含まれています。
同じ高カロリーでも、チーズや肉を食べるのと、炭酸飲料や菓子類を食べるのでは、カロリーの質が違うということです。
ケーキにドーナツ、ジュースでお腹いっぱいにしてしまうのは、一番太る原因です。
甘いものをたくさん食べてしまったら、しっかりと身体を動かして、余った脂肪を燃やしエネルギーに変えましょう。
脳をいっぱい使っても、糖質はエネルギーになりますが、そのときは一緒にビタミンB1、B2を多く含むものを摂るようにしましょう。
手軽の摂れるものなら、ナッツなどがいいですね。
カロリー補助食品なら太らないは嘘
人の習慣というものは、10代までにほとんど身につきます。
食習慣も同じです。
食べ物の好き嫌いも、10代の後半に大人の味覚に変わったときに、ほぼ決まってきます。
本当においしいものを食べて育った子どもは好き嫌いがなく、バランスの取れた食習慣が身についているので、カロリーの摂りすぎや、少なすぎによる肥満になることはありません。
子どもの味覚を決めるのは、家庭の料理です。
好き嫌いが少ない子どもは、外食でもバランスよく食べます。
小学校・中学校では学校給食があります。
学校給食は、1食280円ほどで管理栄養士が考えたバランスの取れた、おいしい献立を食べることができますよね。
昔はたくさん食べる子は太るというイメージがありましたが、たくさん食べても太らない子はたくさんいます。
学校給食はその年代に合った栄養素をすべて計算して提供していますので、正しく食べ続けることは、太ることにはならないです。
家に戻ってからの、スナック菓子やカップ麺を食べることが太る原因になっているのです。
さらに、夕飯の前に栄養補助食品を食べて塾へ行き、夜遅い時間に帰宅してから夕飯を食べる子どももいます。
中学受験が増えているのと同じで、食習慣に乱れがある子どもも増えているのです。
塾で脳を使いますので、たしかにカロリーは必要です。
しかし、栄養補助食品は、忙しくてどうしても食事ができないときのために作られているため、よりカロリーを吸収しやすくなっています。
保護者の中には、栄養補助食品なら太らない、バランスがいいと勘違いをしている人がいますが、それは嘘です。
夜遅く夕飯を食べることを考えると、それを習慣にしてしまうのは危険があります。
受験が終われば、夕食時間が早くなるといっても、進学すれば部活や通学で、やはり帰宅時間は遅くなります。
大学生になればアルバイトで、社会人になれば、ますます食習慣は乱れていきます。
成長期の子どもは、夜遅い時間に食べても太る心配がないこともあります。
しかし、栄養補助食品はあくまでも、臨時の栄養補給のためのものです。
面倒でも、野菜がたくさん入ったサンドイッチや、おにぎりを作って、それを軽食にして塾に行くような習慣にしましょう。
ただし、それを食習慣にしてしまうと、カロリー以前に太る原因となりますので、気を付けてください。
太る原因は食習慣の乱れ
痩せたい、太るのは嫌、どうしたらいいのか、と考えるとつい頼ってしまうのが、カロリーの量です。
しかし、一番の原因は食習慣の乱れです。
嘘のダイエット方法に振り回されることなく、正しい食習慣で、身体のリズムを整え、理想的で健康な身体を作りましょう。