朝食がごはん派の人は、毎日飲む味噌汁。
体に良いと言われている味噌汁ですが、塩分の量も気になるところです。
味噌汁に含まれる塩分について、おさらいしましょう。
毎日続ける味噌汁習慣のコツも、併せてご紹介しますよ。
味噌は塩分を含む発酵食品
「和食の汁物の定番」と言えば、味噌汁ですね。
近年では、発酵食ブームにより、気軽に毎日飲める味噌汁は再評価されています。
一方で、毎日飲むことに抵抗がある人もいます。
それは、塩分の量が多いと言われているからです。
そもそもなぜ、味噌汁には塩分が含まれるのでしょうか?
まず、味噌の作り方を見てみましょう。
味噌の原料は、大豆、麹、食塩です。
大豆の原型を留めていない見た目から、味噌の原料を知らない人もいます。
「原型を留めていない」
これが、発酵食品に共通する点です。
醤油や日本酒、甘酒これらもすべて発酵品です。
同じく、米や大豆の原型を留めていません。
熟成過程で、大豆の持つタンパク質などは分解されて液状化します。
熟成中の大豆の品質を保つために、食塩を大量に使うのです。
比率で言うと、大豆、麹各2:食塩1とかなりの量です。
大豆の半分の量をしめています。
次では、塩分の作用や量が多い理由をご説明していきます。
味噌の塩分が濃い理由
それではなぜ、味噌の塩分の量が多いのでしょうか?
人から聞くだけでなく、実際に自分でも味噌汁の濃さに気を配りませんか?
味噌汁が濃ければ、何となく汁を残してしまう、ということも一度は経験があることでしょう。
すでに皆さんもご存知の通り、味噌は発酵食品です。
発酵を繰り返して味噌を完成させるために、熟成します。
熟成とは、長い間寝かせることです。
熟成させている間に発酵もしますが、品質が劣化する恐れがあります。
つまり、「品質が劣化=カビや雑菌が生える」ということです。
そこで、味噌に食塩を入れて品質を安定させているのです。
塩には殺菌効果があるからです。
醤油もまた、塩分が濃いと言われるのも同じ理由です。
醤油も発酵食品であるからです。
しかし、甘酒も発酵食品ですが、塩分を使って発酵しません。
熟成が長くないので、発酵に塩を必要としないのです。
味噌や醤油は、少しの量を入れるだけで料理の味を引き締めます。
食塩がたくさん入った発酵食品だからです。
味噌汁の味付けをするときは、塩辛くならないように味見をしながら、量を調整しましょう。
味噌汁の塩分の適量とは?
味噌は塩分の量が多い、ということがわかりましたね。
味噌を使う料理は、塩分に気を付けた方がよさそうです。
例えば、味噌汁を作る時に、どうやって気を付ければよいのでしょうか?
いちばん簡単にできることは、味噌の適量を知ることです。
一般的には、味噌汁に入れる味噌の量は、一人分で大さじ1杯です。
グラムに換算すると、味噌の種類にもよりますが、20g前後です。
そして塩分量は、1杯当たり1.5gです。
こちらも味噌の種類によって多少違いはあります。
ただし、これは一般的な適正量です。
味噌の種類や味の好み、健康管理によって、人それぞれです。
まず、使ってみたい味噌、使った方がよい減塩味噌を買ってきましょう。
最初に大さじ1杯で作ってみて、次から量を調整します。
仮に、適量より少しは多くなってもかまいません。
味噌汁の塩分を調整する方法を、次項でご紹介しますね。
まず、毎日でも飲みたい味噌汁の味を決めましょう。
味噌で塩分量の少ない味噌汁を作る
おいしい味噌汁を作るためには、適量の味噌は必要です。
しかし、健康上の都合で、塩分を控えなくてはいけない人もいます。
前項でお話したように、味噌汁1杯の塩分の量は1.5gです。
塩分制限をされている方には、6gまでしか摂取できないというケースもあります。
味噌汁1杯に、3分の1も摂ってしまいます。
とはいえ、味噌汁は体によい発酵食品です。
1日1杯は飲みたいところです。
そんな方におすすめの味噌が、2種類あります。
ひとつめは、減塩味噌です。
その名の通り、一般的な味噌よりも塩分は控えめです。
発酵を促進する添加剤を使って、熟成期間を短くしたものです。
その分、食塩が少なくて済みます。
もうひとつは、白味噌です。
こちらも同じく、熟成期間が短いので塩が少ないです。
白味噌の熟成期間は短いです。
熟成が長いと、味噌を白く作れません。
なぜなら、味噌の色が褐色化する(茶色くなる)メイラード現象が起こるからです。
ただし、これらの味噌には注意点があります。
食塩量が少ない分、殺菌効果が限定的だからです。
賞味期限が一般的な味噌よりも短いです。
3ヶ月で使い切るサイズを選びましょう。
味噌以外で塩分量の少ない味噌汁を作る
次の塩分の量を減らす方法は、味噌を変える必要はありません。
どれでも好きな味噌で、味噌汁の塩分を減らせます。
それは、具材の選び方を工夫することです。
味噌汁の塩分の量を減らす具材のポイントは、3つあります。
●出汁をしっかりとる
おすすめはカツオ出汁です。
カツオ出汁は、動物性の食材の旨味を引き出します。
●水分の少ない具材にする
根菜は水分が少ないので、味がぼんやりしません。
さつまいもやごぼうを入れると、野菜の旨味も出て味噌汁の味がしまります。
逆に、豆腐やほうれん草などの水分が多い具は、味噌汁の味が薄まります。
一度に2種類以上入れないようにしましょう。
●味、旨味がある具材にする
きのこ類は出汁がでるのでおすすめです。
えのきはシャキシャキとして、しいたけはもっちりとした食感が楽しめます。
きのこは食感があるものが多く、食べ応えのある味噌汁が作れます。
いろいろな種類のきのこを入れれば、味噌の量を減らしておいしく作れます。
それから、味噌汁と言えば、豚汁ですよね。
豚汁であれば、1杯あたりの味噌は、大さじ2分の1でもよいほどです。
貝のお味噌汁もおすすめです。
アサリやシジミはサッと煮立たせるだけで、おいしい旨味がでます。
野菜のように、カットしなくてもいいのがよいですね。
インスタント味噌汁で塩分量を調整する
インスタントの味噌汁は、おいしくて便利ですよね。
ただ、やはり塩分の量が気になります。
商品裏面の栄養成分表示欄に、食塩相当量がのっています。
市販の味噌と変わらず、1.5gのものが多いですが、商品毎に多少の違いがあります。
ぜひ売場でチェックしてみて下さい。
近頃多いのは、減塩タイプのインスタント味噌汁です。
中でも「塩分量20%カット」が多いですね。
塩分控えめを希望の人は、減塩タイプを選びましょう。
減塩インスタント味噌汁の最もおすすめの具材は、シジミです。
シジミのエキスは体によくて、旨味もしっかりあります。
しっかりとした味なのに、飽きのこないおいしさです。
加えて、豆乳味噌スープはいかがですか?
お湯の代わりに、温めた豆乳をインスタント味噌汁に入れるだけです。
豆乳にコクがあるので、少ない塩分量でもしっかりと味があります。
豆乳は、味噌汁のような和風の汁物にピッタリです。
長ねぎなどの具にも合いますよ。
味噌汁の塩分量調整は少しの工夫だけで可能
このように、工夫次第で味噌汁の塩分の量は調整できます。
新しく調味料を買い揃えなくても、組み合わせを変えるだけでよいのです。
他の洋風スープでたくさんの栄養を摂るには、具材や調理に工夫が必要です。
味噌汁は、味噌自体が発酵食なので、効率的に栄養が摂れます。
ぜひ、今回ご紹介した方法を取り入れてみてください。